共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日は伊福部昭氏の誕生日〜前橋汀子のヴァイオリンによる《協奏風狂詩曲》

2021年05月31日 15時45分40秒 | 音楽
今日も暑い日となりました。昨日程ではないものの5月だというのに何だかすっかり夏のようで、関東地方がまだ梅雨入りしていないことが信じられないくらいです。

ところで今日5月31日は日本を代表する作曲家で、現在では映画《ゴジラ》の音楽(1954年)の作曲家として広く知られている伊福部昭(いふくべあきら)氏の誕生日です。



伊福部昭(1914〜2006)は現在の北海道釧路市で生まれました。中学時代に独学でヴァイオリンを始め、北海道帝国大学林学科を卒業後に森林事務所に勤めながら、日本の中央の音楽界とは全く接点のないまま殆ど独学で作曲を続けていました。

伊福部氏の名が一躍知られるきっかけとなったのは1935年、大学卒業の年に行われた「チェレプニン賞」に《日本狂詩曲》を応募して第1位を獲得したことでした。伊福部氏の音楽は、出身地北海道のアイヌ音楽をはじめとした日本の土俗的な民謡を下敷きにした迫力あるオーケストレーションで、他にはない独自の圧倒的な音楽作りをしたことがチェレプニン賞の審査員たちの興味を大いに掻き立てたのでした。

この作品の楽譜は本審査の行われるパリに送られる前に一度東京の音楽事務所に送られたのですが、そこでこの曲の楽譜を見た日本の中央の音楽界関係者たちが、何とパリへの送付を一度阻止しようとしました。理由はクラシック音楽の楽典的に禁則とされている技法が見られることや、当時下衆で野蛮と見られていた日本の土俗的な旋律が使われていること、演奏に要求されたオーケストラがとんでもなく大規模なこと(打楽器だけで奏者が9人も必要!)、そして今では信じられないのですが、この作品が北海道の厚岸町という片田舎から送られてきたことでした。

今では

「北海道厚岸町から送られてきたというだけでボツにしようとはけしからん!」

と言われるようなことですが、戦前にはこうした地域差別はよくあることだったようです。ただ、なんだかんだ楽譜は無事にパリに送られて結果的にその曲が第1位を獲得したのですから、阻止しようとした東京の音楽事務所の面目は丸潰れだったことでしょう(この《日本狂詩曲》が日本で初演されたのは、何と作曲から45年も経った1980年のことでした)。

因みに伊福部昭氏の甥で、東京大学先端科学技術研究センター教授の伊福部達(いふくべとおる)氏は、緊急地震速報の『ジャランジャラン!』というあの嫌なアラーム音を作った方です。何でも、叔父さんが1955年に作曲した交響曲《シンフォニア・タプラーサ》という作品の一節を元にして作られたのだとか…(-_-;)。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ところで非常に個人的な話ですが、実は私は一度だけ晩年の伊福部昭氏を目撃したことがあります。

亡くなる数年前でしたが、横浜のみなとみらいホールに聴きに行ったコンサートで、伊福部氏が1948年に作曲した《ヴァイオリンとオーケストラのための協奏風狂詩曲》が採り上げられていました。その演奏後に聴衆が拍手をしているとホールが突然明るくなり、指揮者とソリストが客席に向かって手を差し伸べはじめました。

何だろう?と思っていると、客席中程に座っていた黒いタキシードを着て黒い蝶ネクタイを着けたオシャレな御老体がゆっくりと立ち上がりました。その御老体こそ伊福部昭氏その人だったのです。どうやら、自身の作品が演奏されるということで会場に臨席されていたようでした。

伊福部氏が立ち上がると、会場から割れんばかりの拍手が沸き起こりました。私はその時2階席に座って見ていたのですが、伊福部氏はその拍手に応えるように手を振りながら会場を見渡し、にっこりと微笑んでいました。

そんなわけで、今日はその時に演奏された《ヴァイオリンとオーケストラのための協奏風狂詩曲》の動画があったので転載してみました。前橋汀子のヴァイオリンソロ、山田一雄指揮、東京フィルハーモニー交響楽団による1960年収録の演奏でお楽しみください。

はじめに片山杜秀氏による解説があって、4:50から音楽が始まります。長いな…と思われる方は、動画の11:15に飛んでみてください。ちょっとビックリするかも知れません(笑)。


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本末転倒では…?

2021年05月30日 14時20分30秒 | 日記
今日も神奈川県は暑くなりました。今日はコインランドリーに洗濯にでも行こうかと思っていたのですが、ちょっと起きるのが遅くなったらもう出かけたくない暑さになっていました…。

さて、本格的な梅雨入りを前にしていろいろと準備をする必要が出てきました。楽器のメンテナンスもそうですが、我が家には古い羽織がいくつかあるので、その虫除けとカビ対策もしなければなりません。

なので暑い中ではありましたが、せめて自覚しているうちに買わないと忘れそうだったので、重い腰を上げて近所のスーパーに買い物に行きました。いろいろとあったのですが、私は過度なニオイのするものが苦手なので、とりあえず



手頃な感じの『ムシューダ』を買うことにしました。

ニオイが付かないが売り文句の『ムシューダ』なら問題無かろうと思って手に取ったのですが、ふと側をみると



『かおりムシューダ』なるものが置いてあって思わずズッコケたのです。元来ニオイが付かないのが信条の『ムシューダ』に、わざわざフローラルのニオイ付けるなんて本末転倒じゃないのさ…と。

一時期の気絶しそうなニオイのプンプンする芳香剤や柔軟剤がなりを潜めてきて目出度いことだと思っていました。しかし、それでもなお過度なニオイのアロマや消臭剤は殲滅されることなく販売されていて、むしろニオイの無いものを探す方が大変なことに変わりはありません。

人の好みはそれぞれなので、私がとやかく言ったところでそう安々と世の中の傾向が変わるとは思いません。ただ、元来日本人は西洋人と比べたらそう体臭も強くないのですから、もう少しどうにかならないものかしら…と思う今日この頃です(泣)。
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バンザイ山椒!

2021年05月29日 11時11分47秒 | 日記
昨晩私宛てにメールが届き、端的に言うと私は来月のチャイコフスキーの弦楽セレナーデのコンサートから外され、団体からも上品な言い方をすれば永のおヒマを頂戴しました。以前、拙ブログに

「10人ばかりの少人数なのにチャイコフスキーの弦楽セレナーデに手を出すなんて」

といった私の個人的見解を書いた記事が執行役員の目に留まり、それが役員の面々にとって相当気に食わなかったか都合が悪かったかしたようで、

「そんなこと言うヤツは仲間になんかしてやらん!(キリッ!)」

ということのようです(詳細は4月17日と5月23日の記事を御参照ください)。

団体側としては、意に沿わない私をクビにしたことで私がショックを受けるだろう…と制裁を与えたつもりでいるのかも知れませんが、私としては元来あまり気乗りしていなかったこともありますので、どちらかと言うと渡りに舟の心境です。むしろ本番まであと1ヶ月を切った中で、ただでさえ少ない人数を更に削ってチャイコフスキーに臨むという大胆な措置に踏み切った団体側の短慮に振り回される他の演奏家各位の気持ちをお察しするのみです。

元々あの難しい曲をたった2回のリハーサルだけで本番をしようと思っていた団体です。今ヴィオラ奏者が一人欠けたところで、お金を使ってエキストラでも呼んでどうにかするつもりなのでしょう。

以前、私の仲間内にも内情を話したところ

「2soli(solo✕2)でチャイコやるって本気?」
「その団体のセンス、大丈夫なの?」

と散々言われていましたから、クビ宣告されたことで仲間内の心配も払拭してあげられるでしょう。まぁ、兎にも角にも私はケッタクソ悪いコンサートに出なくてもよくなったので、後は更に人数の少なくなった皆さんに頑張ってチャイコの弦セレを演奏してもらいましょう。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そんなことより、今日買い物に行ったら



万歳三唱ならぬ『バンザイ山椒』というお菓子が売られていました。何だか『このタイミング』での遭遇に笑えてきてしまい、思わず買ってみました。

実際に食してみると想像よりも山椒の風味がしっかりしていて、ものすごくビールが飲みたくなります(笑)。秀逸なネーミングと共に、楽しく美味しく堪能しました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、ひとつコンサートが飛びましたが、それはそれでいくらでもやることがあるので、いろいろと勤しもうと思います(笑)。

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あるべき姿でのボッケリーニ『メヌエット』

2021年05月28日 19時41分00秒 | 音楽
今日は昨日の大雨から打って変わって、気持ちのいい晴れた日となりました。その分昨日と比べて気温が10℃くらい上昇し、体育の授業のあった子どもたちは完全にグロッキー状態になっていました…。

ところで今日、子どもたちの前でヴァイオリンを弾く時間があり、そこでボッケリーニの『メヌエット』を演奏しました。子どもたちはタイトルこそ知らなかったものの、演奏を始めると

「知ってる!」
「聴いたことある!」

と様々な反応をみせていました。



ルイジ・ボッケリーニ(1743〜1805)はハイドンやモーツァルトらと同時代に活躍した音楽家です。現在では作曲家として知られていますが、往時は卓越した技術をもったチェロ奏者として名を馳せていました。

イタリアのルッカという街で生まれたボッケリーニは、弱冠13歳でチェロ奏者としてデビューしました。イタリアやウィーンで活躍した後1769年からはスペインに渡り、そこで生涯を終えました(享年62)。

交響曲やチェロをはじめとした協奏曲を多数遺したボッケリーニですが、何と言っても特徴的なのが膨大な数の弦楽五重奏曲です。

弦楽五重奏は弦楽四重奏曲の編成に一本弦楽器を足した編成で、モーツァルトやドヴォルザークがヴィオラを足したのに対して、ボッケリーニはチェロを足したものが多いのが特徴です(このチェロをプラスする編成の弦楽五重奏曲はシューベルトにも有名なものがあります)。

今日演奏した『メヌエット』も本来は《弦楽五重奏曲ホ長調G275》の第3楽章ですが、その愛らしいメロディと演奏時間の手頃さからアンコールピースとして有名になりました。今ではヴァイオリン教則本のスタンダードメニューのひとつにもなっています。

ピアノ伴奏での演奏もいいのですが、やはり本来のかたちでのアンサンブルに勝るものはありません。ということで、今日はオリジナルのかたちでの弦楽五重奏アンサンブルによるボッケリーニの『メヌエット』をお楽しみください。

因みに、今日5月28日はボッケリーニの祥月命日だそうです。合掌…。


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忘れていたフローランスミュレクラフトパンチ

2021年05月27日 21時10分20秒 | 日記
昨日無事に、拙ブログは開設丸10年目を迎えました、有り難うございます。今日から新たに11年目に突入しますが、引き続き御覧くださいますようお願い申し上げます。

さて、先日押入れに入れっ放しにしていた段ボール箱を探っていたら



こんなものが出てきました。

これは、紙に模様のかたちに穴が開けられるクラフトパンチです。フローランスミュレというメーカーから発売されたもので、今から10年程前に買って使ったもののすっかり存在を忘れていました。

箱から出すと



こんな感じになっています。このピンク色のガイド部分に



紙を挟んでレバーを押すと



こんな感じに装飾的な穴が開きます。

紙の角だけではなく、ピンク色のガイドを



このように開いた状態にすると



紙を水平に挟むこともでき、



紙の真ん中にも模様穴を開けることができるようになっています。

かつて白い紙でチラシやチケットを作った際にモノクロで殺風景なのを何とかならないかと考えていた時に、たまたまLoftで見つけて購入し使っていたものでした。それ以来全く使わずに今日まで仕舞い込んでいたのですが、久しぶりに引っ張り出してみて懐かしく思い出した次第です。

因みに試しにネットで調べてみたところ、今は廃盤になってしまっているようでした。これからどういった使い道があるか分かりませんが、折角引っ張り出してきましたから試しにエンブレム的に使ってみてもいいかと考えております。

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おかげさまで共結来縁ブログは丸10年!からの横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》『フレッシュマンゴーワッフル』

2021年05月26日 20時00分20秒 | カフェ
私事ですが、本日2021年5月26日をもちまして拙ブログは開設してから丸10年を迎えました。

今から10年前の2011年の5月26日に

『世人もすなる日記といふものを、我もしてみむとてすなり・・・・・』

という『土佐日記』風の書き出して始まった拙ブログも、くだらないことからどうでもいいことまでつらつらと書き連ねて、気づけば10年もの時が経っていました。元来飽きっぽい性格の私としてみれば、これだけ長いことブログを書き続けてきたということは驚異的なことです。

思い起こせば、拙ブログを開設した10年前には様々なことがありました。3月11日には東日本大震災があり、その10日後には私の父が胃癌で他界しました。あまりにも多くのことが起こり過ぎて、何が何だか分からないまま時間だけがどんどん過ぎていくという、過酷な日々を過ごした春でした。

やがて父の四十九日も終わって納骨式も済ませてホッとした頃、周りから 

「もうそろそろ、前から言ってたブログを書き始めてみたらどう?」

という後押しがあって、自分としてもそれまでのゴタゴタした流れにひとつの区切りをつける意味も兼ねて始めたブログでした。それか、月日は流れて、ふと気がつけば丸10年…時の経つのは早いものです。

そんなことをつらつら思いながら小学校の勤務を終えて、小田急線で一路横浜市青葉区あざみ野を目指しました。そしていつものように《雫ノ香珈琲》に立ち寄りました。

今日はもうオーダーするものを決めていました。それが



今月の季節のイチ押しワッフル『フレッシュマンゴーワッフル』です。

こちらの看板メニューであるクロワッサン生地のワッフルに、これでもか!というくらいのフレッシュマンゴーがゴロゴロとトッピングされ、上から甘酸っぱい自家製マンゴーソースがたっぷりとかけられた贅沢な一品です。マスターさん曰く

「ちょっと盛り過ぎました(笑)」

とのことでしたので、恐らくこの量が標準ではなさそうです(笑)。

それでもこうして贅沢な盛りつけをしていただけたことで、はからずも拙ブログ開設丸10年を祝うような映える写真をアップすることができました。改めてお店には感謝です。

これまで拙ブログを御覧くださいました皆様、本当に有り難うございます。これからもくだらないことからどうでもいいことまで書き連ねていくかと思いますが、今後とも長〜い目で見ていただけましたら幸いです。

これからもほぼ日で細々とブログ更新を続けて参りますので、お時間がありましたら引き続き御覧くださいますよう宜しくお願い申し上げます。
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冷やし中華、始まってました…

2021年05月25日 20時32分20秒 | グルメ
今日は、いつもと違う支援級クラスの子の指導に当たりました。

この子はいわゆる知的障害の部類に入る子で、高学年ながら知的レベルは低学年並みです。そして、勉強でも何でも

「やりたくない!」

となったらテコでもやらないので、担当教諭もほとほと手を焼いている子です。しかも高学年になったことで反抗期にも突入したようで、とにかく先生の言うことを聞かなくなってきているので尚更大変なのです。

今日は一日の殆どを私が付いていたのですが、とにかく授業から逃げ回る、自分のやりたいことだけに夢中になる、横やりを入れると罵詈雑言を投げつけてくる…のフルコンボ。どうしたものかと担当教諭を探すも、いつの間にか他の子と何処かにいってしまっていて指示を仰ぐこともできず…。

それでもはじめのうちはつき合っていましたが、午後になって意図的に玩具を散らかしたので

「片付けてください。」

と指示したところ、その言い方が気に食わなかったのか

「うるせぇ!黙れ!」

と絶叫しながら殴りかかってきたのです。

ちょっと驚きましたが、そこは所詮小学校ですから軽くいなして動きを封じてから座らせ、一切目を離さずに3分程の説諭をしました。その間もその子は物凄い形相で私を睨みつけていましたが、私が一向にたじろがないのでコケ脅しは効かないと察知したのでしょう、鼻息荒くではありましたが私の話を黙って聞くだけ聞いていました。

大変な子であることは重々承知していますし、日々その子に当たっている担当教諭が大変な思いをしていることも理解できます。ただ、いくら私がその子のことを知っているからといって、全部丸投げして何処かに行ってしまうのは違うと思うのです。

帰り支度をさせている間、いつの間にか戻ってきていた担当教諭にちょっと突っ込んでから失礼してきました。帰り際ふと見るとその子が相変わらず逃げ回っていて、担当教諭や親御さんが追いかけ回していたのを横目で見ながら帰って来ました。申し訳ありませんが、ほぼ一日その子のことを丸投げされた身としては、とてもお手伝いする気にはなれませんでした。

何だか物凄く疲れたので家に帰ってから食事の支度をする元気もなさそうでしたので、今日は
外で夕食を済ませてしまうことにしました。何にしようかと思ったのですが、看板に惹かれて横浜家系ラーメン《壱八家》に入りました。

今日は『つゆだく冷やし中華』をオーダーしました。



一見すると普通のラーメンのようですが、酸味の効いたスープは冷たいので立派な冷やし中華です。生の玉ねぎの散らされた細麺の冷やし中華は独特の味わいで、すっきりと美味しくいただきました。

いつの間にか冷やし中華が登場するような季節になったかと、改めてコロナに振り回される時の速さを思い知らされました。そりゃ、年も取るわけです…。

さて、明日は個人的にちょっと特別な日です。どんな一日になるか、今から楽しみです。

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アンティークテーブル登場!

2021年05月24日 16時55分20秒 | 日記
今日、我が家に新しい家具がやって来ました。それが



このドロップリーフゲートレッグテーブルです。イギリス製のアンティークで、ちょっと大変でしたが何とかGETすることができました。

ドロップリーフテーブルとは、16世紀頃にイギリスで流行した折畳式のテーブルで、主に3枚の天板で構成されています。この畳んだ状態だと幅約40cmとコンパクトながら、広げると



MAX約110cmまで大きくなります。このテーブルを広げるための脚部が門(Gate)のように開くことからゲートレッグテーブルとも呼ばれています。

このテーブルで一番惚れ込んだのが



脚部に施されたバーリーシュガーツイストです。これは17世紀以降、旋盤技術の発達によって可能になった木材加工の手法で、



大麦(Barley)の麦芽糖(sugar)で作ったねじりん棒飴(twist)に形が似ていることから名付けられました。

先日我が家にやって来た



同じくバーリーシュガーツイストレッグのアンティークチェアと組み合わせると



こんな感じになりました。色味は違うものの、ツイスト具合もまるで誂えたように似たような感じでしっくりきています。

アンティークなのでよく見ると細かなキズやシミがあちこちにありますが、普段使いする分には全く問題ありません。これからいろいろな大きさを楽しみつつ、大切に使おうと思います。

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気乗りしません…

2021年05月23日 16時20分35秒 | 音楽
今日は久しぶりに朝からいいお天気となりました。なので今日は朝のうちから洗濯を済ませて、午後からは自宅で練習することにしました。

来月にチャイコフスキーの《弦楽セレナーデ》の本番があるので、今日は主に



その練習をしていました。

が…

どうにも気が乗らないのです。

以前にもブログに書いたのですが(4月17日記事参照)、この《弦楽セレナーデ》は通常ある程度の人数で編成された弦楽アンサンブルで演奏されます。しかし、今回は総勢たった10名で演奏しなければならないことが決まっているのです。

10人もいれば別にいいじゃないか…と思うかも知れませんが、話はそう単純なものではありません。

この曲はある程度の人数で演奏するもの…という根拠のひとつに、チャイコフスキー自身の楽曲内の指示があります。基本的には各パート毎にメロディを演奏しているのですが、時にパート内で分奏する場面があるのです。



上の楽譜は第1楽章の中程の部分ですが、第1ヴァイオリンからコントラバスに至る全てのパートの内で上下2パートに音符が分かれていることがお分かりいただけるかと思います。

これを効果的に聴かせるためには、やはりある程度の人数を要します。ところが、今回の演奏会では第1ヴァイオリンが3名、第2ヴァイオリンが2名、ヴィオラが2名、チェロが2名、コントラバスにいたってはたった1名で演奏しなければならないのです。

お察しかと思いますが、上の人数でパート内分奏をするとなるとそれぞれがソロになってしまう、ましてやコントラバスは始終ず〜っとソロ弾きになるので、かなりアンサンブルが薄くなってしまうことが今から目に見えているのです。これではチャイコフスキーが意図したであろう厚みのあるアンサンブルには及びませんが、今回の演奏会を主催した面々はどうやらそれを良しとしているようです。

勿論、演奏会に参加するにあたってはキチンと練習して臨むつもりでいます。ただ、理想的なアンサンブルになることが予想できない中にあっては、何だかモチベーションがちっとも上がらないのです。

予め参加する人数が分かっているのであれば、何もチャイコフスキーでなくても、もっと少人数でも効果の上げられる曲はいくらでもあります。それを選ばず、はしゃいでチャイコフスキーを選んだ人たちの心根は分かりませんが、とりあえず本番までにはどうにか自分の中で折り合いをつけられるようにしようと考えているところです。

ただ、どうにも釈然としないので、  

「チャイコの弦セレは本来これくらいの規模でやるもの!」

というひとつの理想形を分かっていただくべく、1992年に小澤征爾による指揮、サイトウ・キネン・オーケストラによる演奏の動画を転載してみました。これが『正解』だとは言いませんが、これにかなり近い規模で演奏される曲をたった10名で演奏しようとしていることの無謀さと軽薄さ、それに対しての私の言い様の無い不安感を御理解いただければ幸いです。



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先ずは自らでは…

2021年05月22日 15時10分50秒 | 日記
昨日の雨がようやく上がり、昼前からは陽も差すようになってきました。と同時に気温も上がり、ちょっと暑くなってきました。

夕方からまた天候が崩れるとの予報があったので、天気のいい間に買い物を済ませてしまおうとスーパーまで出かけることにしました。それで、ちょっと暑かったのでマスクを外して道を歩いていると

「おいっ!そこのオマエ!マスクをしろ!!」

と突然怒鳴られたのです。

周りには人っ子一人いない状況だったのでビックリして辺りを見回すと、沿道の集合住宅の2階のベランダに白髪のJJYが仁王立ちしてこちらを睨んでいました。どうやら罵声の主はこいつのようです。

半ばキョトンとしている私を見ながら、JJYは尚も

「マスクをしろと言っとるんだ!オレの言うことが聞けんのか!」

と罵声を浴びせてきました。しかし、その時私が立っていた道の状況は…


     ⬆
こんな感じだったのです。

私以外には歩行者はおろか車や自転車もいない状況、前にも後ろにも人は居らず、居るのは路上の私とベランダのJJYだけ。ソーシャルディスタンスもヘッタクレも無い中で、私はただひたすらベランダにいるJJYから一方的に怒鳴られまくっていました。

一頻り怒鳴って疲れたのか

「何とか言ったらどうなんだ!!」

と喚き散らしたので、何か返答した方がいいのかな?と思っていたのですが、つい口を突いて出てきた言葉は

「オマエもな。」

でした。

そう、実はベランダにいたJJYもマスクを装着しないままで私に罵声を浴びせてきていたのです。他人にとやかく言っておきながら本人がマスクを装着していないことを理不尽に思っていたら、思わず心の声が発声良くダダ漏れてしまったようです(爆)。

恐らくその時点で我と我が身の状況に気づいたであろうJJYは

「なっ…!!」

と言って顔を真っ赤にして遠目にも分かるくらいにブルブル震えだしたっきり押し黙ってしまったので、私はそのままJJYを放置してスーパーに向かいました。勿論スーパーではキチンと持参したマスクを装着し、店内ではソーシャルディスタンスを図って買い物をしてきたことは言うまでもありません。

高齢者への新型コロナウィルスワクチン接種が進まず、苛ついている向きがあることは承知しています。ただ、だからといってその苛立ちを安易に他者にぶつけてくるのは筋違いというものです。

どうせ他者に注意喚起するのであれば先ずは自らが率先して模範的な行動を心がけ、注意する際の言葉も選んでするべきでしょう。折角の週末に、何とも浅ましい光景に出くわしてしまったのでありました。

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大人の味わい『赤から味噌ラーメン』@横浜家系ラーメン《壱八家》

2021年05月21日 18時15分25秒 | グルメ
今日は時折激しい雨の打ちつける、生憎の天候となりました。これでもまだ関東地方には梅雨入りの宣言が出されていないのですから、本格的に梅雨入りしたら一体どんな事態になるのでしょうか…。

ところで、今日の小学校の給食は味噌ラーメンでした。と言ってもそこは小学生向け調理のものですから、言葉を選ばずに言えば全体にボンヤリとした味の『味噌ラーメン的なもの』でした。

まぁ、子どもたちの健康と成長を目的としたメニューですから仕方ないのですが、勤務を終えて小田急線に揺られているうちに、口が本格的な味噌ラーメンを欲しだしたのです。なので、本厚木駅で電車を降りてから、駅近くにある横浜家系ラーメン《壱八家》に行きました。

券売機に向かうと、ほぼ迷うこと無く



『赤から味噌ラーメン』を選びました。唐辛子の効いた赤味噌ベースのスープに、モヤシ・コーン・キャベツの野菜炒めと茹でたほうれん草、大判のチャーシューと海苔が3枚、そして煮玉子がトッピングされています。

辛味の効いた味噌ラーメンは、正に口が欲した大人の味です。おかげさまですっかり満足して、気分良く家路につくことができました。

夕方になって雨が上がり陽が差してくると、急激に不快指数が上昇してきました。明日からは晴れて暑くなるようですので、極力外出しないようにしようと思っております…。
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想像以上に強烈でした…

2021年05月20日 22時05分20秒 | 日記
今日も、まるで梅雨のようなジメジメした雨の降る一日でした。昨年もそうでしたが、こうなってくるとコロナ対策とは言いながらマスクを着けていると蒸れて暑くなってきます。

そんなことを受けてかは分かりませんが、たまプラーザテラスの中にある有隣堂に行ってみると、店頭に



シャツやマスクに散布してクールダウンさせるためのミストが販売されていました。殆どがハッカ油を精製水とブレンドし、そこに柑橘系の香りをまとわせたものでした。

シャツに散布するのはシミになってしまうのが気になったので、今回は



マスクに散布してクールダウンさせ、除菌や消臭もできるというミニスプレーを購入してみました。

パッケージの説明によるとマスクの表面に向けて4〜5回スプレーして、乾いてから使うように書かれていました。早速手持ちの不織布マスクに塗布してみたのですが、確かにハッカ油効果でかなりヒンヤリするものの柑橘の香りもなかなか強烈で、私には香りはちょっとtoo muchでした(汗)。

明日はまた夏日になりそうなので、とりあえず学校でも使ってみようと思います。ただ、個人的には3プッシュくらいにしておこうかな…。
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ボリューム満点ハムトースト@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2021年05月19日 21時15分55秒 | カフェ
今日は気温こそそれほど高くはなかったものの、湿度のせいで何となく蒸し暑い一日となりました。小学生たちも座っているだけでじっとりと汗をかいているような状況でしたが、梅雨入り前からこのような様子では先が思いやられます…。

そんな小学校での勤務を終えて、小田原から一路横浜市青葉区あざみ野を目指しました。そして今日も《雫ノ香珈琲》に立ち寄りました。

今日はあまりゆっくりと給食を食べていられなかったこともあってかなり空腹状態だったので、水出しコーヒーと



ハムトーストをお願いしました。

厚切りトーストの上にはソテーしたキャベツが敷かれ、その上に拍子切りにされた厚みのあるハムがトッピングされています。黒胡椒とマヨネーズの風味が大人な感じのトーストは食べ応えもなかなかのもので、添えられた自家製ピクルスも爽やかな味わいです。

いろいろとありますが、ここでこうして美味しいコーヒーを頂けることが私のリラクゼーションタイムとなっています。この活力を得て、もう一踏ん張り頑張ってみます。
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今日はルロイ・アンダーソンの命日 〜 《シンコペーテッド・クロック》

2021年05月18日 19時55分30秒 | 音楽
今日は昨日の雨の湿気が残る、蒸し暑い一日となりました。気温はそんなに高くはないものの湿気の高さで汗が出てくるので、子どもたちも大変そうでした。

そんな中、今日は1年生の音楽の授業のサポートに行く時間がありました。今日は鑑賞でルロイ・アンダーソンの《シンコペーテッド・クロック》を聴きましたが、親しみやすいメロディを子どもたちそれぞれに楽しんでいたようでした。



ルロイ・アンダーソン(1908〜1975)はアメリカで活躍した作曲家で、ボストン・ポップス・オーケストラを率いていたアーサー・フィードラーに見出され、次々と作品を世に送り出しました。《シンコペーテッド・クロック》の他にも《タイプライター》《そりすべり》《トランペット吹きの休日》《ワルツィング・キャット》といったライトクラシックというジャンルを確立した立役者といわれ、



《スターウォーズ》《インディ・ジョーンズ》《E・T》等の映画音楽を手掛けるジョン・ウイリアムスをして『アメリカ軽音楽の父』と言わしめた人物です。

作曲家として知られているルロイ・アンダーソンですが、実は言語学の分野でも博士号を取得していました。1942年には軍隊に入隊して、第二次世界大戦時には情報将校としてペンタゴン(米国防総省)で活躍したという異色の経歴の持ち主でもあります。

《シンコペーテッド・クロック》は、アンダーソンが軍隊を除隊した1946年に発表されました。この曲はクラシック系の音楽ながら大ヒットし、その年のゴールドディスク賞を受賞しただけでなく、何とビルボードチャートでも11位にまで上りつめたのです。

因みに今日5月18日は、1925年に66歳で亡くなったルロイ・アンダーソンの祥月命日です(アメリカに祥月命日という概念があるのだろうか…?)。そのことを子どもたちに余談として伝えると、

「えぇ〜っ?!」
「そうなの〜?!」

という声が飛び交っていて、先生から怒られてしまっていました。子どもたち、ゴメンね…。

とかく通ぶる向きからは軽んじられがちなルロイ・アンダーソンですが、これだけライトで、なおかつ一度聴いたら忘れられないようなメロディを作り上げるということは、実は並大抵の事ではありません。そんな恐らく誰しもの耳や記憶に残っているであろうこの曲を、今日は作曲家自身の指揮による演奏でお楽しみいただきたいと思います。



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性格が垣間見える自筆譜 〜 エリック・サティ編

2021年05月17日 16時35分40秒 | 音楽
今日は空一面に鉛色の雲が垂れこめる、風の強い一日となりました。今日は自宅でチャイコフスキーの《弦楽セレナーデ》の練習をしたりしていたのですが、天候のこともあったり演奏形式の杜撰さに辟易していることもあったりしてか全然気乗りがしません。

さて、こんなネタに窮した時には作曲家の誕生日シリーズと自筆譜シリーズに頼るしかありません(爆)。で、調べてみたところ、今日はフランスの作曲家エリック・サティの誕生日でした。



エリック・サティ(1866〜1925)は俗に『音楽界の異端児』とも呼ばれる作曲家で、相当な変わり者として知られています。一方、彼の作品はそれまでの西洋音楽界に多大なくさびを打ちこみ、ドビュッシーやラヴェルといった印象派の作曲家たちに多大な影響を与えた存在として、近代西洋音楽史上最も重要な作曲家の一人として位置づけられています。

また、現代の環境音楽の先駆けとも言われる《家具の音楽》という作品は、



後に《4分33秒》という画期的な作品を発表したアメリカの作曲家ジョン・ケージ(1912〜1992)の作風にも大いに影響を与えました。この《家具の音楽》は現代のイージーリスニングミュージックの先駆的作品とも言われていて、サティ作品の中でも非常に評価の高いものの一つとなっています。

パリ音楽院在学中に、サティの作品の中でもとりわけ有名な《3つのジムノペディ》や《6つのグノシエンヌ》を発表しましたが、なんと喧嘩沙汰を起こして学校を辞めてしまいます。その後、39歳の時に音楽理論を学び直すために音楽学校に入り直し、卒業後にジャン・コクトーやパブロ・ピカソらと《パラード》を上演しましたが、この作品については上演後に様々な論争が飛び交うスキャンダラスな事件にまで発展しました。

サティの作品の特徴のひとつに、独創的なタイトルがあります。例えばピアノ作品には

《犬のためのぶよぶよした前奏曲》
《官僚的なソナチネ》
《梨のかたちをした3つの小品》

といった『なんじゃこりゃ?!』と言いたくなるようなものに溢れています。でも、実際に聴いてみるとなかなか面白いものばかりです。

1925年に60歳でサティが亡くなった後に何人かの友人たちが住まいを訪れると、部屋の中には100本近くのこうもり傘や2台のグランドピアノが置かれていたといいます。そのうちの1台は何と中身が空っぽで、中には未開封の手紙が大量に詰め込まれていたのだそうです。これらをサティが一体どうしていたのかは、今に至るまで謎のままなのだとか…。

そんなサティの自筆譜を見てみると
 


御覧のようにかなり綺麗で読みやすい楽譜を書いています。上の写真は《スポーツと気晴らし》というピアノ作品の一部ですが、本来楽譜に必要なはずの調号や小節線が無いという大胆な作曲書法は、後の現代音楽の作曲家たちにも大いに影響をもたらしました。

さて、音楽界きっての変わり者と呼ばれるサティですが、その変態性が如実に表れているのが《ヴェクサシオン(嫌がらせ)》というピアノ作品です。



上の写真はその自筆譜です。

これだけを実際に演奏すると、1分ちょっとの短い曲です。一見すると短い作品に見えるのですが、欄外に書かれたサティの指示によると、何とこれを840回繰り返せと書かれているのです!

この楽譜1回あたりの演奏時間は1分ちょっとですが、これをサティの指示通りに繰り返して演奏すると、テンポにもよりますが18時間からMAXで25時間前後かかることになります。これを演奏するピアニストにとってもこれを鑑賞する聴衆にとっても、正に嫌がらせ以外の何物でもありません(汗)。

かつて、これを1時間ちょっと分を収録したCDが発売されたことがありました。それでも指定回数の10分の1にも満たないものでしたが、やはり世の中には変態…いやチャレンジャーがいるもので、ドイツのベルリンでイゴール・レヴィットというピアニストが、昨年の5月20日から翌日にかけてひたすら《ヴェクサシオン》を演奏・ネット中継した動画をYou Tubeにアップしていました(驚)。

動画ではピアノの上に840枚の楽譜のコピーを積み上げ、1回弾き終わる度にポイポイと床に捨てていくかたちで、ひたすら演奏が続けられていきます。意欲的な試みですが、何度か途中休憩を挟んではいるもののやはり体力的精神的なダメージは相当なものだったようで、演奏中頃にはボロボロに間違ったり、明らかに辛そうな表情を浮かべたりしています。

そんなネット中継もされた《ヴェクサシオン》の動画を貼り付けておきましたので、興味のある方は御覧になってみてください。実際の演奏は4:30頃から始まりますが、この動画自体はトータルで11時間55分もかかりますので、鑑賞する際にはくれぐれも御注意ください(汗)。



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