marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(440回目)ノーベル文学賞はそのうちなくなるか?  後半18禁かも!

2017-10-24 05:23:58 | 日記
◆先の柄谷行人の「近代文学の終わり」は、「講演集1995-2015 思想的地震」という、”ちくま学芸文庫”で読むことが出来る。煎じ詰めると僕のブログで書こうとした素直な疑問とは異なるが、彼の中途の結論は次のようでおそれながら、やはり同じような考えを持つものだと思ったしだい。
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 文学の地位が高くなることと、文学が道徳的課題を背負うこととは同じことだからです。その課題から解放されて自由になったら、文学はただの娯楽になるのです。それでもよければ、それでいいでしょう。どうぞ、そうしてください。それに、そもそも私は、倫理的であることと政治的でることを無理に文学に求めるべきでないと考えています。はっきりいって、文学より大事なことがあると思います。それと同時に、近代文学を作った小説という形式は、歴史的なものであって、すでにその役割を果たし尽くしたと思っているのです。(p39-40)
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◆僕がひっかかるのは冒頭だ、ノーベル賞は地位が高いのではないのか、文学、そこでは道徳的課題を背負っていることは認められていたのではなかったか。そこで、宿題の掲題のノーベル文学者は、僕が高校の国語の教科書に受賞者川端康成である。これは8月29日にブログの424回目に掲載の宿題だった。僕の内面の暗かった高校時代、夏目漱石の「こころ」の感想文の宿題、(いくら人のエゴイズムがテーマとはいえ、なぜ先生が女を巡り、友人を裏切り自殺する経緯の手紙などを読ませて、学校では高校生の僕らに何を求めようとしたのかなのだ)、川端康成の「雪国」の情景描写のうまさを国語テキストに掲載し、実は内容は、今で言えば週刊現代か週刊ポストなどの大人向けの内容に何を学校では、学ばせようとしたのか・・・・なのである。生きた人間の見てくれのいいい傷つき易い瘡蓋だけだったのか。人というのは血と肉を持ち、傷つければ血がながれるのだ、それでも生きて行かねばならないのだというようなことを自我形成以前からそういう資料を提供するべきではなかったのか。
◆僕らの時代は倫理社会という学科は高校の三年だった。今ではどうか分からないが。西欧では、神に対して人間が対等に格闘した歴史だったことに対し、この国はその時代に生きる人の考えが基本となる、自分の言葉で自分のことを考え行動することは、学校ではついぞ教えられることはなかったような気がする。人として生きるベース(通奏低音部といったらいいか)それが、極めて情緒的、情念的である。だから川端の「美しい日本の~」に対し「あいまいな国の私」とは大江の受賞講演の題ではなかっただろうか。
◆以下、掲題の後半・・・。 
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 もう三時間も前のこと、島村は退屈まぎれに左手の人差し指をいろいろに動かしては眺めては、結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている、はっきり思いだそうとあせればあせるほど、つかみどころなくぼやけてゆく記憶の頼りなさのうちに、この指だけは女の感触で今も濡れていて、自分を遠くの女へ引き寄せるかのようだと、不思議に思いながら、鼻につけてニオイを嗅いでみたりしていたが〔・・・・・〕 『雪国』新潮文庫 (p7)
 「こいつが一番よく君を覚えていたよ。」と人差し指だけ伸ばして左手の握り拳を、いきなり女の目の眼に突きつけた。(p14)
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〔・・・・・ この指は、何をした指でしょう・・・・これは僕の質問 、その答えが文庫の中央 p86 あたりに出てくる。辺見庸という作家が「ゆで卵」で例えたところとは違っていたようです。男性のみなさん、何を想像されましたか。〕・・・答え・・・
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 (芸者)駒子はそっと掌(てのひら)を胸へやって、「片方が大きくなったの。」「馬鹿。その人の癖だね、一方ばかり。」「あら、いやだわ。嘘、いやな人。」と、駒子は急に変わった。これであったと島村は思い出した。「両方平均にって、今度からそう言え。」「平均に?平均にって言うの?」と駒子は柔らかに顔を寄せた。
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