和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

あとがき。

2008-03-31 00:15:56 | いつもの日記。
というわけで、「電波塔建設中」の続編「アンテナ少女」でした。

はっきり言って、「電波塔建設中」の執筆中に「アンテナ少女」という
言葉が面白いなぁと思っただけです。
その割にネタを思いついて完成まで2ヶ月もかかっちまいましたが。
いや、受信→歌として発射、というトコロに行き着くまでが長くて。

しかし、今回は正直「アンテナ少女」以外に面白いところが見当たらない
ような気がします。
あ、でもラストは好き。何かいい感じに黒くて。
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「アンテナ少女」

2008-03-30 23:25:59 | 小説。
多分、僕が今この地下道で座り込んで呆けているのは――
目の前で歌い続ける少女のせいなのだ。

あの日。
僕は、会社へ向かうためいつものようにこの地下道を歩いていた。
嫌になるほどの人の群れ。
前だけを見つめる目。機械的なリズムの足取り。無言。
いつも通りのいつもの風景。
そんな中、僕は「異質」を見つけた。

――地下道の中ほどで、か細く歌う少女。

白い肌に、白いブラウス、白いスカート。
透明な歌声が、存在感の希薄な少女から流れ出していた。
歌詞は、分からない。日本語のようでもあるし、英語のようでもある。
音量も小さい上に、発音も今ひとつ明瞭ではなかった。
気になるが、今はそんな余裕はない。遅刻寸前のペースなのだ。
僕は、少女を無視して、いつも通りの速度で地下道を歩き抜けた。
その日、100名程度の我が社の社員が、同時に10名近く欠勤していた。

次の日も、その次の日も、少女は歌っていた。
足を止めたい誘惑を、僕は何度も振り切った。
僕には、ひとつ考えがあったのだ。
それを実行するまで、取り敢えず我慢しておくことにした。
僕の考え――それは至ってシンプル。
あの少女は、休日も歌っているだろうか?
次の休日、いつもなら昼前まで眠っているところを、無理に平日と同じ時間に起きて
地下道へと向かった。
これならば、足を止めようが全く問題はない。
僕は少し高揚していた。
咽喉に痞えたものを取り除ける感覚。
そして、あの少女と直接会話できるかもしれないという、少し不純な動機。
前日には社員の半数が欠勤していたことも、忘れ去っていた。

白い少女は、休日にも関わらず、歌っていた。
人は殆どいない。そんな中で、いつもと変わらず、歌い続けていた。
僕は、歌う少女の真向いの壁にもたれかかって、それを聞いた。
細く、薄く、儚い、不思議な歌だった。
やはり歌詞は分からない。そもそも、意味があるのかも分からなかった。
だけど、やはり――どうしても気になって仕方ない。
意識が、頭全部が、根こそぎ持っていかれるかのような魅力を感じた。
そんな不思議な感覚が、10分は続いただろうか。ようやく、歌は終わった。
少し間を空けて、僕はささやかに拍手を送る。
少女は――驚いたような瞳で、僕を見た。
拍手は、まずかった・・・のだろうか?
「あ、いや・・・お上手ですね?」
我ながら最悪な台詞だと思った。
「・・・ありがとう」
思ったより悪くない反応だった。機嫌を損ねてはいないらしい。
僕は、調子に乗ってもう少し踏み込んでみることにした。
「いつも、ここで歌ってるよね」
「・・・ええ」
「えーと・・・学校、とかは?」
ああ、何だこの台詞。最悪だ。僕の頭は最悪だ。
「行ってない。もう、やめた」
抑揚なく、少女は言った。またしても、機嫌を損ねることはなかったようだ。
と、いうか――この娘、感情が希薄すぎやしないか。
「やめた・・・何でまた?歌手志望とか?」
「いいえ」
そこで、少女は一瞬間を置いて・・・だけど視線を逸らすことなく言った。
「私は、アンテナだから」
・・・アンテナ?
何を言っているのか、分からなかった。
「アンテナ。受信機。そして、アンプでありスピーカー」
「うん、いや、ごめん。ますます、分からないや」
かくん、と首をかしげる。分からないことが分からない、と言うように。
「アンテナはアンテナ。電波を受信し、それを伝えるのが仕事」
・・・電波、と来たかこのヤロウ。
僕は軽く頭を抱えた。
しかし、そこでひとつ嫌なことに思い当たった。
「そういえば、少し前に日本のどこかに電波塔が建ったとか・・・」
「そう、そこから発信される電波を受信し、増幅し、歌として伝えているの」
嫌なビンゴだった。僕は続ける。
「伝える、って、誰に?」
「みんなに。ここは、たくさんの人が通るから。今日は少ないけれど」
そりゃ、休日は少ないわな。なんという融通の効かなさだ。
「っていうか――」
そして僕は、核心に触れる。
「その電波を受けて、君は、何を、伝えているの?」
「・・・あなたには、伝わらなかった?」
「ああ――まぁ、キレイな歌だなぁとは思ったけれど」
「私が受けた電波は、言葉にすればほんの僅か。だけど、伝えるのは困難。
 だから、直截的な言葉を避けて、歌として――時間をかけて、婉曲的に伝えてる」
それは、何だ。
国が造った、不思議な電波を発射する電波塔。
それが発するメッセージとは、何だ。
「言葉にすれば、本当に一言。それは――」

「みんな死ねばいいのに」

「――そんな。それは、それは・・・誰の願いだ」
「そんなのは知らない。私は、電波塔からの電波を、伝えているだけ」
「会社・・・うちの会社、最近欠勤者が多いんだ。それってまさか」
「そう、多分、私が伝えたから。きっと、どこかで、死んでいる」
死んでいる。
会社の約半数――50人近くが、1週間もしない間に。
そんなこと有り得ない、とは、僕には言えなかった。
その代わりに、何も言わず、ふわふわとした足取りで自宅へと帰っていった。

次の日――つまり、今日。
僕は無理をして、いつも通り会社へ向かった。
予想した通り、会社は閉まっていた。
みんな、もう死んでしまったのか。
何にしても、仕事をすることができる人間は僅かであるようだ。
僕は、地下道へと戻った。そして、いつも通りに歌い続ける少女の前に座り込む。
歌が終わって、今度は少女から声を掛けてきた。
「会社は、どう?」
「・・・誰も、いなかったよ」
「そう。上手く伝わっているようで安心した」
人間とも思えない発言は、多分、もうこの娘は人間じゃないからだ。
「なぁ」
僕は、ひとつ提案する。
「電波を受信してるってことは、例の電波塔と繋がってるってことだよな。
 じゃあ、コッチから電波塔を攻撃するってことは――できないのか」
少女は、目を逸らさない。眉のひとつも、動かさない。
「できない。私はただのアンテナ。こちらからハッキングの類はできない」
「双方向じゃないってことか」
「そう、一方通行」
参ったね、それは。
「もうひとつ。アンテナって、君の他にもいるの?」
「いる。たくさん」
「・・・そっか」
僕はそこで目を伏せる。
そして少女は、話は終わったとばかりに、再度歌い始めた。

人もまばらな地下道に、少女の細い歌が響き渡る。
意味も分からないその歌は――確実に、この場にいる人を狂わせるだろう。
そう、いずれは、僕も。
そして、こちらから電波塔へアクセスできない上に、アンテナがひとつでない以上――
僕に、できることは、もう何もない。
絶望した僕は、アンテナを破壊しようと握り締めた、鋭利なナイフを投げ捨てて。
壁を背に座り込んだまま、その魅惑的な破滅の歌に耳を傾けるのだった。
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混濁。

2008-03-29 23:48:57 | いつもの日記。
小説を書きたいけども時間がない。
――ということで、比較的短時間で書ける詩を書こう、と思ったのです。

が、全く書けない。

もう、テーマや雰囲気はもちろん、書き出しも駄目。
何にも浮かびません。

いや、多分どうでもいいものなら書けるんですよ。
手癖というか、技術で。
適当なテーマを設定して、それをこねくり回せば出来上がり。
伊達に10年以上もの書きやってません。ってか、もう14年か・・・。
でもね、そんなの書いても意味ないんです。
僕は、僕の中のドロっと濁った澱のような感情の塊を吐き出したいのです。
それが、上手く出てこない。吐き出せない感覚。

参ったなー。
不満がなくなったのかな、と思ったんですが1秒で否定しました。
んなわけあるかい。
ただ、それを上手く表に出せなくなったんでしょうね。
作り笑顔ばっかりしてるうちに、泣き顔を忘れてしまったような感じ。
ってことを詩にしようかと思ったんですけど既出です残念でした。
・・・うん、実に残念だ。

頭の中がぐちゃぐちゃで、整理がつきません。
こんな状態だから詩も書けないんだなぁ。
何か、疲れっぱなしです。悲しい限り。
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あ。

2008-03-29 00:32:02 | いつもの日記。
しまった。

ムックにかまけてGARNET CROWのニューアルバム買ってたことを忘れてた。

2週間くらい前に買ったんですけどね。
コッチは正直微妙だったので・・・。
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聞き込んでます。

2008-03-29 00:27:52 | いつもの日記。
先日買ったムックの「志恩」ですが、やっぱ良いです。
もう楽しくて仕方ない。

特に、「ゲーム」「アンジャベル」「小さな窓」「空忘れ」辺りがツボ。
で、「梟の揺り篭」「塗り潰すなら臙脂」「蝉時雨」「志恩」辺りが
ツボじゃないのに意外な心地良さでびっくり。
従って、シングル以外ほぼ全部が聞き所という感じです。
いや、シングルが嫌いなわけじゃなくてね。単に、既に聞き込んでるから。
・・・あ。「シヴァ」が挙がってないな。

まぁ、あれはいいや。どうでも。

そんなわけで、ムックのニューアルバムはトテモ楽しいです。
本当はもっと濃い話を繰り広げたいところですが、ウチの客層的に
誰もついてこないのは明白なので自粛します。
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ただ働き。

2008-03-27 18:00:39 | いつもの日記。
今から自社へ戻ります。
新しい自社サブプロジェクトのためです。
しかし、このプロジェクト、お金になりません。
売るための商品を作るためのものではないからです。

従って、僕らはただ働きです。

残業代がー!メインの仕事の進捗がー!
ろくなことないです。
ああ、そうです。部活です。そんなニュアンス。
ま、楽しければ問題無しってことで。
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問題作。

2008-03-26 08:37:54 | いつもの日記。
ムックのニューアルバム「志恩」が、実に問題作だと思います。
よく言えば、進化の底が見えない。
悪く言えば、変わりすぎてついていけない。
それくらいのインパクトです。

従来のムックといえば、激しいロックサウンドに歌謡メロディを乗せた曲が特徴でした。
しかし、今回は歌謡メロディが薄くなり、難解な仕上がりになっています。
全体的なサウンドも、激しさはそのままに新たな一面を押し出しており、
ファンとしてもびっくりなのではないでしょうか。

個人的には、実に楽しくて大好きです。
でも、後期ラピュータを思わせる変化っぷりを感じるのも事実。
解散も近いのかな、などと考えてしまいます。
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酔いました。

2008-03-24 01:16:52 | いつもの日記。
SAW4をレンタルしてきました。

画面がでかすぎて酔いました。

いや、もしかしたらキレイな映像でグロい描写を見たせいかも。
アレくらいでグロいとか言うなとか言うな。
僕には十分グロいんです。

あー、内容的には、実に微妙?
面白くないわけじゃないですけど・・・3が良かったからなぁ。
やっぱり、あそこで終わっとけば良かったんだよ畜生。
という感じでした。
なんかなぁ。完全に蛇足だと思いますよ・・・。
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世界樹2覚書3。

2008-03-22 16:42:20 | いつもの日記。
四人目:アナスタシア(女)
ガンナー。名前は、なんかどっかで聞いた音というそれだけ。
一発の威力より、精度を重視する職人気質。
無口で淡々と仕事をこなす様は、実に職人。
感情の起伏が乏しく、怒ってるのか笑ってるのか分からない。
TECブーストと、属性攻撃を中心に戦う。あと、異常回復も欲しい。

五人目:ユウ(男)
アルケミスト。僕はゲームに自分の名前を入力するタイプだ!
というわけで、黒い錬金術師。
「死ねばいいのに。」が口癖。困ったやつ。
得意属性は氷。というか、完全氷特化型。
他の属性は・・・当面無視。そのうち思い出したみたいに火でも。


とまぁ、こんな感じです。
プレイ時間が限られているので、度々読み返して思い出さなきゃ。
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P4。

2008-03-22 00:46:59 | いつもの日記。
仕事中、のだっちからメールが届く。

「ペルソナ4、7/10発売予定」

・・・マジでか!!
ということで、詳細を調べに本屋へ。
で、ファミ通を立ち読みしようとしてみると、何かDVD付いてる。
ペルソナ4情報らしい。

はい、お買い上げ。

ファミ通買ったのって1年振りとかですよ。
いやー、ペルソナ4なら仕方ねぇ。
つか、相変わらずペルソナは僕のツボを突きまくりです。
今回もカッコいいったらないわ。
そんなわけで、今から楽しみで仕方がないのです。
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