こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

市の大会

2008年10月27日 | スポーツ・健康・ダイエット
一昨日、昨日と、息子のバスケットボールの大会があった。市の大会で、レベルは低い。
横浜や東京は学校数がけた外れなので、大変だが、こちらはのんびりしたものだ。
さて、結果だが、ベスト4にも入れず、緒戦敗退。本人は地区の選抜選手に選んでもらっているが、試合では今一つだった。

この先も大会がいくつかある。
頑張ってほしい。

医師不足ではなく“勤務医”不足

2008年10月26日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
医師不足の原因は医師にはない。
行政の責任は医療費亡国論の延長上にあった三方一両損による診療報酬の削減。
・・・一般病院の非採算部門、小児科の先生は本当につらいみたい。だって、子供を薬づけにはできないでしょ。そんなら、開業したほうがまだいい。そもそも日本の医療は、選挙向けの高齢者医療だし。
国公立病院の統廃合によるポスト不足
・・・これらの病院の給料が“極端に“安いのはよく知られているが、もっと深刻なのは統廃合で、ポストがなくなってしまう。役人と一緒で、上に行けない医師はやめざろう得ない。だから、中堅クラスになれば半分は病院をやめざろうえない。
病院が赤字だから閉鎖する。そうすれば医療過疎はどんどん加速する。医師も霞を食って生きているわけではないので、生活防衛のためにはよりよい給料がもらえるところに行くにきまっている。
必要経費が認められない
・・・勤務医は経費がほとんど認められない。開業医は必要経費でベンツが購入できて、給料の安い病院に勤める勤務医は退職まで電車通勤。学会費はもちろん自腹。7,8の学会に所属すればあっという間に年10万以上、参加すれば、2,30万になるし、教科書も自腹、勉強会に行ってもらう領収書も使い道はない。
ふざけるな、と言いたい。自己研鑽もしたくなくなる。で、結局、経費が十分に開業医になったほうが、よっぽど勉強できる。だから、勤務医は減る。
製薬会社の自己防衛
・・・病理は関係ない話(これがいやで私は病理に行った)だが、接待がなくなったことも大きな原因だろう。貧乏勤務医も患者数の多さを背景に製薬会社からのリベートを以前は相当貰っていた。これが、製薬会社の経費削減のため、どんどんなくなっている。自分よりずっと給料が高く、生活をエンジョイしているMR(昔のプロパーさん)に頭を下げられてもね。まあ、このことはだいぶ次元が低いが…

マスコミによる医師批判を問題にする向きもあるが、私はあまり感じない。大新聞が医師不足の原因になったとは、ここ20年、思ったことはない。

3K科の消滅
・・・医師になる人間のほとんどは、人間の生命を救うために医師になっている。成績がいいから医学部へ、と進学しても、それだけでは国家試験までは続かないし、続かなかったり、ほかにも才能のある人間は医師にならずに別の道にすすむ。
だが・・・きつい、きたない、くらい、といった科へ進む医師は確実に減っている。”きつい”内科、外科、小児科、産科、病理診断科、”きたない”外科、救急、病理診断科、くらい病理診断科。これらの科は臨床医学のメジャーの科であるのが、勉強しなくてはいけない範囲が広汎であること、などという理由や、立ちっぱなし、時間外が多い、誰も知らない、などの理由で人がどんどん減り・・・
というか、医師がもっと楽に稼げる科にどんどんシフトしてしまっている。
だから、マイナー系の科に毎年100人中10人、15人とかが進んでしまう。4,5年トレーニングすればなんとかなるからね。
もともと余録がなくて、来る人が少なかった病理診断科は一時、病理学会の努力もあり社会的認知度が上がったが、昨今の産科、小児科不足に加え、外科医不足もクローズアップされてきて、病理医不足はますます深刻化するだろう。
時間的拘束は比較的無いものの、3K感は否めないし、やっぱり普通の医師とは違うので、先細りは免れないだろう。

というようなわけで、医師不足はもう止まらない。某ナショナルセンター()であいついで、医師が大量退職したが、彼らもほんとうに”やってらんねーよ”ということで、燃え尽きたんだと思う。
こんどは外科医が不足するのは必至で、内科医もこれに続き、日本の医療は崩壊する。

医師不足の話を医者同士ですると「医者はどこへ行ったんだ!」なんていう言葉がでるが、医師はいる。勤務医がいないのだ。そしてその責任のほとんどは病院を減らし、ポストを減らし、給料を減らし、経費を認めず、効率を病院経営に求める行政にある。

ぼろもうけする医者にたいして、「医は算術」などと揶揄していたのは今は昔。いま、病院の現場は採算採算で本当にきつい。「患者不足をどうにかしろ」って、そんな、いつもいつも人間は病気になるもんじゃないんだから、安定した患者数の確保、なんて土台無理だ。でも、閑古鳥の病院だって、鳥インフルが流行ったら、あっという間に万床で、廊下にまで患者があふれるんだから、そのための準備だって、投資として必要だ。

いい意味でも悪い意味でも医に算術を持ち込んではいけない。


金持ちがもっと金持ちになると、貧乏人も金持ちに…なるわけない

2008年10月20日 | 日々思うこと、考えること

格差のことがいわれて久しいが、今回の金融恐慌(リーマンショック*)で、やはり非正規雇用者が首切りにあっている。小林多喜二のころとなんら変わらない。

ワーキングプア以上に適切な言葉がないが、ほんと、格差だ。

医者にしても、優雅な金持ち医者がいれば、貧乏暇なし過労死寸前医者、とか、研究がほとんどの器用な”臨床“医か、論文はないけど患者の心も体もよくわかり、治療の上手な“実績のない“医者とかがいる。まあ、世渡りの上手下手と言ってしまえばそれまでだが、医者のように比較的安定した資格を持っていれば、何とかケンカせずのように我慢もするが、それなりに勉強して、それなりにまじめにやってきて、コネがないだの、少し不器用だので就職を逃してニートだとか、フリーターだとかになってしまうと、やってらんない。

おまけに、振り込め詐欺が数十億の被害? ボスはキングだ?

などとなると、本当に真面目になっていられないし、ばかばかしい。

これは、どうしてこうなったんだろうね。これはこれで資本主義の限界なのかな?

でも、それを言う前に、世界の富の半分以上を、数パーセントの人間が所有しているということだけは、是正しないといけないように思うけど・・・どうなんだろう、金持ちの水がめからあふれ出る水を、他の貧民がありがたくいただくことで経済がまわるというトリクルダウン理論って、そりゃないよ。だって、昔の荘園だのを持っていた貴族(その末裔は未だに持っている)や財閥が跋扈している近現代だって、結局同じじゃない。貧乏人は貧乏人のまま、財産は携帯だけ。

なんだか、子供の時から携帯持たされて、ネット内で暮して、飼いならされているだけのような気がする。

 

*;2017年11月6日リンクを加筆


疲れ切る脳

2008年10月12日 | 日々思うこと、考えること
ノーベル賞を4人の日本人学者が受賞した。
日本人の受賞者数がうんぬんされるが、この先どうだろうか?

空前の中学受験熱、相変わらずの東大・医学部志向。

それが悪いわけではないけど、小学校3,4年生から塾通いでいいのかと思う。
教科書を通じて知る自然、受験のための野外学習。
大学受験にしても、同じようなものだ。人間的に成長すべき時に、競争のための勉強ばかりでは大した人間にはならない。社会に出る時に脳は疲れ切っている。

医者をやっていると、周りには”すごく”できる人間がいる。でも、できるといっても勉強だけだ。まあ、勉強ができる余裕から多少人間的に大きく見える人間もいるが、大したことはない。
勉強ができるので論文も書くが、勉強ができる範囲の論文で、実験のために実験をやって結果を出しているような気がする。

一方で、だめなやつは、どんどん駄目になっていく。
落ちこぼれでもなく、ひきこもって、
もともとはずいぶんな才能を持っていても、潰れていく。

今の日本て、人間の点でとてつもない危機にひんしているんじゃない?
なんとかしようよ!

ふざけるな

2008年10月11日 | 日々思うこと、考えること
党をぶっ壊すといっておおうけして、大勝した政治家が、引退表明した。
というのは、別にいいのだが、息子に世襲させるという。

それはないでしょ。

いくらなんでも。あのとき、あんたを支持した人々はそういったことこそがいやだんたんだよ。

親バカをお許しくださいって。

同じ神奈川県民として悲しい(選挙区は別だが…)。

構造改革で日本は変わった。郵便局に行くとあいている窓口にいっても、「こちらは銀行です」みたいなこと言われるし・・・

野党にも世襲議員がたくさんいるので、何も言えないでいる。
野にいる大志をもつ者が希望を持てない。

その原因は政治家がおいしいところを独占しているのも一因では?

ホスト

2008年10月09日 | あの頃のこと…思い出話
学生の頃、よく飲んでいた。
とくに部活の練習が終わるとほとんど必ず飲みにっていた。

最近、ホストが主人公のドラマが多いが、昔(といっても20年ほど前)はホストというと少し年の(といっても今の私くらいだが…)おやじさんが、おもてなしするものと思っていた。

詳しいことは知らないが、小説を読んだり、ドラマを見たりすると、ただ単に合コンを商売にしているのが今のホストなんじゃないのと思う。

その点、私たちの飲み会に参加した子たちは楽しかっただろうね。
だって、バスケ部という、今でいうイケメン率の高いところでいっしょになってわあわあやるんだから。

といっても、やっぱり自分たちが楽しんでいたわけで、その点では仕事をしているホストの皆さんは楽しんでなんかはいないんですよね。

たぶん。

すくなくとも、そんな人は残っていけないんだろうね。