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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)/BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)

2015-04-21 00:35:12 | 劇場&試写★6以上

 

 

 今年のアカデミー賞作品賞ほか最多4部門で受賞のアレハンドロ・ゴンザレスイニャリトゥ監督作品。

アモーレス・ペロスや「21グラム」「バベル」「BIUTIFUL ビューティフル

 

全編1カットに見せる手法?という驚異の撮影スタイルで描き出し緊迫感の継続効果をもたらした

カメラマンはこれまでも様々な話題作を撮影する、エマニュエル・ルベツキ

 

 

主演のリーガンに、落ちぶれた役者が本人とかぶってしまう

かつてバットマン役(それも、1作目!)で一世を風靡したマイケル・キートン。

実際には過去にヒーローもの「バッドマン」1作目を演じてた。

それからかなりちょこちょこ出てはいるから落ちぶれた感もそんなにはないけど

主演ばりのメジャーヒット作に出てないってことで忘れられてきた俳優ではあることは確かでかぶる。

マイケル・キートンの「バッドマン」も嫌いじゃなかったけど、1998年の「ジャックフロスト パパは雪だるま」

好きだったなー。

 

公私ともにどん底状態の中年俳優の、切なくも滑稽な悪戦苦闘の日々の行く末。

 

 

 

笑うに笑えない、演劇界の舞台裏も描いたシリアスシニカル・コメディ。

 

演技派で人を呼べる名優、マイクにエドワード・ノートン。

劇中劇で突然の事故で降板の俳優に変わって出演。

ノートン、やっぱ好きだなぁ。

ほんと演技派ってこの人のことだよね。

ファイトクラブ」や「アメリカン・ヒストリーX」でも強烈な印象だったし

デビュー作の「真実の行方」観たときはほんとに演技力に驚いたっけ。

 

 

付き人で娘のサムに、エマ・ストーン。

昔から俳優業で忙しく、家にいない父親に不満で父とは不仲。

わたし的には、このくらいでオスカーノミネートだったら他にもいっぱいいるけど。

 

 

ブロードウェイの女優を夢見てたレズリーにナオミ・ワッツ。

出番は少なめだけど、相変わらずこの方もいい。

 

右のひげもじゃは「ハングオーバー」などのコメディお得意のあの人、ザック・ガリフィナーキス。

 

 


かつて主演した大人気スーパーヒーロー映画「バードマン」のイメージが払拭できずに、その後は鳴かず飛ばずの俳優人生を送るリーガン。私生活でも離婚に娘サムの薬物中毒と、すっかりどん底。そこで再起を期してレイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに 我々の語ること』を原作とする舞台を自ら脚色・演出・主演で製作し、ブロードウェイに打って出ることに。ところが、大ケガをした共演者の代役に起用した実力派俳優マイクの横暴に振り回され、アシスタントに付けた娘サムとの溝も深まるばかり。本番を目前にいよいよ追い詰められていくリーガンだったが…

 

 

 

6/10(65点)

 

 

イニャリトゥ監督作品、これまでも万人受けするようなのじゃなかったけど

個人的には好きな作品が多い。

上にも書いたけど本作は、長まわしに見える映像で、本当は時間の経過はあるのに、

ワンカットでオープニングから一気に見せる感じのカメラワーク。

ドラム音のみが流れる斬新で印象的なつくり。

なんといってもそれ。

 

ストーリー自体は、脚本の面白さ重視のわたしにはちょっと物足りず。

劇中劇というか、舞台での芝居のセリフのやりとりや あれこれが

しばらく延々続くのでその芝居そのものが面白くもないし

会話のやり取りが続くので正直飽きて来ちゃう。

マイケル・キートン演じる過去の栄光時代にしがみつきながら葛藤を抱き続けるリーガン

妄想と現実。過去に演じたキャラクターが自分に囁きかける、

コミカルな部分も持ち合わせてブラックコメディ的に描かれてるので暗さはないけど

わたしはとくに笑えなかった。

マイケル・キートンが本人とだぶってしまって、とにかく切ないというか、、、、。

 

 

娘は父親が全盛期の頃に自分や母親を顧みなかったから、父親失格として

今でも父親を責めてる感じだけど、そんなのあまっちょろいんじゃないの。

父が有名な俳優だった頃かまってくれなかったからってオトナになってまでも根に持たれてもという感じ 笑。

父親の付き人をいやいややってるわけだけど、それならやめちゃえばいいじゃん

ムリに父親と仕事しなくてもて思っちゃう。笑

 

それはさておき、実際の役者が実名でばんばん出て来たり、(そういうのは映画人や映画ファンには嬉しいもの)

ノートンのセリフで、「ライアンゴズリングにでも頼むのか?」みたいなのとか

映画業界のどろどろな部分やあるある的な部分をつっこんでいたり、

批評家が「あなたは役者ではない、単なるセレブリティ」と言い放つ。

俳優が舞台やったりするとそんな風にとられるんだな、と思えたり。

批評家は偉そうに批評するだけで何も努力していない。みたいな切り返しも面白い。

そんな、内輪ネタな感じの映画って、映画関係者には評判いいのもわかるし

え?これアカデミー賞作品賞なの?って気もするけど(これまでの受賞作に比べて)

アカデミー賞選出のおじいちゃんたち好み、ツウ好みなのは確か。

そして、あのどのようにもとれるというか

実際に鳥になってしまった。

それを喜んで見上げる娘、のエンディングが素晴らしいんだろうな。

 

 

ノートンがまた、良かったけどね。ブリーフのままいい大人が取っ組み合い。

舞台でもアレしちゃうし。

娘といい感じ風になるのはいらないんじゃないの?

ま、娘も孤独を感じてるというところであの二人のゲームのやりとりが際立つのか。

 

オスカーノミニー作なら「セッション」の方が個人的には面白いと思うし、好き。

面白いっていうより、ハマれるか。

そんな作品が多い監督で本作も例外ではない。

 

オリジナル・サウンドトラックを手掛けるのは、パット・メセニー・ユニティ・グループなどでの活躍で広く知られるジャズ・ドラマー、アントニオ・サンチェス。

イニャリトゥ監督と彼の出会いは、10年ほど前パット・メセニーのロサンゼルス公演とのこと。
アントニオ・サンチェスによるスコアの他、6つのクラシック楽曲が収録されている。

映画の中でマイケル・キートン演じるリーガンが舞台の音楽として選んだもの。

 

 

 

 

映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』日本版予告編  

公式サイト 

 BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)    2015年    120min

4月10日より、公開中~

 

 

NYフィルムフェスティバルにて。

 

 

 

 舌すごいな