まるぞう備忘録

無題のドキュメント

どの国。どの時代でも。やはり労働讃歌。

2015-09-01 10:40:27 | まるぞう経営学

 先日NHKスペシャルで、親子が貧困で共倒れするという特集があり、興味深く観ました。ヨメが義父の介護で数ヶ月実家に帰り、私と子供達で主婦業をおこなっておりましたから、高齢者の介護問題は他人事ではありません。

 番組では、会社でリストラされたり、正社員になれない中年の子供が高齢の親と同居するということが社会問題している。ということでした。
 中年世代である子供は定職がなく、高齢の親の年金で親子暮らしをするということでした。しかも親は、子供と同居しているため、生活保護を止められる。というパターンが増えているということでした。


 ただ今回の番組を観た私の感想は、製作者の意図とは異なるものでした。番組は生活保護や非正規雇用の問題が原因である。というように結びつけたがっているように感じました。
 もちろん社会の構造が大きく変わっておりますから、社会保障制度もそれに合わせて変わっていく必要があります。
 番組ではただ非正規雇用者が、低賃金であるのが問題であるという論調でした。非正規雇用を廃止して、全員正規雇用になれば、収入が倍になるので、こういった社会問題は解決する。という論調でした。

 ヨメは番組を観て、世の中には正規雇用と非正規雇用の二種類の人間がいて、正規雇用になれば、自動的に給料が倍になると受け取っていました。
 しかしながら、社会は、そんな単純な話ではないのです。正規雇用とは雇用契約が5年以上をいいます。非正社員でも契約が5年なら正規雇用です。では正規雇用なら収入が保障されるかというとそんなことはありません。会社の業績不振であれば、正社員だろうが正規雇用だろうがリストラができます。きちんと売り上げ不振を証明できれば社員を会社都合でリストラできます。

 ですから問題は正規雇用か非正規雇用かではなくて、単純な低賃金労働しかつけない人がいる。ということなのです。今日本は労働力不足であると言われています。海外から移民を。という声があがるくらいですから、年金親と同居している子供に仕事がないのは、なにか他に原因があると私には感じられます。

 会社でバリバリ第一線で仕事している人が、親の介護のために休職や退職せざるを得ないケースはわかります。しかし寝たきりでもない年金生活の親元に、東京でリストラされて戻り、定職につけない子供の問題はまた違うと思います。


 親御さんもお子さんも将来は不安であると思います。親御さんにしてみると、老後は年金で自分たちの面倒は自分でみると思っていたら、もうこの年になっても子供を自分の年金で食べさせなければならないのか。もし自分にもしものことがあったら、この子供はどうなるんだ。
 子供は子供で、やはりリストラで社会に排除されたということで、心の傷を負ったように見えました。仕事というのはどこでもキツイものです。しかも社会の仕事とは、「自分がもらうものより多くを与えなければなりません」から、特にキツイものであります。特に彼らのように専門職でなくしかも中年を越えると、単純で厳しい仕事しか見つからないでしょう。
 しかし、上司や客に罵倒されず、単純作業は肉体作業でない仕事は、世の中にはないです。



 一方同じNHKのドキュメンタリーで、72時間の定点観測の記録があります。私はこの番組が好きです。それは社会の底辺と呼ばれるような環境であっても、一生懸命に働いている人が、たまにいらっしゃるからです。
 リストラにあって、転職して厳しい仕事の人もいます。身体にハンデをもっている人もいます。しかし家族を養うために、寝たきりの親を介護するために、一生懸命働いて生きている無名の方を観ると、本当に「人生ってすごいなあ」と感動いたします。

 そう。どんな人生であっても、自分の現在の環境を丸ごと飲み込めれば、もうそれで勝ちであるということを、彼らは私に教えてくれます。私はこのブログの記事のタイトルに「労働讃歌」と良く使います。私はこの言葉が大好きなのです。

 人間が生きている人生の意味は、逆境の中での「労働讃歌」であると思います。丸呑みできた逆境こそが、宝石に変化すること。でありますから、逆境の人ほど本当は大いなる境遇であると言えるのかもしれません。どうせ短いあっという間の人生であります。腹をくくるだけで、自分の不幸な身の上が宝石になるのであれば、それは本当にありがたいことです。うむ。



おひさま、ありがとうございます。




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