共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はハイドンの祥月命日〜流浪の頭蓋骨と弦楽四重奏曲の名品《ラルゴ》

2022年05月31日 17時30分25秒 | 音楽
今日は午前中には冷たい雨が降りましたが、その雨が止むと昼前から徐々に気温が上昇していきました。その後、午後から薄日が差すようになると気温だけでなく不快指数まで上昇してきて、小学校では子どもたちも大人たちもグッタリしてしまっていました…。

ところで、今日5月31日はハイドンの祥月命日です。



『交響曲の父』や『弦楽四重奏曲の父』と呼ばれるフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732〜1809)は、この日に77歳という、当時とあってはなかなかの長寿を全うしました。

晩年のハイドンはロンドンで活躍していて、一時はそこに永住も考えていたほどでした。しかし1793年には住み慣れたオーストリアに戻ってウィーン郊外のグンペンドルフという場所に家を建て、ここが晩年の住居となりました。

それからのハイドンは、《天地創造》と《四季》という2つの大作オラトリオを作曲して大成功を収め、器楽曲では《トランペット協奏曲 変ホ長調》のほか、『五度』『皇帝』『日の出』といったサブタイトルの曲で有名な6曲セットの《エルデーディ四重奏曲 作品76》等を作曲しています。この時ハイドンはすでに還暦を過ぎていましたが、その創作意欲は衰えることはなかったようです。

それでも1802年、ハイドンは持病が悪化して、もう作曲ができないほど深刻になり、1803年を最後として指揮台に立つこともなくなってしまいました。晩年のハイドンは、かつて自身が作曲した『神よ、皇帝フランツを守り給え(皇帝讃歌)』をピアノで弾くことを、数少ない慰めとしていたようです。

1803年には、弦楽四重奏曲としては最後の作品となる第83番を作曲しましたが、これは中間の2つの楽章だけで放棄されて、1806年に未完成のまま出版されました。そして1809年5月31日、ハイドンはナポレオンのウィーン侵攻による占領下のウィーンで77歳で死去し、葬儀は翌6月1日に執り行われ、後の6月15日にはウィーン市民の参列できる追悼式が行われて、大勢の参列客が集まったと伝わります。

ところで、ハイドンの埋葬については何とも奇怪な話があります。ハイドンの死後、オーストリアの刑務所管理人であるヨハン・ペーターという人物が、なんとハイドンの遺体から首を切り離して持ち帰ってしまったのです。

ヨハン・ペーターは、当時流行していた骨格や脳の容量と人格とに相関関係があるとする『骨相学』という奇怪な学説の信奉者でした。それを基に他にも何人かの囚人の頭蓋骨を収集していたのですが、ハイドンの天才性と脳容量の相関関係についても研究し、

『ハイドンの頭蓋骨には音楽丘の隆起が見られた』

などとする論文を発表しています。 

そんな奇怪な「研究」の終了と共にハイドンの頭蓋骨は、かつてハイドンも仕えていたエステルハージ家の書記で、ハイドンを尊崇していたローゼンバウムという人物に下げ渡されまし
た。その後、ローゼンバウムの家では

『ハイドンの頭蓋骨が顎をカタカタ鳴らしながら、うなり声を上げて家の中を飛び回った』

という怪談話まで伝わっています(汗)。

その後の頭蓋骨はローゼンバウムの元を離れて所有者を転々とし、胴体は第二次世界大戦後にソ連よって接収されていました。しかし1954年になって、1895年以降頭蓋骨を所有していたウィーン楽友協会から引き渡され、先にソ連から返還された胴体とようやく一緒になって



無事にアイゼンシュタットの霊廟に葬られることとなりました。

それにしても、故人の頭の部分だけが約150年もの間胴体と切り離されて別々に保管され続けていた…という奇怪なエピソードは、日本人にはちょっと理解し難いものです。所持している本人や家族たちは、他人の頭蓋骨なんかを家の中に置いておいて気持ち悪くはなかったのでしょうか…(怖)。

さて、オカルト話はこのくらいにして(笑)、ハイドンの誕生日には交響曲を紹介しましたので、命日には弦楽四重奏曲を紹介したいと思います。数あるハイドンの弦楽四重奏曲の中から、今回は第79番ニ長調を選んでみました。

弦楽四重奏曲第79番ニ長調作品76-5は、先に挙げた《エルデーディ四重奏曲 作品76》の中の一曲で、特に第2楽章が大変美しいために、この曲そのものを『ラルゴ』というサブタイトルで呼ぶこともあります。

そんなわけで、ハイドンの祥月命日である今日はその『ラルゴ』を、コダーイ弦楽四重奏団の演奏でお楽しみいただきたいと思います。嬰ヘ長調という



♯が6つ(!)もついた調性ならではの、抑制された響きを御堪能ください。


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今年も登場!

2022年05月30日 19時10分19秒 | スイーツ
連日お暑うございます。一体今は何月なのでしょうか…。

こう暑いと、何だかボ〜…っとしてきます。今からこんなんでは、7月や8月になったらどうなってしまうのやら…。

午後になって、せめてアイスくらい食べたいと思ってセブンイレブンに行ったら



去年も買っていた丸永製菓の『ゴロッと果実を味わうアイスバー』が、今年も登場していました。半透明のアイスキャンディの中に桃やバイナップルの果実がゴロゴロと入っていて、なかなか食べ応えがあります。

明日はどうやら雨模様になり、気温も下がるようです。今の暑さに油断しないよう、今から気をつけようと思います…。

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久しぶりのアイリッシュセッション!@国立市《Celtic Moon》

2022年05月29日 22時22分22秒 | 音楽
今日、遂に関東地方各地の最高気温が30℃を超え、真夏日を記録しました。まだ5月中だというのに、勘弁してもらいたいものです…。

そんな中でしたが、今日は久しぶりに東京都国立市まで出かけました。今日はこちらにあるアイリッシュパブ《Celtic Moon》で



久しぶりのアイリッシュセッションが開催されることになったので、久しぶりに参加させていただくことにしたのです。

今日はいわゆるセントパトリックデーではないのですが、折角のアイリッシュセッションということで何か緑色のものを身に着けるべく



緑色の不織布マスクを着けて参加することにしました。昨今は、探すといろいろなものがあるものです。

お店に入って参加費を納めてから、これまた久しぶりに



アイリッシュシードルのマグナースをオーダーしました。本格的なアイリッシュパブで頂くマグナースは、やはりいいものです。

18:00になって



アイリッシュアンサンブルのキャプテン・ポチーンの主導によってセッションが始まりました(なお上の写真では、演者が歌を歌ったりティンホイッスルを吹いたりする都合上マスクを外した状態が写っております、念の為)。今回も



『Whiskey in the Jar』をはじめとしたアイリッシュの定番曲を、いろいろと合わせました。

休憩を挟んでの後半には、キャプテン・ポチーンのメンバーの中でご結婚されたカップルに、全員から歌のサプライズプレゼントがありました。そして最後には定番の『Ryan's polka』を全員で合わせて、賑やかに幕を閉じました。

考えたみれば、こうしたライブセッションもかなり久しぶりです。新規罹患者数も徐々に落ち着きをみせていることもありますから、こうしたセッションが気兼ねなくできるようになっていってほしいものです。

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安っ?!

2022年05月28日 21時20分21秒 | 日記
いやぁ…暑い!今日の厚木市は最高気温が27℃に達し、夏そのものの様相を呈していました。

梅雨入り前なのにいきなりこんなに気温が上がられると、身体がついていけなくておかしくなりそうです。こんなことでは、本格的な夏が今から思いやられます…。

ところで、昨日の豪雨で靴がやられてすっかりダメになってしまったので、諦めて靴を新調しようと



イオンにある靴屋に行きました。いろいろと物色していたら、



ちょうどいいものがありました。しかも値段を見てみたら



なんと¥2.000!あまりに安くてちょっと怪しみましたが、いろいろとチェックしてみたものの特に問題なさそうだったので、購入してみました。

明日は久しぶりに、ちょっと遠くまで出かけます。その前に新しい靴をGETできて、本当に助かりました。

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突然のリコーダー集団レッスン〜《小さな約束》

2022年05月27日 18時30分35秒 | 音楽
昨日の天気予報の通り、今朝の神奈川県は凄まじい豪雨で明けました。大雨に備えて早目に到着した小田原駅で見たのは、正に滝のようなドカ雨でした。

しばらく様子を見ていたのですが、一向に止みそうにない大雨をいつまでも待っていられないので、意を決して学校へ向かいました。なるべく車とすれ違わない裏道を駆使しながら何とか学校にたどり着きましたが、玄関に入った頃にはズボンがすっかりツートンカラーになっていたのでありました…。

さて、今5年生の音楽の時間に



《小さな約束》という曲をリコーダーで練習しています。私も久しぶりに



マイソプラノリコーダーを出してきて、子どもたちと一緒に吹いているのですが、支援級の子どもたちにとってはなかなか難しい曲となっています。

特に終盤にあるソ♯の指使いがちょっと面倒なのですが、彼らにとっては一般級の子どもたちよりもハードルの高いものとなっていて、結構苦労しているのをよく見かけていました。すると支援級の子どもたちから

「休み時間に教えてください。」

とお願いされたのです。

私としても授業時間内に個別に教えるには限度があると思っていたので、彼らのやる気に応えるべく練習に付き合うことにしました。特別室を使うには職員室で鍵を借りなければいけないのですが、ちょうど学校の中に廊下と区切られていないオープンスペースの多目的室があるので、昼休みにそこでレッスンすることになりました。

支援級の子どもたちと首っ引きになって練習していたら、何だか背後に人の気配を感じました。何だろうと思って振り向いてみると、一般級の5年生の子たちが何人かズラッと並んでいたのです。

リアルにビックリしすぎて後ずさってしまったのですが、彼らは各々リコーダーを手にして

「自分たちにも教えてください!」

と言ってきました。どうやらリコーダーが苦手な子たちが多目的室から聞こえてくる課題曲を聴いて、自分たちも知りたいと思って来ていたようです。

ちょっと面食らいましたが、学びたい気持ちに違いはないので、彼らも一緒に練習することにしました。やはりソ♯と、高音域で裏側の穴を押さえている左手親指を半分開けるサミングという技が不得手な子がいたので、先ずはテンポを落としてゆっくりと練習してもらいました。

昼休みの終わりを告げるチャイムと共にレッスンは終了しましたが、子どもたちは

「また来週、よろしくお願いします。」

と言って教室に帰っていきました。来月初旬に実技試験があるので、それまでに技術を向上させたい意向があるようです。

何にしても、学習意欲を持つということは素晴らしいことです。彼らのためにも、自分でできることであれば協力しようと思っております。

そんなわけで、今日はそのリコーダー課題曲《小さな約束》をお聴きいただきたいと思います。5年生たちが頑張っている、短くも愛らしいリコーダーデュオをお楽しみください。


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ランパル・ラスキーヌ・パイヤールの共演によるモーツァルト《フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299》

2022年05月26日 16時35分40秒 | 音楽
今日も神奈川県は日中、25℃に達する夏日となりました。こういう時には、涼しい我が家でアイスを食べるに限ります(ただの自堕落ちゃねぇか…)。

今日は小学校勤務はありませんでしたが、その分自宅でデスクワークに勤しんでいました。その時にいろいろとBGMをかけていたのですが、主に先月フリーマーケットで買ってきたLPレコードをかけていました。

いくつか聴いていたのですが、その中でも印象的だったのが



ジャン=ピエール・ランパルのフルートとリリー・ラスキーヌのハープ、ジャン=フランソワ・パイヤール指揮、パイヤール室内管弦楽団という20世紀の名演奏家たちの共演によるモーツァルトの《フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299》でした。

《フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299》は、モーツァルトが1778年に作曲した作品です。モーツァルトがフランスに滞在していた時に家庭教師をしていたド・ギーヌ侯爵の家で、その令嬢の結婚式で演奏するために侯爵からの依頼で作曲されました。

令嬢はハープを演奏し、侯爵もフルートの愛好家であったことから、オーケストラをバックに父娘が各々の楽器のソリストとなって演奏するという条件のもと作曲されました。ただ、実際に令嬢の結婚式で演奏されたかどうかはモーツァルトの日記を含め記録は残っていません。

フルートとハープという音色のかけ離れた楽器の組み合わせはそれまでに前例が無いだけでなく、そもそもハープ協奏曲の名作が数少ないこともあって、しばしばハープ奏者の力量を証明するために演奏されることが多いようです。

様々な協奏曲の各楽章終結部近くにあるカデンツァは本来演奏者の即興に委ねられるべきものですが、この曲はアマチュア音楽家の依頼で作曲されたため、3つの楽章すべてに置かれているカデンツァにはモーツァルト自身によるものがあったとされています。しかし、残念ながらこれらのカデンツァ楽譜は消失してしまっているため、現在ではドイツの作曲家カール・ライネッケ(1824〜1910)の手によるものが使用されています。

この録音では第1楽章と第3楽章はライネッケのカデンツァが使われていますが、第2楽章のカデンツァはハープのラスキーヌが書いたものが使われています。ハープの名手として知られたラスキーヌのものらしくハープの華麗な技巧が遺憾なく発揮されたもので、ライブではなかなか聴けませんが、腕に覚えのあるハーピストには是非演奏してほしいものです。

因みに、このLPレコードは『コロムビア・デラックス・シリーズ』というもので、解説書の続きには



なんとフルスコアがついています。これもLPレコードのサイズ感ならではの付録と言えるのではないでしょうか。

そんなわけで、今日はランパル、ラスキーヌ、パイヤールの共演によるモーツァルトの名曲の演奏をお楽しみいただきたいと思います。いずれ劣らぬ名手たちによる、典雅できらびやかなモーツァルトの音楽を御堪能ください。


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再びのブルーベリーワッフル@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2022年05月25日 17時55分17秒 | カフェ
今日も小田原は気持ちのいいお天気となりました。そんな晴天の下で昨日に引き続き今日も屋外でスポーツテストがあり、気づけば腕がすっかり日焼けしていました…。

そんな小学校勤務を終えてから、そのまま横浜あざみ野の音楽教室に向かいました。そして、いつものように《雫ノ香珈琲》に立ち寄りました。

今日は、今月で終わってしまう



『ブルーベリーワッフル』をお願いしました。自家製ブルーベリーソースが自家製サワークリームと生クリームとにマッチして、実に風味爽やかなワッフルです。

今日は水出しコーヒー…をお願いしたかったのですが、何と今日の分は完売ということだったので、アイスコーヒーをお願いしました。勿論、通常のアイスコーヒーも風味豊かで飲み応えのあるものです。

それにしても横浜は暑い!小田原と比べると、明らかに1℃くらい気温が違う気がします。夕方になってだいぶ風が心地よくなってきましたが、これから本格的な暑さを迎えたらどうなってしまうのか、今から先が思いやられます…。

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小さな多肉オウシュウマンネングサ

2022年05月24日 18時55分25秒 | 
今日も気持ちのいいお天気となりました。そんな中で小学校の子どもたちのスポーツテストが行われたのですが、風こそ涼しいものの照りつける日差しの暑さに、全員がバテ気味になっていました。

さて、スポーツテストも終わって休み時間になったので教室に帰ろうとしたら、

「先生、ちょっといいですか?」

と何人かの子どもたちに呼び止められました。何だろう?と思っていると

「ちょっとあそこに咲いている花の名前を教えてほしいんですけど。」

と言われたのです。

先月校庭の植物観察をしてナガミヒナゲシのことを教えてから、私はどうも一部の子どもたちから『やたらと植物に詳しい人』認定されたらしく、植物に興味のある子たちによく質問されるようになっています(汗)。で、呼ばれた校庭の隅の方に行ってみると、



この黄色い花が咲いていました。

これはオウシュウマンネングサ(欧州万年草)という花で、ヨーロッパや北アメリカに自生してい多年生植物です。花の直径は6〜7mmと非常に小さな花ですが、実は



園芸種でお馴染みのセダムと同じ多肉植物です。それが証拠に花の奥の葉を見てみると



セダムのようなバラの花状になっている多肉の部分を見ることができます。

乾いた砂地や石の割れ目といった植物にとって過酷な環境でも生育するため、土壌や光の条件はほとんど問いません。愛らしい黄色の花は植栽のグラウンドカバーの他に花かごや鉢植え等にも用いられていますが、近頃では道端やブロック塀の際などでも見受けられるようになってきました。

それにしても、このオウシュウマンネングサや



ヒマラヤ原産のヒメツルソバといった植物が、グランドカバーのために明治期以降に輸入されてきたようですが、それがこんなにあちこちで見られるようになったのは最近のことのような気がしています。こうした一見可愛らしい外来種が、先日掲載したオオキンケイギクのように日本の固有種に悪影響を及ぼすような存在にならなければいいのですが…。

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秋刀魚はいないよサンマー麺

2022年05月23日 20時40分20秒 | グルメ
今日は爽やかないいお天気に恵まれました。こういう天気が続けば言うことはないのですが、そうもいかないのが5月下旬というものでもあります…。

ところで、神奈川県民以外の皆さんは『サンマー麺』というものをご存知でしょうか。よく

「秋刀魚が入ってる麺?」

と言われることが多いのですが、サンマー麺とは



これです。

サンマー麺は漢字で『生馬麺』と書き、『生=サン』『馬=マー』は共に広東語の読み方で、調理法もやや甘めの広東料理に属しています。生馬麺の生(サン)は「新鮮でしゃきしゃきした」と言う意味、馬(マー)は「上に載せる」と言う意味があって、新鮮な野菜や肉をサッと炒めてしゃきしゃき感のある具をあんかけにしたものを麺の上に載せることから名付けられたと伝えられています。

また『生碼麺』と書いてあるお店もありますが、この『碼』の字は中国では港の埠頭を指す意味なので余り料理用語には使用しません。ただ、歴史的に見ると横浜には埠頭が多く存在していて港で働く労働者が好んで食べたところから、この『碼』の字が使われるようになったと言う説もあります。

元々サンマー麺は戦前当時に調理人達のまかない料理として作られたもので、とろみを付けた肉そばが原形になったと言われています。 神奈川県横浜市中区の中華料理店から戦後(昭和22~23年頃)発祥したと云われ、醤油味がベースのスープに肉・もやし・白菜、その季節に有る具にあんをかけた簡単なものでしたが、ラーメンよりボリュームがあり美味しく、あんがかかっているので寒い季節は温まって元気が出てくることから徐々に商品化され、いろいろなお店にも並ぶようになってきたものです。

最近では見た目も鮮やかにするための料理の色合いと栄養価を引き出す白・黒・赤・黄・青(緑)の5色の食材…もやし・白菜=白、キクラゲ=黒、豚肉・人参=赤、たけのこ=黄色、ニラ・葉物=青(緑)…などを載せ、栄養も考え合わせた美味しい調理法に変わってきました。この具の中で特に欠かせないのが「もやし」で、材料費としても安くシャキシャキとして口当たりも良くボリュームもあるので、一般のお店がサンマーメンを取り扱うようになってからは「もやし」が主体に使われるようになってきたと言われています。

今日は中華街…ではなく、厚木の《餃子の王将》で堪能してきました。久しぶり食べましたが、甘辛な生馬麺もなかなかいいものです。

最近はカップ麺のサンマー麺も発売されているようです。興味のある方は、お近くでさがしてみてはいかがでしょうか。

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今日はヴァーグナーの誕生日〜圧巻のジュゼッペ・シノーポリ指揮《ニュルンベルクのマイスタージンガー》前奏曲

2022年05月22日 12時30分12秒 | 音楽
昨日の雨は上がって、今日は薄曇りの朝となりました。それから昼近くになって徐々に晴れ間がのぞいてきて、それに伴って気温も湿度も上昇してきました。

ところで、今日5月22日はヴァーグナーの誕生日です。



ヴィルヘルム・リヒャルト・ヴァーグナー(1813〜1883年)は19世紀ドイツの作曲家、指揮者、思想家で、ロマン派歌劇の頂点である作曲家の一人として、また『楽劇王』の別名で知られています。殆どの自作歌劇の台本を単独で執筆しただけでなく理論家、文筆家としても知られていて、当時の音楽界だけでなく19世紀後半のヨーロッパに広く影響を及ぼした中心的文化人の一人でもあります。

一方でユダヤ人を執拗に攻撃する執筆を発表したり、ドイツ三月革命に参加するも失敗してスイスに亡命を余儀なくされたりといった、なかなかアグレッシブな経歴の持ち主でもあります。また、ヴァーグナーの2番目の妻であるコージマはフランツ・リストの娘で、指揮者ハンス・フォン・ビューローと離婚してまでヴァーグナーと再婚した女性でもあります(この略奪婚でビューローはヴァーグナーと仲違いし、当時ヴァーグナーと敵対していたブラームス派に寝返ったといわれています)。

ヴァーグナー作品の特徴としては、オペラの一様式である『楽劇』という音楽を唱道したことにあります。『楽劇』は音楽・文学・舞踊・造形芸術などの総合としての全体芸術作品で、従来のオペラのようにアリアを繋いだオペラではなく、1幕ないし1場を通じて音楽が途切れることなく続く『無限旋律』を底流に、人物や場面を象徴的に表す言語的表現力をもつ『ライトモティーフ』が用いられました。

ヴァーグナーの主な楽劇作品には

《さまよえるオランダ人》 (1842年完成)
《タンホイザー》(1845年完成)
《ローエングリン》(1848年完成)
《トリスタンとイゾルデ》(1859年完成)
《ニーベルングの指環》 (1874年完成 )
《パルジファル》 (1882年完成)

などがあります。特に《ニーベルングの指環》はヴァーグナー35歳の1848年から61歳の1874年にかけて作曲され、

序夜『ラインの黄金』 (Das Rheingold )
第1夜『ヴァルキューレ』 (Die Walküre )
第2夜『ジークフリート』 (Siegfried )
第3夜『神々の黄昏』 (Götterdämmerung )

の4部作完結まで26年もの歳月をかけたというバケモノ級の大作です。

さて、こうしたヴァーグナーの楽劇の中でも一般に人気がある作品といえば《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 (1867年完成)ではないでしょうか。

《ニュルンベルクのマイスタージンガー》は全3幕の楽劇で、実在したニュルンベルクの詩人ハンス・ザックスを主人公とした喜劇調の作品です。そして、その中でもとりわけ有名なのが『第1幕への前奏曲』です。

この『第1幕への前奏曲』は楽劇の幕開けを告げる華やかな音楽で、楽劇を離れてオーケストラの演奏会プログラムにも単独で採り上げられることの多いものです。個人的な話ですが、恐らく私が一番多く演奏したヴァーグナー作品であることは間違いありません。

そんなわけでヴァーグナーの誕生日である今日は《ニュルンベルクのマイスタージンガー》から『第1幕への前奏曲』をお楽しみいただきたいと思います。早世が惜しまれるジュゼッペ・シノーポリ指揮、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団による、日本公演でのアンコール(!)演奏を御堪能ください。


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気をつけます…

2022年05月21日 17時00分20秒 | 日記
今日は朝から冷たい雨の降る、生憎の空模様となりました。先日『もう長袖シャツは御役御免かな』などと思っていましたが、なかなかそうは問屋が卸さないようです…。

いつもの我が家でのルーティンですが、今日も



我が家の仏壇に手を合わせてお勤めをしました。その時に必ず



お線香をあげるのですが、実は先日、我が家ではないのですがこのお線香で大変なことがありました。

先日、厚木市の隣の海老名市で住宅一棟を全焼させる火災が発生しました。住民にケガはなかったのですが、どうもその火災の原因が仏壇の御燈明、或いはお線香だというのです。

私は朝のお勤めの後にいろいろと準備をして出かけることになるのですが、御燈明は電池式のものなので問題ないものの、たまにお線香が燃えきらない中で出かけてしまうことが何度かありました。しかし、先日の海老名市での火災の報を受けて、改めてちょっと怖くなったのです。

それでなくとも我が家は借家ですから、火事なんぞ出すわけにはいきません。たとえお線香の小さな火であろうと火は火ですから、今後は一層気をつけようと思わされたのでありました。

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既に2本目…

2022年05月20日 18時45分50秒 | 日記
今日も小田原の小学校支援級では、大小様々な衝突や感情爆発が勃発しました。

とにかく情緒級の子どもたちは『自分が今したいこと』や『気分じゃなくてやりたくないこと』に全力なのです。そして、それを完遂させるためには、特に担任の先生ではなく個別支援員の大人たちへ平気で暴言を浴びせたり、男の私には遠慮は無用と思っているのか背中を殴ったり足を蹴飛ばしたりしてきます。

それに関して昭和時代のように叱責してしまうと、もれなく事の経緯も確認しない親が怒鳴り込んできます。なので、如何に大声で叱責せずに、しかも他人に危害を加えたことを謝罪させるかがポイントとなってきます。

そうした面でも大変なのですが、それと共に大変なのが忘れ物が多いことです。とにかく彼らは消しゴムやらハサミやら、いろいろと細かい文房具を平気な顔をして忘れてくるのです。

ただ『それが無くて仕方ないから何もしなくていい』という空気に持って行かせないように、私はペンケースに様々なものを忍ばせて貸すようにしています。その中で一番消費量が高いのが



糊です。

糊を使う場面は図工の時間は言うに及ばず、理科や社会、果ては体育や音楽で配られる様々なプリント類をノートやファイルに貼り付けることも多く、そうなると当然のように登場回数が多くなります。そんな時に

「糊が無い。」
「糊忘れた。」

となると、それだけで作業が滞るので質が悪いのです。

なので、そんな事態に陥るくらいならこちらで予防線を張っておいた方がいいのでバンバン貸しています。ただ、使用頻度が高いので当然消費量も多く、4月に準備してこれでもう2本目です。

「そんなもん個人でわざわざ用意しなくたって、忘れたのは本人のせいなんだから放っとけば?」

と言われることもあるのですが、放っておいた後で作業が滞る方が何倍も面倒なのです。確かに私が子どもたちの忘れたものを用意するような必要性はありませんが、たとえ1か月に1本ペースで消費されようとも常にペンケースに忍ばせておくつもりです。

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今年も咲いた特定外来生物オオキンケイギク

2022年05月19日 17時30分17秒 | 
今日も日中は暑くなりました。もうそろそろ長袖シャツは、本格的に御役御免にしてもよさそうな気がしています。

ところで、何年か前から拙ブログでも気にしている



オオキンケイギクが、今年もあちこちで咲き始めました。私は最初見た時に季節外れのキバナコスモスと間違えていたのですが、その間違いをコメントで指摘してくださった方がいらしたおかげでこの花の正体を知ることができました。

オオキンケイギク(大金鶏菊)は北アメリカ原産のキク科の外来宿根草で、日本には1880年代に鑑賞目的で導入されたと言われ、ドライフラワーにも利用されていたりしました。またオオキンケイギクは繁殖力が強く荒地でも生育できるため、かつては河川敷や線路際等の緑化にも利用されてきました。

しかし、その後あまりにも野外に定着し過ぎてスミレやカワラナデシコといった日本固有の在来種に悪影響を与える恐れが指摘されて問題となっていて、現在は国立環境研究所等から人為的な栽培が全面的に禁止されています。そして遂に2006年には『外来生物法』に基づいて特定外来生物に指定され、栽培・譲渡・販売・輸出入などが原則禁止されました。

特定外来生物の指定を受けてからは、長野県や岐阜県、山口県といった一部の自治体によっては全面駆除が行われている例もあるくらいです。特定外来生物といえば動物ならカミツキガメやアリゲーターガーといった凶暴な外来生物につけられた称号ですから、植物ながらこのオオキンケイギクが日本の固有種に対して如何に危険な存在であるかが分かっていただけるのではないでしょうか。



オオキンケイギクに限ったことではありませんが、緑化などの目的で安易に外来種を植えつけることは自然環境保全上あまり好ましいことではありません。これは、特定外来生物にこそ指定されていないものの



先日拙ブログに載せたナガミヒナゲシや



夕化粧といった外来植物にも言えることです。

オオキンケイギクの駆除方法としては、とにかく種をつけさせないようにすることが一番なのだそうです。なので、種をつけてしまう前に根っこから引っこ抜いて焼却処分することが推奨されています。

勿論、私有地や公用地に咲いているものを勝手に引っこ抜くわけにはいきませんが、お近くで見かけることがあれば可能な限り駆除していただきたいと思います。日本の固有種植物を守るためにも、私も折りを見て小学校の子どもたちにも伝えていこうと思います。

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オリジナルあんこトッピングのいちごのワッフル@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2022年05月18日 21時05分25秒 | カフェ
今日は久しぶりに五月晴れらしい晴天に恵まれました。それを当て込んでかどうかは分かりませんが、今日はやたらと屋外での体育の授業が多かったような気がしました。

これから迎える本格的な雨の季節を前に、先生方としては晴れ間さえのぞけばできる限り外でやる体育のカリキュラムを済ませておきたいと思うのが人情でしょう。今週は晴天が続くようですから、金曜日にかけてその傾向が強まることになると思います。

そんな小学校支援級勤務を終えてから横浜あざみ野の音楽教室へ移動しました。そして、いつものように《雫ノ香珈琲》に立ち寄りました。

今日は久しぶりに



いちごワッフルあずきトッピングをお願いしてみました。クロワッサン生地のワッフルと生クリーム、いちごソース、そしてあんこを一緒にいただくと、まるで苺大福のような幸せな味わいになります。

今日の水出しコーヒーはエチオピアだったのですが、それがあまりにもフルーティで美味しかったので、



焼きプリンと一緒にホットでもお願いしてみました。今までエチオピアというと酸味が先行するものという刷り込みがあったのですが、こちらのエチオピアはフルーティさは損なわないながらも酸味は控えめで、ちよっと深めに焙煎されているおかげで実にコク深いものでした。

随分前に刷り込まれた『アフリカ系のコーヒーは酸っぱい』という第一印象は、こちらでいただく度に徐々に認識が変わりつつあります。同じ豆でも焙煎の加減によって各も変わるものかと、感心させられることしきりです。

さて、明日からしばらく夏日が続くようです。だいぶ半袖は出しましたが、もしかしたら、洗い替えも考慮してもうちょっと買い足しておいた方がいいかな…とも思う今日この頃です。

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今日はエリック・サティの誕生日〜あっという間の処女作《アレグロ》

2022年05月17日 16時55分45秒 | 音楽
今日は天気予報では雨が降らないと言われていたにも関わらず、時折小雨のパラつく残念な天候となりました。あまり雨が続くと体育の授業や校外学習のスケジュールにも影響が出てくるので、先生方もヤキモキされています。

ところで、今日5月17日はエリック・サティの誕生日です。



エリック・アルフレッド・レスリ・サティ(1866〜1925)は19世紀末から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家です。

よく「作曲家には変人が多い」と言われていますが、恐らくサティほど突出した変人にはなかなかお目にかかれません。サティは伝統的な作曲技法から外れたということだけでなく行動面でも奇抜だったことから『音楽界の異端児』の異名を持つことでも知られていますが、それ故にドビュッシーやラヴェルといった後の印象派の作曲家たちに影響を与えましたし、一部の作品にはいわゆる無調音楽の先駆けのようなものもあって、ストラヴィンスキー等の次世代の作曲家にも大きな影響を与えました。

さて、代表的な作品である《3つのジムノペディ》や《6つのグノシエンヌ》の他に、《犬のためのぶよぶよとした前奏曲》《梨の形をした3つの小品》といった人を喰ったような風変わりな作品を多く世に遺したサティですが、そうした有名どころは拙ブログでは紹介しません。その代わり、今日はサティが初めて遺した処女作を紹介したいと思います。

1879年にパリ音楽院に入学したサティは、在学中に指導教授から

「君は才能が無い」

と否定され、1885年に除籍になってしまいました。その間、1884年に作曲したのが処女作のピアノ小品《アレグロ》です。

この処女作、実はとんでもなく短い曲で



御覧の通りなんとたった9小節しかなく、演奏すると20秒もかかりませんが、実にオシャレでさり気ないミニミニピアノピースです。後にジャン・コクトーやパブロ・ピカソといった芸術家たちとも親交をもったサティですが、その原点となったのは間違いなくこの《アレグロ》です。

そんなわけで、サティの誕生日である今日は彼の処女作《アレグロ》をお聴きいただきたいと思います。とにかくあっという間に終わるので、気をつけてお聴きください(笑)。


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