共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

充実の展示

2014年10月31日 23時07分39秒 | 日記
今日は風邪も一段落ついたので、以前から予定していた通り上野の東京国立博物館に出掛けました。ここでは今《日本国宝展》が開催されています。

《日本国宝展》という展覧会は1990年にも開催され、当時大学生だった私は芸術特別研究という単位の提出レポートの対象展でもあったため、240分待ちという気の遠くなるような待ち時間を耐え抜いて観賞した覚えがあります。今回もそういった経験や、《台北胡宮博物院展》で『翠玉白菜』ひとつに180分並んだ経験から、気合いを入れてかからねば!と意気込んで午前中から出掛けることにしました。

決戦の地に降り立ち、いざ鎌倉!…じゃなくて、いざ東博!とばかりに上野公園を突っ切りました。信号を渡ってチケットを見せて構内に入ると、大行列が…って、あれ?何だか敷地内には特にこれといった行列もなく、えらく穏やかな光景が広がっているではありませんか。

しかし油断は禁物、会場は本館の隣にある平成館という建物ですから、そこの前には行列が…ない。あれ?おかしいなぁ。《日本国宝展》ですよ、こんなに空いてていいのぉ?

まあでも、会場であるところの平成館の中には行列がトグロを巻いているに違いない、いざ!…と思ったらここにも行列は出来ておらず、そのままチケットを切られて、至極スムーズに入場することが出来てしまいました。いや、いいんですけど、何かちょっと肩透かし…。

国宝展と銘打つように、展示品全てが日本国の宝である国宝がズラリと並んでいます。会場に入って先ず目に飛び込んでくるのが、法隆寺に伝わる《玉虫厨子》です。これは日本史の教科書に必ず写真が載っているので、御存知の方も多いかと思います。そこから始まって、漆工・金工・仏教美術・神道美術・書画・墨跡・障壁画といった数々の日本を代表する名品が居並んでいて、圧巻の光景でした。

また今回は江戸時代に伊達政宗の名を受けてスペインに渡った支倉常長の肖像画や、琉球尚王家に伝わる紅型(びんがた)の小袖といった、珍しい国宝も陳列されていました。

そして天皇皇后両陛下傘寿祝賀記念として、奈良・東大寺正倉院に伝わる『正倉院御物(しょうそういんぎょもつ)』も会期前半に限って特別出品されていて、有名な《鳥毛立女図屏風》を始め、大仏開眼に関係した道具や、螺鈿で飾られた美しい琵琶等の貴重な名宝を間近に観賞することが出来ました。

極めつけだったのが最後の展示室で、法隆寺金堂の四天王のひとつの広目天像や京都・大原三千院の《阿弥陀三尊座像》の脇侍の観音・勢至両菩薩像といった日本国宝を代表するような仏像群と、奈良・元興寺(がんごうじ)所蔵の、奈良時代に制作された塔建築唯一の遺構《五重小塔》が一堂に展示されていました。この一部屋を見ただけでも、その存在感の大きさに圧倒されます。

今日は思いの外落ち着いて観賞することが出来ましたが、会期末に近づくにつれて混雑が予想されます。また、会期中頃の一週間だけ教科書で有名な《金印》が出品されたり、一部の展示品の入れ替えもあったりするため、お出かけになる際には東京国立博物館のHPをチェックされることをお勧めします。ただ、これだけの名宝が一堂に会するチャンスは滅多にありませんので、是非足を運んで日本の高水準の文化財の数々を堪能して頂きたいと思います。
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『優先席』とは

2014年10月30日 18時10分50秒 | 日記
先にお断りしておきます。

①以下のお話は紛れもない実話です。
②ちょっと長くなります。

以上を踏まえた上で御覧下さい。

昨日の風邪がまだ後を引いてしまっていて何だかボンヤリするので、ここは大人しく病院のお世話になろうと諦めてバスで病院に向かうことにしました。その際、転んでからだいぶ日も経って落ち着いてきているので必要無いといえば無いのですが、していると楽なので、ヒビ割れ治療中の左膝にサポーターを巻いて出掛けました。これが後に意味を持つことになろうとは、この時には想像すらしませんでした。

バスに乗り込むと、空いていた優先席に腰掛けました。まだ何となく足を引きずってしまう私にしてみたら、申し訳ないのですが横座りのこの席が結構楽なのです。

それからしばらく進んだバス停で、見た目還暦過ぎくらい、バラの花柄の上っ張りを羽織って、本物だったらいくらするんだろうと思うようなトパーズっぽい巨大な石のついた指輪をした、一頃韓国スターに入れあげていたような風貌のド派手な恰幅のいいヲバチャンが、太った人特有の外股歩きでドカドカと乗り込んできました。その頃には席が埋まっていて空席は無かったのですが、軽く車内をキョロキョロ見回したヲバチャンは私の前に立って吊り革につかまりました。

それから程なく、何だか私の膝に何かがコツンと当たったので何だろう?と思ったら、前に立ったヲバチャンの膝が当たっているのです。最初は揺れで当たっているのかと思ったのですが、どうも真っ直ぐな道を走行している時でも当たってくるので『何?ちょっと…』と思っていました。すると、頭の上の方から何やらブツブツ聞こえるので何かと思って耳を澄ませてみたら、盛んに私に「ちょっと…ちょっと!」と囁きかけていたのです。

「何ですか?」と聞いてみたら、そのヲバチャンが言ったことには「アンタ、自分が何処にエラそうに座ってるか分かってるの?そこ優先席よ。優先席ってどういう席だか知らないようだからアタシが教えてあげるけど、そこは年配の人や体の不自由な人に座る権利のあるトコなのよ。」というのです。

「存じております。それが何か?」と返事をしたら「しらばっくれてるんじゃないわよ!いいからそこを退きなさいよっ!」と言うので「ああ、要するに『自分は年寄りでしんどいから座らせい』ということですか?」と聞き返しました。すると

「ハッ!全く近頃の若いばっかりの人らはみんなこうなんだから…。アンタ達は親から『目上を敬う』とか『恥じらう』ってものを教わってこなかったの?どこの馬の骨だか知らないけど、とんだお田舎者と出くわしちゃったわね、マッタク!いい?百歩譲ってアンタが怪我か何かしてるんだったら話は別だけど、そうでもなさそうだから、今すぐそこをお退きっ!!!!」

とまあ、昨今のワイドショーの嫁姑戦争の再現VTRでも言わなそうな剣幕で、畳み掛けるように捲くし立ててきたのです。

しかし…ヲバチャンのこの不用意な一言をきっかけにして、事態は大きく転換していくこととなります。

ここですかさず「そうですか。それなら、現在膝の骨にヒビが入って治療中の私は、この優先席マークの一番右にある負傷者に相当するわけですよね」と言って、ズボンを捲り上げて膝に巻いたサポーターを披露しました。その途端、今まであんなに意気軒昂だったヲバチャンが「ウッ…」と言葉を飲み込んだのです。ハイこれで雌雄は決しました。

…と、ここまでなら今までにも似たようなことがありましたので、特別どうこう書き連ねる必要もないかと思うのですが、今回は続きがあります。


ヲバチャンが言葉を飲み込んだ次の瞬間、隣の隣の優先席に座っていた白髪の老紳士が「そこの貴女」と重い口を開きました。

「何よ、関係ない人は黙ってなさいよ!」とスゴむヲバチャンの対してその老紳士は

「私はほぼ毎日この系統のバスに乗っておるんだが、貴女もほぼ毎日同じバスに乗って、そこに座っている若い人に頭ごなしに怒鳴りつけては、無理矢理席を強奪しておるだろう。貴女は確かに若くはないから、そこに優先的に座ることができると思っているだろうが、優先席というものは我々年寄りだけのものではない。小さな子連れ、妊婦、怪我人や身体障害者にも、貴女の言い方によれば『座る権利』がある。ところが貴女は自分のことだけに話を終始して、一昨日には若い妊婦さんに難癖をつけて立たせたでしょう。あの人にだって『座る権利』は十分にあった。それを貴女は奪ったのだ。」

と言い放ったのです。

「何よ、私が若い頃に妊娠していた時にはちゃんと立っていられたものよ。だいたい今時の妊婦なんて弱っちくてイヤだわ。」

とヲバチャンがうそぶくと、私の横に座っていた妊婦マークをカバンにつけた女性が

「弱っちいって分かってるんなら、かえって座らせてあげればいいんじゃないんですか?それだけ元気にベラベラ捲くし立てられるんだったら、私たちなんかよりよっぽど基礎体力が有り余ってるでしょうから!」

そうしたら更に、ヲバチャンの横に立っていた女性も

「うちも小さい子供が座っていたのを、貴女に無理矢理退かされたことがあるんですけど、覚えてます?あの時、娘はバスに酔って具合が悪かったのに、貴女は『母親が抱きかかえたら済むことでしょ?!』って言って、片手が塞がっている私に娘を押し付けて座ったんですよ!」

と、立て続けに私の周りの人達が、次々にヲバチャンを糾弾し始めたではありませんか。

私はもう、ただただ唖然として見ているだけでした。このヲバチャン、たった一人でこれだけの人を敵に回していたのかと…。そして極めつけは、

「貴女にだって花も恥らう乙女の頃があっただろうに、どこにその純粋さを置き忘れておいでになったのかな?」

という、先の老紳士の刺すようなトドメの一言でした。

ヲバチャンは、自分が予想だにしなかった(私だって予想だにしなかった)事の顛末に身を震わせていましたが、混み合ったバスに中で出るに出られず、ピンポン♪を押したところで次が終点だったため、それまでバスが止まろうはずもなく、ただただ顔を真っ赤にして下を向きながら、時折車内に聞こえるヒソヒソ話やクスクス笑う声に耐え続けていました。そしてバスセンターに着くやいなや、ものすごい勢いでバスを降りよう…としたのですが、何しろ混み合っていたためそれも叶わず、粛々と人の流れに乗って出口まで進んでいき、降り際に運転手に「ちょっと!お客様がひどい目に遭ってるんだから何とかしなさいよ!職務怠慢よっ!!!」と、ものすごい剣幕で八つ当たりして出て行きました。私はゆっくりと降りようとして座ったままでいたら、件の老紳士に「お大事に…」と声をかけられたので「どうも…」とだけ答えておきました。


『事実は小説より奇なり』と言いますが、人知れず恨みを買っていたことを認識させられたヲバチャンは、さぞかし怖かっただろうなぁと思いました。そして、後で思い返すと何だか《世にも奇妙な物語》にでも出てきそうな特異なシチュエーションだったなぁと、背筋がうすら寒くなるような心持になったりもしたのでありました…。
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寝冷えと風邪とバッハ=ブラームス

2014年10月29日 19時40分25秒 | 日記
今朝、寒くて目が覚めたら何だかものすごく咽喉が痛くて、咳払いしたみたら「…あれ?声がガラガラ…」はい、昨日からの気温差についていけず、寝ている間に風邪ひきました。

あ~あ、今日せっかく何にもない日だったから、『不思議の国のアリス』のティーパーティよろしく何でもない日を祝いたかったのに…などとくだらない事だけは一人前に頭に浮かびつつ、とりあえず残りご飯でお粥さんを炊いて胃に流し込んでから薬を飲んで、布団にひっ包まって終日寝ていることにしました。

しばらく寝入ってしまい、変な時間に目覚めてしまったのはいいのですが、平日の昼間のテレビというものはかくも下らないものかと思うようなものしかやっていなくて、結局テレビを消して音楽を聴き始めました。

こういう秋の夜長にはやはりバッハが沁みてきます。特に今日聴いた中で久しぶりにCDを引っ張り出して聴いていたのが、舘野泉さんのピアノによるバッハの《シャコンヌ》です。クラシックをよく聴かれる方はご存知のように、この《シャコンヌ》はバッハの《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調》の最終楽章として書かれた変奏曲で、この1曲だけで15分を超えるくらいの演奏時間のかかる大曲です。それだけに、勿論オリジナルはヴァイオリンですが、その域を出て様々な楽器のバージョンに編曲されてもいます。

ピアノへのアレンジとしてはイタリアの作曲家ブゾーニによるものが一番有名ですが、個人的に好きなのがブラームスによるものです。この編曲、実は左手のみで演奏するように書かれているというかなり個性的なものなのですが、それがかえって、オリジナルのバージョンのアルペジオ(分散和音)の感じや低音の響きの深さを効果的に表しているのです。かつて、ブラームスの友人で指揮者のハンス・フォン・ビューローが『ドイツ3大B…バッハ・ベートーヴェン・ブラームス』と称えた中の二人が、100年の時を越えてコラボレーションした隠れた名品です。

舘野さんの動画はありませんでしたが、演奏とシンクロして楽譜が出てくるものがありましたので転載してみました。秋の夜長に、あまりキラキラしない、どちらかというと渋いピアノの音色をお楽しみ頂ければと思います。

さて、私は今日はこれで休ませて頂きます。御免下さいませ…。

Bach - Brahms Chaconne (Violin Partita - V) No. 2 in D minor, BWV 1004: arranged for piano left hand
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秋パフェ

2014年10月28日 21時15分56秒 | 日記
教室の空き時間に小腹が減ったので、会場の隣にあるデニーズに入りました。そんなにガッツリ食べなくてもいいかな…と思いながらメニューをペラペラめくっていたら、やはり最後のページが気になって見てみました。

そして決定したのが《モンブランパフェ》です。チョコレートアイスにチョコレートプリンまで乗っかったパフェの頂上にモンブランペーストと栗の甘露煮が乗った、正に秋にぴったりのパフェです。コーヒーとの相性もなかなかのものでした。

実りの秋はいろんなものが美味しくて、幸せな気持ちにさせられますね。
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可憐

2014年10月28日 19時05分48秒 | 日記
今日は昨日から一転して最高気温が20℃を上回らず、何とも肌寒い日となりました。

近所の御社の境内にある山茶花の花が、いつの間にか花を咲かせていました。ここの山茶花はみんな白地にほんのりとした薄紅色の縁取りのある種類で、花もどちらかというと小振りなものなので、何とも可憐です。

この花が咲いたということは、冬が近づいているということでもあろうかと思います。そういえば、この週末で11月、神無月も終わりを迎えますね。
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初めて知りました…

2014年10月27日 23時54分09秒 | 日記
今日の厚木の最高気温は25℃…夏日かよっ!ということで、折角しまい込んだ半袖を引っ張り出して出掛けました。巷にも半袖半パンが闊歩していて、とても週末に11月を迎えるとは思えません。

それでも、小田原に着いて教室を済ませ、後片付けをして外へ出たら…あれ?何か空気が急激に冷えてきたような…。と、ここで突然あるものの画像が頭に浮かんでどうしても食べたくなったので、そこから程近くにある『らーめん宿場町』に向かいました。

昔地下の映画館だったところを改装して横浜にあるラーメン博物館のミニチュア版のようなプチ町並み空間が作られ、4軒のラーメン店が並んでいるのですが、その中にある北海道味噌ラーメン《ひぐま軒》に入りました。お目当てはこの『味噌つけめん』です。キャベツ、モヤシ、人参、青葱等がたっぷり入った炒め野菜の出汁の効いた味噌スープは、こういう日には最高です。

ところで、こういうつけめんにささっているチャーシューって、スープが熱いうちにスプーンに沈めて柔らかくして食べるものだということを、今日やっと理解しました。今まで『何だかエラく硬いチャーシューだなぁ』と思いながら、いきなりかぶりついていたもので…。
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名曲コンサート

2014年10月26日 21時37分40秒 | 日記
日本橋から東京駅に移動してきました。本来は別に何の用事もなかったのですが、ちょっと気が向いて丸の内口北側にある東京中央郵便局KITTEに足を運んでみました。

中に入ったら、ショッピングビル部の中央吹き抜けに舞台が組まれていて、何やら譜面台と楽譜が並べられていました。何だろうと思ったら、石川県金沢市を拠点とするオーケストラアンサンブル金沢のメンバーによるコンサートが開演する直前でした。何でも、来年3月14日に北陸新幹線が開業し、東京⇔金沢間を直通運転することのPRのためのイベントだということでした。

1階部分はかなりの人で埋め尽くされてしまっていたので、急いで2階に上がりました。そうしたら、ちょうど舞台真正面にあたるところにたまたま誰もいなかったので、これ幸いと陣取ることにしました。

やがて司会者によってイベントの主旨が説明され、指揮者の金聖響氏が登場しました。曲目は

◎ベートーヴェン バレエ音楽《プロメテウスの創造物》序曲

◎モーツァルト ディヴェルティメント ヘ長調 K.138

◎モーツァルト 交響曲第40番 ト短調より 第1楽章

◎ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調より 第1、第4楽章

といった耳馴染みの曲が演奏され、終演後、居合わせた観客から大きな拍手が贈られました。

今回のオーケストラのセッティングは、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンとが指揮者を挟んで向かい合う『対向配置』というものでした。特に古典派のハイドン辺りからメンデルスゾーンぐらいにかけての作曲家の作品を演奏する際に効果的な音響を得られる配置なのですが、何故か日本のオーケストラではなかなか取り入れられにくいものとなっています。しかし、今回こうして対向配置でモーツァルトやベートーヴェンを聴いてみるに、やはりこの配置は意味を成すなぁということを再認識したのでした。
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じれったい…

2014年10月26日 20時33分35秒 | 日記
福徳祭にはいろんな屋台が軒を連ねていましたが、鳥居の前では餅搗きが行われていました。搗いた餅はその場で磯辺焼きにされ、販売されていました。

ただ、だいぶ量を搗いたのかも知れませんが、臼や杵が餅でベタベタになってしまっていて、搗き手の人達がものすごく搗きにくそうにしていたのです。一応臼の向こう側にこねどり役の女性がしゃがんで杓文字を持って待機してはいるのですが、何にもしないでただ座っているだけなものですから、事態が一向に好転しないのです。こういう場合にはこねどりさんが手際よく杵についた餅をこそぎ落としてあげなければいけないのですが…。

昔、実家で毎年餅搗きをしていた者としては何とも気になって仕方なかったのですが、だからといって出しゃばって行くわけにもいかず、何とも複雑な心境で見守っていたのでありました。お疲れ様…。
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社新たに

2014年10月26日 19時58分32秒 | 日記
高島屋から三越前に移動してきました。あまり知られていませんが、ここに《福徳神社》という稲荷神社が坐します。

小さいながらも歴史は古く、清和天皇の貞観年間(859~876年)にはこの辺りの地に鎮座坐していたと言われています。その後、江戸時代に入ると『徳川に福をもたらす神社』として家康を始めとした将軍も参詣していたようです。特に2代将軍徳川秀忠が参詣の折、クヌギの木で造られた鳥居に若芽が芽吹いたところから《芽吹稲荷》の別称が与えられ、今日までその別名で親しまれています。

またこの神社は、富籤(とみくじ)興行が幕府から公認された数少ない神社のひとつとして、水野忠邦による天保の改革によって中止に追い込まれるまで江戸庶民に広く知れ渡っていたようです。水野の失脚後に再興され、明治に入って村社の社格を得て今日に伝えられています。

日本橋地区の再開発に伴ってあちこちと移転を余儀なくされていましたが、この度めでたくコレド室町に隣接する一角に社域を設け、新たに御社が造営されました。そして、先日22日に御遷坐祭が執り行われたということで、近くに来ていたこともあってお詣りに伺ったわけです。

それほど大きくない御社には物凄い人数の参拝客が列を成していました。ちょうど御遷坐を祝して、近隣の商店会による『福徳祭』も開催され、様々な露店が立ち並んだ界隈は大いに賑わっていました。

さて、ここでお詣りしたら、少しはクジ運も良くなる…でしょうか?
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傘寿の賀

2014年10月26日 19時42分22秒 | 日記
今日は《特別展・天皇皇后両陛下の80年》を観るために、日本橋高島屋にきました。先日、皇后陛下が一足早く傘寿を迎えられ、12月には今上陛下も傘寿を迎えられることを記念した催しです。

入場無料の催しとあってか、8階の催事場に入るまでに何と2時間待ち!それでも、やっと入った会場内には、両陛下の御成婚から今日に至るまでの様々な歩みが写真で紹介され、各国要人からの贈り物や宮中祭祀に使用される調度品といったゆかりの品々も展示されていました。

様々な展示品の中でも、とりわけ人々の注目を集めていたのが、1階中央階段前に置かれたアップライトピアノとハープです。ピアノは今上陛下が昭和27年に立太子された折にヤマハから贈られたもので、譜面台部分にはさやえんどうの金蒔絵が施されています。ハープは大正15年に皇室に買い上げられ、皇后陛下が演奏されていたものだそうです。会場内には在りし日のフルートの吉田雅夫氏やチェロの青木十良氏、またウィーンフィルのメンバーと合奏される皇后陛下のお写真も展示されていましたが、音楽にも造詣の深い両陛下ならではの展示品です。

写真では分かりにくいのですが、ハープの手前の譜面台には楽譜が乗っています。何だろうと思ったら、何とモーツァルトの《フルートとハープのための協奏曲》のソロハープのパート譜が置かれていました!実は皇后陛下のハープの腕前、なかなかのものと見ました。

御高齢にもかかわらず、今でも国民の安寧を祈っておられるという両陛下には、幾久しくお健やかにお過ごし頂きたいと思います。

この展示会は明日まで開かれています。
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$1、000、000の夜景

2014年10月25日 20時22分13秒 | 日記
横浜美術館を出てあれやこれやしていたら、すっかり辺りは暗くなっていました。秋の日は釣瓶落としとは、よく言ったものです。

桜木町駅へ向かう動く歩道からみなとみらいを見てみたら、何とも美しい夜景が広がっていました。手前に日本丸、その向こうにコスモワールドの観覧車、右側にはワールドポーターズの明かりが光り輝き、その前の入り江には水上バスが浮かぶ、画面には写っていませんが、左側を仰ぎ見ればランドマークタワーやクイーンズスクエアの明かりが煌めく…昼間の景色とのギャップが凄すぎて、まるで魔法でもかけたかのようです。

函館・神戸・長崎がいわゆる『日本三大夜景』と言われていますが、なかなかどうして、横浜の夜景も天下一品です。
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スゴいオブジェ!

2014年10月25日 18時01分17秒 | 日記
今日はまた、10月末とも思えないような麗らかな日和となりました。日中は若干暑いくらいにまで気温が上昇し、Tシャツ半ズボンで駆け回っている男の子達も多く見受けられました。

そんな陽気の中、今日は横浜美術館で開催されている《ヨコハマトリエンナーレ2014》という展覧会に出掛けました。現代アートの展覧会にはそんなに興味もないのですが、チケットをタダで頂いてしまったものですから、折角の機会にということで…(^^ゞ。

会場の入口に辿り着いて先ずめ目に飛び込んで来たのが、ヴィム・デルボア作の《低床トレーラー》という作品です。オーストラリアの美術館に展示されているものだということでした。

いわゆる車両等を運搬する牽引トレーラーの形なのですが、レーザー光線でカットしたコルテン鋼板で出来ています。ただよく見ると、全体はまるでゴシック建築の教会のような細かな細工の連続で構成されています。バックミラーには尖塔のような飾りが着いていますし、タイヤはまるで教会のバラ窓のようです。ドアや荷台に相当する部分には全てゴシックボタニカル調の唐草模様が連続して出来ています。

全体は錆びた鉄のはずなのに、何故か古建築のようにも見える、何とも不思議なオブジェです。
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ちょっと寄ってみた

2014年10月25日 17時59分52秒 | 日記
先程よりも、ちょっと近寄ってみました。かなり細かな意匠が凝らされているのがお分かり頂けるでしょうか。

実物のトレーラーと同じ大きさのものだけに、道行く人達が立ち止まっては、盛んに写真に収めていました。
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角度を変えると

2014年10月25日 17時57分44秒 | 日記
運転台に相当する部分に、更に近寄って写してみました。

ドーム状の天井の連なりやステンドグラスを嵌め込めそうな窓枠、そしてゴシック建築特有の尖塔…ここだけ切り取って見ると、何だかランドマークタワーの近くにスケルトンの大聖堂が出来たみたいに見えませんか?

ちょうどこれに近い構図の写真が相鉄線の車内モニターに映し出されていたのですが、一瞬ものすごく大きな建物があるかのように錯覚しました。なかなか面白い構図だと思います。
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ゴミ箱っ!

2014年10月25日 17時56分00秒 | 日記
横浜美術館の館内に入ると、エントランスホールに巨大なアクリルのオブジェがドン!と設置されています。

これはマイケル・ランディ作《アート・ビン(芸術のためのゴミ箱)》という作品です。『創造的失敗のためのモニュメント』という副題が示すようにこれは巨大なゴミ箱で、中にはいろんな作家達の制作過程で発生した失敗作や消し去ってしまいたい過去の作品群が『ゴミ』として無造作に投げ込まれています。

ちょうど撮影時には『ゴミ』を投げ入れるパフォーマンスが行われていました。画面右側にある階段にいる人達が次々と『ゴミ』を投げ入れて、全員が投入し終えると場内は大きな拍手に包まれました。この展覧会は11月3日まで開催されているのですが、その頃には一体どのくらいの『ゴミ』が貯まることになるのでしょうか…?

この他にも会場内には、豚ちゃんが胴体の途中から生ハムスライスになっている妙にリアルな彫刻があったり、やたら巨大なカラスのオブジェがあったりといった、かなりシュールな世界が繰り広げられていました。もし、こういったシュールでエッジの効いた美術に興味のある方は、足を運んでみては如何でしょうか。
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