イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

イギリス人の飽くなき日焼け願望の体現!サンベッドに寝そべるオレンジ色に日焼けしたブタ!

2017年04月29日 16時37分28秒 | 英国ってハズカシイ!
食べ物でも、マンチェスターでもなく、キッチュのカテゴリーでお伝えします。

サングラスをかけたクールなブタの丸焼き。


マンチェスターの、ピカディリー・ガーデンズ Piccadilly Gardens の短い通りで定期的に開いている、マンチェスター・ストリート・フード・マーケット Manchester Street Food Market

木、金、土曜日にほぼ一日中あいています。

15軒ほど並んだテントで、中華、カリビアン、スペイン、イギリス伝統の焼き菓子などなどを作ってその場で売っています。
すぐ横のピカディリー・ガーデンズの芝生に座って食べるのに好都合。

このブタの丸焼き hog roast屋も、いつも店を出しているおなじみの店の一つです。

薄くそいだロースト・ポークと、パン粉とハーブを練ってローストしたスタッフィングにとろりとした濃い味のグレービー・ソースを塗って丸い平べったいパンに、はさんでくれます。



アップル・ソースも添えてくれるはず。
4ポンド( 今578円だそうです) は、まあまあお手頃なのではないでしょうか。


ところで、サングラスをかけたブタ!

サン・ベッド(日焼けマシーン)に腹ばいで寝そべる人を連想させるグロいディスプレイと思えなくもない・・・ジョークでしょう。何人もの人が写真を撮っていました。

じりじりとロースターの火に焙られてこんがり日焼け・・・

イギリス人、(というより白人全体だと思いますが)の、日焼けにかける情熱は特筆ものです。
今ではほとんどの人が、紫外線の害を認識しているはずなんですが、それでも日焼けサロンは年中大盛況。

陽がさしているのに肌をさらさない、なんて生理的に受け付けないらしいんです。
夫も含め、私の知っているイギリス人はほぼ全員、理屈抜きに日焼け渇望者です。

拒食症の人たちのように、実際は充分黒く、肌は紫外線の影響でしわしわ、カサカサなのに鏡を見るたびに「まだ青白い!もっともっと焼かなきゃ!」絶望的に追い詰められる、精神的に不安定な人もかなりいるそうですよ。
若い女性が主の拒食症と違ってこの「日焼け強迫観念」にかかる人の、年齢、性別はまちまち。

ニュース番組でやっていた「日焼け強迫観念」のルポでインタビューされた若い女性は、「友達が自分より黒かったら、みじめになって一緒に出歩くのが嫌になる」と発言していました。

南欧での海辺の休暇前に前もって焼いておく、のはまあ理解できるのですが(白い肌にビキニは似合わないんだそうです)花嫁が白いウェディング・ドレスを着る前にできるだけ肌の色を黒くしておくのが常識って、どうなんでしょうか。

日本では考えられないことですね。

左側がピカディリー・ガーデンズです。



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大人気!待ちに待ったピカディリー・ガーデンズの噴水の再開!評判の悪い安藤忠雄の壁はハトの憩いの場

2017年04月28日 23時42分35秒 | マンチェスター
昨日金曜日に、マンチェスターに行きました。

ピカディリー・ガーデンズ Piccadilly Gardens の噴水が上がっていました!!


ストックポート日報でこのピカディリー・ガーデンズは今まで何度も取り上げてきましたが、噴水の写真をお見せできるのは、これが初めてです。

偶然通りかかったときに噴水が上がっていたので写真を撮って、3月11日のストックポート日報 に載せました。
あれは思った通り、「試運転」だったようです。

この噴水は、市民や観光客、働く人達の憩いの場、「都会のオアシス」として2002年にオープンしたこの公園の最も人気が高かった設備でした。

ずさんな配管工事が地下浸水をもたらし、芝生の根腐れぬかるみのみならず地盤が緩んだためこの場所にあった名物の大観覧車を撤去するという大騒ぎまで引き起こしました。
地下浸水の進行を食い止めるため噴水の水が止められたのは、2014年 5月でした。三年近く前のことです。


今日まで上がった噴水の写真を載せたことがなかったのは、ストックポート日報の発汗がその2か月後の、2014年7月だからなのです。


はい、まったく知らなかったのですが、家に帰って市の広報ウェッブサイトで調べたら・・・




・・・この日が公式再オープン当日だったことがわかりました。








この人は噴水工事会社の人みたいです。噴水オペレーターみたいな仕事でしょうか。


安全ジャケットに、FOUNTAIN COMPANY と書いてあります。

再開の成功に満足そう?


さて、市民の強い希望で莫大な費用と長い時間をかけて再建再開された噴水と対照的なのは、おなじみ。壁 The Wall





安藤忠雄デザインの、評判の悪い壁

この日は、久しぶりにフェンスが取り払われ、密度の濃い新しく敷き詰められた芝生でピクニックをする人がいっぱい。
お弁当のお余りを求めて鳩が群れになって飛んだり着地したり大忙しでした。

「壁のちょん切れ部分」のすぐ前にある、戦没者追悼碑アートの金属の木が、なぜか鳩たちの大集合場所になっています。
鳩はみな、食べ物を漁ってぐるうっと回って、必ずこの木に戻ってきます。

のりきれない数のハトが一挙に戻ってくると、一休みを終えた一団が今度は交代に飛んでいき、かわりばんこに休憩場所を譲り合っているように思えます。

すぐそばの「壁のちょん切れ部分」はハトに大人気!



鳩の集合場所の別館として使われているようですね。

「市民の憎悪のまとの打ちっぱなし壁の取り壊しが決定した」と、以前にお伝えしましたが、その後どうなったのか気になっていました。

はい、噴水再開を伝える、市の広報ウエッブサイトでついでに新しい動きに関する記事を見つけました。
公園スペースの新デザインが決定、確実に取り壊しに向けて話が進行しているようです。

完成予想図 




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おしゃれ、高級感たっぷり!評判のグルメ・パブで食べたイギリス伝統のあま~いお菓子、それでも名前は恥ずかしいスポッテッド・・・

2017年04月27日 20時24分49秒 | 英国のお菓子とデザート
まず、去年のストックポート日報の記事を読んでくださいな。↓下にリンクを貼りました。

ディックという恥ずかしい名前のイギリス伝統の甘ーいお菓子


イギリスではおなじみの蒸したケーキ、スポッテッド・ディック spotted Dick の話題再び。


上の写真はよそのお料理ウェッブから勝手に借りました。
形はいろいろ・・・でも、このドーム型に黒い点々、が典型的なイメージです。


うちの近所、車で5,6分のところにある、チャーチ・イン Church Inn というパブで、昼食を食べました。

食後のデザートの、スポッテッド・ディック。



え、これが!?っていうほど、出し方がおしゃれです。

熱いカスタードの下は、おなじみの、スパイスのきいた蒸しケーキ。



パブのお手製です。
前回の記事に載せた、うちでよく食べる冷凍のものより口当たりがよく、甘さもくどくなく、まろやかでした。

チャーチ・インは高級住宅街のはずれにある地域に密接したパブですが、料理に力を入れていることで知られています。評判のグルメ・パブです。

どこのパブでも得意とする、伝統のイギリス料理がメインですが、新鮮な材料を使っておしゃれに上品に盛り付けて出してくれます。
昼間は、夜と違って、かなりお得です。

お客様が来たので、ちょっとぜいたくにパブ・レストランでおもてなししました。



この日はどうやら「シニア割引デイ」だったらしく、おばあさんでいっぱい。





パブの部分から建て増しの、レストラン部分をのぞいてみたところ。



・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

スポッテッド・ディックの名前についておさらいです。

一番上の写真をよそのウェッブサイトから借りるためにいろいろ見てみたら、名前由来の下品なジョークにけっこう行き当たりました。
ディックはやっぱりちょっとまずい、と独自に判断して「スポッテッド・リチャード」と改名したレストランもあるんだそうです。

アメリカ人に、イギリス英語を紹介するウェッブサイトから。

気持ちはわかるんですが、これはスポッテッド・ディックじゃなくてカラント・バンですね・・・


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おしゃれ、かわいい!イギリスの動物モチーフの食品パーケージ、ダジャレ満載それでもおしゃれ

2017年04月22日 22時39分48秒 | 気になる製品、気になるデザイン


1.Calmer Chameleon(カーマ・カメレオン)

 
沈静効果があるという、カモミールティーにハニーブッシュ、シナモンがブレンドしてある、気持ちを落ち着けたい時に飲むお茶だそうです。

calm は「穏やかな」という意味の形容詞ですが「落ち着かせる」という意味の動詞でもあります。
カメレオンは単に語呂が合う、というだけで引っ張り出されたものと思われます・・・カモミールchamomileに言葉も似ていますし。
  
ヒナギクのようなカモミールがちりばめられた美しいイラストのパッケージにはもちろん、カメレオンがいます。
トンボがいるのは、なぜだろう・・・?
  
必ず「♪カーマカマカマカマカミ―リオン・・・」と口ずさんでから飲んでいます。 
Culture Club の Karma Chameleon、日本でも流行りましたよね。

オーガニックのティーバッグ・ティー・ブランド 、CLIPPER の、再生紙を使用した箱はどれもがとても素敵です。


2.Alphabites(アルファバイツ)



パッケージの箱の耳の切込みが起こせるのがポイントのデザイン。

Bear という名前の、フルーツやナッツがベースの健康にいい自然派のおやつを生産している会社のアルファベットの形の朝食シリアル、その名も、アルファバイツ。
バイト bite というのは「齧る」という意味です。パッケージのロゴの「B」が齧ってあるのにご注目!
 a bite というのは「軽い食べもの」という意味のよく使う英語の表現ですが、Sがつくことに何か意味があるのでしょうか。
それとも、3人称単数現在の S?
alpha には口語の「すごい!」という意味のほかに、もてる男性、動物の群れのリーダーという意味もあります。

意味ありげな製品名・・・あるいはただのアルファベットにかけたダジャレ?
 

3.Tiger Nuts(タイガー・ナッツ)



小麦粉でコーティングされたピーナッツがあげてあるおつまみタイプのお菓子。
袋のトラの顔が、Tiger Nuts という製品名で描かれている!
  
凄いデザインだと思いませんか?!

 

裏側のバーコードも芸が細かい!
  

シマ模様を草むらに紛らわせて隠れているトラ!
  
なぜ、トラかというと・・・
タイガー・ブレッドという香ばしく茶色に焼けた表面がひび割れして、下の層の薄い色が網目状に見えているパンがあります。表面の模様からつけられた名前なのは明らか。
  
タイガー・ナッツも薄~いひび割れ模様から名付けられたとは思うのですが、実際、パッケージの写真のようなはっきりした縞模様は見えません。


上の写真は赤いパッケージのスィート・チリ、辛みをやわらげた唐辛子味のほうです。
  
パッケージの左上にプリントしてある Atack the Pack! というキャッチ・コピーも秀逸です。
韻を踏んでるし、packはお菓子の小袋と「動物の群れ」の掛詞になっています。atackもトラのどう猛さとおいしいお菓子を貪り食うイメージがなんとな~く通じる・・・?
 


4.MOO MILK (ムー・ミルク)

  
moo(ムー)というのは「モ~」という牛の鳴き声(擬態語)です。

ロゴの O が牛の鼻の穴になっているデザインのインパクトがちょっとすごいでしょう?少なくとも子供にはウケます。私にもウケました。
  
パッケージのイラストの楽しさで、バナナ味を選びましたが、うちの息子はあまり好きではありません。
イチゴ味、チョコレート味もあります。うちの息子のお気に入りはイチゴ味。
イチゴ味もバナナ味も人工的な、子供歯磨きのような味だと思っていましたが、味付けは天然果汁のみという箱の説明を読んでちょっとびっくり。。
  
ムー・ミルクと謳うだけあって、95%牛乳だそうです。
牛乳嫌いの子供におすすめです。
 
バナナ・シェークの味ですが、口当たりは牛乳そのものでとろみがありません。


5.Snack Cucumber (スナック・キューカンバ―)


別に言葉の工夫もひねりもありませんが、子供のおやつ用にパックした小型のキュウリのラベルのキュウリが、歯を見せてにやつくワニとして描かれているのがかわいいですね。


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ストックポートの田舎、再び・・・古い教会の建物が折り返しの、霧雨の中のイースター散策、肉牛とパグ

2017年04月21日 22時33分07秒 | ストックポートとその周辺
昨日のエスロー・カントリー・パーク Etherow Country Park に続いて、またストックポートの田舎の話題です。

先週の日曜日、イースター・サンデーに、チャドカーク・チャペル Chadkirk Chapel とその周辺の散歩道を歩きました。

エスロー・カントリーパークのすぐそばです。

駐車場を出てすぐ始まる広大な牛の放牧場の、高いよく茂った生垣沿いに少し歩くと生垣の切れ目、ゲートの前に出ました。

すぐそばに牛の群れ!




牛はどこでも好奇心旺盛ですね。
羊と違って人を怖がらないことが多いみたいです。



人が通るたびに集まってくるみたいです。

へレフォードという肉牛の若い雌ばかり。
かわいい!

再び生垣に沿って、チャドカーク・チャペルまで霧雨の中をゆっくり歩きます。

チャペルの公開時間のちょうど1時ちょっと前に、敷地の門があきました。


チャドカーク・チャペル Chadkirk Chapel


チャペルの日本語訳は「礼拝堂」。
大邸宅や、大聖堂の中の、個人が私的に宗教儀式をおこなったり、宗教的夢想にふけったりする場所のことをチャペルと呼ぶようです。

イギリスでは特に英国国教会の所有ではない、他の宗派の教会のことをチャペルと呼んで、歴史的にチャーチと区別したんだそうです。



といっても、今はどの宗派も自分たちの集会所のことを「教会 チャーチ」とよんでいると思いますけど・・・

聖チャッドの名を冠してカトリック教会として設立され、1347年の記録にも残っている古い礼拝堂です。

この建物は1747年の再建です。

開いたばかりでボランティアの人が小さな台所のカギを開けてコーヒー、紅茶をいれるためにお湯を沸かし始めました。
電灯と暖房もつけて公開準備完了。

私は紅茶を、夫はアメリカ―ノを飲みました。紙コップで1ポンド20ペンスは、マクドナルドと同じじゃないかな。

寒い日の雨宿りに、体が温まりました。
本格的なエスプレッソ・マシーンが設置してある、小さいけどプロのカフェ仕様の本格的なキッチンです。



この礼拝堂の建物は、1974年に、ストックポートの管理下に移行して、宗教と全く関係のないイベントに使われる「歴史的建築物を利用した文化博物館」と分類される施設になりました。

ホテルの宴会場にあるような椅子が並んでいるのは、イースター・特別イベントの、英国国教会の牧師を呼んで、イースター礼拝が3時から行われるための準備です。

シンプルな一室教会の奥、内陣に当たる場所から入口を見たところ。


1995年にストックポート市が修復したときに付け加えられた、聖チャッドの一生を現したプリミティブなタッチの木彫パネルが上を横切ってるのが見えますか?

なんでこんな現代タッチをとってつけたように加えるのか理解に苦しみます。しかも宗教的主題の・・・
いっそ、意味不明の現代アートにでもすればいいのに。

正面のステンドグラスはいっそ潔く現代タッチでなかなか良い。


しかし現代家具風の祭壇の上のアフリカンアート調の十字架上のキリスト像もなんだか・・・・張り切りすぎ?

次々と入ってくる年配のハイキングの人たちが持参した魔法瓶からお茶を飲んでおやつを食べ始めました。


ちょっとねえ・・・
維持費を賄うためか、祝日にボランティアの人が来てコーヒー、紅茶、ケーキを売ってるんです。
喫茶店に自前のコーヒーを持ち込むみたいで配慮が足りないと思うんですけど。

キッチンボランティアのお友達が連れてきたパグのパッジィー。


後ろにちょっと見えてるのは18世紀の洗礼盤。

外のハイキングコースの始まりの道にある、聖チャッドの湧水。


中世には洗礼に使われたこの山からの湧水は今も豊かに湧き出して、囲いのない井戸を一杯にしています。


7年前に来たときはなかった、修道士の木彫り像。


聖チャッドは8世紀、アングロ・サクソン時代にイギリスにキリスト教を布教した大司教で、修道院を国中にたくさん建てた人だそうです。


隣接の、イギリス伝統の壁に囲まれた庭園に入ります。


寂しいですね。


今 花が咲いている草花があまり無いのはちょっと計画性に欠けるのでは?

以前来た時は造園が終わったばかりの、これからが楽しみの新築の庭園でしたが、7年たってもあまり見栄えがしないのはちょっとがっかり。

リンゴやナシなどの果樹の枝を広げて壁に固定するイギリス古来の園芸法。


牛の放牧地の反対側を歩いて、駐車場に戻りました。


ワイルド・ガーリック。


つくしの伸び切ったのと、ワイルド・ガーリック。ブラックベリーの葉も見えています。


道の右がわが、小さな林道です。

ブルーベルはまだ咲き始めたばかりでした。


牛の放牧場。


遠くに見えている鉄塔の下あたりが、行きがけに牛見物をした場所です。









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エスロー・カントリー・パーク、ストックポートの自然公園、我が物顔にのさばるカナダ・ガン!釣り人と寒がりの犬

2017年04月17日 23時06分25秒 | ストックポートとその周辺
今日は久しぶりに、ストックポートの話題です。

なんだか私たちは毎日出歩いているように見えますが、そういうわけでもないんですよ。
一週間以上前の話です。



うちから車で、15分の所にある、エースロー・カントリー・パーク Etherow Country Park

ストックポートの自然保護区域です。
すぐそばに綿織物の工場があります。1960年代に廃業して久しい、古い建物です。(残念、写真がありません)

パークの中央を流れるエスロー川が水力として利用されていたそうです。

水量を調節する、人口の滝(ウィアー)があります。


水量を調節するポンプ番の住んだ小屋もあります。



ピーク・ディストリクトにある「ペストの村」イームに行った週末と打って変わって、暗くて寒い日でした。
この、エースロー・カウントリー・パークは水鳥の保護区域です。

もしかして、春恒例のふわふわのひな鳥たちが見られるんじゃないかと大いに期待して!わざわざ行ってみたのですが、全然、見かけませんでした!
ちょっと早かったようです。

川沿いの遊歩道から丸見えの、オープンな位置で卵を温めるクート coot


イギリスの水べりに棲む代表的な野鳥の一種です。
私、クートが大好きなんです。

このエースロー・カウントリー・パークは、全国的にも珍しいウォ―ター・レイル water rail(クイナの一種)という水鳥の生息が観測されている、貴重な保護区域なのだそうです。

それらしいのは、見かけませんでした。

いるのは、イギリス中、池のある公園には必ずいる、野生のカモと、ああああああ、ここにも!!!


小憎らしいカナダ・ガン Canadian Goose

上の二羽は、どこかに卵でもかくしているんでしょうか、湿原の中の、踏み固めてある道を歩く私たちの前に立ちはだかって、シャーシャー、ぱちぱち(嘴を鳴らす音)と威嚇しまくってました。



手前のガマの穂、遠景の葦が生える原生の葦の原(湿原)も保護指定物件です。


遠くのほうに、カナダ・ガンがいるのが見えますか。


葦の原の地続きの農場も公園の一部、かどうかはちょっとわかりません。この農園の後ろのほうまで、保護指定林がぐっと回り込んでいました。




放牧されている黒い牛の親子に混ざって、やっぱりでかい顔したカナダ・ガンが牧草地で闊歩しています。遠くてわかりにくいのですが、見えますか。


湿原を通って林の中に入ると、野鳥の観測小屋があります。

この男性は持参した丸太(!何のため!?)を床に転がして、野鳥を呼ぶための餌を周りにまき始めました。


小屋の中には本格的なプロ仕様のカメラを構えた男女の写真家風が待機していました。

池に突き出した観測小屋からたまに見えるのはやっぱりカナダ・ガンばっかり。


上の写真にも写ってるんですが、見えますか。

観測小屋の中で携帯電話のゲームに興じるうちの息子。



春休みで家にいてもコンピューターゲームばかりしているので無理やり外に引っ張り出されたのですが、携帯電話が離せないのはどこにいても同じ!

プロの写真家が撒いたエサにどんな野鳥が群がるか興味津々だったのですが、プロの仕事を邪魔しては悪いので、立ち退くことにしました。



来た時とは反対側の岸辺を歩いて駐車場に戻る途中で、釣り人と飼い犬に会いました。


フレンチ・ブルドッグのヘクター、男らしい名前にもかかわらず、寒がり。飼い主のフリースを体に巻き付けて震えていました。

写真を撮っていいかと聞くと起こしてポーズをつけてくれました。


この犬の色、「シャンペン・ブルー」というんだそうな。

何が釣れるか聞くのを忘れました。
このあたり、釣り糸を垂れる人でいっぱいでした。

帰る前にお茶を飲んだカフェに隣接するビジター・センターで、野生動物観察チェックリストを配っていた人に釣れる魚を聞いてみました。

あまりぱっとしない見かけの、カープ carp だそうです。

日本の派手な色合いの錦鯉もカープといいますがイギリスの川にいるカープといえば、これ。


どういう魚かわかってもらうための写真を探そうと検索したら、釣り自慢のウェッブサイトに行きあたって、ザクザク「大物記念写真」が出てきたので、一枚お借りしました。
すごいです・・・

実際釣れるのは手のひらに乗せるとはみだすぐらいのサイズがほとんどだそうです。

他にもローチとかパイクとかのありふれた川魚が生息しているそうです。

ちなみに、「エスローで観測できる野鳥リスト」にはカナダ・ガンの記載はありませんでした!!

お呼びでない、ということでしょうか。
外来です。イギリスの生態系にとって好ましい存在ではないはずです。

とにかくどこにでも、はびこりすぎ。


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イームのつづき、村の裏側をぐるっと回ってハイキング・・・絶景・・・イームは本当に観光地?

2017年04月17日 21時33分43秒 | ピーク・ディストリクト
ピーク・ディストリクトの小さな村、イーム Eyam を訪ねた話の続きです。

今日で、3回目、都合で間が空いてしましました。前回2回の記事のリンクを貼りました。↓↓

350年前にペストの流行でほぼ全滅しかかったピークのかわいい村、イーム。・・・英雄的行為で村おこし

ピークディストリクトの美しい町、イームにはペストの遺産以外にもいろいろ見どころあり!


イームは、1665年のペストの惨禍という歴史的出来事を観光のポイントにしています。

といっても、観光が主要な産業の、観光収入によって成り立っている町ではないようです。



この小さな町には、パブが一軒しかありません。


これがマイナーズ・アームス The miner's Arms という町でたった一軒のパブ。


坂の始まる立て込んだ狭いとおりにあります。

内側です。イギリス中どこにでもある伝統的なパブと変わりません。


1665年のペスト惨禍以前に創業した古いパブだそうです。


外で、お昼のロースト・ビーフ・サンドウィッチを食べました。


背景に暑そうにだらしなく座っている、ロットワイラー犬、タイソンの飼い主と話をしました。

近隣のピークの村から車で来て、ハイキングのついでに時々立ち寄る、このパブの常連だそうです。
森林を通り抜けて、村の裏の山を超えてぐるっと回るおすすめハイキング・コースを教えてくれました。なかなかタフそうです。

ちなみに、後ろの石壁の後ろにちょっと見えている三階だての古い連続住宅は、イーム博物館 Eyam Museum の展示によると、18世紀の絹織物の家内制手工業コテージ Silk Weaver's Cotages だそうです。
普通の住宅として、人が住んでいます。


パブのある小さな町の中心地には、ベンチの並ぶ小さなスクエアと、カフェが一軒ありました。


飲食店はこのカフェとパブの他には、イーム・ホール Eyam Hall敷地内にある、ナショナル・トラストの管理下にある軽食レストランだけのようです。

このあたりの建物の多くは、かなり新しそうでした。
最近建てられた建物もすべて、400年以上前から残る古い建物と同じ、地元できりだされた石材か、それに似たような色合いの建築材を使って統一感を持たせているようです。

おすすめの「森林を抜ける山越えコース」はきつそうなので、村の裏側をぐるっとまわって、森林手前で下りてくる、お手軽コースを通って村に戻ることにしました。
目的地は、食後のおあずけにしていたイーム博物館 Eyam Museum

パブのある坂道をあがります。


村の人たちが水を汲んだり洗い物をしたりするのに使った共同の水くみ場がありました。


ほかにもいくつかの水くみ場が史跡として残っていましたが、今でもちょろちょろ樋から山からの湧水が流れこんで水槽がいっぱいになっているのはここだけでした。
ほかのは水が枯れて、花壇として利用されていました。


家屋の周りにトラクターなどの農業機材が置いてあるのは、急な斜面の牧草地を持つ伝統的な農家の家のようです。

他に、イギリスではおなじみの、都会の家を売って退職後に田舎に移り住んできた人たちの家も多そうです。

素晴らしい眺めが楽しめるうらやましい限りの老後・・・本当にうらやましいか・・・?


車が欠かせない、不自由な場所での老後・・・

訪ねてくる人も限られそうだし、素晴らしい眺めも一週間で飽きませんか?
私は老後は町の中の人がいっぱいいる、にぎやかで便利な場所で過ごすのが希望です。
人それぞれですね。

急な坂沿いの住宅地が途切れ、舗装された道の山登りはここまで。その先は森林地帯の山の中。

下り道に続く農地を横切ることにします。

イギリスの農地ではおなじみの、「踏み越し段」の典型的なタイプ。



人は塀を超えて出入りできるけど、ヒツジやウシは越えられないイギリス特有の古くからの工夫です。
私有の農地をハイカーたちが歩いて通り抜けられるように設置してあります。

これを超えて、農地に入って・・・見下ろすと、絶景。


あとは下り坂。





村に戻る途中の斜面に、異国情緒たっぷり、アルパカの放牧場がありました。




このアルパカ農場は山のてっぺんまで続いています。
アルパカたちが運動がてら、てっぺんまで登って景色を楽しむことできるように?

その反対側はイギリス伝統の羊の放牧場。




坂を下り切ると、村に戻れました。


教会の横手に出て、また教会の境内を横切り・・・



ペストの家やイーム・ホール、「レンガの家」などのあるチャーチ・ストリートを再びとおって、イーム博物館にたどり着きました。

びっくり、イーム博物館の前には公衆便所のある立派な駐車場がありました。
大型コーチバスが2台とまっていて、運転手らしき人がベンチでたばこを吸っていました。

同じ年配の同じような重装備のハイキング客を村中で大勢見かけました。各自、別行動のようでしたがどう見てもグループらしい人たち。
どうやら、企画したハイキング・ツアーの需要が高い村のようです。

観光客がこれだけ来るのに、パブが1軒、カフェが2軒しかないし、そういえばお土産物屋さんは一軒も見かけませんでした。
博物館に行く途中の角にあった、地域のヨロズや風個人商店で観光客目当ての乳脂肪分の高そうなアイスクリームを売っていたので、買ってなめながら歩きました。

ハイキングの拠点、美しい街並み、史跡、稀有な歴史・・・観光資源に恵まれたイームは、本当に観光地でしょうか。

観光客を相手に儲けよう!という欲が、ない?

観光業で生活している人たちはほとんどいないんじゃないでしょうか。
退職した人たちのほかには、景色のきれいな美しい村によそから移り住んで、車で町まで通勤する、中産階級の人たちも多く住んでいるように見受けられました。

マンチェスターやシェフィールドにも通える距離です。

都会で働く人たちが、田舎の農村にこぎれいな家を買って住むのが人気です。
イギリスの昔ながらの田舎町の不動産の値段がどんどん上がっていく原因の、日本ではあり得ない歓迎されない現象として、近頃話題になっています。

地元の若者たちが住める手ごろな家がなくなって、仕方なく田舎の村を捨て、不動産や物価の安い都会に出ていかざるを得ない!という矛盾したことがイギリスでは起こっているそうですよ。

ここ、イームも、農業にも観光産業にも従事していない、町の外に勤めに出ている住人が多くいるようにみうけられました。

観光案内所は無人でした。

博物館で、切符やペストにちなむネズミのぬいぐるみ!や本、オリジナルのしおりなどを売っているおじいさんはボランティアだそうです。

「ペストの村 Plague Village 」として宣伝しているのは、人を呼び込んでお金を儲けるためではなく、村のアイデンティティー、あるいは誇りのためではないでしょうか。



パブのある村のスクエアの、郵便ポストと、古いタイプの電話ボックス。


電話ボックスの中には公衆電話ではなく、緊急の際用の心臓蘇生機器(デフィブリレータ― defibrillator) が設置してありました。
古い電話ボックスを利用したデフィブリレータ―設置ボックス、ちかごろいろいろなところで見かけます。

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イースターと関係なし!謎の宇宙生体スーパーで見つけた結合体食用キノコ

2017年04月16日 09時00分00秒 | 英国の野菜、果物

今日はイースター・サンデー、国民の祝日です。
イースターとは全く関係のない、3日連続、ピーク・ディストリクトのペストの村、イームに関する記事をお送りするつもりだったのですが、事情で先に延ばします。

昨日スーパーでイースターディナー用、仔羊肉(ロースト用は品切れ、ステーキで代用)を買いに行って見つけたキノコ。


シャム双生児。

一つだけ(二つか?)紙袋に入れて買いました。ばら売りの箱で見つけました。

レジで重さをはかってもらってお金を払います。

ボタン・マッシュルーム。








ハッピー・イースター!!!



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ピークディストリクトの美しい町、イームにはペストの遺産以外にもいろいろ見どころあり!

2017年04月15日 09時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
昨日の続きです。



ピーク・ディストリクト国立公園の小さな村、イーム Eyam

「ペストの村 Plague Villadge 」として知られる小さな観光ヴィレッジ。

昨日の記事のリンクを貼付しました。読んでくださいね↓
http://blog.goo.ne.jp/stockport
350年前にペストの流行でほぼ全滅しかかったピークのかわいい村、イーム。・・・英雄的行為で村おこし


まず見物したのが、セント・ローレンス教会 St,Lawrence's Church 。


日曜日で、礼拝の最中でした。教会に入るチャンスだったはずですが、さすがに信者でない私たちが潜り込んで見物するわけにもいかず、中は見られませんでした。


もともとは13世紀の建物だということですが、16世紀、17世紀、その後も改修改築が行われたとか。
どこがいつどう変わったのかは、明記されていないのですが、各時代のオリジナルの部分が点在して残っているようです。

観光ウエッブサイトによると、ペスト流行当時の逸話を描いたステンドグラスや、サクソン時代(イギリス文明のあけぼの、450年~1066年)の洗礼盤ほか宝物がどっさりの名物教会だそうです。

イーム中でもっとも重要な歴史資産はこれ、サクソン時代につくられた、ケルト十字架  Celtic Cross 。


8世紀、イギリス人が英語を話し始める前から立ってたというのだからすごいです。
ハイキング装備の観光客が順番に譲り合って記念写真を撮って行きます。

くねくねケルト文様と聖母子像、キリスト像、天使らしい浮彫がはっきり残っています。触れてもいいのもすごい。外で、雨ざらしだし。


キンポウゲの咲き乱れる教会境内の墓地は明るくて楽しい雰囲気です。


18世紀から20世紀の初め頃までのふるい墓標が集まっています。

私たちが一番気に入ったのがこれ。




1799年に11歳で亡くなったIohn Hancockという少年のお墓のようです。
字体もレイアウトも素人が彫ったとしか思えない素朴さ。
The sweetest Flower's doth soon decay
So doth our time soon pass away.....最後の行は読めません。

記した家族のオリジナルでしょうか。心を打つ詩です。

教会と同じ並びにある、ペストの家 Plague Cottages は昨日の日報をご覧いただくとして・・・・

同じく、教会のある、その名もずばりのChurch Street にあるイーム・ホール Eyam Hall


17世紀、スチュワート様式のお屋敷です。直前のチューダーやエリザベーサン(英国ルネッサンス)様式みたいにこてこてしていない、簡素なスタイルなのが特徴です。

時間がなくて中には入りませんでした。
入場に、大人1人が8ポンド09ペンスもかかります。ナショナルトラストの運営です。高額の入場料は、史跡保存基金と割り切りましょう!

そのうちゆっくり訪れたいものです。でも09ペンスの半端額は、なに!?

イーム・ホールの斜め向かいの立派な一軒家。


イーム・ホールの石壁が左側に見えています。

イームにあって、なぜか、強烈な違和感。

緑の観光立て札によると、その名もずばり、ブリック・ハウス(レンガの家) The Brick House
斜め向かいの領主様のお館、イーム・ホールも含めて町中すべて石造りの建物が並ぶイームの唯一のレンガ建ての建物。

18世紀に建てられたときはさぞ、立派でモダンでゴージャスに見えたことでしょう。

無人の観光案内所と、晒し台 Eyam Stocks のある、ビレッジ・グリーンから。



晒し台というのは19世紀の半ばごろまで、軽犯罪者を市のたつ日など、町の中心地で数時間晒し刑にするときに使った刑具だそうですが、イギリスのたいていの歴史的町並みの残る観光地にこれがあります。これは、ずっとここにあった本物のようです。

これは、足を固定するタイプ。

ビレッジグリーンの向かいの、緑の空き地・・・塀の向こうはイーム・ホールの庭園です。


今年は9月2日土曜日と書いてあります。シープ・ロースト Sheep Roast!!


昔からの習慣で、毎年8月の終わりの週末、村を挙げてのカーニバル(肉をたべるお祭り)があるとかで、この場所で羊の丸ごとバーベキューをするんだそうな・・・見たい!

ベジタリアンの夫はひどく嫌な顔をしました。

明日に続く。


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350年前にペストの流行でほぼ全滅しかかったピーク・ディストリクトの山あいのかわいい村、イーム

2017年04月13日 10時40分02秒 | ピーク・ディストリクト

またまた、間があいてしまいました。

ストックポート の名を返上しなければならなくなるかもしれません。

先週の日曜日、ピーク・ディストリクト国立公園 にある、ちいさな山あいの村、イーム Eyam  に行ってきました。



ストックポートの自宅から車で約35分。
ロッククライミングで有名なストーニーミドルトンの隣村。
べーカウェル・タートで有名なべーカウェルがすぐそばです。

実は、こんなところにこんな場所があるなんて知りませんでした!読者の方がコメントで教えてくださったんです。

くねくねした坂道沿いに地元産の黄色っぽい石材でたてられた かわいらしいコテージがならぶ町。


緑豊かな丘陵地にポツン ポツンと点在する典型的なピーク・ディストリクトの小さな町のひとつです。

ハイキングの拠点にもなっているようです。

この村は、なんと「ペストの村 the Plague Village 」として知られているのです!

1665年から1666年にかけて猛威を振るったロンドンのペストの大流行についてご存知でしょうか。
記録に残っているだけで68,596人が死亡しました。(一説には10万を超える死者が出たとか)

1665年、ロンドンから遠く離れたダービーシャーのこの村の仕立てものやに、ロンドンから特注の布が届きました。
その布にはネズミにつく、ペスト菌を媒介するノミの卵がびっしり産み付けられていたのです。
そうとは知らず、布を広げて暖炉前にかけて乾かす作業をした弟子の若者が最初にり患して死亡。

観光名所、イーム博物館 Eyam Museum  (通称、ペスト博物館 Plague Museum!!)の展示、布が届いた運命の瞬間の再現シーン。
  

イーム博物館は、小さな観光地によくあるタイプのちんまりした郷土史博物館です。メインの展示物は、村のペスト惨禍とペストに関するうんちく。

地元の素人画家が描いたのか、説明パネルのイラストの素朴さには好感が持てましたが、いくつかある歴史的シーンの再現モデルの不気味な稚拙さ、衣装や小道具のいい加減さには失笑しました。

夫はもうたくさん、と途中で外に出て日光浴を始めましたが私はすべてのパネルを丹念に見て回りました。
興味深かった!




これがその布が届いた家!


悲劇の「ペストの家 Plague Cotages 」の前庭の丹精した植木とノー天気でキッチュな飾りつけには目を見張るものがあります。


瞬く間に感染して仕立てやの一家全員がこの家で死亡!



棟続きの隣の家にも伝染が広まります。

数週間以内には村中に広まります。

緑の観光案内の立て札に、その家で死亡した人に関する記録が書かれてあります。


いい天気です。たくさんの観光客が写真を撮りまくり、350年前の悲劇を思わせる陰鬱な雰囲気は一切ありません。

この、教会のあるとおりを中心に、築400年以上の建物のほとんどに、今も人が住んでいるんです。



セント・ローレンス教会 St. Lawrence's Church。


教会の真正面にある、17世紀の素敵なコテージ、一軒ごとに呼び名が違うのですが、私たちがすぐ前に車を止めた家は、その名もずばり、チャーチ・ビュー。


観光客に毎日家の前に車をとめられて、この家の人たちはさぞうんざりしていることでしょう。

風景の美しいところを訪ねるたびに心に浮かぶ疑問です。住人はどうおもっているのかって・・・

こんなところに家を買うからにそれも覚悟の上、なんでしょうね。

少なくとも「ペストの家」に住んでいる人たちは観光客に注目されて喜んでるように見えるのですが。



教会の境内から見た、ペストの家の横側。


ペストの話の続きです。
イームでは、1665年から66年にかけて273人が死亡したということです。生き残ったのは83人。


実はこの村のペスト惨禍の裏には英雄的な物語があります。

ロンドンから飛び火したペストが他の村に広がるのを食い止めるためにこの村の牧師が村人全員が村を出ることを禁止する自主的な隔離制をとることを決めたのだそうです。
ほぼ全員がそれに従い、山あいに点在する他の多くの村々は感染をまぬがれたということです。



上の写真は生者に死を意識させるどくろデザインの教会内の古い墓石・・・
ペストで死亡した人は教会内に埋葬されることはなく感染の広がりを防ぐために村はずれにばらばらに家族の手で埋葬されたそうですよ。

悲しい逸話が今も数多く語り継がれています。


この歴史的な出来事にエピソードを得た、小説、ノンフィクション、劇、詩、童話は数々あるそうです。
博物館の展示で知りました。

村をあげて観光ネタにする誇りがよく分かった気がします。

明日に続きます。





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カースルトンのノルマン時代の古い古い教会、いつも信者と観光客のために扉が開かれている、現在のイギリスでは稀有な存在

2017年04月11日 09時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
日曜日に載せようと、教会の話題を用意していたのですが、パソコンをかえたため写真がまとまらなくて、長いこと休刊になってしまいました。

カースルトン Castleton の、セント・エドモンズ教会 St. Edmund's Church です。


ピーク・ディストリクトの美しい観光地、カースルトンの近くで、おなかに白いベルトをまいたスコットランド原産の牛たちを見てきた話を4月4日に載せました。

続きの番外編 といったところです。

今回は久しぶりに建物の話題です。
牛を見に村の外に戻る前に、キャスルトンでお昼ご飯を食べて町の中心にある教会を拝観しました。



驚きの!12世紀に起源をさかのぼる古い古い教会です!!



といっても14世紀に大部分が建てなおされ、さらに、1831年と1886年に、大掛かりな改修工事がほどこされたということ、12世紀に最初に建てられたそのままの姿が残っているというわけではないようです。

どこがどう変わったか、詳しい説明は見つかりませんでしたが・・・

今に残る、ロルマン時代(1066年から1200年)の建築部分に関しては案内がありました。

ノルマン時代の洗礼盤!


ノルマン時代の、チャンセル・アーチ(内陣への入り口)!!


上の2枚の写真は教会の歴史ウェッブサイトから借りちゃいました。
私の撮ったアーチのアップはピンボケで洗礼盤の写真は撮り忘れました!。

左側のかなり高いところにあるステンドグラスの真ん中の天使像は比較的最近、観光客が望遠レンズを使って撮った写真がきっかけで調査が行われ、14世紀のものだというどこかの大学のお墨付きをもらったそうです。


高くてよくわかりません。私も望遠で撮ってかろうじて判別がつくのが・・・閉じた翼があるぐらい。

他のステンドグラスはすべて高名な画家のデザインをもとに19世紀に地元の有名な工房で作られたものだそうです。

この入り口アーチもなんだか古そうですが、この奥の、典型的なノルマン時代のギザギザ模様のあるチャンセル・アーチのようないわくつきの逸品ではないようです。


奥のアーチがギザギザのノルマン様式です。


ボックス席に、17世紀のたくさんの地元の有力者信者の名前が彫ってあります。(1662年!)


家族席が確保してあったようです。
なぜ「予約席」の名前をずっと残る木彫りにしたのか、しかも350年も残しているのか疑問ですよね。

村の古い教会っていいですね。

町の中によくある、ゴシック風の「大聖堂のミニチュア版」みたいなのと違って素朴です。

礼拝やそのほかの集会のない時には、イギリスのほとんどの教会はいつもしまっています。

破壊や泥棒など、罰当たり行為が後を絶たないから、というのもうなずけます。
50年ぐらい前までは教会は、信者が自由に出入りして神様と対話ができるようにいつも開放してある場所だったはずなのですが・・・

信者の数も、ドーンと減ってきています。

この教会が開放してあるのは、イースター前のレント期間だから特別かな、と思っていたら、いつもあけてあるそうです。
教会のウェッブサイトにそう書いてありました。

入ったところに、建物の見どころガイドの、コピーした素朴な小冊子がおいてあったので、読んでから見て回ったのですが、1ポンドで、売られていたことに後で気が付きました。

寄付ですね・・・白状します・・・お金を入れずに立ち読みですませました!
売り物と知らずにだまって持っていく人も結構いそうですよ。


正面奥のチャンセラーのステンドグラスには、キリストと神の仔羊が描かれていました。


この日、ピーク・ディストリクトまでわざわざ来たのはコヒツジたちを見に来るためだったことを思い出して写真を撮りました。

外の日の光がステンドグラスを通って古い石の床を淡い色に染めていました。



ピーク・ディストリクトの、カースルトンについての記事をぜひ読んでください。↓
リンクを貼りました。

ピークディストリクトの古城のある小さな町、カースルトン その1

ピークディストリクトの蜜の壷、カースルトン その2

ピークディストリクトの丘陵をうろついて、羊のふわふわを拾いあさる、カースルトン その3



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イギリスの原風景・・・50年間不変の内装で庶民に愛されるレトロなフィッシュ&チップス店

2017年04月07日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺

おなじみの、日本でもよく知られた、イギリスの国民食、フィッシュ&チップスの話題です。



国道A6をタウンセンターから南に一キロ足らず、ヘイゼルグローブ Hazelgrove という町の商店街の中にある、1960年代のインテリアが完璧に保たれているレトロチッピー。


イギリスではフィッシュ&チップス店のことはチッピー chippy と呼ぶのが普通です。「フィッシュ&チップス・ショップ」ではちょっと長すぎるので。


今回は、イギリスの料理、食べ物 ではなく、ストックポートとその周辺 カテゴリーとして紹介する理由がお分かりいただけたでしょうか。



今回は フィッシュ&チップスではなく、チッピーの話題です。

今回、写真に撮って初めて店名に気がつきました。

Village Fish & Chips。 なんて素朴な名前でしょう。

フォーマイカ板張りのテーブルに、食事前に持ってきてくれるのは濃い、ティーバッグでいれた熱いミルクティー。


年配のご夫婦で経営のチッピー。奥さんがテイカウェイ(持ち帰り)のカウンターと、お会計、テーブルサービスを担当。ご主人が調理担当です。






私たちが入った時は、近所に住んでいるらしいおばあさんが、店の奥さんとおしゃべりをしながら紅茶を飲んでいました。

そのおばあさんがお金を払って出た後、私たち以外座って食べる人は一人もいませんでしたが、ちょうどお昼時、近所で働いている人達(全員男性、肉体労働系の仕事の人多し)が次々と紙に包まれたフィッシュ&チップスを買って帰っていました。



最初に私がこの店に来たのは約12年前。

この近所に子供の時住んでたという人に連れてきてもらったその時から、内装は全く変わっていません。
40代半ばの彼女が子供の時もこの内装だったそうです。


出来合いのパイも売っています。


私たちが入った時にはたくさんあった、ガラスケースの中のパイ各種は、食べ終わって出るころにはほぼ完売状態。

すぐそばにある大きなスーパー、セインズベリーに買い物の後、駐車場に車をおいて歩いてきました。
なんども来ているので夫と二人、顔なじみになりました。

魚はすべて揚げたてを持ってきてくれるので、少し待たされます。
私がよくほかの店では注文する、子供サイズのフィッシュ・フライはこの店ではやっていません。



ものすごい量を食べ終わったときは(私は例によって少し残しました)全身が脂でぬらぬらするような気がするぐらい満腹です。

コーラやファンタを注文すると、冷えてないのが缶のまま出てきます。

庶民的!地元のお年寄りや労働者に愛される典型的なイギリスのチッピー。
2人でこれだけ食べて濃い紅茶を一杯ずつ飲んでお会計は10ポンドちょっと、奇跡のような安さです。

イギリスでは金曜日に魚を食べる古くからのキリスト教に基づく習慣があります。チッピーももちろん、金曜日が一番忙しいそうです。




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玉虫色のビル、再び・・・銀バエの緑から赤さびを経て銀バエの緑に妖しく変化する

2017年04月06日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
ずっと以前に写真を撮ってお目にかけた、ストックポートの、見る位置によって色が変わる玉虫色の妖しいビル・・・。

前回は反対側、古い建物が多く残る、景観保存エリア、ハイヤー・ヒルゲートという通りからとりましたが、今回は広いバス通り、国道A6から。

同じ建物です。
春の日差しを反射して、妖しく銀バエのようにメラメラ緑に光っていました。



ストックポートのタウンセンターに向かってたったの3分足らず歩いた間に、色の変化を追って撮影。



だんだん、赤さび色に変化していく過程がわかるでしょうか。


実はこのビルの妖しさにこだわっているのは私だけのようです。
夫と子供2人は、「本当にどうでもいい、気にしない。珍しくない」といっています。

でも、こんなビルほかにありますか!?



赤さび色一色が観察できるのは上の写真を撮ったスポットのみ・・・・



私が移動すると同時にまた銀バエの緑に戻っていきます。






市庁舎の横まで来ると、完全にまた緑。


ロンドンのウェストミンスター橋でのテロ惨劇から昨日でちょうど2週間。
昨日の正午にウェストミンスター寺院で、追悼礼拝が執り行われていました。

ストックポート市庁舎の半旗は事件の翌日からずうっと上がりっぱなしでした。


亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

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仔ヒツジとおなかにさらしをまいたウシを見にピーク・ディストリクトまで行ってきた

2017年04月04日 09時00分00秒 | 英国の動物

イギリス中の牧草地に仔ヒツジが跳ねまわる春です。

・・・・・・・まだ早いかな?
うちの近所では、まだ見かけません。

国道A6を南へ車で30分、生まれたばかりの仔ヒツジが見られるかもしれないピーク・ディストリクトのカースルトン Castleton まで行ってきました。



カースルトンに入る前の道の脇の牧草地に、いた!




車をとめて柵のぎりぎりまで行くと、警戒心丸出しの母子のヒツジがいっせいに走って逃げていきます。
あーあ、いなくなっちゃった。

逃げ去る母子ヒツジの右側奥に黒白のウシが寝そべっています。


スコットランド産の肉牛、ベルテッド・ギャロウェイ Belted Gallowayです。


私も夫も大好きなのです。
この場所で見ることはあまりありません。(以前1度見かけたことがありますが)しかもヒツジと混合の放牧は珍しいんじゃないでしょうか。



ベルテッド・ギャロウェイと母子ヒツジの混合放牧地の斜め前には、種類不明の(かなり原始的な種の)羊毛用と思われるヒツジの放牧地がありました。




お尻にハートのある羊。



仔ヒツジをすぐそばで見るあては外れましたが、ベルテッド・ギャロウェイを見ていくことにしました。
カースルトンまで行って昼食を食べてから帰りみちに、私たち夫婦のお気に入りの見物スポットに寄りました。

(カースルトンの放牧地にも、すぐそばで見られる位置にはまだ仔ヒツジはいませんでした)

上の写真の、ベルテッド・ギャロウェイと母子ヒツジの混合放牧地とは、別の場所です。
もしかしたら、どこかでつながっていて牛たちは2か所を行き来できるのかもしれませんが・・・

たぶんまちがいなく、すべて同じ農場主が飼っているウシでしょう。

草地の向こう側には、カースルトンとストックポートをつなぐ広い道路があります。
道のわきに車を止めて、長いわき道を抜けると、裏側の、すぐそばで見られるおススメのスポットがあるのです。


今回いたのはこの食事中の4頭だけでした。

手前の幅広白ベルト牛のおなかには赤ちゃんがいるようです。




向こう側の2頭は食べ終わって、オレンジ色の餌バケツから離れて丘を越えてどこかに歩き去りました。

右端と左端に小さく写っている2頭のウシ、みえますか?


食べ終わって1頭が歩き出してももう一頭は名残惜しくいつまでもバケツをなめまわしていたので、だいぶ距離があいています。


2015年に、ベルテッド・ギャロウェイ見物大収穫の記事をのせました。
たいへん見ごたえのある、黒白ウシの写真満載の記事です。ぜひ見てみてくださいな!↓↓

ピークディストリクトにスコットランドの肉牛、腹にさらしを巻いたベルテッドギャロウェイ


ついでですからリンクを貼りました。カースルトンの記事も読んでください。↓

ピークディストリクトの古城のある小さな町、カースルトン1

ピークディストリクトの蜜の壷、カースルトン2

ピークディストリクトの丘陵をうろついて、羊のふわふわを拾いあさる、カースルトン3




ウシの次はネコです。おなじみ土下座ネコ。
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