馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

今日はあいつの命日 ,木下街道(きおろし)を行く(1)

2021-06-27 08:47:23 | 日記
今日はあいつの命日、麻央さんの旅立ちに涙する。


4時半 ベランダから未明の空を見上げる。


月は霞の中にこっそり覗く。
天気は大丈夫だ。
柔軟体操して、朝食は摂らず出る。
黒のくたびれて首回りはヨレヨレシャツ。
色褪せグレーになりかけたv黒の綿パンの黒のジョギングシューズ。
リユックにはインナーバッグに
カード、保険証、免許証 薬他諸々を詰め込んで
9時40分 出発。

気温はまだ上昇していない。
京成電鉄の踏切を越え、なだらかな住宅街の道を上がる。
木下街道に入る。


木下街道(きおろし)を行く1
エンジン音と排気ガスが街道沿い歩道を
絶え間なく揺らし続ける。

疲れているのだ。
足取りは重い。
最近食事制限している。
通常 朝食は食べず
ランチを重食にしている。
夕食はタマネギと玉こんにゃく
或いは鯖缶鰯缶
ハイボール、ワイン 日本酒少々
塩分控えめ。
体重減少は少ないが
血圧は120~75で下降
血糖値も低い
中性脂肪も低い。
しかし、毎日10キロ程歩くので
スタミナ切れ。
アメリカ刑務所では
囚人ボディーの言葉がある。
刑務所内での運動は限らており
腕立て伏せ、腹筋 懸垂を続けた結果
上半身はゴリラ体形になるが
脚はその過程で無視され衰える。
私の場合は逆だが
前立腺癌放射線治療副作用で
下肢は更に衰えた。
山岳部時代北アルプス白馬岳登頂での
登頂での凍傷の傷跡はい今でも消えない。


加齢に伴い足腰の衰えは仕方ない。
ピッチは上がらない。


2010年3月、食道癌で声帯を失ったあいつは
市から派遣されたケアマネジャーが
私の自宅で今後の生活をどうするか話し合った。
玄関を出てから、美しい女性ケアマネージャーは
私から顔を背け呟いた。
6月雨期が終わる頃、初夏までの命です。
そうして、病院内で過ごす。
4月、日中、あいつの妹から電話で呼び出しがあった。
兄が会いたがってます。
急いで駆けつけた。
あいつは、動かぬ指で懸命にビールと書いた。
院長先生が許可した。
急いでコンビニに缶ビールを買い
あいつの口元に付けた。
しかし嫌がり口を横にする。
脳は欲しているが受け付けない。
代わりに私が飲んだ。
6月梅雨入り
雨垂れの日々
2010年6月25日午後8時
自宅でほろ酔いでうつらうつらしていた。
あいつの妹から電話。
「病院から連絡があり、緊急です。
まもなく命が消えます」。
妹は言った。
これから向かいます。
船橋谷津干潟の病院へ
埼玉入間から来るのだ。
夜9時 私は病室に入った。
室内は既に死の腐臭が漂っている。
22時半妹が到着した。
看護師が私達に呼び掛ける。
「手を握ってあげてください」
「本人は分かっています」
妹と私は互いに片方の手を両手で軽く握った。
温かい。
電流が微かに私に伝わる。
閉じられた目がわずかに開き動く。


それから、静かに召された。
続く

夜霧の第二国道/男性的苦戀-SaxRuby(D key)