イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

なくてはならないショッピングエリアの顔、デパートの栄枯盛衰

2023年02月24日 07時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

マンチェスターのショッピングエリアの入り口にド~ンと位置する重厚なアールデコ様式のデパート、デべナムス Debenhams

マンチェスターの表玄関とも言えるピカディリー・ガーデンズ Picadilly Gardens からもよく見えます。

…それにしては表面が薄汚くてナサケナイ感じでしょう。

現在、空きビルです。閉店したのは2021年の3月でした。もうそろそろ2年ですね。

 

閉店時の失望感を今でも覚えています。客層の幅が広く、高級品からお手頃品まで商品のバラエティが多かったのです。特に買うものがなくてもブラブラとみて歩くのを楽しめました。

 

デパートに家族で出かけてお買い物!ほんの3,40年前までは贅沢な体験だったような気がします。

反対側の角です。どこから見ても立派です!

そう言えば、たったの2年。たったの2年で外壁がこんなに黒ずんで緑のコケみたいなものまで発生するなんて意外でした。営業時は定期的なメンテナンスを欠かさなかったのでしょう。

創業時からその場所にある古いデパートって、1930年代のアールデコ様式の建築が多いですね。日本橋の三越や新宿の伊勢丹も然り。

維持費もかかったのでしょう。閉業時がパンデミックの真っ最中だったのも追い込まれた一因でしょうね。もちろん世界中でデパート(のみならず小売業全体)は苦戦しているはずです。クリックすれば自宅まで商品を届けてくれるオンライン・ショッピングを相手に苦戦しているはずです。

マンチェスターの商業エリアの顔とも言えるこの威風堂々とした建物は、別の老舗デパート、M&S(エメネス、旧Marks & Spencer)が即金で買い取ったそうです。ニュースでは「買い叩いた snap up」という表現が使われていました。

取り壊しを免れたのはとりあえず喜ばしいです。

 

こちらは規模と見栄えの上ではけっこう劣る、ストックポートのデべナムスです。前を通っているのは国道A6, 右へ322㎞ 行けばロンドン、左へ10km 行けばマンチェスターです。

マンチェスター支店の後をおうように2021年の9月に閉店しました。開店は意外に遅く1975年だそうです。それふうな建築スタイルです。

 

思えば、15年ほど前まではストックポートには4軒もデパートがあったのでした!

かつてデパートは街の集客のかなめだったはずです。

すべて全国展開の大手デパートの小さめの支店でした。

全て閉店しました。

まず、1930年代の建物が今も残る庶民派デパート、ウールワース Woolworthが16年ほど前に倒産して店じまい、続いて同じ並びのブリティッシュ・ホーム・ストア(Bhs)そしてパンデミック直前にM&S、パンデミック渦中にこのデべナムスの閉店です。

ウールワースは倒産して消滅しましたが、Bhs とデべナムスはオンライン・ショッピングサイトとして存続しています。

健在のM&Sはただ単にストックポートを見限ったようですね。マンチェスターのデべナムス店舗を即金で買って個性的なテナントを入れてショッピングモールに改装する見通しが立っているそうですから、かなりうまくやっているのでしょう。

 

さて、去年の夏に見かけたポスターです。

ストックポートの閉店したデべナムス(上の写真)のショーウィンドウの外側に、色鮮やかに効果的に貼ってありました。

9月に、この空きビルを利用した一晩かぎりの大掛かりなアートイベントが開催されたようです。

興味津々だったのですが、その時私は日本にいたのでした。

art battle manchester xx upbeat on the highstreet という長い名前の団体(あるいはイベント名?)がグレーター・マンチェスター内の毎回違う印象的な空きビルで、アートの制作実演やミュージック(ファンク、ロック、ヒップホップ)の演奏をコラボレーションしたイベントを定期的にやっているようです。

長い名前からは、オンライン・ショップに圧されてどんどんさびれていく街の小売店のために戦っているキャンペーンのような印象です。

 

私は、わざわざ店に出向いて、商品を見てさわって、店員さんともやり取りしてその場で支払いをして商品を持ち帰る従来のショッピングが大好きです。送料もかからないし!

そういう人は私ばかりではないはずなのですが…もう「時代」ですね。店がどんどん閉店している今、欲しいものを探すのにオンラインショップをぜんぜん利用しないわけにはいかないのですから。

そうして品ぞろえにも限りがある、せっかく頑張って営業しているハイストリートの小売店はどんどん追い詰められていく…悪循環。

 

 

 

 

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やっと見つけたそれらしい見かけのジャック・ラッセル・テリア

2023年02月22日 09時10分00秒 | 英国のイヌ

ちょっと前に、ジャック・ラッセル・テリアとチワワとの混血犬のことを記事にしたその3日後に撮った写真です。

本物(っぽい見かけの)のジャック・ラッセル・テリアです!

その記事のリンクです☟

チワワとジャック・ラッセル・テリアが混ざった変わった見かけのおばあさんイヌ

「ジャック・ラッセル」らしいイヌの写真がやっと撮れました!

今まで、かつて撮った写真をストックポート日報に載せた「ジャック・ラッセル」は他のイヌの血が少し混ざっているのか耳の折れ具合や体全体のバランスがどうも微妙に…らしくなかったのです。

 

このミックが身じろぎもせずじーっと見つめている先には飼い主が買い物をしているらしいカード専門店があります。

 

飼い主に断りなく数枚、写真を撮りました。

 

飼い主が出てきた時のミックのはしゃぎようと言ったら、いじらしいぐらいでした。

飼い主に、写真を撮ったこととイヌについて書くブログに載せたいと言うと快諾してくれました。

このイヌもまた(!)12歳だそうです。高齢のイヌ特有の顔面の毛色の褪色が明らかです。言われてみれば目の中心がうっすらと白く濁って、もうほとんど見えていないということでした。

飼い主は、小さい広場のこちら側の外壁の雨どいにイヌをひき紐でつないで、5mほど離れた向こう側のカード屋で(たぶん)ヴァレンタインズデーのカードを買っていたのでしょう。(ヴァレンタインズデー前日でした)

じーっと顔をカード屋に向けていても見えていないはずです。おそらく匂いをかぎ分けて店の中にいる飼い主の姿を追っていたのでしょう。

買い物の間、店の外につながれて飼い主を待つ特に小さめのイヌを見ることはめったにありません。

以前にも書きましたが、人気の(少なくとも見かけが)純血のイヌが転売目的で盗まれる事件が後を絶たないそうです。身代金めあてにイヌを誘拐する事件も、そう多くはないのかもしれませんが、起きています。

イヌ連れ歓迎の高級目のカフェや店が増えているのはそのためです。

たしかにこのエリアは高級住宅街のはずれで、治安はよさそうですし...それにまあ、買い手がつかない明らかに高齢のイヌが盗まれる可能性はないだろうと思ったのかもしれません。

もともとは狩猟犬のジャック・ラッセル、連れていかれまい、と抵抗したらけっこう獰猛になるのかもしれません。

 

飼い主は20代の若い男性でした。

年齢層の差は明らかです。高齢のマックがすこしでも長生きして若い飼い主と少しでも長く一緒にすごせることを願っています。

 

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ドイツ資本の格安スーパーマーケットで時々見かけるおかしな商品

2023年02月20日 07時00分30秒 | 気になる製品、気になるデザイン

近年、急速に売り上げを伸ばしているというドイツ資本の安売りスーパーマーケット、リドル Lidle で先週見つけた変わった商品です。

Tode Abode (ガマの住居)、ガマ小屋ですね。

リドル御用達(あるいはリドルの自社製品)のペット用品製造メーカーの製品です!

 

庭に棲みつくガマに安全なすみかを提供するための珍品(自然愛護派の人たちの間では一定のニーズのある商品だったりして)です。ドームのてっぺんに半分溶けるように顔を出すガマがかわいいです!

買いたいといったら、ガマが大好きな夫に却下されました。

何年も見ていませんが、うちの庭にはガマがいるはずです。となりの家に10年ほど前まであった池で産卵していたのでしょう。池を潰してからも数年間ガマの姿を見かけました。

石の下や板張りのデッキの下などに穴を掘って住んでいるはずです。要するに、こんな「プレハブ(建てて現場に運び込む)」住居なんて必要ないですし、第一入居してくれるかもわかりません。

ちなみに私たち夫婦の間ではクリスマスプレゼントに必ず1品、「ガーデン・ガマ Garden Gama」からの小さな物を贈り合う今では意味不明の習慣があります。

 

リドルの人気の秘密のひとつは、「ミドル・オブ・リドル Middle of Lidle 」と呼ばれる、週替わりのお買い得オリジナル生活雑貨品売り場です。店の中央に3列の売り場で展開されます。

今週の週替わりテーマの一つは「庭」。ガマ小屋は野鳥のエサ台、巣箱などと一緒におかれていました。

箱の裏側です!

多国展開のリドルらしい数か国語の製品説明です。読めないほど小さな字で10か国語がプリントされている格安オリジナル食品の箱もよくみかけます。

 

「ミドル・オブ・リドル」、見ていて楽しいです!

「ミドル・オブ・リドル」のお買い得品を物色するためにわざわざリドルに来る人も多いらしく、集客効果はバツグンです。

見るのが楽しくても、じっさい買う気になるものはあまりありません。

それでもここ数年間でいくつか物を買いました。ヘアブラシ、エプロン、下着、ヘアドライヤー、アルミの鍋などいずれも衝動買いですがお値打ちものでした。ずっと使っています。

聞きなれないブランド名の小型電化製品や大工用品やインテリア雑貨に定評があり、製品によっては木曜日の発売開始と同時に売り切れるそうです。(ポスターやチラシで2か月先まで販売予定品が告知されます)

 

去年の冬に撮った「ミドル・オブ・リドル」商品の商品写真です。ウケると思ってスペインに住む息子に送りました。

 

クルマのライトが当たると全体が蛍光発色する、安全スポーツジャケットそのものはよくある製品です。

写真のモデルが真っ黒な肌の黒人ばかり!というのが注目するポイントです。

たしかに黒人ランナーの顔と手は夜の闇に同化して、クルマのライトにあたって光るジャケットの安全性が抜群に協調できています!効果的な人選なのですが!


2020年の、アメリカ合衆国で黒人男性が警官に暴行を受けて死亡した事件に端を発する Black Lives Matter 運動以来、英国でも黒人のメディアへの露出が圧倒的に増えています。

テレビのコマーシャルや雑誌のファッションページなどに登場する黒人の比率は現在、人口の圧倒的多数派である白人より確実に多くなっています。東洋系や南アジア系の登用も増えています。

 

今までは、別にどの人種でもかまわなかった設定で「多数派だから読者や視聴者の共感(自己投影)が得られるんじゃないか」という惰性で白人を選んでいたのだと思います。

現在はわざわざ非白人を使うことで「人々の意識を変えてより公正な社会を築く姿勢」あるいは「今っぽい」アッピールができるようになったのでしょう。社会は一般に歓迎していますし、私も喜んでいます。

実際、白人だって夜のランニングは危ないのですから、光るスポーツジャケットのモデルも どの人種でもかまわなかったはずですが!このデザイン担当者は「光るジャケットからにゅっと出る、夜の闇に同化する黒い顔」にこだわったようですね。

これ、「黒人(あるいは非白人)をどんどん登用して社会の意識をかえよう!」というコンセプトに適合していると思いますか?(思いません)

移民受け入れの歴史が長く、それこそ奴隷制の時代から一定数の黒人が定住し白人社会との融合もすすんでいる英国ではここまで肌の色の濃い黒人はめったに見かけません。いたら「難民かな」と思うぐらいです。

この光るジャケットは、1月(新年の抱負月間)のミドル・オブ・リドルでは毎年恒例の数週間つづくキャンペーン「フィットネス」の一環商品でした。他のスポーツウェアやフィットネス商品の写真に登場したのは全て白人の男女モデルでした。

 

食品が格安で買え、たまにヨーロッパ各国の本国でしか手に入らない変わった商品も手に入るリドルでは1か月に1~2回の割合で買い物をしています。

「ミドル・オブ・リドル」、他に何か変わったものを見かけたら写真を撮っておきます。

 

 

 

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再開発エリアの殺風景な囲いを飾る日本趣味のストリート・アート、殴り書きのラクガキに挟まれて

2023年02月18日 07時00分00秒 | シブい!日本語表記、日本関係なら何でもクール!

オールド・トラッフォード Old Trafford に用があったので行きました。

オールド・トラッフォードと言えば、日本人にはマンチェスター・ユナイテッド・フットボール・クラブ Man U F Cの本拠地として知られていますね。

(私は位置関係はぜんぜん把握していません)

用事のある場所まで、マンチェスターのタウンセンターからバスに10分ほど乗り、グーグル・マップの指示どおり停留所から少し歩きました。あまり閑静とは言えない雑然とした通りの…どうやら「再開発地域」らしいです。

奥に見えている19世紀の工場だったレンガの建物は現在中小ビジネスを擁する雑居ビジネスビルとして活用されていますが、周りのごちゃごちゃたて込んだ同時代の古い住宅は取り壊されて、塀で囲われた跡地には中途半端にモダンでなおかつ懐古趣味な集合住宅がポツリポツリとたてられていました。

そんな開発途上のごちゃごちゃとした取り壊し跡地と言えばストリート・アート!

日本風グラフィックのガイコツ武者と五重塔と上る太陽に梅の花。中央には意味不明の異国風味のタギング。「テツオ」は誰かの名前ですね。でも「ハイロ」って何でしょう?「はいろ」とタイプすると勝手に廃炉、入ろ、羽色、葉色と変換されました。

写真を見ていて思い当たりました。「ハイ&ロー」?

かっこいい言葉みたいだけど日本語は読めない!「&」は日本文字じゃないからジャマ。「ー」も文字のようには思えないので撤去!ってことではないでしょうか。

 

交差する道路から撮った写真です。

「ハイロ」と同じアーテイストの作品でしょう。

1980年代に英国でも大評判になった大友克洋のマンガ、アニメ、「アキラ」を意識したような人物が意味不明の東洋語っぽい象形文字で怒鳴っています。左に入った側面に「ハイロ」のガイコツ武者の壁画があります。独立したガイコツ武者とアキラもどきとがなかなかよく描けているのに両側の作品の質がガクンと落ちますね。ただのラクガキかタギング(仲間内で理解されるサインや縄張り証明のようなマーク)みたいです。

 

おまけ。回転ずしのチェーン店YO SUSHI の列を裁くための仕切りです。

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スノードロップが咲く環境保護エリアで見た環境破壊への静かな抵抗

2023年02月17日 05時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

おなじみの、住宅街の中にある鉄柵で囲われた小さな自然保護エリアです。

 

上の写真の柵沿いにちょっと歩いて反対側に行くと...

 

ちょうど、今が盛りのスノードロップの群生の向こうに木彫りのフクロウ、ヴェーラがいます。

静かな通りからスノードロップの咲いているクルマが行き来する広い通りまで歩いている途中、緑のハートがいくつもぶら下がっていることに気が付きました。

 

ほぼ等間隔で、柵に結び付けられた素材や技法はまちまちの、中に薄く綿を詰めた手作りのハートの数々です。

 

去年も、バレンタインデーデーの頃、この、地球温暖化に抵抗する静かなアッピールについてストックポート日報で取り上げました。より注目度が上がっているらしい今年ももうー度、より詳しい記事にします。

温暖化というより「気候変化 climate change 」ですね。

気候変化への抵抗のシンボル、この緑のハートがいろいろな場所で人の目につくようになると、企業や行政も人々の意思を無視するわけにはいかなくなるというのがハートを作って公共の場にディスプレイし続ける運動の趣旨のようです。

手短に書かれたA4サイズの説明書きがありました。The Climate Coalition という連合王国全体で活動するかなり大掛かりな団体の、啓蒙活動や基金集めのイベント、地元選出の国会議員に手紙を書くなどと並ぶ地道な活動のうちのひとつらしいです。

 

私と一緒に足をとめてスノードロップの写真を撮っていた通りがかりの女性は「緑のハートは持ち帰っていいものらしい」と言いました。

大掛かりなディスプレイのあった別の場所で「ご自由にお持ち帰りください、そして外から見えるところにつるしてください」という札がかかっていたのを見たそうです。たぶん...もらって帰っていいんでしょうね。自分の住むエリアにも活動に賛成の意思を公言しよう!というような意味なのかもしれません。

ただ、私もその人もここにまとめて置いておいた方が見栄えがしてキレイだからそのままにしておきましょう、と意見が合いました。

グループのウェッブサイトにはいろいろな手芸の緑のハート(ビスケットやピザを含む)づくりのアイデアが紹介されていました。緑の紙をハート型に切り抜くだけでもいいみたいです。

自分の作ったハートを公共の場所にディスプレイするのに、団体の承認や登録などは必要ないようです。

勝手に、それこそゲリラ的にどんどんぶら下げていいようです。ただ、勝手にやっても活動の趣旨を書いたA4サイズの説明書きはたてられないでしょうけど。

私がボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファムがある商店街の広場で、児童遊園の柵の周りを囲う毛糸とフェルトの緑のハートを見かけました。

どうやら、1人の労作のようです。活動の趣旨を書いた説明書きは見当たりませんでした。「なんだろう」と思って見ていた人はいるはずです。賛同する人は同士を得た気で心強く思えるのでしょう。

ヴェーラの周りの緑のハートは4人以下のグループの持ち寄りだと思えました。4種類別のデザインがそろっていました。ピンキングシザースでまわりを切った2種類の違う柄の布製は同じ人の作かもしれません。

私も来年は挑戦してみてもいいかもしれません。(1人では寂しいです)

ひとりひとりが声をあげるのが重要なんですね、納得です。「声を上げる」といっても道路に寝転がって交通を遮断したり、自分の体を木に縛り付けて伐採に反対したりドラマチックなことをして警察ともめるのばかりが環境保護、気候変化阻止運動ではありません。

チクチクとハートを縫って下げていくという手もあるのでした。

 

 

ヴェーラも木の板でできた緑のハートを首から下げていました。

 

うちの近所の集会所の花壇に咲いた、春を告げる第一声、スノードロップです。

 

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例年通りやってくるバレンタインデーと、救援活動の充実が待たれる海の向こうの大災害

2023年02月14日 06時54分16秒 | 英国の、生活のひとコマ

ハッピー・ヴァレンタインズ・デイ!

 

今日は、恋人たちがカードとプレゼントを贈り合う日、ヴァレンタインズ・デイ(バレンタインデー)です。

私がボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam のショーウィンドウです。

一般の人から寄付された(質のいい)不用品を売って、売り上げを発展途上国や災害や紛争に見舞われた地域を援助する慈善活動の基金にしているオックスファムでは、バレンタインデーに売れそうなロマンチックな品を長いあいだため込んでいました。

恋人同士のフィギュア(数点)、卵の殻に細工した宝石箱、オルゴール、ハート型のボウルとペーパーウェイトとメモ・ボードと壁飾り、ラブ・メッセージが書かれた木の札、「love」がタイトルに入っていたり恋人同士の写真の表紙のロマンチック小説多数...などなど「ロマンチック」がキーワードです。

ロマンチックと言えば聞こえがいいのですが、むしろ英語で「チージィ cheesy 」と言った方がいいような安っぽい照れ臭くなるようなテイストのモノを私がわざわざ売り場からかき集めて並べてみました。日本で言えば「ハーレクインロマンス」のような英国版ロマンス小節出版の老舗 Mils&Boom の時代ロマンス小説やフリオ・イグレシアスのラブソングのCDなど...

ここ英国の…というよりたぶん欧米全般の…バレンタインデイの販売促進といえば、男性が女性に贈って喜ばれそうなものばかりがあふれています。

 

ところで、オックスファムの活動で一般に最も知られているのは...

発展途上国の被災地支援です。

先週のトルコ・シリア大震災に見舞われた地域への人道的支援に力を尽くしています。

本当にニュースで見るたびに胸が痛くなる悲惨な出来事です。

TURKEY AND SYRIA EARTHQUAKE APPEAL というスリーブが差し込まれた、透明の募金箱(上の写真)には私がボランティアで店番をした昨日の午後数時間のうちに、とてもたくさんの小銭が投入されました。

以下写真は、手近に近所の2軒のコンビニエンスストアで見つけた、本文と無関係ののん気なバレンタインデーの販売促進風景です。

大掛かりなバレンタインデーの売り込みは、下にリンクを貼った以前の記事で見てみてください☟

商業主義は日本だけではない!ヴァレンタインズ・デイ前日の究極の商魂ロマンチック路線

 

会計の際に渡された釣銭をどこの店でも必ずレジ横に置いた募金箱に入れるのは多くの人にとって日常的な行為ですが、昨日は5ポンド札を入れてくれる人を3人みました(実際はもっといただろうと思います)。

災害支援に特化したキャンペーン中は「トルコ、シリア...」などと目的が明記された募金箱にたまった現金を、毎日基金として計上してすぐにその援助活動に使います。

通常のように募金箱が小銭でいっぱいになるのを数カ月もまっていれば、緊急援助の緊急性がグーンと低くなってしまいますから。

5ポンド以上の寄付をしてくれる人には、免税措置の手続きができるよう、寄付者の個人情報を専用の申込用紙に記入してもらいます。4人が20ポンド、30ポンド等まとまった金額を寄付してくれました。

 

 

トルコは英国や日本に比べると国力は落ちるかもしれませんが、「発展途上国」とは言えないはずです。

それでも建築基準法を完全無視したずさんな集合住宅が野放し、大災害発生後も救助活動がすすまず、海外から派遣された人道支援救助隊に頼り切っている情けなさ...ぜんぜん情報が入ってこない、紛争ばかりしていて国民の福利厚生に関してはお構いなしの印象が強いシリアはもっとひどいことになっているのが明らかで、胸が痛む思いです。

昨日は、被災地の住人がやっと届き始めた救援物資を積んだトラックに殺到する映像を見てしまいました。

なぜ受け取る人たちを並ばせないんだろう…全員にいきわたっていないのに一人でいくつも救援物資を取ってしまう人が絶対にいるはずです。力のある男性が周りを押しのけて手を伸ばしているところも映りました。

物資を手渡しているのは善意のボランティアが急ごしらえで組織した団体だったとかで慣れていなかったのかもしれません。そんな悲しいシーンを海外のニュースで放送していいのかと疑問でした。

そして思いだしたのは日本の震災時の被災地です。整然と並んで救援物資を受け取る日本人の姿が世界中で報道されていました。ちゃんと自分の分も残っていると安心して列に並んでいられるのが日本ですね。

英国で救援物資が支給されるような大災害のニュースはそう言えば見たことがありません。(水害の床上浸水は各地で頻繁に起こりますが)

それでも、スポーツドリンクの無料サンプルをもらう際、大勢の人が自発的に列を作って並んでいるのを見たことがあります。緊急性のない例えですが、日本人と同様、並んで受け取るという習慣が根付いている国民性は証明できます。

こんなところで「民度の差」などとひどいことを言ってはいけないでしょう。何もかも失って、しかも国が何もしてくれないところにやっと届いた救援物資、自分の分がちゃんともらえるかもわからない状況だったのですから。

これからは、オックスファムなど各国から次々とやってくる災害地支援のエキスパートが段取りよく効果的に救援活動を始めるはずです。

命以外のすべてを失ったトルコやイラクの人たちに安全で快適な日常生活が一刻も早く戻ることを願ってやみません。

 

昨晩12時ピッタリにはげネコ、ティブが私にバレンタインのチョコレートとカードをくれました。

ティブがプレゼントを持って階段の下で私を待ち伏せしている…と夫が私に知らせてくれました。

 

 

 

 

 

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ネコたちの精神安定のためできること...屋外への誘導に効果を期待

2023年02月13日 07時00分00秒 | うちのネコ、よそのネコ

数日間、雨が降らないおだやかな日が続きました。

掃除や秋冬の間に立ち枯れた一年草や雑草を抜いたり、春を迎える準備の庭仕事をしました。

すると、家にいがちのネコ2匹もいっしょに出てきてそろそろと歩き回ったり、土の匂いを嗅いだりしていました。

 

 

母子ネコ2匹の、ストレス性の過剰毛づくろいと、その結果の脱毛の惨状...

 

現状は、一進一退と言ったところでしょうか。

ハゲ状態がひどかった息子ネコ、ティブに関して言えば少なくとも背中を皮膚がすりむけるほど執拗になめ続けることはあまりなくなりました。

完全にストップしたとは断念できないのですが、最初はゴワゴワ、そして数日でホワホワとやわらかくなったと短い毛が生え始めました。

その代わり、足の付け根から両脇にかけての過剰毛づくろいが進行してしまいました!

 

一部、紙やすりのようなザラザラの舌ですくい上げるように舐め続けたため、薄い皮膚が破れて赤く剝けてしまいました。

去年の春ごろから、ピンク色につるんと剥げていたお腹の部分と毛無しゾーンが合体!

後ろ脚の上のほうや、しっぽの付け根、お尻の周りもつるんとしています。お腹と両脇のハゲ・ゾーンと背中の長方形ハゲがつながって「ズル剥けパンツ」状態にならずにすんでいるのは、背中の長方形ハゲが額縁状のフサフサした毛に挟まれているからです。(不気味です)

 

母ネコリヴィーのシッポの付け根の毛の褪色も光の当たり具合によってはかなり顕著です。(あ~あ)

けっきょく、決め手になる解決法はまだ見つかっていません。

前回記事にした時に、何人かの方に懐かしい「バッチ・フラワー・メソッド Batch flower method 」という英国発祥の花のエキスを数滴飲む植物/自然療法を勧めるアドバイスを含む、いくつか親切なコメントをいただきました。

 

 

ネコを退屈させない、かまってやる、遊んでやるなど、私たちがもう少し気にかけてやれば確実に少しは改善するはずだという大切なことに気づかせていただきました。

うちでは、特に夫が「ネコはネコらしく、自由にさせたい」という方針の接し方をしてきたのでネコのほうからかまってほしいそぶりを見せないかぎり、抱き上げたり撫でたりはあまりしない方だったかもしれません。

現在、ひざの上に乗ってきたりそばによって来たりしたら以前より念入りに首の後ろや耳と耳の間などを掻いてやることにしています。喉を鳴らしてうっとりと目をつぶり気持ちよさそうです。膝の上やベッドの上に長いこと居てくれるようになりました。

残念ながら、毛糸玉を転がしてみたり気をひくような遊び方をしてみても子ネコの時ほど楽しんでくれません。大人ネコになってからいっしょに遊ぶのをやめてしまったため、おもちゃに反応する癖がついていないのかもしれません。あきらめずに他にも工夫してみるつもりです。(大人ネコにおススメの市販のおもちゃなど、あるでしょうか?)

 

玄関ドアにいつでも出入り自由なネコ用の出入り口があります。1日いちどは外に出ているようですが、あまり長く出ていることはありません。

たしかに、寒くて雨続きの冬の間は、外に出て狩をしたり縄張りの見回りをしたりというネコらしいアクティビティはかなりおろそかになっていました。退屈もしていたでしょう。(ネコは足の裏が濡れるのをずいぶん嫌がるようですね)

自然が多く残りキツネやアナグマが住んでいる貨物専用の線路がわきを走る裏庭で、もしかしたら怖ろしい目にあったのでは、と夫は強く主張しています。恐怖がトラウマになっていないか、外に出るのをこわがっていないか、と。じゅうぶん、あり得ることです。

私が外にいると確実に外でも心強いそぶりを見せているネコたちです。

庭仕事を中断して家の中に入ると、ネコたちも不安そうにドアのそばまでやってきます。

おそらく日が長くなる夏までには、屋外で終日過ごす「ネコらしい」退屈しないライフスタイルを再び取り戻せるのでは...と期待しています。

 

まだ、肌寒い日が続きますが、雨が降らないかぎりできるだけネコといっしょに外に出ることにしています。

 

 

ちなみに、さっそく行った自然療法店でバッチ・フラワー・メソッドは、ペットには効かないと店員に言われてしまいました。反論してまで買うのはやめましたが、それでも、今度マンチェスターの大きな規模の支店に行って、もう一度聞いてみるつもりです。

20年ほど前に流行ったその療法は鎮静効果のみならず不眠や軽いウツ症状にも効果があると聞きました。当時、禁煙をめざして服用していた友人がいました(お姉さんには効いたそうですが、本人は失敗だったようです)。ウェッブサイトによれば、動物にも効果が報告されているとのこと。コメントをくださった方の高齢のイヌに効果があったなら、うちの神経過敏気味のネコに効かないと決めつけていいわけがありません!

健康チェックと、やはりストレス性の過剰毛づくろいであるという診断しか期待できない獣医さんよりも、自然療法は絶対に安上がりです!試す価値は大いにあるはずです。

他に、コンセントに差し込むと噴出するハーブの香りがイヌやネコを落ち着かせるという最新秘密兵器をペットショップですすめられました。ただし、マンションなど小さめの集合住宅用らしく、いつもいる場所でピンポイントで使用しなければ効果が期待できないようです。ネコたちが過ごすきまった場所がないこの家には不向きのようでした。(家中のコンセントに差し込むという手もありますが不経済ですし、第一匂いがきつすぎないか心配です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スコットランドの10ポンド札、ズラッと並んだ3種類揃い踏み!

2023年02月12日 08時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

ボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファムでまたスコットランドの紙幣をお客さんから受け取りました。

今回はクリースデール・バンク Clydesdale Bank ( CB )の、プラスチック製10ポンド札です。

イギリス連合王国を構成する4国のうち、ウェールズを除いた3国(イングランド、スコットランド、北アイルランド)すべてが独自の紙幣を発行しています。

スコットランドで発行されている独自の紙幣に関してはたびたびこのストックポート日報で取り上げています。今回の記事と関連性のあるそのうち2本のリンクです☟

ストックポ―トで偶然手にしたスコットランドのプラスチック紙幣、私営銀行発行の独自の紙幣、裏側がかわいい!

見慣れないスコットランドの紙幣の奇抜なデザイン、クモの巣!角数拡大続き番号!他

(リンクを貼りましたので、一部繰り返しになりますが)スコットランドの紙幣はイングランドの中央銀行(国営)、バンク・オブ・イングランド Bank of England(BoE)発行の紙幣と同様、連合国内のどの国でも使用できます。

スコットランドにはBoEに相当する国営の中央銀行がないらしく、私営の3銀行が発行した3セットの紙幣が流通しています。

 

裏面です。

若い女性のお客さんが本を数冊買って、手渡してくれました。

「あ、めずらしいスコットランドのお札だ!(レジの操作をする前に写真を撮ろう)スコットランドに行ったの?」という私に、「いいえ、スコットランドに住んでいる姉(か妹)が結婚祝いにくれました。あ、私、結婚したんです」と答えてくれました。

結婚祝いの言葉を言って、嬉しそうに紙幣の写真を撮っている私に「もっとありますよ、」と...

札入れからもう2枚別の絵柄のスコットランド紙幣を取り出してパンパン、とカウンターにおいてくれました。なぜか10ポンド札ばかり、もっとたくさん持っているそうです。

やった~、スコットランドの10ポンド札が目の前に3枚全部揃った!

 

写真上から 肖像は、

•バンク・オブ・スコットランド BoS。19世紀の詩人で作家のウォルター・スコット。BoS はすべての紙幣にスコットの肖像をのせています。

•ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド RBC。19世紀の博学者で科学者のメアリー・サマヴィル

•そしてオックスファムのレジの引き出しにおさまったクリデスデール・バンク。スコットランドを代表する18世紀の詩人のロバート・バーンズ

...UVライトにかざすと「CB」ロゴと、右側に縦に並んだ通し番号が立体的に浮かび上がる視覚効果の裏打ち文字が妖し気な蛍光グリーンで浮かび上がりました。ニセ札チェック作業完了です。

 

裏面。

•BoS。Glenfinan Viaductという有名な鉄道橋。

•RBS。見たかった!水中で戯れるカワウソ2匹!

•CB。エジンバラ城と「Old and New Town」、世界遺産指定のエジンバラの中世の建築物と18世紀の建築物。...この裏側をニセ札探知機にかけると、連合王国北部の地図のスコットランドの部分がやはりボワッと発光したように蛍光グリーンで浮かび上がりました。

 

他の紙幣もニセ札探知機にかけさせてもらえばよかった!

...とは言え、CD紙幣以外はお客さんの所有です。そんなあつかましいことはできますまい。そしてもらった紙幣の写真を撮った後すぐにレジの操作をして引き出しをあけてしまったので3枚の表裏写真を大急ぎで撮る時間しか残っていませんでした。

レジの引き出しを1分以上あけたままにしていると警報が鳴るのです!

写真を撮った後あわてて3枚いっしょに返そうとしてしまいお客さんが押し返してくれたCB紙幣を、警報直前に引き出しにしまうことができました。

 

上にリンクを貼った、ナン・シェパードの5ポンド札(RBS)の記事を書いたのは2019年、その時にはまだ女性の肖像を使った紙幣は二つしかなかったんですね。現在、RBSが発行した4種類の紙幣すべてに、それぞれ文芸、科学、アート、教育の分野に貢献したスコットランド女性の肖像を使用しています。

「スコットランドの女性」シリーズ最後の50ポンド札(フローラ・スティ―ブンソンの肖像)が発行されたのは去年、2022年だそうです。

連合王国中で通用する正規の紙幣なのに、見なれないスコットランドと北アイルランド(4セットも別々の銀行バージョンがあるそうです!)の受け取りを拒否するイングランドのビジネスも多いそうです。1連合国家に4通りの違う紙幣を流通させるなんてイングランド中央政府はなんでそんなややこしいことを容認しているのでしょうか。

ちなみに、ここイングランドでスコットランドの紙幣を手にすることはめったにないはずです。最近は現金ばなれもすすんでいますしね。お店でボランティアをしている私でさえ、1年に1回ぐらいでしょうか。北アイルランドの紙幣は見たことがありません。

中央政府のあるイングランドの紙幣はスコットランドでも広く流通しているのでは?少なくとも「見なれない」ということはなさそうな。

独自の紙幣は、かつてイングランドに無理やり併合されたスコットランドの民族の誇りだとか、独自性を貫く最後の抵抗だとかいろいろ言われているようですが、緩やかな統治を完全なものにするためにある程度の権限をみとめざるを得なかったというようなところでしょう。

連合王国からの完全な独立の是非を問う2014年の国民投票で、スコットランド国民は連合王国内にとどまることを選択しました。当時、小国、スコットランドが一国だけでやっていくのはけっこう難しそうだと傍目にも思えました。

大多数の国民がEUにとどまることを望んだスコットランドで連合王国のEU離脱後、ふたたび独立の機運が高まっているようです。

独立国家として独自にEUに加盟すれば、EUの後ろ盾で連合王国から離れても十分やっていけそうな見通しがあるそうですから。

 

以前、しばらくの間手もとにあった、プラスチックCB 紙幣の5ポンドと...

背景は17歳で亡くなったうちのネコ、ホレイシオです。

 

 

 

 

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晴天の冬の夕焼け空、ふたたび

2023年02月11日 09時17分15秒 | 英国の、生活のひとコマ

木々のシルエットが映えた、一昨日の夕焼け空です。

 

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チワワとジャック・ラッセル・テリアが混ざった変わった見かけのおばあさんイヌ

2023年02月10日 07時18分33秒 | 英国のイヌ

ストックポートの町の中を歩いていたら見つけた座り姿が端正な雑種犬、エミリー。

なでさせてもらった時の上を見上げるうるんだような大きな目がチワワのようでした。

この写真の横顔もチワワっぽいでしょう?

もちろん毛並みも大きさもチワワとはかけ離れていますが。

寒そうに震えているところもチワワらしいです。私がみかけたチワワはいつも震えていた気がします。体が小さいと寒さの耐性も低いそうですね。しかし、このエミリーはそれほど小さくありません。

そう言えば、10年ぐらい前に確実に流行っていたはずのチワワをこの頃ぜんぜん見かけません。

若い女性たちが抱えるようにして下げていたエルメスのバッグ風のキャリア・ケースから小さな頭だけだして、それでもガクガク震えていたあのチワワたちはどうなっちゃったんでしょう?...天寿を全うして死んじゃってますよね。

エミリーを連れている年配の女性は飼い主のお友達だそうです。すぐ前の銀行で用事を済ませている飼い主をエミリーといっしょに外で待っていたようです。

エミリーは12歳、おばあさんイヌです。鼻のまわりと目の周りの毛の色が白くなっています。

 

やはりチワワ混だそうです。ジャックラッセル・テリアも混ざっているということです。

ああ、この耳、たしかにジャック・ラッセル・テリアです。

銀行から出てきた飼い主は、待っていた女性よりもかなり年上に見える白髪の高齢女性でした。

たぶん愛犬のエミリーと同じぐらいのお年なのでしょう。

 

連れていた女性によると、寒さに弱いので服を着せなければならないのに、絶対に着ないそうです。

うちの2匹のネコが首輪を絶対に受け付けない話をしましたが、エミリーがどの程度、服を着せられるのに抵抗したのかは聞けずじまいでした。(飼い主ではないので知らなかったのかもしれません)

 

立ち姿がジャック・ラッセル・テリアよりもむしろチワワみたいですね。脚も長いですし。チワワにしては大きすぎるし他の犬種も何か混ざっているかもしれません。

銀行から出てきた飼い主は私が「とてもいいイヌですね」と言ったら本当に喜んでくれました。

エミリーも飼い主もどっちも長生きしてほしい!

犬種ガイドのウェッブサイトから勝手に写真を借りた、いかにも寒そうな短毛のチワワと...

ジャックラッセル・テリアの写真です。

ジャックラッセル・テリアはよく見かけるのですが、ストックポート日報で以前に何回か取り上げた「飼い主申告」ジャックラッセル・テリアはどうも他の犬種が混ざっている疑いが濃く、写真を転用するのがはばかられました。

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人気ブランドの一期一会とシブヤ、シンジュク...変換ミスあり日本語グラフィック

2023年02月08日 08時00分00秒 | シブい!日本語表記、日本関係なら何でもクール!

私がボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam に寄付された大量の中古衣類を整理していた時に見つけた傑作日本語グラフィックのティーシャツです。

 

この類の奇抜なグラフィックのティーシャツにしては珍しく、丈が短く裾にゴムが通っていてお腹のあたりで中途半端にギャザーがよる、形も奇抜な着こなしにくいデザインです。

「以心伝心 / 一期一会の機械 / お疲れ様でした / 愛 / 東京 / やばい」とあたりかまわず目についた場所から拾ったとりとめのない日本語の羅列...  というわりには書体が統一されているのが解せません。

もしかして、デザインに日本人がかかわっている可能性も否定できなくはありません、デザイナーにたのまれて、和訳した日本語をタイプして同じ書体でプリントアウトした人がいるようですから。それも国語能力がかなり低い人です。

「一期一会の機械」って何でしょうか(機会の変換ミスですね)

これらの言葉をひねり出したのは、もしかしたらかなり学習の進んでいる英米人の日本語学習者かもしれませんね。

 

背面です。

書かれている英文です。

Edition Edition TOKYO

SHIBUYA SHINJUKU

(ETERNITY) the whole of time, /with no begining and no end / 'Eternal' and 'forever' are synonymous, / but there is a subtle difference. /'Forever' refers to an endless or / seemingly period of time/ 'Eternal' means always lasteing without /a beginning or end; think of 'eternal' /as existing outside of time. If something /is eternal, it always is and always was.

The meanings of the lotus flower holds power because it can offer hope and strength to people

...わけありげなことが書いてあります。

でもこのティーシャツを「カッコイイ」と思って着てくれる若者たちに読ませようと思って選んだ文章でもなさそうです。

まあ、コンセプトが日本、日本と言えば仏教/禅、仏教/禅と言えば無限?ついでに日本と言えば東京、渋谷、新宿も外せない...日本にトラはいませんが。...というところでうまくまとめたつもりなんだと思います。

愛、東京、やばい、はバランスをとるため意味なくきいたことのある言葉を並べてみただけとか...?

このティ―シャツを掘り出して大興奮で写真を撮りだした私の肩越しに、いっしょに衣類の整理をしていた店の店長が「そんなに面白いかなぁ」と英文を棒読みし始めました。そして「このシブヤ、シンジュクというのは仏教用語か何かか?」と大真面目に質問しました。

何がウケるのかていねいにわかりやすく説明してあげたのですが、全然わからないようです。夫の反応とほぼ同じです。

漢字の変換ミスに関してはどうしても理解してもらえません。今ではうちの夫は「日本語の同じ音の単語に対応する漢字が何通りもある」ということを完全に理解しているのですが、「どこがどうおもしろいのか」はどんなに正確な英語で説明しても絶対に理解できないようです。

変換ミスがそんなにおかしいわけではなく、製品として大量にプリントしてしまい平気な顔をして販売してしまう、ということの方がおかしいのですが。

 

左袖には誤変換あるいは国語力の低さのダメ押し。

 

年末年始にかけて大量に受け取った寄付品がいまだにストックルームの場所をとっています。袋を開けての仕分け作業中はいつもは整理整頓が行き届いているスペースもひどく散らかります。

 

私がお手伝いしているオックスファムの支店は比較的裕福な人が多く住む、高級住宅街のはずれにあります。

販売する中古品をていねいに吟味してからコンディションを整えて(スチームをかけたり取れかかったボタンをつけなおしたりして)店に出します。売値は他の支店に比べると少し高めです。

ほつれや色褪せ、くたびれた布地や洗濯ではげかかったプリント等がみつかった衣料品はどんどん「廃棄から救おう袋 Waste Saver Sac」に詰めていきます。

残念ながら寄付品の80%は「廃棄から救おう袋」 入りです。

大量の「廃棄から救おう袋 」は繊維をリサイクルする事業や、支援品として発展途上国や難民キャンプに送るため、週に一度本部がよこすトラックで運び出されます。

この「一期一会ティーシャツ」はデイビッド・ベッカムが愛用した怪しげな日本語ロゴが大人気の英国の超人気ブランド、スーパードライ Super Dry の最盛期デザインでした!

現在は経営者が変わってヘンな日本語のぶっ飛び具合がだいぶ緩和されて落ち着いたカジュアルブランドととしてのイメージが定着しています。

よれよれくたびれ具合は気になったものの、メインテナンスして売り場に出すことに決めました。

 

スーパードライについて書いた以前の記事です☟

人手に渡った怪しげな日本語が入りブランドの英国の人気衣料メーカー、ブランド名変更後に懐かしの不可解ロゴ発見。人知れず無意味な内側のラベルは初見

上記の英文の意訳です;「eternity (無限)とは。eternal(無限の)は forever (終わりのない)と同義語だけど微妙に違う。forever は期限を示唆するけど eternal は時間枠を超えていつも存在する始まりも終わりもない概念である。」

「蓮の花には人々に希望と強さを与える力がある」

...仏教か東洋的な何かの精神性をわかりやすく英文で書いた文章をコピーしたみたいですね。SHIBUYA SHINJUKU がよぶんでした。

 

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飛行機雲と夕焼け、夕闇前の晴れた日の美しい空

2023年02月07日 07時59分20秒 | 英国の、生活のひとコマ

5時前に空を見上げたら、2機の飛行機が右から下からくっきりと白い飛行機雲を残して交差しようとしていました。

慌ててスマートフォンを出して撮ったのが上の写真です。

飛行機雲が交差してから数秒すぎています。

良く晴れた、それでも空気の冷たい寒い日でした。冬の快晴の空の飛行機雲はストックポートの名物(認定、私)なのでした。

空の上のほうはこんなに青くても...

 

目線を落とすと夕焼け空です。

 

いつの間にか、確実に日が長くなっています。

木の葉の落ちた大きな木の上のほうにぎっしりと全身真っ黒なトリがとまっていました。

高すぎてよく見えなかったのですが鳴き声でジャックドウだとわかりました。

キャウキャウと聞こえる高音で鳴きかわしていました。ジャックドウは日本のカラスの小型版なのですが、鳴き声が違います。写真を撮ろうと木の下に行ったらバサバサッと大きな羽音をたてて飛んで行ってしまいました。

...と言っても、周りにたくさんある低い木に分散して様子見、のような雰囲気でした。集会は一時中断しただけでまだ終わっていないようでした。

 

ジャックドウの巣作りについて書いたつい最近の記事のリンクです☟

子育て世代のカラスの団地

(このジャックドウたちは巣作りしなくていいのでしょうか、それとも独身貴族の集会でしょうか)

 

そのほぼ2分ほどあとで、私のうちのある短い通りが交差する、広い並木道の突き当りの空き地にびっくりするような美しい色の夕焼けが見られました。

家のある通りに入る前になにげなく振り返って見ることができた素晴らしい光景でした。

空き地を正面から見るより、住宅の生垣越しのこの角度のほうが色がずっと濃くて見ごたえがありました。

この方角が西なのでしょう。空き地正面は南より、かな?

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小さなシティ、ロチェスターの古い建物にも動物の飾り!

2023年02月05日 07時00分00秒 | 古い建物に棲む動物をさがす

再び登場ロチェスター Rochester。

イングランド南西部、ケントのとても小さい(もと)シティCity、ロチェスターに夫の姪の結婚式に参列するために行きました。もう2週間以上も前の話です。今回は番外編、本当に久しぶりに古い建物を飾る動物の立体モチーフです。

 

ミッドウェイ河にかかるロチェスター橋を渡ればもうシティ・オブ・ロチェスターです。(大聖堂のある町に与えられるシティという行政区分上のステイタスを正式には1998年に失ったにもかかわらず、ロチェスターは慣用的にまだ使い続けているようです)

観光名所らしいこの鉄骨と石造りの堂々とした橋は意外にも新しく1914年の建造です。

橋の初めと終わりにライオンが全部で4頭。日本橋の三越正面のライオンと同じ、伏せの姿勢で頭をもたげて橋を警護しているのだそうです。

橋の中ほどの意味もなく凝ったデザインの街灯柱のてっぺんには紋章学でおなじみの後ろ足で立つライオンが。市章が記された盾を支えに立っているます。

下のほうには雄ヒツジの頭...図像学上では生殖の...いえ、言い換えて...豊穣、繁栄のシンボルだそうです。

橋を渡ってすぐに始まるハイ・ストリート(目抜き通り)を歩き始めて振り返ってみた写真です。

 

ヴィクトリア&ブル・ホテルという名前のパブの馬車用の入り口(上の写真の左側)の...

苦虫をかみつぶしたような不機嫌顔のライオンと歯茎を向いてびっくり顔のユニコーン(一角獣)像がすぐに目に留まりました。

あらあら、ユニコーンは角を失くしちゃったようですね、ただの白ウマにしか見えません。

写真を見て気が付きました。リアルな造形の英国の国花、赤白のバラがライオンの横に見えています。

ユニコーンはライオンとともに英国王室のシンボルと言うか、マスコットです。真ん中の丸い盾はヴィクトリア女王の紋章です。(撮った写真を見て検索、確認しました)...こっちが「ヴィクトリア」の....

そして向かって右側には「ブル」のシンボルがわかりやすく外壁に取り付けられています。

この雄ウシ(ブル)は悟り切ったような穏やかな顔、あるいはめんどくさそうな顔をしています。

この雄ウシの下の戸口はナイトクラブの出入り口でした。ヴィクトリア&ブル・ホテルは現在はパブとナイトクラブに分かれて営業しているのかもしれません。

上からクリーム色のペンキを塗りたくった後、クリームからぬっと突き出したような雄ウシの頭となぜか角にはめられたわっかのようなものに彩色したようですね。わっかにつながる花綱ももともとは色がついていたのではないかと思えます。

 

ヴィクトリア&ブル・ホテルの斜め向かいの、古いレンガ造りの建造物の...

 

入り口上部のレリーフのポイントになるライオンの頭と天童の顔と翼だけが金色に彩色されていました。

バラ色の舌を巻きあげて咆哮する大口を開けたライオンはちょっと珍しのではないでしょうか。

勇ましく威嚇というより、あくびしているマヌケ顔に見えなくもないですね。

 

ロチェスターの街について書いた2本の記事のリンクです☟

大聖堂がある小さな街ロチェスター(カンタベリーのすぐ近く)

ケントの古くて美しい街、ロチェスターのはずみで入った郷土史博物館

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子育て世代のカラスの団地

2023年02月03日 07時08分19秒 | 英国の動物

2週間前に、夫の姪の結婚式に出席するため、3泊4日滞在したケントのロチェスター行きの途中で...

お弁当休憩した高速道路のサービスエリアで撮った写真です。ウォーィック Warwick という中西部の歴史ある町...のはずれです。

中間地点よりちょっと手前ぐらいでしょうか、往路は雪の後の凍結した道路や渋滞などで7時間かかりました。

駐車場に植えられた同じ種類の、すっかり落葉したハゲ坊主の複数の木の上で同時多発的な活発なアクティビティが展開されていました。

カラスの巣作り!

カラスと言っても、日本の住宅街のゴミ捨て場で生ごみを食い散らかしたり時々イヌやネコをおそうという大型で賢くて夕方にあ~あ~と鳴きながら飛んでいくカラスとは種類が違います。

あら、日本のカラスは「ハシブトガラス」というそうですね。英名は意外にワイルドな jungle crow 、今調べて判明しました。(日本の住宅街とジャングルのイメージの相関性がないのですが)

イングランドで見かけるのはこのジャックドウ jackdow という小ぶりで可愛らしい、(それでも全身真っ黒でカラスの濡れ羽色の)カラスばかりです。

ちなみに、ロンドン塔に古くから住みついてヌシのように大きな顔をしている巨大なカラスの一族はレイヴァン Ravanという種類です。(和名はワタリガラス)

とにかく、ほとんどの木に1軒ずつあるいは2軒、カラス家族の新居ができかかっていました。

ほぼ完成したように見えるのもありましたが、下から見るかぎり親鳥が中に座っているものは見当たりませんでした。

団地状態でした。

子育て世代の家族が集って情報交換や助け合いなど共同体組織の機能があるのかもしれません。

夫婦で協力し合って、枯れ枝を木の枝のまたのところにジョウゴの形に重ねていく丁寧な仕事ぶりを見せてくれました。代わりばんこにどこかへ飛んで行って建材の枯れ枝をくわえて戻ってきます。

私が下に来て見上げると、不安になるのか作業を中止して2羽別々に飛び去ってしまいました。他の木にとまって私が立ち去るのを待っているようでした。

「おじゃましてごめんね、かわいい赤ちゃんを産んでね~」と声をかけてから目的地に向けて出発しました。

私たちのクルマのすぐそばの地面から長い枯れ枝を拾うところも目撃しました。

クルマには気をつけてほしい。

巣の位置はそれほど高くありません。低いもので地上3mぐらいかな? 

しかも葉が落ちた真冬の立木...これから産むであろう卵が丸見えになるではありませんか。カラスの危機管理能力に問題はないのか...。

春になって産んだ卵が孵るころには若葉が茂り安全性とプライバシーの保護性がぐっとアップするでしょう。

暖かくなればサービスエリアの屋外席でピクニックをするたくさんのモータリストたちが落とすクリスプス(ポテトチップ)やチップス(ポテトフライ)がたやすく手に入るでしょうし、サンドイッチのミミなどをもらえることもあるかもしれません。

カラスはサカナが好きだそうです。サービスエリアにはフィッシュ&チップス屋もありました。

もう一度機会があれば戻ってみて、大きな口を開けてエサをねだるピンクのズル剥けヒナを見たいです。

 

ジャックドウは巣の中に光るもの(瓶の蓋やドリンク缶のプルトップやコイン、時には指輪やイヤリングなども)をため込むことで知られています。

 

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