"2017年はジャズ生誕100周年を迎えるメモリアルイヤー "らしい。
こちら、
ドン・チードルが10年かけ、監督・製作・共同脚本・主演を務めた渾身の監督デビュー作。
そもそもは似てないけどね。
喋り方は似せてた。独特のしゃがれ声。
わたしはジャズ音楽は好きだし、マイルス・デイヴィスの音楽も好きだけど本人についての
本を読んだことはないし、どういう生き方をしたのか、特に何も知らない。
それでも音楽映画好きとして、ジャズも好きなので、ドンチードルがどんな作品を撮ったかにも興味があった。
タイトルはこのアルバムから。
本作では、マイルスが一時的に音楽界から引退していた70年代後半の5年間を軸に描かれる。
実際にあった白人による暴行事件や愛する女性との思い出、
そして映画の中の現在として描かれる部分とが交差しながら進んでいく。
ドンチーは役を演じるにあたり、マイルスのトランペットの吹き方を猛練習。
全然顔は似てない上、
髪型が過去のシーンのこれだとドンチーがただトランペット吹いてるようにしか見えない。
(がこれは出演シーン。)
サングラスに派手な衣装でそれらしくなってくる
ローリングストーンズの記者と名乗るデイブに、ユアン・マクレガー。
この役は実在しない架空の人物。
70年代風のロン毛が似合う。
悪徳音楽プロデューサーがそのテープを盗んだことからマイルスがブチ切れ、デイヴを連れ回してのテープ争奪戦という
アクション方向へ。
途中なんだかドン・チードルとのバディものになっていく。
マイルスは実際にファッションも大好きで、
映画の中でも派手派手衣装をたくさんクローゼットに持っている。
ドン・チーが派手に着飾ってるようにしか見えないが、いつもと違うヘアのおかげでこれはまだマシ。
元妻で彼のミューズ、フランシスに、エマヤツィ・コーリナルディ
コロンビア・レコードの大物、ハーパー・ハミルトン(悪徳プロデューサー)に、マイケル・スタールバーグ。
「トランボ」にも悪人ででてたけどこの人ほんと悪役合う。
ちなみに右はホアキン。(前々から似てると思ってたら海外の似てるサイトに出てた)
「MIB3」ではこんな帽子でこんな顔でした
マイルス・デイヴィスは、1970年後半の5年間、すべてのミュージックシーンから姿を消した。ひとりきり自宅にこもった彼は、慢性の腰痛に悩まされ、ドラッグや鎮痛剤の影響ですさんだ生活を送っていた。そこへしたたかなローリングストーンズの記者、デイヴ・ブレイデンが強引におしかける。それから2日間、ふたりは盗まれたマイルスの最新曲のテープを取り戻すため思わぬ追跡劇に巻き込まれる。もともと気まぐれなマイルスの言動に拍車をかけるのが、元妻であり彼のミューズでもあったフランシスとの破綻した結婚生活の思い出だ。苦悩と絶望から死をも考えたマイルスだが、音楽から救いを見出し、復活への道を模索していく…。
7/10(78点)
やっぱり音楽関係の映画にハズレなし?!
こちらもなかなか良かった。
ドンチーと脚本家のスティーヴン・ベーグルマンは、スタンダードな伝記映画を作る気はない、そんなのはつまらないと話していた。彼らは音楽的な要素はもちろん、アクションあり、フランシスとのラブロマンスありと、エンタテインメント性がきちんとある作品にしたい
と言っていたというだけあって、様々な要素を盛り込んでいるから
その人物に興味がないと楽しめないような、ただの伝記物とは違う作風になっている。
ユアンが登場してからが俄然面白くなってきて、二人の掛け合いがコメディよりになってていい。
最初はそんな記者なんか相手にしてなかったマイルスが、
自分の撮った録音テープが盗まれた一件で彼が必要になり協力しながら
ちょっとだけ友情関係のようになっていくのも良かった。(まぁこれは架空だけど)
マイルスという人物像に関して、これまでただ音楽を聴き、考えもしなかったので
映画としてでも、ドキュメンタリーではなくても、触れることでより音楽を楽しめるようになる。
先日観たイーサン演じたチェット・ベイカーの映画「ブルーに生まれついて」もそうだけど
過去の映画にしろ、そういう魅力があるミュージシャンの生き様やモデルとした音楽作品ってやっぱりいいな。
最後のライヴシーンには、過去にマイルスとの共演もあった
ジャズ界の巨匠ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターも登場しての
ドンチーとのセッションかなり贅沢なシーンで幕を閉じた。
完成した作品を観て、ハービー・ハンコックは、「まるでマイルスの夢の中を歩いているみたいだ!」と言ったそう。
ジャズファン、マイルス・デイヴィスファンはもとより、ユアンのファンの方もお見逃しなく!
ドンチードル、次はどんな作品を撮るのかにもまた注目したい。
Miles Ahead 2015年 アメリカ 101min
12月23日より、公開中〜
ちなみに。本作のサントラ。
全24曲76分を越える長時間収録。
1956年〜1981年に発売されたマイルスの代表的ナンバー11曲(オリジナル音源/一部抜粋編集)と、
マイルス・トリビュート・アルバム「Everything's Beautiful」も話題となったロバート・グラスパーが
映画のために書き下ろした新録5曲が、ドンチードルの劇中台詞とともに収録。
まさに、グラスパー・セレクトによる21世紀版マイルス・ベストといってもいい内容ということで、必聴
NY国際映画祭にて。
残りあと数日!ラストパートでいきます!!