共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

サイレンの意味とは…

2022年02月28日 18時18分18秒 | 日記
今日も日中は春のような暖かさとなりました。上着を着ないで外を歩いてみても、十分過ごせるくらいでした。

その時、けたたましい救急車のサイレンがどこからか聞こえてきました。見ると駅前の信号に救急車が進入してくるところで、

「救急車が通ります。進路を譲ってください。」

というアナウンスがありました。

ところが救急車が進んでいる目の前を、一般車両が2台もガン無視して横切っていったのです。歩道に立っていた人たちの殆どが驚いて見ている前を何事も無かったのように悠々と走り去っていく車の運転席を見ると、1台は白髪のBBAでもう1台はハゲ頭のJJYでした。

はじめ車が横切った時、頭真っ金金のDQNでも運転しているのかと思っていました。しかし実際には、明日にでも己が救急車の世話になりそうな年寄りが進路妨害をしてのけたのだから呆れて物が言えません。

私は普段から、年長者に過度な期待をしていない人間です。しかし、親子連れもいる駅前の往来で、老長けた輩が二人も救急車の進路妨害をやらかすとは世も末です。

その後、救急車は



どうにかこうにか現場に無事到着し、ストレッチャーをガラガラと引っぱって建物に入っていきました。あんな悪質な進路妨害をされたことで、搬送される患者さんの容態に影響がないことを願うのみです。

昔からそうですが、とかく年長者は年下世代に対して

「最近の若いモンはなっとらん。」

などと文句を垂れがちです。しかし、年寄りの中にも『なっとらん奴』は一定数いることも、残念ながらまた事実です。

せめて緊急車両のサイレンの意味をきちんと理解した上で、信号だろうが何処だろうがきちんと進路を譲れる運転手のみになる世の中になることを願うばかりです。

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今日はベートーヴェン交響曲第8番の初演日〜ベルナルト・ハイティンク指揮による演奏

2022年02月27日 18時18分18秒 | 音楽
今日も春を思わせるような暖かさとなりました。このままだと、ソメイヨシノの開花も早まってしまいそうてます。

ところで、今日2月27日はベートーヴェンの《交響曲第8番ヘ長調》が初演された日です。



ベートーヴェンの《交響曲第8番ヘ長調》は、1814年の2月27日に《交響曲第7番イ長調》などと共に初演されました。

現在でもそうですが、初演時でもライトな印象の第8番より重厚な印象の第7番の方に人気が集中したようです。その聴衆の反応に対して、第8番の方が気に入っていたベートーヴェンは

「聴衆がこの曲(第8番)を理解できないのは、この曲があまりにも優れているからだ」

と語ったといいます。

第8番はベートーヴェンの交響曲の中では比較的小規模な作品で、どちらかというとハイドンやモーツァルト以来の古典的な形式に則っていますが、その中にもベートーヴェンらしい独創的な工夫と表現にあふれています。なお、ベートーヴェンの全9曲の交響曲のうち、この曲だけは誰にも献呈されていません。

個人的には、ベートーヴェンの交響曲の中でこの第8番は一番演奏回数が多いものとなっています。『のだめカンタービレ』以降一般にもかなり有名になった第7番ほどの派手さと壮大さはありませんが、古典派交響曲ならではの華やかさと、ベートーヴェンとしては珍しいくらいの軽やかさを併せ持った愛すべき作品です。

柔らかなヘ長調の響きに満ちながら、ちょっとお茶目な瞬間ものぞかせる第1楽章、ハイドンの交響曲《時計》のような規則正しいリズムの上に、おすまししたメロディと所々ドタバタしたメロディが交錯する第2楽章、如何にも古典派らしい中にクラリネットとホルンの呼び交わすトリオが美しい第3楽章、1オクターブに調律されたティンパニと弦楽器群の超高速三連符が快闊な疾走感を演出する第4楽章…そのどれもが心地よく、またいかにもベートーヴェンらしい緻密さとしつこさに満ち溢れている交響曲です。私も、個人的には第7番よりもいい曲だと思っています。

そんなわけで、今日はベートーヴェンの《交響曲第8番》の演奏動画をお楽しみいただきたいと思います。ベルナルト・ハイティンク指揮、ロンドン交響楽団による、2006年収録の演奏で御堪能ください。


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今日はタルティーニの命日〜人間技とは思えない名曲《悪魔のトリル》

2022年02月26日 16時00分16秒 | 音楽
今日は天気予報通りの、春のように暖かな晴天に恵まれました。久しぶりにベランダにテーブルを引っ張り出してお茶してみたのですが、とっても気持ちのいいひと時となりました。

ところで今日2月26日は教科書にも載っている二・二六事件の日でもありますが、一応音楽を中心としている拙ブログとしては音楽家のことを取り上げたいと思います。今日はタルティーニの命日です。



ジュゼッペ・タルティーニ(1692〜1770)はバロック期のイタリアで活躍した作曲家・ヴァイオリニストです。

タルティーニの両親は彼をフランシスコ会の修道士にしようとしていたらしく、そのために彼は勉学と共に基礎的な音楽の教練も受けていました。彼はパドヴァの大学で法律を勉強していましたが、1710年に父親が没した後はパドヴァを後にしてアッシジの聖フランシスコ修道会に入り、この間にヴァイオリンの演奏を始めたといわれています。

タルティーニの技能は目覚ましい成長ぶりを見せて、1721年にはパドヴァのイル・サント礼拝堂付きの指揮者に、しかも彼自身が希望するなら他の団体で演奏してもよいという、当時としては珍しい契約つきで任命されました。1726年には自身のヴァイオリン教室を始めてヨーロッパ中の学生達を引きつけたタルティーニは次第に和声や音響学といった理論にも興味を持つようになり、1750年以降生涯にわたって多くの学術論文を発表しました。

さて、タルティーニといって真っ先に思い浮かぶのがヴァイオリン・ソナタ ト短調、通称《悪魔のトリル》でしょう。超絶技巧を要するこの作品はバロック期の作品としてのみならず、数あるヴァイオリン・ソナタの中でも屈指の難曲として知られています。

この《悪魔のトリル》という何ともおどろおどろしい通称は、タルティーニ本人が付けたものといわれています。それを裏付けるものとして、



タルティーニと同時代のフランスの天文学者ジェローム・ラランド(1732〜1807)が1769年にイタリアを旅行した際に記した旅行記の中で、タルティーニ自身から聞いたというこの作品にまつわるエピソードを記載しているものがあります。

それによると…


「1713年のある夜に私は夢の中で悪魔と、魂と引き換えに望むもの全てを手に入れる契約をした。その時、私は思いついて悪魔にヴァイオリンを手渡してみた。」

「すると悪魔は、



それはそれは素晴らしいヴァイオリン・ソナタを弾いてみせたので、私は驚愕してしまった。その演奏は優れた技術と知性に満ち溢れ、この世のものとも思えぬ美しい音楽だった。」

「そのあまりの美しさに心を虜にされた私はハッと目覚めると飛び起きてヴァイオリンをつかみ、夢で聴いた悪魔のソナタを再現しようとして慌ててメロディを奏で始めた。そうして作曲されたソナタは、私の今までに書いたどの作品よりも素晴らしいものとなり、私はこの作品を《悪魔のトリル》と名付けることにしたのだ。」


と、タルティーニ本人が語ったのだそうです。

何とも荒唐無稽な逸話ですが、これは当時としては…いや、現在でもかなりの超絶技巧を織り込んだ作品なので、もはや悪魔に魂を売って書いたくらいのレベルの作品だという賛辞と取れないこともありません。ただ、旅行記には1713年と書かれていますが、作品の書法などからそんなに若い頃ではなく、実際には1740年代くらいに書かれたのではないかとされています。

この《悪魔のトリル》は、その強烈なエピソードも相俟って様々なヴァイオリンの名手に愛奏されてきました。また後の世に様々な改訂も行なわれていて、現在モダンヴァイオリンで演奏する際には



20世紀の名ヴァイオリニストであるフリッツ・クライスラー(1875〜1962)が作ったカデンツァが使われることもあります。

そんなわけでタルティーニの命日である今日は、彼の代表作にして屈指の難曲《悪魔のトリル》をお聴きいただきたいと思います。動画の8:05くらいからトリルを含む第3楽章が始まって、9:30のところからいわゆる『悪魔のトリル』が始まりますが、先ずは全曲通してトータルの美しさを堪能してみてください。



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春を感じて桜餅

2022年02月25日 18時38分56秒 | スイーツ
今日も小学校支援級では、大小様々なことがありました。基本的に自分が一番の子✕何人もいるので、数少ない大人はてんてこ舞いです。

それでもどうにかこうにか授業を終わらせて、子どもたちを送り出しました。それから担任の先生と今日の振り返りをして、ようやく帰路に着いたのでした。

厚木に着いた頃にはすっかり夕方になっていましたが、ちょっと気が向いてデパ地下を冷やかしてみることにしました。すると、和菓子屋のショーケースに



桜餅があったので買ってみました。

そういえば、つい先日気象庁からソメイヨシノの開花予想が発表されていました。東京は来月21日頃とされていましたが、もしそうだとするならば、もう一ヶ月を切っています。

そんな予想が出た中では、この桜餅の登場も

「気が早い」

とも言えないような状況にあることに驚かされます。季節は着実に春へと向かっていることを、また一つ実感させられました。

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忘れてしまっていたミュージアムグッズ(汗)

2022年02月24日 17時55分45秒 | 日記
昨日サントリー美術館で開催されている正倉院宝物の再現模造展に行ったことを載せましたが、一つ忘れていたことがありました。

全部の展示を堪能してから併設されているミュージアムショップを冷やかしていたら、



螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)のフィギュアがあるのに目が留まりました。このテのものは前にも見たことがあったのですが、これはなかなか作りがよさそうだったので購入していたのを、鞄に入れたまま忘れていたのです(汗)。

5cmくらいの高さながら専用のスタンドも付いていて、箱から出してみると



表面に施された螺鈿や玳瑁(たいまい)の細かな細工も精巧にプリントされたものとなっています。勿論、裏面も



こんな感じで、螺鈿や玳瑁細工で華やかに象られた宝相華や瑞鳥が楽しめるようになっています。

このスタンドは小さいながらかなりよく出来ていて、縦だけでなく



美術館で展示していたような斜め置きもできるようになっています。昨今のフィギュアは、なかなか優秀です。

さて、これを何処に置こうか…と思ってあちこち思案してみたのですが、折角なので



我が家の仏壇に安置している宇賀辯財天の横に置いてみることにしました。八臂の辯財天は琵琶は持たないし、琵琶を持つ妙音弁財天が持っているのも四絃のものなのでちょっと感じが違いますが、そこは御愛嬌ということで…。

さて、明日から徐々に春めいてくる予報が出されています。夕方の天気予報では早くも来月のソメイヨシノの開花予想も発表されていましたが、さて、今年の桜はどうなりますでしょうか。

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よみがえる正倉院宝物とラストチョコナッツワッフル

2022年02月23日 22時45分05秒 | アート
今日は今上陛下62歳のお誕生日です。しかし、何故かどのメディアでもトップニュースに天皇誕生日が来ることはないという、何とも失礼な感じが続いていました。

さて、そんな祝日の今日は六本木の東京ミッドタウンに出かけました。この中にあるサントリー美術館では、現在



《御大典記念特別展よみがえる正倉院宝物〜再現模造にみる天平の技》という展覧会が開かれています。

奈良・東大寺にある正倉院には、聖武天皇の没後に光明皇后が収めた天皇遺愛の品や大仏開眼に使用した法具が遺されています。この展覧会では、主に平成時代に様々な専門家監修の下で再現模造された品々が展示されています。

再現模造というからには造形だけでなく、使われる素材もオリジナルと同じものを使うことが絶対条件となっています。しかし、その中には象牙や亀の甲羅である玳瑁(たいまい)、木材の紫檀、螺鈿の原料の夜光貝等、現在ではワシントン条約に抵触する素材も数多くあるため、条約締結前に確保されていた貴重な素材を使っての大変な作業となっていました。

その最たるものが、正倉院宝物の代表格と言っても過言ではない



螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)です。何しろボディの素材は紫檀、装飾の素材は螺鈿や玳瑁細工と現在では輸入が厳しく制限されているものオンパレードですから、関係各位の御苦労たるや想像に難くありません。

通常の琵琶が四絃であるのに対して、今や世界中にこの一張しか現存していない五絃琵琶には



夜光貝を磨いた螺鈿細工や、花の中心部を彩る玳瑁細工が一面に施されています。平成の再現模造ではオリジナルから採寸したデータを元に



螺鈿細工や鼈甲細工といった様々な分野の職人さんたちが分業して、8年もの歳月をかけて完成させたものです。

また、この琵琶を演奏するために作られたともいわれている



紅牙撥鏤撥(こうげばちるのばち)も再現されていました。撥鏤(ばちる)とは象牙を紅や紺に染色する技ですが、象牙が禁輸品となっている現在では尚の事貴重なものとなっています。

この他にも



古代の竪琴である箜篌(くご)や



焼き物の鼓胴である磁鼓(じこ)、



現代のパンフルートのような甘竹簫(かんちくのしょう)といった楽器類が再現模造されていて、音楽に携わる者としてはかなり興味深い展示でした。

また



仏前に香を奉納するのに用いたといわれている黄銅盒子(おうどうのごうす)という法具も再現模造されていました。全長12〜13cmのものですが、蓋の上に着けられている五重塔を模した部分をX線撮影したところ、3cmほどのこの部分に実に58ものパーツが使われていることが判明した(!)そうで、そうしたところも忠実に再現模造されているとのことでした。

他にも染色を施した絹織物や刀剣、書などの再現模造が展示されていましたが、特に染色品の再現については



上皇后陛下が皇居内の御養蚕所で育てておられる日本固有種の小石丸(こいしまる)という蚕からとった生糸が使いられています(この小石丸からとられた絹糸は琵琶や阮咸の弦にも使われています)。また、現在では殆ど見られなくなり、皇居の敷地内て発見された日本茜を、上皇・上皇后両陛下のお心遣いの下で栽培したものからとられた染料を用いて赤や紫を染め上げています。

1300年以上の時を越えて伝えられてきたものを再現するということは、古の技術を伝承していくことにもつながる有意義な作業です。材料入手が困難になることもありますが、今後もこうした作業を通じて、古の工人たちの技を解き明かしていただきたいと思います。

さて、夕方になったので六本木からあざみ野に移動して《雫ノ香珈琲》に向かいました。恐らく今月来られるのは最後になると思ったので、今日は



今月限定の『チョコナッツワッフル』をオーダーしました。

正倉院宝物の素晴らしさに触れ、美味しいワッフルも堪能できた、幸せな祝日となりました。
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今日はスーパーねこの日!

2022年02月22日 19時25分25秒 | ネコ(=゚ω゚=)
今日は2月22日、そう、年に一度の『ニャンニャンニャンの日=ねこの日』です。しかも今年は西暦2022年ということでカレンダーに2が6つも並ぶため『スーパーねこの日』と言われています。

ということで、小学校支援級の黒板にも



こんな絵を描いてみました。これしきのものでも描くのに30分くらいかかってしまいましたが、

「51のオッサンが♡なんか描いてんじゃねーよ!」

というツッコミは無しでお願いします…。

小学校勤務を終えてから、ちょっと気が向いて小田原城址公園に立ち寄ってみました。



夕空に照り映える天守閣を横目に見ながら天守裏手の階段を降り、



二宮尊徳を祀る報徳二宮神社に参詣しました。

それからお堀端通りを小田原駅方面へと歩いて行くと、幸田門跡の石碑の近くに



キジトラの野良ちゃんがチンと座っていました。あまり期待していなかったのですが、思わぬ野良ちゃんの登場に

『おぉ!さすがネコの日!』

と勝手に盛り上がっていました(笑)。

日が落ちると、さすがに風の冷たさが身に沁みてきました。あの野良ちゃん、大丈夫かな…。

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今日はオラトリオ《サムソン》の初演日〜ソプラノとトランペットの織りなす大団円『輝けるセラフィムを』

2022年02月21日 18時58分18秒 | 音楽
今日は日中は暖かな陽光の降り注ぐ、気持ちのいいお天気となりました。ただ、吹く風は冬の冷たさなので、時節柄と相俟ってまだまだ油断はできません。

ところで、今日2月21日はヘンデルのオラトリオ《サムソン》が初演された日です。



ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759)は、同い年でその生涯をドイツ国内で終えたヨハン・セバスティアン・バッハ(1685〜1750)と違ってイタリアやフランスを遍歴しながら、最終的にイギリス・ロンドンやアイルランド・ダブリンにまで活動範囲を広げた作曲家として知られています。

自身の歌劇団を率いてヨーロッパ各国で自作のオペラを上演してきたヘンデルですが、イギリスに渡るとイタリア語のオペラがあまり受けず苦境を強いられていました。そんな中で新たに着手したのが、聖書の物語をテキストとしたオラトリオでした。

オラトリオ《サムソン》は1741年に《メサイア》とほぼ同時進行で作曲され、1743年にロンドンのコヴェント・ガーデンで初演されました。現在では《メサイア》と比べるとあまり演奏される機会は多くありませんが、ヘンデルが作曲したオラトリオの中でも最大規模の作品です。

ストーリーとしては旧約聖書に登場するサムソンとデリラの物語で、怪力無双を誇ったイスラエルの英雄サムソンがダゴン神を戴くペリシテ人たちの策略にはまって、両目をえぐられて捕えられているところから始まります。そして、最終的に密かに力を取り戻したサムソンが



剛力でダゴン神殿を支えている柱を押し倒し、ペリシテ人たちと共に死んでしまうというものです。

長いオラトリオの中でも特に知られているのが、終幕にイスラエルの女によって歌われるアリア『輝けるセラフィムを(Let the bright Seraphim)』です。このアリアは《メサイア》の『トランペットが鳴り響き(The trumpet shall sound)』同様、華やかなトランペットのオブリガートが伴います。

このトランペット付きの華やかなアリアは、オラトリオを離れて単独で演奏されることの多い曲です。これまでにも、昨年他界してしまったエディタ・グルベローヴァをはじめとして、ジョン・サザーランドやキャスリーン・バトルといったソプラノ歌手による録音も残されています。

そんなわけで《サムソン》の初演日である今日は、オラトリオの大団円を飾るアリア『輝けるセラフィムを』の演奏動画を転載してみました。バロックのアリアならではの華やかな装飾も、合わせてお楽しみください。


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今日はジョン・ダウランドの命日〜リュートの名曲《ラクリメ》

2022年02月20日 19時10分10秒 | 音楽
今日は、朝から冷たい雨が降っていました。昼過ぎには止むという予報でしたがそうはならず、夕方近くなっても雨がぱらついていました。

ところで今日2月20日はジョン・ダウランドの誕生日です。



ジョン・ダウランド(1563〜1626)はイングランドのエリザベス朝後期、及びそれに続く時代に活躍した作曲家でありリュート奏者です。

1588年にオックスフォード大学で音楽学士となったダウランドでしたが、イングランド女王エリザベス一世の下で宮廷リュート奏者を望んだものの得られずに国外に職を求めました。この宮廷楽士になれなかった理由として、青年期にフランスに滞在していた一時期ローマ・カトリック教徒だったことがあったため、そのことが尾を引いてイギリス国教会のイングランドでは排斥されたのだ…とダウランド自身は信じていたようですが、実際には宗教問題は関係なく、宮廷が予算を縮小する方向にあったことや、女王に献呈するための曲を書くのを怠ってしまったことなどが問題だったのではないか…とも言われています。

その後ダウランドは、イタリアのヴェネツィアやフィレンツェ、ドイツのニュルンベルクなどヨーロッパ各地を遍歴し、1598年から1606年にはデンマークで国王クリスチャン四世付きのリュート奏者を務めました。そして1606年にはイングランドへ戻り、1612年に念願だったイギリス国王ジェームズ一世付きのリュート奏者となりました。

ダウランドは、エリザベス朝前後に流行したメランコリア(憂鬱)芸術の巨匠とされています。特に1600年に作曲された代表作であるリュート歌曲《流れよ我が涙》とその器楽曲版《ラクリメ(涙のパヴァーヌ)》は当時の欧州で群を抜いて高名な楽曲として知られていて、現在でも広く演奏されています。

そんなわけでダウランドの命日である今日は、彼の代名詞と言っても過言ではない名曲《ラクリメ》をお楽しみいただきたいと思います。リュートで奏される、古雅で素朴な音色を御堪能ください。






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今日はボッケリーニの誕生日〜情熱のギター五重奏曲第4番《ファンダンゴ》

2022年02月19日 19時40分20秒 | 音楽
今日は朝から雲の垂れ込める、ちょっと暗めの一日となりました。夕方頃には雨も降り出して、寒さに拍車をかけていました。

ところで、今日2月19日はボッケリーニの誕生日です。



ルイジ・ボッケリーニ(1743〜1805)は、同時代のハイドンやモーツァルト比べると現在では作曲家として隠れた存在に甘んじていますが存命中はチェロ演奏家として名高く、チェロ協奏曲やチェロソナタに加えて弦楽四重奏曲を90曲以上、そこにチェロ一本を加えた弦楽五重奏曲を100曲以上作曲して、自身でも演奏を行いました。その中でも弦楽五重奏曲ホ長調G275の第3楽章は『ボッケリーニのメヌエット』として単独で有名になっています。

ボッケリーニの作風はハイドンに似ていながらも、独特な優美さと憂いを含んだものとなっているものが多く見受けられます。そのスタイルから、当時の音楽家からはハイドン夫人(Signora Haydn)などとも呼ばれていたようです。

優れた演奏技術をもって、それまで通奏低音楽器として用いられてきたチェロを一気にソロ楽器に昇華させたボッケリーニですが、スペインに渡ってからギターのための作品も遺しています。それを代表するのが、ギターと弦楽四重奏を組み合わせた13曲のギター五重奏曲です。

ボッケリーニはスペインのドン・ルイス王子の招きにより1749年からスペイン宮廷に仕えて以来、終生マドリードに住んでいました。ギター五重奏曲群はアマチュアのギタリストであり、1796年からボッケリーニのパトロンであったブナバント侯フランシスコ・ボルハ・デ・リケル・イ・デ・ロスのために1798年に作曲されたものです。

13曲のギター五重奏曲の中でもとりわけユニークなのがギター五重奏曲第4番ニ長調G448、通称『ファンダンゴ』です。これはボッケリーニが作曲したギター五重奏曲の中で最も人気のあるものの一つで、特に第3楽章と第4楽章は『序奏とファンダンゴ』の別タイトルでギター・アンサンブルやピアノとギターの二重奏など様々な編曲でクラシックギター奏者に親しまれています。

チェロ奏者であったボッケリーニのほかの室内楽作品と同様チェロに多くの主旋律が割り振られていて、たびたびかなりの高音を演奏することが求められています。そして最もユニークなのが第4楽章の後半で、チェロが演奏を休止してカスタネットに持ち替えることが示されている部分があるのです!

チェロ奏者にカスタネットを持たせるというアイデアはあまりにもユニークですが、さすがに打楽器演奏技術的に難しいこともあって、現在では別に打楽器奏者をスタンバイさせることもあります。それでも、このカスタネットの音色がスペイン舞曲ファンダンゴの雰囲気を高めるため、この曲に欠かせない存在となっています。

そんなわけでボッケリーニの誕生日である今日は、バロックヴァイオリン奏者の寺神戸亮さんが率いるアンサンブルによる演奏を載せてみました。フラメンコダンサーを伴ったユニークな演奏をお楽しみください。


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51回目のHappy Birthday to me!

2022年02月18日 20時45分25秒 | 日記
私事で恐縮ですが、本日またしても齢を重ねました。ふんわりと日々を重ねてきたら、いつの間にか51年目の節目を迎えました。

だからといって、別に何をするつもりでも有りませんでした。ところが、たまたま今日付き添っていった外国語の授業で誕生日のことを取り上げていて、先生が

「今日お誕生日の人はいますか?」

と質問したところ支援級の子が手を挙げ

「共結来縁先生です!」

と私のことを言ってしまい、ちょっとした騒ぎになってしまいました(汗)。

そんなバタバタした学校勤務を終えて厚木に戻ってきてから帰り道にあるセブンイレブンに立ち寄ると、雑誌コーナーのところに



こんなものが売られていました。これは《milkfed.》というレディースブランドから発売されているリュックなのですが、ユニセックスなデザインになっているとのことだったので購入してみました。

袋から出してみると



こんな感じで、かなり大ぶりです。シンプルなデザインながらB4サイズが丸々収まる大きさとなっています。

今まで小学校勤務に使っていたリュックがあちこちに綻びが出てきていたので、そろそろ新しいリュックを買わなければ…と思っていました。ただ、ある程度の大きさのリュックとなると登山にでも行くようなものが殆どで、タウンユースのリュックとなるとA4サイズでも端がちょっと折れてしまうようなものばかりで困ってもいました。

このリュックならマチも広く、中にも多くのポケットがあるので絆創膏やウェットティッシュといった子どもたちに使う細かなものをいろいろと収納することができて重宝します。これで税込みで¥2,500ならお買い得商品です。

さて、何だかんだ過ごしているうちに、少しずつですが52で他界した母の年齢に近づいてきました。51の時の母は既に癌の闘病真っ只中だったことを思うと心中は複雑ですが、今後とも健康に留意しながら日々を過ごしていこうと思っております。

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今日はコレッリの誕生日〜ヴァイオリン・ソナタの名作《ラ・フォリア》

2022年02月17日 16時30分35秒 | 音楽
朝方は冷え込んでいた厚木市でしたが、昼頃からは陽射しも暖かくなって過ごしやすくなりました。外を歩いているとそこかしこから梅の香りが漂ってきて、まだ寒いながらも暦の上ではもうすっかり春になっているのだ…ということを感じることができます。

ところで、今日2月17日はイタリアバロック音楽の巨匠の一人コレッリの誕生日です。



アルカンジェロ・コレッリ(1653〜1713)はイタリアで生まれた作曲家・ヴァイオリニストです。

イタリア・バロック音楽の巨匠として有名なコレッリですが、現在のラヴェンナ県内であるフジニャーノで1653年2月17日に生まれたということ以外の若い頃のことは知られておらず、13歳でボローニャに出てくる以前のことは実はあまり分かっていません。コレッリの家系についても同様にあまり多くのことは知られていませんが、同じ一族から僧侶や法律家、医学者、詩人などを輩出していることは分かっています。

1666年に当時イタリアの器楽音楽発展の最大の拠点であったボローニャに出たコレッリは、ここでヴァイオリン奏法を学んで音楽家として大成しました。ただ、コレッリは初期の作品で自らを『フジニャーノ生まれでボローニャの人と呼ばれるアルカンジェロ・コレッリ』と名乗ってはいるものの、彼が確実にボローニャに滞在したのは1666年(13歳)から1670年(17歳)までのわずか4年間のようです。

コレッリ最初の大きな成功は19歳のときにフランス・パリで得たもので、これによって彼はヨーロッパでの評判を得ることができました。1675年(22歳)にローマのサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会でバイオリン奏者の地位についたコレッリはその後ドイツに拠点を移し、1681年に作曲した《トリオ・ソナタ集 作品1》を皮切りに作品番号を記した代表作を世に送り出して、器楽曲の作曲家としての名声を高めていきました。

更に1685年にローマに移ったコレッリは、1700年に名作《ヴァイオリン・ソナタ集 作品5》を出版しました。このヴァイオリン独奏のための作品集はヨーロッパ中の宮廷で評判となって、幾たびも再版や再出版が重ねられるほどのベストセラーとなりました。

その後『クリスマス協奏曲』で有名な《合奏協奏曲集 作品6》を出版したりしましたが、何と言ってもコレッリの名を現在まで轟かせているのは作品5の存在が大きいでしょう。そしてその中の白眉とも言うべき傑作が、終曲であるソナタニ短調『ラ・フォリア』ではないでしょうか。

『ラ・フォリア』或いは『フォリア』はスペイン発祥のゆっくりとした短調の三拍子の舞曲で、イ短調で書くと

Am-E-Am-G-C-G-Am-E-Am-E-Am-G-C-G-Am-E-Am

というコード進行で出来ています。この『フォリア』のメロディとコード進行はヨーロッパ中で大流行し、様々な作曲家がこの『フォリア』に基づいた変奏曲を作っています。

有名どころではヴィヴァルディがトリオ・ソナタのかたちで作曲していますし、モーツァルトのライバルと言われて久しいアントニオ・サリエリもクラヴィーア作品を遺しています。しかし、現在《ラ・フォリア》といえば真っ先にコレッリが想起されるくらい、飛び抜けて有名な作品になっています。

コレッリの《ラ・フォリア》はヴァイオリンの教則本にも収録されているので、中級以降に進んだ子たちはほぼ漏れなく演奏する曲となっています。ただ、それらはコレッリのオリジナル通りの楽譜ではなく、後世の様々な作曲家や校訂者によって改訂されたものです。

勿論、そうした校訂譜にもそれぞれ意義があります。しかし、私は基本的にコレッリの自筆譜に則った楽譜を使うようにしていて、バロック音楽特有の装飾法と合わせて教えるようにしています。

そんなわけでコレッリの誕生日である今日は、屈指のヴァイオリン・ソナタの名作《ラ・フォリア》の演奏動画を転載してみました。数あるフォリアの中でも、名作の誉れ高いコレッリのヴァリエーションをお楽しみください。



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プレバースデーケーキ@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2022年02月16日 21時00分21秒 | カフェ
今日は昼前後からは比較的暖かな陽射しの心地よい、いいお天気に恵まれました。小学校の子どもたちも休み時間には元気よく校庭を駆けずり回っていて、気持ちよさげに見えました。

そんな小学校支援級勤務を終えてから、横浜あざみ野の音楽教室に向かいました。そして、いつものように《雫ノ香珈琲》に立ち寄りました。

今日は



今月限定メニューの『チョコナッツのワッフル』をお願いしました。バレンタインデーは過ぎ去りましたが、自分の誕生日が近いということもあってバースデーケーキ代わりに食べたくなったのです。

クロワッサン生地のワッフルに自家製の白黒2色のチョコレートソースが目にも鮮やかで、ミックスナッツやチョコレートアイスとのコンビネーションも絶妙です。薫り高いコーヒーと共に、美味しく頂戴しました。

教室を終えて外に出たら、チラチラとにわか雪が降っていました。立春からだいぶ経ったとは言え、まだまだ『春は名のみの風の寒さや』のようです。

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ゴーゴーカレーゴーゴーデー

2022年02月15日 18時10分18秒 | グルメ
今日は久しぶりの小学校支援級勤務でした。子どもたちの数はだいぶ元に戻りつつありますが、それでも家族に濃厚接触者が出てしまった子が何人かいて、しばらくの間自主休校を余儀なくされていました。

そんな空気を敏感に察知してか、支援級の子どもたちは休んでいる子のことを盛んに聞いてきました。ただ、彼らにありのままを伝えると

「ねぇねぇ!○○ちゃんってコロナで休みなんだって〜!」

と悪気無く大きな声で言いふらしてしまいかねないので、こちらとしても迂闊なことは言えません。

そんなある意味で張り詰めた勤務を終えて、ぐったりしながら厚木まで帰ってきました。今日はきちんと給食も食べたはずなのですが、それでも厚木に着いた頃にはすっかり空腹になっていた(爆)ので、



厚木一番街にあるゴーゴーカレーに寄っていくことにしました。

ゴーゴーカレーでは毎月5日・15日・25日は



ゴーゴーデーとなっていて、



次回来店時に使えるトッピングサービス券が貰えます。なので今日は前回貰ったサービス券を使って



えびフライカレーにシャウエッセンをトッピングしてみました。

金沢カレー特有の黒くてドロッとしたカレーはほんのりとした甘さがあって、辛いものがあまり得意ではない人間にも優しいカレーとなっています。添えられたキャベツの千切りも存在感バッチリで、絶妙な箸休め(フォーク休め?)となっています。

美味しいカレーをいただいて、ようやくひと心地つくことができました。先生は明日も頑張ります。
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文句あんのかバレンタイン

2022年02月14日 17時25分20秒 | スイーツ
昨日懸念されていた降雪ですが、今回も完全に肩透かしに終わりました。確かに南岸低気圧は通過したものの、上空の寒気がそれほど強まらなかったことが要因のようです。

さて、今日は全国的にバレンタインデーです。我が家の近所のコンビニでも浮かれたコーナーが特設され、なかなかな価格の高級チョコレートか並べられていました。

毎年思うのですが、どうもこの時期はチョコレートが買いにくくなるものです。しかし、さすがに半世紀も生きてくると一周まわってそんなことすらもうどうでもよくなるくらい人間が図々しくなってくるもので、今日は逆に



これだけ大っぴらにチョコレートを買い込んでみました。

レジに持っていったら、店員のオネエチャンが時折こちらをチラ見しながらピッピとバーコードを読み取っていました。ただ、マスクの上の目が明らかに訝(いぶか)しげだったので、こちらも穴の空いたような目で

『何か…?』

と見つめ返してやったら慌てて下を向いていました(爆)。

これは負け惜しみでも何でもないのですが、どうも私は○ディバや○リーズといった高級チョコレートが性に合わず、むしろこうした普段使いのチョコレートの方が好きです。やはり貧乏舌なのでしょうが、別にそれで何の不自由も感じておりません。

ところで今日購入したこれらのチョコレートですが、勿論今日一日で食べるわけではありません。痛風持ちの壮年として、一応念の為宣言しておきます(笑)。

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