まるぞう備忘録

無題のドキュメント

追い詰められた人。

2016-03-25 10:42:17 | まるぞう経営学
先日ある販売代理の担当者さんから、うちのまるぞう株式会社に強烈なクレームが入りました。先週お客さんのサーバーを入れ替えたら、うちの製品が動かなくなったというものでした。大至急その原因と再発防止を報告しろというものでした。

すぐにうちの技術者に解析してもらったところ、確かにうちのプログラムにバグがあったことが判明し、その修正プログラムも出来ているということでした。ただうちのプログラムのバグと、サーバー構築失敗は無関係でした。



その旨を担当者さんに報告すると、再び烈火のようなメールが来ました。そんな回答を聞いているのではない。サーバー構築失敗がおたくの製品が原因であることとその再発防止をすぐに報告すること。という超高飛車な高圧的なメールでした。私も長いことこの業界にいますが、ここまで高圧的なメールは珍しいです。

仕方ないので彼がやったであろう同じ環境をうちの会社で再現テストをしました。問題が「ある」ことを証明するのは簡単ですが、「ない」ことを証明するのは困難です。証明に丸3日かかりました。その間も、毎日彼から矢のような催促が来ます。

最終的に、うちのプログラムのバグと、彼が構築失敗したことは無関係であることを証明した報告書を提出できたわけですが、そのクレーマー担当者からの攻撃はピタッと止んでしまいました。今度は別の腰の低い担当者さんから、報告書を受領しましたという短いメールが来ただけでした。正直ホッとしたのが半分、拍子抜けが半分です。どうもクレーマーさんは担当を外れたようでした。



今回は非常に勉強になったのですが、毎日のようにクレーマーさんのメールが来ていた時に私が思ったことは、暴力的なクレームをする人ほど追い詰められている。ということでした。あとで関係者に聞いたところ、彼は何と本番環境サーバー構築に二回連続失敗してしまっていて、お客さんにも上司にも説明がつかなくなっていたことでした。このため、うちの製品を構築失敗の原因にしたかったのだということです。やはり、暴力的なクレーマーほど、実は追い詰められている可能性、傷だらけ可能性という仮説は正しかったようです。



そしてもう一つ勉強になったことは、そのような状況に遭遇した時は、決してクレーマーに対して喧嘩してはいけない。といって無視してもいけない。という原則でした。他のお客さんに接するように、普段の誠意の態度を維持する。ということでした。暴力的なメールを目にするとなかなか実行は難しいのですが、やはりそれが一番の最善であるということです。

そういうクレーマーを惹きつけたことは、やはり何らかの縁がこちらにあったということでしょう。流されて喧嘩したら相手と同じ因縁の土俵です。無視して遠ざけるのも同じ土俵です。
淡々と他のお客さんと同じように、距離を置きながら誠意ある態度を維持することが最善でありました。(本当の暴力行為、違法行為は別です。それらは警察や専門家に相談が必要です)
昇華すべき課題があるとしたら、それはこのようにして少しずつ昇華されていくのでありましょう。喧嘩したり遠ざけるのは、問題を先送りするだけで、また別の人物と同じ問題に遭遇するだけとなります。

昇華すべき縁を持つ相手には、自分が鏡になるしかありません。そのように体験いたしました。喧嘩せず、言い訳せず、遠ざけず、淡々と距離を保ちながら誠意を。という鏡。



おひさま、ありがとうございます。
(今日は大潮で月の最遠日ですね)



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兆候の嗅覚。

2016-03-22 10:00:09 | まるぞう経営学

最悪想定の備忘録です。私がメーカー設計者の時の話です。私が設計した部品が市場に出てから問題が発生するという経験が何回かあります。その時上司から確認されるのは、テストでは問題なかったか?です。確かに問題なしで合格しているのですが、実は兆候はあったのでした。例えばテスト担当者が、こう言っていたのでした。
まるぞうさん、テスト結果ちょっと気になるんですけど。NGみたいな結果が。
ええ~。そうなの、もう一回やって見てよ。
はい。やり直したら今度はOKでした。
でしょでしょ~。ほらね~。問題ないよ。そのまま出しちゃおう。
そういうやりとりがあったのでした。

あるいは先輩からこう言われたこともあります。
まるぞうさん、この部分の結果ちょっと気になるなあ。類似部品のデータと照合して見直した方がいいかもね。
そうですか~。(面倒くさいなあ。シカトしちゃおう。)

問題があった時というのは、このように必ず「変だぞ」という兆候があったのでした。でもそれらをいちいち取り上げて検討していたら、とてもじゃないですがいくら手があっても足りません。と当時の私は思っていました。そのため、多分大丈夫だよ~。問題ないよ~。と自分に言い聞かせ、その兆候を無視してきたのでした。それらの兆候のいくつかは、確かに無視しても結局問題のない取越し苦労の内容でした。しかしいくつかは市場で問題となる事象でした。

当時会社で決められていた設計マニュアルは守っていましたが、設計の現場にはマニュアルにはない怪しい兆候が現れていたのでした。ベテランの先輩設計者はそれらに対する嗅覚が優れていたのでした。マニュアルの隙間にある、不穏な兆候の臭いを嗅ぎ分けることができたのでした。ここがプロとアマチュアの差であるように思います。



これは設計だけでなく、私たちの日常生活でも同じでありましょう。何か大きな事件が私たちの人生に起こる時には必ず兆候があります。それは親しい人の口を借りて伝えてきます。あるいは偶然見たテレビや本やネットの情報を通して伝えられます。

私は神社などでおみくじを買うことはありませんが、しかし日常の些事から伝えられる兆候のお知らせは、おみくじ以上に意味があると思います。私の表面意識は、そんなの錯覚だよ。偶然だよ。今までだってずっと問題なかったじゃん。だから今回も問題ないよ。大丈夫だよ。そのように伝えます。が、深い意識では、ピピピッとアラートを出しているのでした。

プロとアマチュアの差とは、まさにこれであると思います。十中八九問題が起きないとしても、自分の嗅覚アンテナに引っ掛かった怪しい兆候を真面目に受け取るか無視するか、、取り越し苦労かもしれない苦労を厭わないか、そこで手を抜くか、の違いであると思います。



おひさま、ありがとうございます。



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切り餅おはぎ。

2016-03-20 09:41:41 | まるぞうレシピ
 本日は春分ですね。東京郊外ではホーホケキョというウグイスの声が聞こえ始めています。私が生まれ育った昭和時代の雪国では、根雪が解けるのが4月下旬でした。春を感じるのは5月に入ってからでした。このように3月中頃に春を感じることができるなんて、東京は暖かいな。初めて上京したとき、驚いたのを思い出します。

 春分の日は、日の丸を玄関に掲げて、ぼたもちをご先祖さまにお供えをしてみましょう。と思います。

春は左の牡丹のぼたもち。牡丹の花のように大きく、こしあんです。
明は右の萩の花でおはぎ。萩の花を模しているのでつぶあんです。
しかし私は個人的にはつぶあんのおはぎが好きですので、春分ですがおはぎをお供えしたいと思います。


 私のお気に入りの近所のお菓子屋さんが昨年閉店してしまいました。ヨメに「おはぎって作るの大変?」ときくと「大変よ~」と言います。もち米も小豆も前の晩から漬けて置かなければなりません。
 そこで簡単につくれるおはぎのレシピをネットで発見しました。もち米を炊くのであれば、最初からお餅を使えばいいのではないでしょうか。
 http://cookpad.com/recipe/2424616

材料写真

切り餅:2個
冷ご飯:茶碗半分
ゆで小豆缶詰:一缶
きな粉:適量
塩:少々


うちの冷ご飯は雑穀米なので色がついています。冷凍ご飯を半解凍したもの。


お餅を細かく包丁で切って、半解凍のご飯と一緒にボールに入れ、お塩少々、水を少々加え電子レンジ。


レンジ強で3分ほど。


スプーンでお餅とご飯をかき混ぜます。


ご飯を6:4に分けます。6の大きいのはきな粉。4の小さい方はあんこです。私のは水が少々多すぎました。これを丸めてお団子にし、


ゆで小豆の缶詰を開け、




小豆の茹で汁を切って、お団子に小豆を丸めます。ラップを使ってスマートにやろうとしましたが、私のお団子は柔らかすぎたので、結局手で丸めました。


次はきなこおはぎを作ります。


6の方のお米を広げて、茹で小豆を真ん中にのせて、丸めてお団子とします。


お団子にきな粉をまぶして、丸めます。


出来上がり~。ご先祖さまと頂きましょう。簡単に作った割には美味しかったです。うむ。



おひさま、ありがとうございます。
(本日は中潮ですね)



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悔し涙の経験値。

2016-03-19 12:21:19 | まるぞう経営学

私がまだサラリーマンだった頃、ある電器電機業界の関連メーカーの設計者でした。製品の設計をするのに一番重要なことは信頼性でした。例え壊れても製品が燃えたりする方向に壊れてはなりません。そういう信頼性の設計を行うことが一番重要でした。


そのため新製品を世に出す時は、設計段階で関連部署の人達が集まって、どういう故障事象があるかということを洗い出す工程がありました。それは数時間で終わるようなものではなく、数日間もかけて、ひたすら故障事象のあり得る可能性のパターンを網羅的に埋めて行くという地道な作業でした。日本の製品の信頼性が高いのは、このような地道な膨大な作業を一つ一つこなしていく日本人の真面目さに寄るのも大きな理由だと思います。


その電器製品で絶対起きてはいけない故障事象をたとえば「製品が燃える」と最初に決定すると、ではどういう条件が重なったら、その製品が燃えるか。という条件を総当たりで洗い出すのです。それは設計の不具合もあれば、製造時の不具合もあるでしょう。ユーザーの想定外の使用方法もあります。こうしてその製品の寿命の中で起こり得る、発火事象のパターンを数日かけて10名以上のチームメンバーで洗い出すのです。


この製品が市場で発火を起こすとしたら、この条件の組み合わせ以外はあり得ない。という条件が、この過程で洗い出されます。この最悪事象が発生しえる条件の組み合わせの全てが解明されれば、もうその製品開発の信頼性検証は半分以上終わったも同然です。
その最悪事象がどういう条件で起こるか、さえ明らかになれば、それを防ぐために、どういう設計をすれないいのか、どういう製造管理をすればいいのか、どういうボタン、どういう形状、どういうマニュアル、どういう注意書きにすてばいいか、そういうこと作業に落とし込めます。


製品が発火するとしたならば、その理由はたった一つです。それはその発火条件が、メーカーが想定外だったからです。想定していたことは起こりません。最悪事象は想定外のことしか起こらないのです。


最悪事象の洗い出しイベントで大切なことは、複数の分野の経験豊富なマスターと呼ばれる大先輩の設計者が同席することでした。
私などの若造は最悪事象の条件はなかなか思いつきません。「ああ、この設計部分は問題ないですね」と先へ急ぎます。しかし重鎮のマスター設計者は違います。
「ちょっと待って。まるぞう君、この部品が○○の時、ユーザーが△△の使い方をして、その時周囲が□□だったらどうかね。」
まさかそんな想定外のことは普通は起こり得ませんよ。というと、この洗い出し工程はどういう組み合わせで最悪事象が起こるという条件を洗い出すのが目的なはずだよ。どんなに確率が低いように思えても、起こり得るのであればそれは書き留めておかなければならないのだよ。きちんと議事録に書いて下さい。そのようにさとされます。
チェっ。面倒くさいなあ。と心の中で思いつつ指摘事項を渋々書き留めます。こんなのただの儀式なんだから、ちゃっちゃっと終わらせればいいのに。こんなのすっ飛ばしたって、私の設計した製品が燃えるわけないのに。そう内心思っておりました。


しかしいろいろな人生の経験をした今、先輩マスター設計者の気持ちが痛いほどよくわかります。彼もまた若い頃から、山ほど厳しい失敗を繰り返してきたことでしょう。泣きの涙で悔やんだ失敗の経験を数多く重ねてきたのでしょう。


経験の浅い若造は最悪事象を想定するのは苦手です。そして顔から火が出るような失敗を繰り返すことで最悪事象の想定引き出しが一つずつ増えていくのでした。
この失敗経験の引き出しの多さこそが、人生の達人係数とも言えると思います。最悪事象を想定する時に、事前に観えるパターンがたくさんある人のことです。


しかし人のせいにする失敗は密度が薄いです。きっと。そんな他人のせいに転嫁する言い訳失敗は百万回繰り返しても、経験値は上がらないです。きっと。多分、悔し涙の失敗こそが自分の引き出しの経験値を上げて行くことができるということです。
その自分に対する悔し涙の数が多ければ多いほど、きっと引き出しの経験値をあげ、自分が観えてくる人生の景色も変わって来るのでしょう。



おひさま、ありがとうございます。



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理不尽の縁。

2016-03-18 10:09:39 | まるぞう経営学

 うちのまるぞう株式会社にも沢山のお客様がおります。理不尽なお客様もあれば、なぜかうちの会社を好いてくれているお客様もあります。私などは、あ~、理不尽なお客さんはやだな~。これらの取り引きがなければいいのに。と、つい思ってしまいます。いつかきっと理不尽なお客がいない未来が来るに違いない。そのように心の中では期待しています。しかしそのような未来は起きることはないでしょう。



 働きアリと怠けアリの話を思い出します。働きアリのうち2割が怠けアリだそうです。実験者がその怠けを巣から取り除いてしまうと、今度は今まで熱心に働いていたアリのうち、2割程度がまた怠けアリになってしまうのでした。つまり働きアリは常にその2割が怠けアリになるようだ。ということなのです。


 これはまるで陰と陽の割合は一定の法則のようですね。たとえば熱心に働くアリ2割、普通に働くアリ4割、怠けアリ2割の割合という感じあるならば、常にこの割合は保たれているということになります。
 なぜ一定割合で怠けアリが存在するのか。それは怠けアリにも大切な意味があるということです。おそらくそれは巣に重大な危機が生じた時に役にたつのでしょう。餌と関係ないところでウロウロ油を売っているような存在があるから、多面的に巣の周囲状況を察知することができたのでした。というような。
 表面的には無駄だったり嫌な役目だったりすることも、陰と陽のバランスをとる上で必要なことが世の中の基本でした。陰と陽のうち、陰だけを排除すると、陽のうちの半分が陰に変わって、結局陰と陽のバランスは戻るのでした。



 うちの会社のお客様もそうでありましょう。もし理不尽な取り引き先を一方的に切ってしまったら、今まで普通だったお客様のうち一定割合が理不尽なお客様に変わることでしょう。つまり顧客の中の理不尽割合は、おそらく一定なのでした。そういうことなのだと思います。
 なぜならば、それは理不尽な相手というものが、私たちの人生で重要な意味を持つからです。会社の中の上司や同僚や部下もそうです。家族や親戚づきあいもそうです。自分の周りの人間関係は2割は理不尽な関係になる。と覚悟した方が良いのかもしれません。



 もし理不尽相手と絶交したり転職したとしても、必ず自分が今持っている人間関係のうち一定割合は必ず理不尽な相手との付き合いになるということです。なぜならば理不尽な相手(暴力、犯罪、違法関連を除く)には、自分の人生にとても重要な意味があるからです。
 今自分の正面にいる理不尽な相手は、お互い理不尽演出の波長があって、理不尽の役をやってくれているのでした。相手から見ても自分は理不尽な相手、地雷の相手に映っています。お互いの理不尽の縁。
 もし前世というものが存在するとして、自分が何回も生まれ変わってきたのだとしたら、毎回の転生で積み残したその克服すべき課題が、ぐっと凝縮して私の前に理不尽な縁として現れてくれているわけです。



 老子先生が、陰と陽は同時に存在するという言葉の意味に含まれているのは、表面が苦い体験こそ、その本質は甘い(貴重)ということでもあるのですね。きっと。



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企業が大きくなると失われるもの。

2016-03-16 09:31:01 | まるぞう経営学

読者の方からご指摘がありました。確かにシャープW-Zero03という機種がありました。これは日本のスマホの起源と言って良いでしょう。しかしこれは非常に玄人好みの機種であったため、ガジェット好きの一部のファンの支持を受けながら、表舞台に立つことはありませんでした。その理由の一つはOSがWindows MobileであったことかもしれませんWindowsはモバイル端末がとても苦手なOSです。WindowsはMacを真似たものでした。そのMacを作ったスティーブジョブズでさえ、モバイル端末様には新しいiOSを作ったぐらいでした。

シャープがモバイル様に設計された自社のザウルスOSではなく、コンセプトが中途半端でも他所のWindows Mobileを、スマホに採用したのは、やはり事業部の壁が厚かったのかもしれません。



私はずっとソニー好きであったため、ソニーの携帯にウォークマン機能が付いた時は喜びました。しかし携帯にCDの曲を入れる時には必ず元のCDをパソコンに入れる必要がありました。何ということでしょう。今のiPhoneを使っている人には想像つきません。このソニーの仕様だとレンタルCDは借りたその時しか携帯に入れられないのでした。

私はソニーの友人に聞きました。そうするとソニー関連の音楽CDの会社(おそらくCBSソニー?)から反対があったそうで、とにかくCDの売り上げが落ちるから、携帯へのCDインポートはこのように事実上使えない代物になってしまったといいます。

ソニーもシャープも良い所はベンチャー的な発想であったはずですが、会社が大きくなるにつれてその長所から食い潰されてしまうのでした。とても皮肉なことです。


しかしこの現象は非常に興味深いことを私たちに教えてくれます。



おひさま、ありがとうございます。


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日本発のスマホはあり得たのか?

2016-03-15 12:06:09 | まるぞう経営学

 今や世界中でスマートフォンがアタリマエのように普及しています。しかしスティーブ・ジョブズがiPhoneを世の中に出すまでは多くの人はスマホがこれほど便利で世界に広がるとは思っておりませんでした。

 20年ほど前、このスマホ誕生に最も近かったのは日本のソニーとシャープであったと私は思っています。シャープはザウルスという端末。ソニーはクリエという端末を発売していました。小さな端末でメールを見たりインターネットに接続できたりと、画期的で機能は今のスマホの原型でありました。

 便利な端末でありましたが、一つ不便な点はインターネットに接続する方法でした。外出先でメールを読みたいとなると、今は珍しい公衆電話でグレーの機種があったのですが、こちらにインターネット線をつないでメールの送受信を行なっていたのです。


 メールを送受信するためにグレーの公衆電話を探さなければならないのは本当に不便でした。今の時代からみると石器時代のようです。それでも外出先からメールが送受信できるのは何と便利なことかと感動いたしました。

 さて疑問なのはシャープもソニーも別の事業所では携帯電話を開発していたということです。ということは携帯とザウルスやクリエをくっつけてしまえば、とても便利なはずです。もうグレーの公衆電話を探す必要がないわけです。それこそ今のスマートフォンそのものです。



 私の大学の友人でソニーに入社した知り合いがおりました。かつてそのことを尋ねました。なぜソニーはクリエと携帯を合体させることはしないのか?

 友人の答えはこうでした。
ソニーという大会社となると事業部の壁がとても厚い。どちらも二つの事業部の目玉商品だからどちらが主導権を握るかはとても難しい問題だ。だからうちでは両者を合体させる製品を作ることはちょっと無理かな。

 オーマイガー。
 もしスティーブ・ジョブズがソニーにいたならこう叫んだでしょう。ソニーには未来が観える人がもういなくなってしまったのか。と。そしてそれはシャープも同じような状況だったと思います。

ソニーの事業部の壁の厚さは、大企業としては必然の部分もあるでしょうが、それは企業の一番良い面も損なわせてしまうのでした。

つづく。
 


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日本の組織とトンがった人材。

2016-03-14 11:06:49 | まるぞう経営学

ソニーもシャープもiPhoneのようなスマートフォンは出せる技術力はありました。しかし出せなかった理由は、カリスマのリーダーが存在しなかったからでした。

カリスマのオピニオンリーダーとは、もう彼の頭の中に「こうあるべきだ」という世界が先に存在しています。どうして世の中が俺について来ないんだろう。という苛立ちを持っているぐらい、自分の中の世界観に自信を持っています。

しかし、会社が大企業になると、そういうトンがった人材は出世しづらくなります。社内の調整力に長けて、自分の評価を上手に見せるワザに長けた人が出世しやすくなります。トンがった人材は敵を作りやすいため、彼らに上手に利用されることも多いことでしょう。プロジェクトの失敗の責任は誰が取るのかというババ抜きルールが大企業の出世原理ですが、トンがった人材は丁度良い彼らの生け贄になりやすいことでしょう。特に日本の企業は。





昔シャープにはザウルスという端末がありました。今のスマホの先駆けでした。しかし非常に使い勝手が良くありませんでした。ザウルスに入っているアプリが、アプリごとに操作性(ユーザーインターフェイスといいます。略してUI。)が異なるのです。

iPhoneやAndroidに慣れた今のユーザーには考えられないことです。今のスマホは初めてのアプリでも誰もが何となく使えるのは、そのUIが統一されているからです。どのボタンが終了で、どのボタンが設定で、詳細を見るにはどこを押せばいいのか。それらが統一されているため、誰でも初めてのアプリでも使えるのでした。

しかしザウルスのUIはそうではありませんでした。アプリ毎に操作性が全く異なっていました。もしスティーブジョブズがザウルスのプロジェクトリーダーだったら烈火のごとく怒り、ザウルスを床に叩きつけたことですしょう。こんなバラバラな部品の寄せ集めで世の中に出せるか~っと。



シャープは一つ一つの部品は職人たちの高いワザで精度も高いのですが、職人たちをまとめるカリスマのリーダーが育っていないことがわかります。このザウルスの話は、もう20年前の話ですが、まさかこの天下のシャープが中国(表面は台湾)に身売りされるとは誰もが信じられなかったことでしょう。しかしその兆候はすでに社内にあったのかもしれません。

シャープは、残念ながら社名のようにトンがった人材はトップにはなっていなかったようです。しかしこれはシャープという固有の会社の問題ではなく、日本の企業全体が持っている弱点でした。
つづく。



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良い仕事。良い職場。

2016-03-05 10:51:41 | まるぞう経営学

 私のような中小企業を経営しておりますと、やはり一番の悩みは資金繰りでしょうか。何度も倒産の危機に遭遇いたしますと、本当にいくら忙しくてもどんなに大変な仕事でも良いから仕事が欲しい。と切実に思います。仕事があるだけで本当にありがたい。中小企業の経営者の多くはもうそういう心境ではないでしょうか。

 その私の願いもあって、最近はいろいろ忙しさが増してきて嬉しいです。
 私は朝ごはんはほとんど食べません。毎日、就寝前から翌日のお昼ご飯までの時間、空腹という刺激を感じるのが私の身体に合っているように思われるからです。だからそのため、もうお昼前は「腹減った~」となりますが、それが私の身体の健康に合っています。人によっては朝食を抜くなんてという方もおりますから、人それぞれの個性ですね。ただ空腹感は身体には大切と思います。

 お昼のお弁当はいつも事務所で食べますが、昨日は出先でありました。近くに公園などはなく、お弁当を食べる場所を見つけそびれてそのまま午後の打ち合わせに突入しました。1~2時間で終わるはずの仕事が気がつくと終電でした。週末の終電ですから回りは赤い顔をした楽しそうな若者たちやおじさんたち。その満員電車の中で私は(腹減った・・・)。
 深夜でありますから家に帰るともう家族はとっくに寝ており、一人テレビを見ながら、その日の最初の食事である、食べそびれた、お昼のお弁当を頂きます。
 パクパク。ンマー。(*´μ`*)

 
 このように忙しいことは本当に幸せであります。またお腹空いた~という空腹感も本当に幸せであります。アンチエイジングという言葉がありますが、一番のアンチエイジングは「精神の感じる仕事の忙しさ」と「身体の感じる空腹感」であると私は思っております。

 「仕事の忙しさ」が貴重であるのは、それが私達に「不自由」を与えるからです。つまり生活の中でたくさん制約が自分に課せられます。生活が「不自由」であればあるほど、自分の心は「自由」になります。逆に生活が「自由」であればあるほど、心の中は「不自由」になります。それは老子先生のおっしゃるとおりの陰陽真逆のお話です。



 さて上記の視点での良い仕事とは、

1,仕事はノルマがきつければきついほど良い仕事。
 心に与えるプレッシャーとは身体に与える空腹感と同じです。

2,人間関係がややこしいほど良い仕事。
 とくに人からのクレームを受けて処理しなければならない仕事は本当に黄金の価値があるほどの良い仕事。

3,お金と時間がないやりくり仕事ほど良い仕事。
 創造(発明)の一番の材料はお金と時間がないことです。私達は創造の体験をしに生まれてきたのであれば、お金と時間がない状態でのやりくりこそが、最も望ましい環境です。



 生きている時間は私達が思っているほどは長くないようですから、上記の良い仕事をたくさん体験したいです。



おひさま、ありがとうございます。
(今日は新月週間ですね)



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