前作「トイストーリー3」からはや9年
「過去作を上回る“語るべき物語”がある場合以外は続編を作らない」というピクサー映画。
作っちゃったんだからやっぱり皆、期待しちゃうでしょう。
描かれるのは、3のその後の物語。であり、「おもちゃ」としての役割を終えた(と感じた)
その存在意義についておもちゃ自身が考える。というもの。
一人の子供にとっての「お気に入りのおもちゃ、または人形」になるのが、おもちゃたちの「夢」。
それは、人格を持った「おもちゃ」(または人形)が、子供にとって大切な「モノ」となり、愛情を受け、その子との永遠の友情を育むこと。
これまでの3部作にはなかった、おもちゃたちの葛藤が、心の声となって今回は表に出てくる。
監督は、長編監督デビューのジョシュ・クーリー。
原案 ジョン・ラセター/アンドリュー・スタントン/ジョシュ・クーリー/ヴァレリー・ラポンテ/ラシダ・ジョーンズ/ウィル・マコーマック/マーティン・ハインズ/ステファニー・フォルソム。
脚本 ステファニー・フォルソム/アンドリュー・スタントン。
6/10
前半30分くらい、正直つまらなかったな〜
面白くなったのは、シリーズ全てに出ているボーとの再会から。
ボーは、途中から「持ち主がいなくなったおもちゃ」として登場する。
ボーってこんな活発なキャラだった?と思ったらキャラ変えてきた(成長したともいう)
本作で、新しいキャラがいくつか登場。
少年アンディが、前作でウッディたちを小さな女の子に譲り
その子が今度は夢中になっているおもちゃが 使い捨てのフォークで作った「フォーキー」。
自作だし、彼女はおもちゃのように、友達のように、宝物のように大切にしてる。
なくなったらまた作ればいいものをと思うくらいだけど、彼女にとっては唯一無二の存在。
で、フォーキーはというと、ウッディたちのように人間に可愛がられたいという欲はない。
使い捨ての身だからか、自らゴミ箱に入ろうとするくらい 笑
それとは逆に、遊園地の射的コーナーでマトが当たり、いつか子供のもとに行き可愛いがられるのを夢見てる
景品の二匹のぬいぐるみバニー&ダッキー。
この二人、特に青いウサギがにくい可愛さ。
製造不良で内蔵のおしゃべり機能が壊れてて、子供に遊んでもらった経験も愛されることもないまま、
お店の片隅でアンティークとなってしまった哀しいギャビーギャビーというママードール。
店主の孫である女の子に、いつか可愛がられる存在になることを夢見てる。
だから特定の子供のおもちゃで可愛がられる存在のアンディや、愛されるおもちゃを羨み、妬む。
この子がわたしは良かったな〜。
そうそう、腹話術人形っていつも映画だと不気味なキャラで出てくるんだよね。笑
ジェームズ・ワンの「デッド・サイレンス」
「サスペリア part.2」
アンソニー・ホプキンスが若かりし頃にでた「マジック」でもこんなのいたし。
本作で登場のはこの、腹話術人形チャーリーがモデルかな?
話が逸れちゃったけど
他に今回のニューキャラクターでカナダ出身のバイクスタントマンのおもちゃ、デューク・カブーンは笑いをとってたオイシイキャラ。
声優はキアヌ・リーヴス。意外。
バズをはじめ、これまでのキャラたちはあまり出てこないから物足りない子供たちもいるかな?
上に書いた「持ち主がいないおもちゃ」っていうのが今回、なるほどね、という感じで
必ずしもウッディやバズみたいにおもちゃって誰か一人の子供のお気に入りってワケじゃない。
子供はすぐに飽きるし、失くすし、成長するとその存在だってどこかにいってしまう。
それが、普通。
だけど、おもちゃ目線でいうと皆 子供にとってのお気に入りでいたいし大事にされたい。
いつも一緒にいた子供が成長して、自分と離れて その後、どうするか。
おもちゃ自身の選択でもあり、観る側からしたら子供が純粋に楽しむってだけじゃない今回割とシリアスな内容。
持ち主がいないけど、気ままに流れのままに生きていくおもちゃとしての選択。
ボーと一緒にいる=好きな人を選んだっていうこと。
バズとの友情や子供との友情をずっと信念にしていた(でしょう)ウッディが
そこで愛をとるのね。という寂しい?気持ちにもなるラストだった。
そこはやっぱり賛否両論ありそう。
わたしは、仕方ないというか、一人の人間(可愛がってくれる子供)に固執しなくてもいいじゃないとは思う一方で
これはラブストーリーか!ってツッコミたくもなったけど 笑
でもそれがウッディにとっての成長と、新しい人生の選択で、色々な可能性が広がっていくことにもなる。
そもそも、前作のラストではウッディもそんなに簡単に手放しちゃって、思い入れのない子にあげたところで
すぐに失くすし誰かにあげちゃうし大切になんてしてもらえないよ!って思ったのだけど
思い入れのある子(お気に入りのおもちゃやお人形)は、屋根裏でもいいし部屋のどこかにこっそりずっと持っていればいいじゃない!
と思うのがわたしの結論でした
さーて、本当にこれで完結なのかな?
(また儲けのため?に次作あるんじゃない?)
ある日、新たな持ち主の女の子ボニーを見守るウッディ、バズたちの前に、彼女が幼稚園の工作で作った手作りおもちゃのフォーキーが現れる。しかし、フォークやモールでできた自分をゴミだと思い込んだフォーキーは、部屋を抜け出して逃走。ボニーのお気に入りであるフォーキーを連れ戻すため、ウッディたちは新たな冒険へと踏み出し、やがて、一度も愛されたことのないおもちゃとの出会いや、かつての仲間ボーとの再会を経て、初めて目にする新しい世界へとたどり着く
TOY STORY 4 2019年 アメリカ 100min
7月12日より、公開中〜