こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

原稿

2007年11月29日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
時々、原稿書きの依頼が来るようになった。もちろん病理関係の専門書に書くのだが、印刷物になるからには、こんな風に、日々の雑感を書いているだけではすまない。まあ、一応こうやっていても、あやふやなことはネットで調べて、ウィキペディア以外の情報源も確認しているが・・・
文献というのは、調べれば調べるほど出てくるが、どの文献が最も確度が高いのかは容易にはわからない。捏造データは、洋の東西、雑誌のレベルの高低を問わず出てくる。レベルの高い雑誌は捏造学者との攻防に明け暮れているような気がして、気の毒だ。いっぽう、教科書の信頼性も難しい。教科書によっては単著者であったり、共著であってもレビューを行う監修者があまり熱心にレビューをやっていないため、項目間に齟齬が生じていたり、といろいろだ。とくに、最近では学問の進歩が急激で、教科書にも雑誌並みのスピードが要求される(このおかげで、3年に一度は数万円もする教科書を買い換えないといけない羽目に陥っている)。人間、こんな情報の洪水と、スピードに果たしていつまでついていけるのだろう。幸い、私は無理をしてまでついていく気はないが、結局次の原稿を書くために、また、情報収集を行わなくてはならず、このスピードに追いつく必要を迫られるのだ。
うそだけは書いてはいけないから。だけど、何が真理・真実かは本当のところわからないんだけどね。

ハイキング

2007年11月27日 | 通勤・交通・旅行
最寄りの駅から職場まで、歩いて約15分。
途中に、アスレチックコースまである小さな公園がある。そこを抜けると3,4分の寄り道になるのだが、時々歩く。
私はもちろん、アスレチックで遊ばないし、ひざも足首も痛いので写真のような坂道も登るのに一苦労となりつつある。でも、この季節、木々の紅葉を見るのはとても楽しい。ただね、タバコを吸う人が前を歩いていたりするので、朝のハイキングがねー、ちょっと苦しいハイキングになってしまうことがある。

帰りも、暗いながら歩いて駅まで行く。朝晩とても良い運動になっているはずなんだが・・・やっぱり、夜(11時過ぎ)、こうやって、ブログ打ちながら、ビール飲んで、このまま寝ちゃったら・・・結局体重は増える。情けないけど、しょうがない。

病理診断科のこと(3)

2007年11月25日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
昨日の書き方では私自身よくわからないので、少し整理する必要がある。
これからの病理医にとって、何よりも大切なことは、これからは自分の診断は必要に応じて、直接患者さんに伝えることができるようにならないといけない。ということだと考える。
これまで、私たち病理医が行った診断を、いわゆる”主治医”にまる投げして、説明をやらせてきたが、これからは、自分でする。ということ。
現在の医療は、”チーム医療”が一般化してきていて、主治医が”天皇”のように一人の患者の上に君臨して、その患者の人生を左右する時代ではなくなってきている。
癌の患者だったら、最初に診断した内科医、レントゲンで画像診断をする放射線科医、手術をする外科医、麻酔をする麻酔科医、入院して弱ったからだの機能回復を行うリハビリ医、などがみんなで患者さんに接する。そこに、”癌の最終診断を行う”病理医が加わるのだ。
患者さんへの説明なんて、これまでやってこなかったことで、上手にできるかわからないし、既得権益を取られると思う臨床医もたくさんいたりして、スケープゴートにされかねないし・・・不安でいっぱいです。
だけど、大変だけどがんばっていかないと。なんといっても、病理専門医2000人切ってますからね。高齢化も進んでいて、実働はもっと少ないともいわれてます。表に出て、知名度を上げて、病理診断科にすすんでくれる先生、すなわち病理医をふやさないといけないんですよね。

病理診断科のこと(2)

2007年11月24日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
私は病理専門医。専門医制度というのは日本専門医認定制機構と連携する基本領域18学会が認定する、その領域のスペシャリストのことをいいます。私はそのうちの病理専門医。現在、病理専門医は日本国内に1900名あまり。
病理学会では経験をもとに受験資格を得た医師が、試験を受けて合否が決定されます。1ヶ月前のブログでも述べましたが、病理医が病理診断科という名前ではじめて病院の外の人にその存在を知らせることができるようになります。厚生労働省は標榜科を基本領域程度で収まらせたかったようですが、結局、いろんなサブスペシャリティーの学会の抵抗にあって、前より多くの科名が標榜されるようになってしまいました。
なにはさておき、この標榜科について、現在病理学会ではそのあり方についていろいろな議論がたたかわされています。そりゃそうですよね、これまで、病理医は縁の下の力持ちといわれて、患者さんの前には立てないでいました。
病理科の医師は患者さんの胃や大腸や皮膚や・・・全身の臓器から、外科や、内科や、整形外科や、脳外科や、皮膚科や・・・などありとあらゆる科の医師がとってきた病気の部分を診断します。普通の患者さんはその、外科や、内科や、整形外科や、脳外科や、皮膚科や・・・の医師が診断したと思っていますが、そうではありません。病理診断は医学的知識を有する医師がおこなう仕事で、機械でもできる、おしっこや大部分の血液の検査とは異なります。というわけで、病理診断という病気の種類を決める重要な仕事をわれわれはやってきました。
また、病気で亡くなった方の死亡の原因を調べる、解剖という仕事も、病理医がします。
まあ、こういったことを今後、どのように院外の一般の人に知らせていくかが、病理診断科が動き出していく際に考えなくてはいけないことなんです。

ハイキング

2007年11月23日 | 鎌倉暮らし
娘と愛犬とで裏山(祇園山ハイキングコース)を歩いた。
娘とは何度も歩いた道なんだが、愛犬にとってはハイキングデビュー。今は私の横で、グーグー寝ている。
今日の鎌倉は、人人人。すごい人だった。
三連休の初日、天気もよくて、雲ひとつなしで、そりゃ、来るよね。私たちだって、天気が良いから、歩いてきたわけで・・・
このハイキングコースは山のほうから出発すると、最後の八雲神社の上から由比ガ浜が一望できる。今日は太陽が海に反射してとても美しかった。

三連休だと、仕事がたまってしまうが、今回は資料を持ち帰ったので、明日あたり、ちょっとは仕事ができるといいのだが・・・また、ふらふら歩いていきそう・・・

頭髪…薄くなってきた自らの頭をどうするか?

2007年11月22日 | 通勤・交通・旅行
通勤電車で立っているといろんな人の頭が見える。
最近、自分でも髪の毛が薄くなってきたのを痛切に感じるようになって、なおさらいろいろな人の、まあ特に中年男性の、頭が気になるようになって来た。
若はげとしか言いようの無い気の毒な頭、どうしてこんなに!!と思うほどふさふさのおじいさん、これじゃばれちゃうよ、というか、ばれてもいいようなつけ方をしているヅラ頭があるかと思うと、がんばってるけどやっぱりわかっちゃうよ、といいたくなるヅラ頭などなど・・・
私自身、どんな頭を真似ていけばいいのか、参考になる頭もある。そのひとつが坊主刈り。坊主といわないまでも、角刈りとかスポーツ刈りとかいろいろある。
今のところ、スポーツ刈りに近い、短髪。うーん、中途半端。
でも、ヅラはねー。この間、朝日の夕刊で、ヅラは恥ずかしくない、みたいな連載やってたけど、やっぱりヅラは負けだし、逃げ。堂々と禿を隠さず生きていくのが、日本人の男の道だと思う。
だから、きょうも少しだけ頭皮マッサージをする・・・・・・・・

病理診断科のこと(1)

2007年11月21日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

出勤前、「今日は、当番でもないし、比較的時間にゆとりがあるな」なんて、思いながら病院に着き、顕微鏡の前に座るとマッペ(標本を並べて置いておくケース)の山。
病理の仕事というのは、一般の臨床の科と違って、患者すなわち標本はそこにずーーっと存在する。
臨床では、患者さんの大部分は治る。治れば、退院で、患者さんとはさようなら。
だけど病理はそうはいかない。患者さんが治って退院しても、将来のこと(たとえば、患者さんが癌だったら、再発の有無)のために、患者さんから切除した胃とか、大腸とか、乳腺の腫瘍などの診断は確定させなくてはいけない。
だから、どんなに難しい病変でも診断をつけなくてはいけない。マッペの上の標本も、「患者さんが退院したから、もう診断もいらない」とはならない。
おそらく、仕事を辞めるまで標本はついて回るだろう。だから、「今日は患者が来ないから仕事は楽」とか、「今日は自分の担当入院患者がいないから楽」なんてことは無い。
職場につくとマッペの山。仕事が目の前に山積みなんて、あーーー幸せ。トホホ


いじめ

2007年11月20日 | いじめ飲酒とタバコとギャンブル
川で泳がされ、上着を焼かれ、暴行を受けた高一の男の子が自殺したという記事があった。
その子はどんな気持ちで泳いでいたんだろう。目の前で自分の上着が焼かれてしまい、どんな気持ちだったろう。私だったら、悲しい、胸が張り裂けそうになるほど悲しい。それが制服の上着だったら、自身の学校生活を焼かれているように思えるだろう。バイトして買ったお気に入りのジャンパーだったかも知れないし、何かのお祝いに買ってもらったものかもしれない。貯金して買った大事な上着だったかもしれない。それが目の前で焼かれ、お金を脅し取られ。
いじめはやってはいけない。
でも、いじめ始めると、いじめていることを忘れる。自分が今、いじめている相手がどんな気持ちかなんて、まったく思いやれなくなる。いじめは何も生み出さない。いじめられる相手の心の傷だけ深くなっていく。いじめた人間はいじめたことをすぐ忘れる。だからまた、いじめる相手に会うといじめる。いじめる相手が金づるともなれば話はもっとひどくなる。
いじめられると、逃げ場が無くなる。いじめごときで自殺しちゃいけないけど、生きてても地獄、やっぱり死ぬしかなくなる。だけど、いじめたほうは、自殺されてもすぐに忘れる。反省など絶対にしない。法的に罰せられたら「あ、やってはいけないことをやってたんだ」と少しだけ感じるが、いじめの対象が自殺したくらいでは、反省しない。
20年、30年経って、人の気持ちがわかるようになってはじめて、反省する。ものすごく。でも、そのときではもう遅い。
だから、いじめはいけない。いじめた人の人生もめちゃくちゃになるから。

秋晴れ

2007年11月19日 | 通勤・交通・旅行
西高東低、12月上旬並みの冷え込みとのことで、確かに寒かったけど、それにもまして空気が澄んでいませんでしたか?
朝、駅(一番近い駅の一駅手前の駅)から、病院に向かうとき小さな川があって、その片方の岸が遊歩道になっています。桜の木が川面を覆うほどに枝を張り出していて、紅葉した葉が、とてもきれいなんですよね。
特に今朝は、空気中に塵が少なかったせいか、とてもくっきり枝葉が見えました。川面に映る張り出した枝葉も実物とともに、一体となって、なんともいえない美しさを出していました。
普段、顕微鏡をのぞいて、組織、細胞を一つ一つ区別して、診断にたどり着く作業をくりかえしていると、いろいろな形態が頭の中にインプットされていきます。それが、外の世界で見るものに似せていうことも、“時として”あります。
それが、車窓から見える富士山の形だったり、時化の稲村ガ崎の海面の色だったり、とかしますが、今朝の黄色と緑と赤の混じった葉の色と、絡み合う木々の枝の組み合わせは、これまで見たことのないものでした。とくに、これらの後ろから日の光がさしていたせいかもしれません。
何歳になっても、美しいものを見つけることはできるんですね。
それも、こんな身近に。

元気、だしていこう!

2007年11月18日 | 家族のこと
今日、息子(中学生)のバスケの地区大会があった。まだ、一年生で、いろいろ遠慮もあったみたいで、思い通りのプレーができないまま、県大会出場をあと一歩のところで逃してしまった。
応援に行って、負けて、残念無念。
このさきの試合が無いので、やっと仕事に集中できるわけだが・・・
わたしも、つよいところにはまったく歯が立たず、何度も負けた。自分なりにはがんばっていたんだけどね。何でか負ける。そんなもんだよね。
今度の大会は2月、それまで体力をつけて、元気出して、がんばっていこう!

ついに(2)

2007年11月17日 | あの頃のこと…思い出話
中二のとき、同じ電車で通う友人の一人が、渋谷駅のホームで鳩を手当たりに次第に足蹴にしていた。尋常ではないその光景に私は理由を尋ねた。
そうすると、その友人はその問いには答えず、別の友人が説明してくれた。
「あいつ、鳩にフンをひっかけられて以来、ああなんだ・・・」

それ以来、私は鳩のフンを極度に恐れるようになった。とくに、通学の行き来で、制服なんかにフンをひっかけられた日には、歩けなくなる。

5年位前に駅にむかう自転車の1メートルくらい前に、カラスにフンを落とされたのが、最大の危機だったが、それはかろうじて切り抜けたのだが・・・

ついに・・・・・・

ついに・・・

やられた。

ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと逃げ続けてきたのだが、ついに
フンをひっかけられた。





ついに・・・

2007年11月17日 | あの頃のこと…思い出話
ふと気がつくと袖口に白いものが…
カバンに目をやるとどうみても鳥のフン。急いでハンカチで拭き取るものの目の粗いカバンの生地には白い斑点が残ってしまった。
朝の通勤時だったので、すれ違う人の目が気になる。でも、こういう時に限って姿見が無い!証明写真のボックスについている鏡を見つけて上半身だけはチェックできた。
というわけで、これを打っています。
鳥のフンにはこれまで三十年来気をつけてきたのだが。油断していた。鳥は何処にいたんだろう?
思えば三十年前中学生の頃…(以下次回)

どきどき@Nagoya

2007年11月15日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
これから、発表があるが、やや緊張している。
だけど、緊張というのにもいろいろある。今日の午後には某省の元事務次官に対する証人喚問があるようだが、本人は今頃、すごく緊張しているだろうな。質問する議員もそうだろうし、テレビ中継をするスタッフとか、国会の警備をしている人、掃除をしている人とか・・・
それに比べるとわたしの緊張は取るに足りないか?と自らに言い聞かせ会議に臨むことにしよう。
・・・・・・・・
というわけで、会議も終わり、今は帰りの新幹線。
おいしいお弁当を食べながら、ビールを飲んで、ほっとひといき。上の文章を読むと、私も相当緊張していたんだね。とほほ
これって、一昨日のCPCの後とほとんど変わらないな・・・
まあ、いいか、あしたはあしたで院外の先生を交えての厳しいカンファレンスもあることだし。やっぱり、毎日しんどいよ~~~
写真は名古屋駅のクリスマスイルミネーションです。毎日しんどいなりに、あっという間に過ぎちゃって、忘年会、クリスマス、お正月っっって、流されないように、しっかり足元みていかないと。

ライトアップ

2007年11月14日 | 鎌倉暮らし
今日は、世界糖尿デー、通天閣をはじめ、東京タワー、岐阜城、松江城、鎌倉大仏&鶴岡八幡宮が青色にライトアップされています。
いつもは夜9時なんて、ほとんど人がいないのに、今日はちらほら集まっていました。美しかったです。
でも、明日の班会議に備え、バスケの練習も休んで、早く帰ってきたけど、すでに飲んでいる・・・(汗;)
自分自身もDM予備軍???
ま、あしたは、名古屋だ!

なんとか

2007年11月13日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
学会でもCPCでも、なんとかしのいで毎日が過ぎていく。
今日のCPC,臨床のほうが十分よくまとめていた。それに対してわたしは・・・
レベル低すぎ。
組織のプレゼンだけで、疾患の背景がよくわかっていないまま、話してしまった。
CPCなんて、病理がしっかりしなけりゃ始まんないじゃないかーーーーーーーー

情けないというか、なんとかしのいだというか・・・

次、がんばるぞ!