共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

68年の歴史に幕〜菓子問屋《千石屋》ラストデー

2022年12月31日 18時18分18秒 | 日記
あれこれと波乱を含んだ2022年も、今日で終わりとなりました。そして、先日も拙ブログでご紹介しましたが、厚木の街角の風景に当たり前のように存在していた菓子問屋《千石屋》が店じまいする日でもありました。

閉店廃業してしまう前に買い物に行こうと向かったところ、



店の前には既に長蛇の列ができていました。店先の張り紙には



これまでの御礼に加えて一度に三組までの入店となる案内がされていたこともあって、上の写真の列は



なんと店をぐるりと半周してしまうほどに伸びていました。

これまでにもこちらのお店は、いろいろな人が絶えず出入りしている繁盛店でした。そこに、閉店廃業が決まった後からtvk(テレビ神奈川)やYouTuberが多く取材に来ていたことから、閉店を惜しむ多くの人々が連日押し寄せるようになっていたのです。

順番が来て店内に入ると



昔ながらのブリキの番重の中に、色とりどりの見慣れたお菓子が並んでいました。このお菓子たちとお目にかかれるのも今日が最後だと思うと、特別な感慨が胸に迫ります。

会計の間によく見ると、先程のものとは別の張り紙があることに気づきました。会計を済ませてから見てみると



68年もの間、厚木の街中に出店し続けられたことへの感謝の意が書かれていました。そしてその下に、東京都調布市にこちらの番重や量りが譲渡され、新たな量り売りのお菓子屋さんがオープンすることが案内されていました。

閉店廃業という中での喜ばしいニュースでしたが、厚木市から東京都の調布市仙川というかなり遠いところに行っていまうとのことでしたので、心中は複雑です。それでも、もしそちらへ出かけるようなことがあれば立ち寄ってみてもいいかと思います。

新店の《ひつじや》については



こちらのQRコードを読み取っていただければと思います。もし拙ブログを御覧の方で《ひつじや》のお近くの方がいらしたら、3月に行ってみていただけると嬉しいです。

今年も数あるブログの中から拙ブログを御覧いただきまして、誠に有り難うございました。この場を借りて、改めて深く御礼申し上げます。

来たる2023年もくだらないことからどうでもいいことまでツラツラと書き連ねて参りますので、お時間が許す時にでも御覧いただけましたら幸いに存じます。何れも様も、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

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思わずGET!招き猫マステ

2022年12月30日 23時20分25秒 | ネコ(=゚ω゚=)
昨日一日ゴロゴロして…いや休んでいたこともあって、今朝になったらどうにかこうにか全身の痛みは収まっていました。なので、今日は以前から約束していた通り知り合いの方と都内へ出かけることになりました。

午後から出かけたのですが、あれこれと予定をこなしているうちにだいぶ夕暮れが迫ってきた中を台東区谷中へと移動しました。谷中銀座商店街近くにある『夕やけだんだん』に行くと



素晴らしい夕映えが広がっていました。

こちらでもいろいろと見て回ったのですが、そんな中に


《ねこあくしょん》という猫雑貨のお店がありました。中に入ってみると



なんとも可愛らしい感じのディスプレイに、様々な猫グッズが陳列されていました。

あれこれと物色していたのですが、最終的に



招き猫柄のマスキングテープを購入しました。小学校のいろいろな場面でマステにお世話になることが多くてすぐに無くなっていくので、このタイミングでこんな可愛らしいものをGETできたのは嬉しいことでした。

さて、2022年も残すところあと一日となりました。様々なことがあった年でしたが、あと残り一日を大切に過ごそうと思います。

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今日はパブロ・カザルスの誕生日〜バッハ《無伴奏チェロ組曲》より第1番ト長調

2022年12月29日 17時00分30秒 | 音楽
いやぁ…きました。危惧していたのですが、やはり昨日の大掃除の後遺症が全身を襲い、目覚めたら体中がバッキバキになっておりました(泣)。

昨日が御用納めだったこともあって、整体院は休みに入っているところが殆どでした。いずれにしても、そこまで歩いていく気力と体力もなかったので、今日は諦めて一日寝ていることにしました…。

さて、今日12月29日はパブロ・カザルスの誕生日です。



パブロ・カザルス(1876〜1973)はスペインのカタルーニャ地方に生まれたチェロ奏者、指揮者、作曲家で、カタルーニャ語によるフルネームはパウ・カルラス・サルバドー・カザルス・イ・ダフィリョーといいます。

カザルスは早くから世界的名声を築き、ヨーロッパ、南北アメリカ、ロシアなどを演奏旅行して回りました。指揮者のヴィルヘルム・フルトヴェングラーはチェロ奏者としてのカザルスへ

「パブロ・カザルスの音楽を聴いたことのない人は、弦楽器をどうやって鳴らすかを知らない人である。」

という賛辞を残しています。

カザルスは1876年の今日、スペイン・カタルーニャ地方タラゴナ県アル・バンドレイに生まれました。4歳でピアノを始め、11歳でチェロを弾き始めました。

1888年から1893年まで、母の勧めでバルセロナ市立音楽院に入学したカザルスは、チェロ、ピアノ、音楽理論、作曲などを学ぶこととなりました。入学から半年ぐらいして町はずれのカフェ・トストで働くようになったカザルス少年はその頃からチェロの名手として評判になっていて、遠方からも客が聞きに来るようになっていました。

1890年に母の勧めでマドリードに居を移したカザルスは、スペイン王室からの庇護を受けるようになりました。



1896年、20歳の時にはバルセロナの音楽学校で教え始め、以後はバルセロナを拠点に、1899年デビューしたパリやニューヨークにも住みながら世界を演奏旅行して回りました。

カザルスは愛煙家としても知られていて、



このようにパイプを咥えたまま演奏する姿を何枚も写真に残されています。冗談で

「カザルスのチェロを逆さにして振ると、f字孔からマッチの燃え殻がいくつも出てきた」

などといわれていたようでしたが、木製品である弦楽器の中に本当にマッチの燃え殻なんか入れてしまっていたらシャレになりません(汗)。

さて、チェリストとしてのカザルスの大きな功績は2つ挙げられます。

ひとつはチェロの奏法に革新的な変化をもたらしたことです。カザルスは12歳でバルセロナの市立音楽院でチェロを学ぶことになりますが、師であるホセ・ガルシアから教授されたチェロ奏法に当初から違和感を抱いて独自の奏法の追究を始めました。

今では考えられないのですが、当時のチェロ奏法は両ひじを両脇につけて弾くという大変窮屈なものでした。この状態で、右手は手首を持ち上げ加減にして前腕だけで弓を動かし、左手は指の間隔を広げずに指板の上を滑らせて音程移動させていたため、現在よりもかなりチマチマした感じの動きでした。

これに対してカザルスは、右腕を脇から自由にして弓による表現性を広げ、左腕も脇から離して、指の間隔を拡張させて同じポジションで半音広く弾くことができる、現在見られるような演奏スタイルに改良しました。ただ、カザルスはこれらの奏法の確立に11年から12年を要しましたが、自身では奏法革命とか改革という表現は使っていません。

後にカザルスは

「(新奏法確立は)あくまで音楽的な完全性を目指すために必要だった」

と述べています。しかしこの奏法の改革がなければ、20世紀のチェロのための無伴奏作品の殆どが作曲されることは無かっただろうとまで言われているのです。

もう一つの功績として、それまで単なる練習曲と考えられていた



ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲の《無伴奏チェロ組曲(全6曲)》の価値を再発見して、広く世に紹介したことが挙げられています。

カザルスは1890年に、バルセロナの楽器店でバッハの《無伴奏チェロ組曲》の楽譜に出会いました。そこから研究を重ねて1904年にバッハの無伴奏チェロ組曲を初めて公開演奏すると大きな反響をよび、その後何度も演奏や録音をするようになりました。

このカザルスの再評価以降、モダンチェロ奏者や古楽器奏者といった様々なチェリストたちがバッハの無伴奏組曲をレパートリーに加え、演奏や録音を重ねています。今でこそ名曲として親しまれているバッハですが、こうしたことも、もしかしたらカザルス無しには有り得なかったかも知れないのです。

そんなわけでカザルスの誕生日である今日は、バッハの《無伴奏チェロ組曲》から第1番ト長調をお聴きいただきたいと思います。SP盤のザラついた針音の向こう側から響いてくる、カザルスならではの温かみのある音色でのバッハをお楽しみください。


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納めの『りんごワッフル』@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2022年12月28日 20時45分20秒 | カフェ
今日は昔オーケストラ時代にお世話になった先輩のお宅に、大掃除のお手伝いに行ってきました。その先輩自体は他界されているのですが高齢の奥様が健在なので、昔の御恩返しがてら毎年お手伝いに行っているのです。

都内の一等地に建つ大きなお屋敷には、素人目にも値がはりそうな家具や調度品があちこちにあり、それを一旦全部お庭に出してお掃除を済ませてから元に戻すのですが、搬出入には細心の注意をはらいます。何しろちょっとでも傷つけようものなら、とても弁償できるようなものではないのです(汗)。

しかもアンティークの家具というものは一つ一つがなかなかの重量があるので、それを搬出入するだけでもこっちはヒ〜コラしてしまいます。当の奥様はあれこれと指示を出すだけですからいいものの、運んでいる方としてはかなりしんどいのです。

それでもどうにかこうにか作業を終えて軽くお茶をご馳走になってから失礼して、そのまま横浜あざみ野の《雫ノ香珈琲》に向かいました。今年の来店は最後になるので、今日は



納めの『りんごワッフル』をオーダーしました。

自家製のりんごのコンポートとキャラメルソースとの相性は絶妙で、これが今月で終わってしまうのが勿体なく思えてしまいます。勿論、クロワッサン生地のワッフルとの相性も抜群です。

今年最後ということで、今日は久しぶりに



お店オリジナルメニューの『カフェ・アダージョ』もお願いしました。通常の倍量の豆を使ってじっくりゆっくりと淹れられた濃い味わいのコーヒーは格別で、この香りがする匂袋を持ち歩きたいくらいです(笑)。

お店にいる時から、何となく腰や背中の様子が怪しくなってきました。明日の朝になって、全身がバキバキになってしまっていないとを願うばかりです…。

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校長先生からの着信!からの松飾り

2022年12月27日 18時00分18秒 | 日記
なんやかんやあった2022年も、気づけば今日を入れてあと5日となりました。そんな中、今日知らない携帯番号からスマホに着信がありました。

誰だろう…と思いつつ電話に出てみると、なんと私が勤務している小田原の小学校の校長先生からでした。一瞬、

『え…私なんかやらかしたっけ?!』

と思ったのですが、話を聞いてみると

「先日仰っていた、支援級クラスの蛍光灯が調子悪いところってどこでしたっけ?」

というものだったのです。

実は冬休み前に、私が中心的に入っている支援級クラスの教室の蛍光灯の調子がよくなくて、スイッチを入れてもすぐに切れてしまうことがありました。他のところは点いているので大丈夫といえば大丈夫なのですが、その蛍光灯の真下の子の机が若干暗くなるので、校長先生にお知らせした上で校務用務員さんに点検をお願いしてあったのです。

とりあえずお咎めやお叱りでないことに安堵しつつ(覚えがあんのかよ…)、切れてしまう場所をお伝えして点検をお願いしました。これで休み明けに蛍光灯が点くようになっていることに期待したいと思います。

そんなことがあった後で買い物に出かけましたが、そういえばまだ松飾りを用意していないことに気づいて購入していくことにしました。駅前のAEONに行ってみると



色とりどり、大小様々な松飾りが置かれていました。

いろいろと物色した上で、今年の松飾りを無事にGETしました。これで年賀状書きさえ終えれば、我が家のお正月準備は万端です。

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相手が年々減少してます…

2022年12月26日 17時17分17秒 | 日記
クリスマスを過ぎて、今日も寒くなりました。元来寒さに滅法強い自負がある私ですが、さしもの私も寒さに震える日が続いています。

さて、今年もあと数日となりました。年末恒例の中掃除やら何やらを済ませた私ですが、まだ終わっていないのが年賀状書きです。

今年もセブンイレブンで印刷を申し込んで、



こんなデザインの年賀状を用意しました。写真だと黒っぽく見えているところは金色で、



こんな感じに輝きます。

差し出す相手が他界したり、「今後は年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」という知らせが届いたりしたこともあって、年賀状を出す数は年々減っています。今年は遂に、今までで最少の枚数となりましたが、これも仕方ないことなのかも知れません。

今から書いて出すと、恐らく元旦には間に合わないと思います。この年賀状をお出しした方々、申し訳ございません…。

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アクシデントから生まれた突貫工事的名曲《Stille nacht〜きよしこの夜》

2022年12月25日 08時45分10秒 | 音楽
昨日のクリスマス・イヴは如何お過ごしでしたでしょうか。私は折り紙でサンタを作ったこと以外は一切特別なこともせず、普通の土曜日を謳歌しておりました。

ところで、昨日はクリスマス・イヴでしたが、クリスマス・キャロル《きよしこの夜》が初演された日でもあります。

ドイツ語原詞の《Stille Nacht》はヨゼフ・モール(1792〜1848)によって書かれ、



19世紀オーストリアの小学校教師・教会オルガン奏者のフランツ・クサーヴァー・グルーバー(1787〜1863)によって作曲されました。

《きよしこの夜》は1818年12月24日から25日にかけての夜に、オーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会で初演されました。そして、この曲の成立にはひとつの逸話が残されています。

この年のクリスマス・イヴの前日に、教会のオルガンがネズミにやられたか何かの原因で音が出ない状態になってしまい、大事なクリスマスに歌う賛美歌の伴奏ができなくなってしまったのです。そこで急遽ヨゼフ・モールは《Stille Nacht》の詞を書き上げてグルーバーに渡し、

「この詞を使って、ギターで伴奏できる賛美歌を作曲してくれ。」

と依頼しました。

グルーバーは最初

「教会でギターを弾いても誰も気に入らないのではないか?」

と懸念していたようですが、ヨゼフの説得もあって詞に曲をつけることを了承しました。グルーバーは一晩中懸命に考え続け、教会でミサが始まるわずか数時間前になってこの曲を完成させた…といいます。

近年の研究では、ヨゼフは既に1816年には詩を完成させていたという説が有力です。それでも、グルーバーがかなりの短期間で作曲したというのは正しいと推測されています。

上の楽譜を見ると、《Stille nacht》の歌詞は6番まであることが分かります。ただ、現在日本で歌われている《きよしこの夜》は3番までが一般的です。

そんなわけで、クリスマスの今日は《きよしこの夜》の原曲《Stille nacht》をお聴きいただきたいと思います。突貫工事で作られたとは思えないくらいの名旋律を、聖トーマス教会少年合唱団の歌唱でお楽しみください。


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イヴ当日でも間に合う!折り紙あんよサンタ

2022年12月24日 18時15分18秒 | 日記
世間的には、今日はクリスマス・イヴです。個人的には、小学校を終えて冬休みに入った初日で、久しぶりに昼近くまでダラダラとしていました(オイ…)。

世間的には今日は外食をしたりイルミネーションを見に行ったりと、はしゃいだ一日を過ごすものです。個人的には今日はたまった洗濯物を済ませて部屋の掃除をしたりと、慎ましやかな一日を過ごしました(オイ……)。

街中に出ると、寒空の下でケーキやチキンを売ろうとする売り子の必死の訴えが耳に届きますし、きちんとマスクも着けずにうろつく若者たちの姿が目に入ってきます。あんなところで物なんか売っていたら先ず体調を崩すでしょうし、あんな中途半端なマスク装着でイルミネーションを見に人混みの中に行ったりしたら自殺行為以外の何者でもありません。

そんなわけで(どんなわけだ…)、私はケーキもチキンも買わず、イルミネーションを見に行くこともなく、自宅で洗濯物を畳んでいました(オイ………)。ただ、それだけでは芸が無いので、少しくらいはクリスマスっぽいことをしてみようと思い立ちました。

先日、放課後子ども教室の子どもたちに



折り紙サンタをプレゼントしましたが、他にも簡単な折り紙サンタの作り方がないかと検索してみました。そうしたら、足のあるバージョンの折り紙サンタの作り方動画があったのです。

早速動画を見ながら作ってみたのが



これです。手を挙げて足で立つサンタの姿は何とも言えず可愛らしく、見ていてホッコリしてきます。

そんなわけで、今日はこの足つきサンタの折り方動画を転載してみました。今からでも短時間で折り上げることができるので、手近に折り紙があったら是非作ってみてください。

なお、元の動画に音声がないため、至極静かな中で作業が進んでいきます。決してご視聴の機器が壊れたわけではありませんので、ビックリしないでください(笑)。

Merry Christmas🎅


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今日はベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》の初演日〜ヘンリク・シェリングによる演奏

2022年12月23日 17時30分17秒 | 音楽
今日は朝から快晴になったこともあってか、今まで以上に放射冷却が厳しくなりました。加えて強い風が吹きつけたこともあって、暖房をいれていないと寒くて居られません。

今日は小田原の小学校の修了式でした。明日から冬休みに入りますが、コロナ禍の先が見通せない中での修了式は、何とも言えない雰囲気でした。

ところで、今日12月23日は



ベートーヴェンの《ヴァイオリン協奏曲ニ長調》が初演された日です。ヴァイオリン協奏曲ながら演奏時間が交響曲並みの50分近くかかるこの超大作は、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキーと合わせて『4大ヴァイオリン協奏曲』のひとつとされています。

創作にあたってベートーヴェンは、ヴァイオリニストでアン・デア・ウィーン劇場オーケストラのコンサートマスターを務めていたフランツ・クレメントを独奏者に想定し、彼の助言を容れて作曲していました。初演は1806年の12月23日 にアン・デア・ウィーン劇場でフランツ・クレメントの独奏により演奏されました。

ところが、このヴァイオリン協奏曲は演奏会直前まで完成していませんでした。そのためクレメントはほぼ初見でこの難曲を見事に演奏して、聴衆の大喝采を浴びたと伝えられています。

そんなこの協奏曲はその後演奏される機会が少なくなり、存在感も薄れていってしまいました。これを再び採り上げ、『ヴァイオリン協奏曲の王者』と呼ばれるまでの知名度を与えたのは、ブラームスの友人のヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの功績です。

この協奏曲はベートーヴェン中期を代表する傑作のひとつで、ヴァイオリンと管弦楽のための作品で完成した唯一の協奏曲です。 同時期に作曲された《交響曲第4番変ロ長調》や《ピアノ協奏曲第4番ト長調》にも通ずる叙情豊かな作品で、全体に伸びやかな表情が印象的です。

ティンパニの弱奏から始まるというインパクトが印象的な第1楽章はこの曲の大半を占めていて、この楽章だけでも演奏するのに20分ちょっとかかります。続く第2楽章はト長調の変奏曲で、ホルンとクラリネットの暖かな響きの中で独奏ヴァイオリンが伸びやかに歌います。そこから切れ目なく続く第3楽章はニ長調のロンドで、一度聴いたらすぐにでも口ずさんでしまうようなテーマが特徴です。

そんなわけで、今日はベートーヴェンの《ヴァイオリン協奏曲ニ長調》を、20世紀を代表するヴァイオリニストのひとりであるヘンリク・シェリングの独奏でお聴きいただきたいと思います。ただ、先程も書いたように演奏時間が思いの外長いので、視聴の際にはくれぐれもお気をつけください(笑)。


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冬至に柚子をいただいて

2022年12月22日 19時30分15秒 | 日記
今日は二十四節気のひとつ『冬至』です。今日は放課後子ども教室があったので、子どもたちにも冬至についていろいろと伝えました。

今日は名前に『ん』のつくものを食べると風邪をひかない…という伝承を元にして、子どもたちに『ん』のつくものを列挙させました。だいこん、にんじん、れんこん、こんにゃく…中には

「チンゲンサイ!」
「パッションフルーツ!」

という声もありましたが、チンゲンサイは日本の野菜ではありませんし、パッションフルーツに至っては大人たち全員でズッコケてしまいました。

ただ、ここの子どもたちは冬至にかぼちゃを食べることは知っていました。意外だったのですが、どうやら今日の学校の授業でもとりあげていたようでした。

そこで、

「かぼちゃには名前に『ん』がつかないのに、なんで冬至に食べるものの仲間に入っているのでしょうか?」

と聞いてみたのですが、その質問になると子どもたちは

「なんでだ?」

と考えあぐねてしまっている様子でした。そこで

「かぼちゃは漢字で『南瓜』と書いて、『なんきん』とも読むからです。ね、『ん』がつくでしょ?」

と言ったら

「えぇ〜!?」

と一様に驚いていました。

また、柚子湯に入って温まることも伝えましたが、これはさすがに知っていたようでした。ミカン農家の多い地域であることもあってか、柚子湯の習慣は根付いているようです。

教室を終えて子どもたちと

「良いお年を。」

と挨拶をして別れてから、後片付けや清掃を済ませました。そして、ミーティングを終えたところでスタッフのひとりが

「これ、持って帰ってください。」

と言って



立派な柚子をくださいました。

ありがたく頂戴して持ち帰りましたが、自宅で包みを開けてもまだいい香りが立ち上ってきました。普段は冬でも湯船に浸からない私ですが、今日くらいは柚子湯に浸かってみようかと思います。

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相性抜群!『りんごのワッフル』@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2022年12月21日 17時55分17秒 | カフェ
出勤時の気温が氷点下になったことで、今日も寒くなりました。ここ最近は朝に手袋をしていないと、手指の先がジンジンと痛くなってくるほどです。

そんな中でも小学校では体育の授業があるわけで、当然の如く子どもたちは体操服に着替えなければなりません。その度に子どもたちは

「寒い〜!」
「ヤだ〜!」
「死ぬ〜!」

と大騒ぎして大変ですが、

「大丈夫、『死ぬ』って言って本当に死んだ奴ぁいない。」

という謎の理論を振りかざして沈静化させています(笑)。

そんな小学校勤務を終えて後片付けを済ませてから、横浜あざみ野の音楽教室に移動しました。そして、いつものように《雫ノ香珈琲》に立ち寄りました。

今日は学校であちこち駆けずり回ってすっかり疲れてしまって、身体が甘いものを欲していたので



今月のメニュー『りんごのワッフル』をオーダーしました。

アップルとカスタードの相性は勿論バッチリですが、アップルとキャラメルの相性は抜群です。なんで今までこの組み合わせがなかったのかと思うくらいの相性で、コーヒーとのマッチングも絶妙です。

今日はクリスマス前ということで、



昨日放課後子ども教室の子どもたちにプレゼントした折り紙サンタさんをお店にもプレゼントしました。早速レジ前のコーナーに飾っていただけて、何だか恐縮してしまいました(汗)。

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TobaccoじゃないよChabaccoだよ

2022年12月20日 17時55分17秒 | 日記
今日は、今年最後の放課後子ども教室がありました。

いつものように宿題を済ませてから、みんなで歌を歌ったり、私がヴィオラでクリスマスソングを弾いたりといろいろと盛りだくさんでした。最後には昨日作った折り紙サンタもプレゼントしましたが、子どもたちは一様に喜んでくれたようで安心しました。

子どもたちが帰ってから後片付けをして、スタッフの方々と年末の挨拶を交わしてから小田原駅に向かいました。すると、出勤時には気づかなかったのですが、小田急線の改札口の近くに



タバコの自動販売機が登場していたのです。

そもそも駅構内は終日禁煙のはずなのに、何でタバコの販売だけはしているのだろうかという常日頃からの疑問が沸々とわいてきた…のですが、よく見てみると



これはタバコのバッケージっぽいものに入ったスティックタイプのお茶の自動販売機でした。よくよく見てみると『Tobacco』ではなく『Chabacco=茶箱』と書いてあり、本体にも



『コレ、タバコ……ではなくお茶です!』

という吹き出しが添えられています。

どうせココアシガレットのようにタバコっぽく洒落込むなら、こんな野暮なこと書かなきゃいいのに…とも思ったのですが、よく読みもせずに購入して「タバコじゃないじゃないか!」と抗議してくる無粋な輩がいないとも限りませんから、予防線を張っておくに越したことはありません。落語の『明烏(あけがらす)』に出てくる若旦那じゃありませんが、およそ世の中で洒落の分からない人種ほど厄介なものはありませんから…。

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簡単カワイイ!折り紙サンタ

2022年12月19日 19時15分20秒 | 日記
今朝の厚木市は、最低気温が遂に氷点下にまで下がりました。目覚ましよりも先に目覚めてしまったら、とにかく寒くてビックリしました。

さて、明日は年内最後の放課後子ども教室のため、子どもたちにちょっとしたプレゼントを用意しようと思いたちました。それで、折り紙で簡単にできるものはないかと検索していたら、可愛らしいサンタクロースの折り方があったので作ってみることにしました。

動画を観ながら折ってみたら



こんな感じに折り上がりました。ここに



こうしたシールを使って目鼻をつけたら



こんな感じになりました。

折っていてとても楽しくて簡単なので、あまり苦労せずに人数分のサンタクロースを作りました。そして、調子よく作り続けていたら…



ちょっと作り過ぎました(汗)。

このサンタクロースは簡単なので、今から作っても今週末のクリスマスに十分に間に合います。参考にした動画を転載してみましたので、興味のある方は作ってみてください。


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今日はバレエ《くるみ割り人形》の初演日〜当時最新鋭の楽器チェレスタを使った『金平糖の踊り』

2022年12月18日 12時34分56秒 | 音楽
今朝は冷たい雨がパラパラと降っていましたが、それも8時過ぎには上がりました。

ところて、昨年も書いたような気がしますが、今日12月18日は



チャイコフスキーのバレエ《くるみ割り人形》が初演された日です。1892年に初演されたこの作品は《白鳥の湖》《眠りの森の美女》と共にチャイコフスキーの3大バレエに数えられていて、クリスマス・イヴの日の話であることから、この時期になると各地で公演されることの多いものでもあります。

作曲に至った経緯等については昨年の今日の投稿を御覧いただきたいと思いますが、チャイコフスキーはこの作品の中で新しい試みをしています。それが、当時開発されたばかりの楽器であるチェレスタを導入したことです。

チェレスタはパリの楽器制作家オーギュスト・ミュステルが発明し、1886年に特許を得た鍵盤楽器のひとつです。全体は



このような小型のアップライトピアノのような形状をしていて、音域は4オクターブ程です。

この楽器の一番の特徴は、ピアノでいう弦があるところの本体内に



鉄琴が仕込まれていることです。演奏するとハンマーが鉄琴を叩いて、まるでオルゴールのような幻想的な音色がします。

それまでにも、たとえばモーツァルトの歌劇《魔笛》の中のパパゲーノのアリア『恋人が女房がいれば』で使われている鍵盤式のグロッケンシュピールや、『天使の声』と喩えられてサン=サーンスの《動物の謝肉祭》の中の『水族館』でも使われている珍しい楽器アルモニカ(またはグラス・アルモニカ)といった楽器がありました。しかし、それらは性能としても丈夫さとしてもあまりいいものとは言い難く音量も貧弱だったため、このチェレスタの開発は画期的だったのです。

チャイコフスキーは旅先のパリでこのチェレスタを見つけて、新作のバレエにこの楽器を使うことに決めました。チャイコフスキーはパリからチェレスタを取り寄せる際、楽譜出版社のユルゲンソンに送った手紙で

「他の作曲家、特にリムスキー・コルサコフとグラズノフには絶対に知られないように。」

という趣旨のことを書いて念押ししていることから、この新楽器の使用をロシアの他の作曲家たちに先を越されたくないという並々ならぬ思いがあったようです。

その後チェレスタは様々な音楽に使われるようになり、レスピーギやマーラー、ラヴェル、バルトーク、ショスタコーヴィチといったオーケストレーションに長けた作曲家が印象的に使用しています。最近ではジョン・ウィリアムズが映画『ハリー・ポッター』のテーマ音楽に使っていますから、かなりの方々がチェレスタの音色をご存知なのではないでしょうか。

そんなわけで、今日は《くるみ割り人形》の中から『金平糖の踊り』を御覧いただきたいと思います。チャイコフスキーが先鞭をつけることになった楽器の音色と共に、戦争の渦中で翻弄されているボリショイ・バレエのプリンシパル、エフゲーニャ・オブラスツォーワの華麗な舞をお楽しみください。


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明日まで開催!鎌倉長谷寺本尊造立1300年記念『御足参り』

2022年12月17日 18時30分18秒 | 神社仏閣
今日は暗い雲の垂れこめる、寒い一日となりました。そんな中、今日は鎌倉市にある長谷寺に参詣に出かけました。

小田急線と江ノ電を乗り継いで長谷駅に着き、そこから5分ほど歩くと



長谷寺の山門が見えてきます。こちらでは、昨年12月から本尊造立1300年を記念した御本尊の十一面観世音菩薩の『御足参り(みあしまいり)』が明日まで開催されているのでお詣りに来たのです。

寺伝によれば養老5(721)年に徳道上人が巨大な十一面観世音菩薩像を2体作り、ひとつを奈良県初瀬の長谷寺に納め、もうひとつを縁ある地に流れ着くようにと海に流しました。その像が15年の時を経てこの近くに流れ着き、それを引き揚げて祀ったのが鎌倉の長谷寺の始まりとされています。

721年に本尊が造立されてから昨年の2021年で1300年目を迎えていたため、それを記念して毎年12月18日に開催されている『御足参り』が昨年だけ期間を伸ばして開催されていました。ところが、その開催中に新型コロナウィルスが爆発的に蔓延して中止となってしまったため、感染状況が落ち着いた頃から翌年2022年の12月18日になるまでのほぼ1年間にわたって『御足参り』が年をまたいで延長開催されることとなったのです。

いつもは赤い提灯が提げられている山門には



金色の本尊造立1300年記念バージョン提灯が提げられていました。受付で、今回の移動のために購入した小田急線の『江ノ島フリーパス』を提示すると、



紅葉の山門を描いたミニクリアファイルがプレゼントされました。

長い石段を登っていくと、



御本尊の十一面観世音菩薩が安置されている大悲殿が現れます。受付で志納料を納めると、



特製の手ぬぐいが手渡され、これを持って御本尊の御前に進みます。

こちらの御本尊は



9mを超える巨大な十一面観世音菩薩立像です。奈良の御像と同じ楠製で、木造の仏像としては日本最大級の大きさを誇ります。

『御足参り』は、



この御本尊の御御足に直接手を触れてお参りするものです。何しろ9m超えの巨像ですから、実際に足元に進むと



こんな感じになります(御本尊の写真はお寺のHPから引用)。

本来なら素手で御御足に触れるところなのですが、昨今の感染症蔓延の見地から今回は



先程の手ぬぐいを御御足に置いて、その上から手を添えてのお参りとなりました。直接触れられないのは残念ですが、その分こうした記念グッズが手元に残ると考えれば、これもまた良しといったところです。

御御足に手を触れている最中、僧侶がお鈴を鳴らしながら真言を唱えてくれるのですが、この時の僧侶がものすごくいい声の方でした。やはり読経の声色というのもお参りの大切な要素のひとつだな…と改めて感じたものです。

無事に御足参りを済ませてから、



御朱印も頂いてきました。大悲殿を出て境内にある展望台に行くと



相模湾を一望できる大パノラマを楽しむことができますが、さすがに吹きさらしの高台は寒いので、早々に場所を移動しました(汗)。

境内の木々はまだ紅葉が残っていて







あちこちで美しく色づいた様子を楽しむことができます。赤や黄色の紅葉を楽しんで石段を降りてから、



境内にある福徳辯才天堂にも参詣しました。

御足参りを終えて長谷寺を辞してから、折角長谷にいるので、



鎌倉大仏で有名な高徳院にも参詣しました。



像高だけでも11m超の巨大な青銅の阿弥陀如来座像は、迫力の一言です。

また、



歌舞伎十八番のひとつ『暫(しばらく)』の主人公である鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)を祀った御霊神社にも参詣しました。こちらの境内にある銀杏の木はだいぶ落葉していましたが、



美しい山茶花の花を楽しむことができました。

鎌倉長谷寺の『御足参り』は明日が最終日です。事前予約は要りませんので、本尊造立1300年という記念の法要にお出かけになってみては如何でしょうか。

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