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イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

肉モドキを使った定番家庭料理と、イギリスのベジタリアン事情再び

2017年11月25日 23時40分47秒 | 英国の食べ物、飲み物
今回ご紹介する、ベジタリアン vegitarian(菜食主義者)用の冷凍食品は、「肉モドキ」・・・私の命名です。

肉モドキのひとつ、ミート・フリー・ミンス meat free mince 。


  
上は、べジタリアン食品の老舗、クォーン Quorn 社の、クォ―ン・プラウドリー・ミート・フリー・ミンス Quorn Proudly Meat Free Mince( 300g入りが 1ポンド79ペンス)
下は、スーパー、アスダの自社ブランド、アスダ・ミート・フリー・ミンス Asda Meat Free Mince (454g入りが1ポンド50ペンス)

スーパー各社、競合他社が同じものを作っています。
オリジナルは、ミート・フリー・ミンスの原料、マイクロプロテイン microprotein を発見して、肉の代用、健康食品として開発製造した、クォ―ン社のもの。


マイクロプロテインというのは、菌・・・一般には「キノコ」と言われていますが、キノコではなく・・・ええっと、とにかく、1960年代に発見された菌らしいです。
説明になっていませんが、私もよくわかっていません。紅茶キノコがキノコではないのと似たようなことかもしれません。

肉のミンチ(ミンス)の代用として、さまざまな料理に使われます。
牛肉のミンチを想定した料理が多いかもしれません。

ミンチですがハンバーガーやミートボールは作れません。粘り気がなく、まとまりませんから。
もちろん、出来合いのベジタリアン食品としてハンバーガーモドキやミートボールモドキが売られています。

安売りの時に大量に買った、お値段高めの クォ―ン社のものを使います。


冷凍のミート・フリー・ミンス。
指でボロボロつぶせます。そのまま食べても味がありません。

よく炒めた玉ねぎのみじん切りと ニンニク、ナツメグ、バジル、に混ぜます。


あっという間に火が通り、色が変わって脂が出るまでじっくり炒めなければならない牛肉のミンチと違って らくちんです。

塩コショウして、トマトの缶詰をいれ、30分以上じっくり煮て、最後に赤ワインを どぼどぼっといれて・・・・


本場イタリアでは決してやらないと言われている、ウースター・ソースも ちょっぴり入れて(イギリス流・・・)

ベジタリアン・スパゲッティ・ボロネーズソースの出来上がり。


私のうちでは、いつもは牛肉のミンチを使ったものと、ミート・フリー・ミンスを使ったものと、2種類作ります。

大した手間ではありません。
大きな鍋でよく炒めた玉ねぎ他、4人分のハーブやスパイスを、ベジタリアンの夫用に、一人分だけ小鍋に取り分け、一人分のミートフリーミンスをいれて別に作ります。
大きな鍋に残った3人分の玉ねぎ他・・・には牛肉のミンチを混ぜて、私と子供2人のミート・イーター用に。

ミート・フリーのベジタリアン食品が嫌いな上の息子が独立して家を出た今、下の息子と私のたった2人だけのために、ミート・イーター用の調理をするのが ちょっとおっくうになってきました・・・。夫は肉が食べられませんが、私たちミート・イーターがベジタリアン食を食べるのは問題ありません。

今回は、冷凍庫の中味を一掃して、かなりの割合を占めるベジタリアン食を集中的にたべ切る「冷凍食品チャレンジ」のためにベジタリアン食のお相伴をしましたが、これからももっと食べ続けてもいいかもしれません。

マイクロプロテインはカロリーが低く、食物繊維を多量に含む良質の植物たんぱく質だということです。健康に良いのは確かです。
淡泊ですが、ソースの味がしみこみやすく、調理も楽です。

別の日に、やはりミート・フリー・ミンスを使って作った、ベジタリアン・チリ・コン・カーン vegitarian chilli con carne。


ライスはカリフォルニア産の日本米。息子が好きなものですから。


チリコンカーンは、イギリスでは「チリー」と呼ばれ おなじみの家庭の味になっています。
日本では なじみがないと思います。

玉ねぎをパプリカの粉、ナツメグ、刻んだトウガラシと炒め、牛肉のミンチと缶詰のキドニー・ビーンズ(腎臓豆)を加えてさらに炒め、缶詰のトマトを加えてよく煮込む メキシコ料理です。

この調理法、アメリカ経由のイギリス流みたいです。・・・本場メキシコでは、火にかけた大なべにミンチではなく脂たっぷりの牛肉のぶつ切りを炒めずにいれて、つぶした生のトマトをぶち込む豪快な調理法で食べているみたいです・・・

これは、アスダの格安ミート・フリーを使いました。品質に変わりなし!

肉モドキですから、脂分がなく、牛肉を使ったものよりも赤みと粘り気が薄いです。


ちょっと前まで、クォ―ンの宣伝に、オリンピックの陸上金メダリストのモー・ファラがイメージキャラクターとして出演していました。



一家そろってベジタリアンだそうです。

運動する人は、動物性たんぱく質をとらなければいけない、と思っている人が多いのではないでしょうか。
イギリスでもそう思っていた人がけっこういます。

そうじゃないことが今では広く知れわたっています。一日中走っているらしい彼が、肉を食べずに金メダルをいくつも獲得して、次々と新記録を出しています!

モーの起用効果大。



前回の続きです。

一般の日本人が理解していないと思われる、イギリスのベジタリアンについていくつか・・・。

日本人のみならず、イギリス国外では「ベジタリアンは肉そのものを口にしないだけだ」と思っている人が多いようです。

夫とポルトガルに旅行した時、スープの中にベーコンの塊が入っていたことがあります。
夫が、自分がベジタリアンだと告げると ウェイターは肉を掬い取って、「さあどうぞ」と勧めてくれたことがあります。
日本で「お肉が食べられないのね」と、すき焼きの鍋から、牛肉をどけて豆腐とシラタキと春菊だけよそってもらう、なんていう設定も考えられます。

肉をどけても、肉と調理されたものは、ベジタリアンは口にすることができない、ということが理解されていないようなのです。
もちろん、ブタの骨のゼラチンが入った、ラーメンもゼリーもダメです。

ヴェジタリアン協会が、レストランなどの飲食店で、「ベジタリアン食」をメニューにうたっていながら、ベジタリアン食材が肉と接触したり、肉を調理するのに使った器材を洗わずにベジタリアン食の調理に使われたりなどしていないか、視察して回っています。

レストランではともかく、よその家庭でごちそうになるのに 出てきたものを食べられない、などというのは失礼千万ではないか、というのは日本人として当然の疑問です。

イギリスでは失礼ではありません。
国中で、ベジタリアンの、肉を食べないことに決めたライフスタイルが尊重されています。
お食事に招待されたら、自分がベジタリアンだけどかまわないか、と断りをいれるのがベジタリアン側の礼儀です。

ベジタリアンの招待客のために ベジタリアン向きの料理を調達、調理するのはイギリスでは決して厄介なことではありません。
レシピも出回っていますし、冷凍食品も、調理済み食品も簡単に利用できます。


ベジタリアンの子供が お友達の誕生日パーティーに、自分が食べていいものと よくないものの判別がつく7~8歳ぐらいまでは お弁当を持っていくこともあるようです。
もちろん、パーティの主催者は招待客すべての保護者にベジタリアンかどうか確認する義務があります。

うちの夫も含む、イギリスの多くのベジタリアンは、魚は食べる、「ぺスカトリアン」だということはご存知でしょうか。
もともとは、イギリスの1970年代80年代の畜産農業への抗議から始まったヴェジタリアン運動家たちは、漁業の在り方には抗議するべき非道な行いは見いだせなかったようです。
当時、畜肉を少しでも安価に提供できるよう、動物たちを狭くて暗い畜舎に押し込め、特殊な飼料を与えて短期間で成長させる集約農業が主流になりつつあったのです。
現在、畜産農業へのイギリスの規制は厳しく、非人道的な動物の飼い方は許されていません。

「動物は食べないのに 動物と同じで、生き物だし魂がある魚を食べるのはおかしいのではないか?」とペスカトリアンに疑問を吹っ掛ける人がイギリスにも結構いるそうですが、背景を知っていればおかしくないのが理解できますよね。

ちなみに・・・人によるし、解釈もあいまいなのですが、うちの夫を含め、魚は食べるけどタコやイカはだめ、という人がけっこういます・・・脚があるから!
だけど、うちの夫、カニとエビは食べます。エビは頭と尾と脚を取り除いた状態で、カニはほぐしてないとダメですが・・・

ビーガン vegan という(完全菜食主義者と訳されているそうです)魚はもちろん!乳製品も卵も食べない人たちもいます。革製品も使いません。

ちなみにうちの夫は、日本に行った時にファミリーレストランで、材料のリストを見せろと調理師に交渉して私を大変なストレスに陥れたことがあります。
二度目の訪日からは、心を入れ替え、「肉片が見えなければ材料にたとえ肉が含まれていても目をつぶって食べる」ということを約束してくれたので、やっと家族で外食ができるようになったのです。

イギリスのベジタリアンとしては画期的なことです!!
うちの夫のような多くのイギリスのぺスカトリアンは、イギリス人がよく旅行する、地中海沿岸諸国で魚や海鮮食品(タコ、イカは除く)を食べることを知ったそうですよ。
地中海沿岸諸国では、ベジタリアンが食べられるものがほとんど、ないらしいですから。
今は事情が違うかもしれません。ポルトガルのポルトの、イギリス人観光客がよく訪れるレストランにはベジタリアン・メニューがありました。

前回、2回の記事のリンクです。↓
そこら中にいるはずのベジタリアン、意外と少ない彼らが食べる、出来合いベジタリアン料理、ごく一部



絶妙のコンビ、リンゴと豚肉、伝統料理をアレンジしてみた甘党向きソーセージ&サイダーキャセロール


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もっといると思ってた!意外と少ないベジタリアン、彼らが食べる、出来合いベジタリアン料理(ごく一部)

2017年11月23日 22時42分23秒 | 英国の食べ物、飲み物
前回 ちょっと触れた、ベジタリアン Vegitarian(菜食主義者)について…
続きです。

冷凍庫の 「棚卸し、清掃」をするために冷凍食品を 一週間で食べきる計画を立てました。
我が家の在庫 冷凍食品の6割はベジタリアン食品なのです!

ベジタリアンの夫(実際は魚介類は食べるペスカトリアン) に付き合って、ミート・イーター meat eater (肉食人!)の私と息子も この週はお相伴です。


(↑本当はもっとあったのですが・・・)

すべて冷凍のまま、充分熱くなったオーブンで
20分から30分 加熱するだけ、ラクチンです。


カリフラワー・チーズ・クリスピー・グリル cauliflower cheese crispy grills


その名のとおり、砕いたカリフラワーが とろりとした チーズで閉じてあります。



くし形切りのポテトフライはウェッジス wedges といいます。


別の日です。
カツ・カレー・メルト katu curry melts


ベジタリアン食なのに カツ?
とお思いでしょうが、「カツゥ katu 」という、もちろんトンカツ、チキンカツなどから転化した日本語(のつもり)です!=英製和語。

「カツ・カレー」はイギリスでも大人気。
スーシーや テンプーラなどの伝統の和食から離れた、サブカルチャーの匂いのする おしゃれでモダンな現代日本料理の代表です。
…で、長くなりましたが「カツゥ」というのは濃い黄土色の どろんとした 「日本風 カレーソース」のことを指すようです。

お料理をサボるとなったら、徹底的にサボります。
付け合わせのライスはインスタントの袋入りメキシカン・ライス。




イギリスでは 日本では おなじみの、「レトルトパック」を見かけません。

水を加えて電子レンジでチン!
なかなか おいしいです。種類もたくさんあります。

付け合わせの炭水化物は、ポテトが主流です。
冷凍の「チップス chips」(短冊切りのポテトフライ)が あればよかったのですが、「冷凍庫一掃計画」でとっくに食べきったあとでした。

ウェッジスもカリフラワー・チーズと一緒に食べてしまって もうありません。
メインが冷凍食品なのに 付け合わせのポテトを わざわざゆでたりマッシュかローストにするのも めんどくさいので…。

スイート・コーン(トウモロコシ)も、もちろん冷凍を使います。
クージェット(ズッキーニ)は炒めました。
メキシカン・ライスとスイート・コーンにあわせて 南米風にこだわったつもりです。

中には甘口の、日本風カレー・ソース(カトゥ)がドロンと入っています。


日本のカレー ルーの各メーカーがこだわる、「コク」が全くありません。
「カレーパン」の中身にとろみをつけた味に近いです。

以前食べた、「カツゥ・パイ」はとろとろ日本風カレーソースに、炒めた牛ミンチが入っていました。
ソースが粉っぽくて まずかったので 半分残しました!

以上の2点はベジタリアン料理に分類できるもの…
肉を使わない、「ミートボール」「ミンチ」「ソーセージ」「バーガー」「鶏のささみ風」…等々、肉モドキも実に豊富です。

「肉モドキ」なんか食べるぐらいなら ベジタリアンなんかやめれば?と言いたくなるような、コンセプトが日本人には理解不能な 食品です。
ベジタリアンと同居して17年、私はもう慣れましたが。

肉食用レシピ用の、「代用食」ということでしょうか。

イギリスには、ベジタリアンが多いです。
と言っても、全人口の2%(120万人)。調べてみたら非常に少ないので、驚きました。

もっともっと たくさんいるような印象です。

イギリス全国すべてのレストラン(ファーストフード店、ステーキ屋なども含めて)ホテル、社員食堂、学生食堂、学校給食のみならず、刑務所にも病院などにも ベジタリアン向けのメニューがあります。

イギリスは、食生活に限らず、個人のライフ・スタイルを重要視する国です。
多民族を擁し、すべての人が共存する社会を作ろうとしている国家ですから。
ベジタリアンのみならず、イスラム教徒、ヒンズー教徒、ユダヤ教徒などの大勢の少数派民族の食生活も考慮に入れなければなりません。

60代のうちの夫は、ミート・イーターの家庭に育ち、成人してから自分の意志でベジタリアンになりました。
ベジタリアンは戦前から存在したようですが、夫が子供の頃ですら まだ ごくごく稀だったはずです。
3人の兄弟と、離婚した両親、両親の新パートナーそれぞれも、前後して40年ほど前 全員ベジタリアンになりました。

第一ベジタリアン世代です。

そういえば 私の周りには、夫の家族以外にもベジタリアンが多いですね。
ほとんどが比較的 教育のある「中産階級」出身です。

第一ベジタリアン世代は 1970年代、80年代に自分の意志で転向したそうです。

畜産業の在り方に抗議をするため、肉食を拒否し始めた人が多いらしいのです。
当時、効率を追い求め 集約的な農業が発展して食肉用家畜の扱いがひどくなってきた、ということですから。

現在、イギリスは 問題もありますが 動物愛護の最先進国なはずです。
畜産農家には動物の厚生のため、さまざまな制約がかけられています。
第一ベジタリアン世代が徹底抗議した 畜産動物の非道な扱いは(少なくとも公には)見られなくなっているはずです。

ベジタリアン第ニ世代は40代ぐらいまでの若い大人です。
ベジタリアン家庭に育った人、自分の意志でベジタリアンに転向した人 それぞれですが、べジタリアンになった理由は、第一世代より、もうちょっとセンチメンタルなのではないでしょうか。
動物がかわいいから食べられない、動物を犠牲にして生きるのは人間のおごりだと考えている人もいるようです。

健康や信仰のために 肉食をしない人も もちろんいるはずですが、現在イギリスのベジタリアンの多くを占める第二世代は 人間と動物とのかかわりに基ずいた理由で実行しているはずです。

イギリスのベジタリアンの79%が女性だそうです。
現在 ティーンエイジャーの少女のほとんどが 1度はヴェジタリアンになろうと決心したことがあるのではないでしょうか。
家族の協力が得られなければ、たいてい挫折します。

恋人や友達など、まわりに合わせるのが困難で 続けられないことも あるはずです。
完全に肉断ちが続けられれば、晴れてベジタリアン… 第三世代として、一生肉断ちの生活を送ります。

ベジタリアンに関する考察、長くなるので、続きは次回に持ち越します。


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絶妙のコンビ、リンゴと豚肉、伝統料理をアレンジしてみた甘党向きソーセージ&サイダーキャセロール

2017年11月19日 22時25分23秒 | 英国の食べ物、飲み物
それまで作ったことはもちろん、食べたことがなかった、イギリスの有名な伝統料理を作ってみました。

ソーセージ&サイダー・キャセロール sausages & cider casserole



イギリスのソーセージは 日本でなじみがありませんね。

薄い皮に、裏ごしした生の豚肉のミンチとハーブ、小麦粉、レシピによってはネギ、リんごなどが入っています。
カンバーランド、リンカーンシャーなど、産地の名を冠した独自のレシピのソーセージもあります。

ピンクがかった灰色で、ぶにゅぶにゅしています。
スーパーで、5,6本つながってトレーにのってパック売りされたのが一般的です。

あ~、おいしそうに聞こえない?

フル・イングリッシュ・ブレックファーストには欠かせない、イギリスを代表する食材です。
おいしいですよっ!

ただ、一度食べたら、誰もが病みつきになるほどおいしい!!とは、断定できません。

パリっとした皮の スモーキーな風合いで、むっちりした歯ごたえのドイツ風ソーセージ、ホットドッグの「フランクフルト」など香ばしいソーセージになれた日本人には なじみのない食感と、味です。

慣れたらこれが、本来のソーセージの味と思えるようになるから、不思議です!!

キャセロールにしたら、日本人にもとっつきやすいと思うのですが、どうでしょうか。


イギリスのソーセージは、必ずフォークで ぶつぶつ皮に穴をあけてから 調理します。



(一個だけ炒めた小さな玉ねぎは、いっしょに炒めたソーセージの風味が移って絶妙のおいしさです)

穴をあけずに調理すると、火が通ると皮がはじけて膨張した熱い中味が飛び散ります!
穴からしみだす脂でソーセージが こんがりおいしく焼けます。

野菜(玉ねぎ、にんじんのぶつ切り)をソーセージとは別に炒めます。
やわらかくなったら小麦粉25グラムを加えます。

そして、アップルサイダー apple cider を半リットル!注ぎます。

アップルサイダーはアルコール度が高く、家庭料理にはちょっと向かないかもしれません。
日本では、シードルって言いますね。リンゴ酒。

かわりに100% リンゴジュースを使ってみました。

煮えたら200ミリリットルの熱いチキン・ストックを加えます。
うちは夫がベジタリアンなので、ベジタブル・ストック(ハーブが主原料です)で代用。

日本では、西洋料理には何にでも!の「コンソメスープの素」でいかがでしょうか。

全部混ぜてとろみがつくまで弱火でコトコト。

フォークで荒くつぶしたゆでたジャガイモと、角切りにしたリンゴを混ぜます。


ソーセージをオーブンディッシュに入れて、野菜とソースをかけ、リンゴ入りマッシュを添えます。

耐熱ガラスのオーブンディッシュに入っているのは、いためて焼き色が付いたソーセージ。


ホーローのには リンダ・マッカートニー・ブランドの、ベジタリアン・ソーセージ。


ヴェジタリアン・ソーセージは、冷凍のまま、オーブンに入れます。

100%植物性の大豆たんぱく製です。
日本の、豆腐ハンバーグみたいなものかもしれません。

ヴェジタリアン用と、ミート・イーター(肉食人!)用の料理を同時に分けて調理する際は絶対に、肉に触れた食材や調理具をヴェジタリアン料理と接触させてはなりません。

200度の高温で、20分。



これは、ほんとの〈肉製〉ソーセージ。



ちぎったタイムの葉を散らすと風味が増すそうですが、うちになかったので省略。

リンゴの風味がまろやかに甘く、脂っぽいソーセージとよく合って、とてもおいしかったです。
荒くつぶしたマッシュポテトも、クリーミー・マッシュが主流の日本ではなじみがないかもしれませんが、イギリスの家庭ではおなじみです。

リンゴの混じった、マッシュも、驚きのおいしさでした。
アップルパイなどの中身のように甘くてドロドロに調理されたリンゴと違って、しゃりっとした歯ごたえがかすかに残り、甘酸っぱいのがホクホクポテトによく合います。

リンゴの種類は、何でもいいみたいです。


ヴェジタリアン向きの冷凍食品の種類は実に多彩です。

ポール・マッカートニーの妻(故人)の名を冠したこのブランドは、老舗です。お値段も高め。
セールになった時、まとめ買いします。
基本的にはベジタリアンの夫用ですが、料理をさぼりたくなった時に重宝します。

ヴェジタリアン以外にも、成人病が気になる人にも食べられている、イギリスではすっかりおなじみの食材の一部。

アップルサイダーの代わりにアップルジュースを使うアイデアは、ヴェジタリアン・フードの別の有力メーカー、クオーン Quorn 社のテレビコマーシャルで紹介されていました。

テレビのコマーシャルに出てくる大家族が 楽しそうに食べているソーセージ・キャセロールには 輪切りにしたリンゴまで入っていました。

うちの夫が、煮たリンゴは食べたくない、と言ったので、これはマネしませんでした。


豚肉には、リンゴ。

伝統的なイギリスの農家では、クリスマス前のまで、大好物のリンゴをブタにたっぷり食べさせて、肉の風味をよくします。



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日本原産のアメリカ犬、生まれはイギリス、かわいい名前のおばあちゃん

2017年11月17日 09時00分00秒 | 英国のイヌ


ストックポートで見かけた、アメリカン・アキータ・ドッグ American Akita dog


前にも取り上げましたね。

訂正です。
前回は、飼い主のうんちくを うのみにしてそのまま書きました。


今回、調べてびっくり!
アメリカン・アキータは、現在の日本の秋田犬 Japanese Akita inu とは別の犬種なのだそうです!


アメリカンのほうが「ジャパニーズ...」より 体が大きく、口吻が短いそうです。
「ジャパニーズ・ベア・ドッグ」の愛称もある、クマちゃんみたいな顔立ちが特徴です。

日本の秋田犬はそういえば もっと端正な顔立ちかもしれません。


もちろん、どちらももともとは日本の秋田県原産。


現在のアメリカン種は 戦後 進駐軍のアメリカ兵がお土産に連れて帰った「出羽系」数頭の子孫。
世界中で飼育されています。
戦後、日本国内では人気がすたれ、絶滅したそうです。

現在日本にいるのは、古来の秋田マタギ犬の血統を強く残す「一関(いちのせき)系」だそうです。

どっちがどっちだ?と言われてもはっきり言ってよくわかりません。
本当にどうでもいいような気がします。

メス。名前はリコリスベアー。
子犬の頃はさぞ愛くるしかったでしょうね。
テディ―ベアのようにコロコロしていたはずです。

リコリス?ニッキの味の黒くてまずいお菓子の原料・・・若いころは真っ黒だったようですね・・・

なんと、現在15歳
犬ってこんなに長く生きられるんでしたっけ?



買い物をしている飼い主夫婦を忠犬ハチ公のように店の外で待っています。

赤いスニーカーの男性は、飼い主の息子だそうです。

写真を撮りたいと言ったら、ポケットからビーフジャーキーのようなおやつを出して、わざわざ座らせてポーズをつけてくれました。


おやつで気を引かないとおっくうがって、しゃんとしないらしいのです。

人間でいえば100歳過ぎの長寿ですよね?無理ないとおもいませんか?



秋田犬の特徴のドーナツみたいなくるりんフワフワしっぽの毛が抜けて、ハゲちょろりん。ネズミのしっぽみたいになっていました。

白髪だけでなく抜け毛まで!

長生きしてほしい!

「アキタケン」と言いなれていましたが、和犬の犬種はすべて「~イヌ」と呼ぶのが正しいそうです。
和犬の英語名にはすべて「inu 」が最後につきます。イニュゥと聞こえます。
どちらも初めて知りました。




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イギリスのオタク全員集合!日本はすごい、かっこいい!、イギリス人が企画した日本文化の祭典、その名も どきどきマンチェスター

2017年11月14日 12時34分07秒 | シブい!日本語表記、日本関係なら何でもクール!

先週の土曜日、マンチェスターで開催された毎年恒例の 「どきどき日本祭 Doki Doki Japan Manchester Festival」に、上の息子と行ってきました!

小さかった下の息子と行って以来、6年ぶりです。
その時は、あまり長居しませんでした。

スポーツセンターの体育館スペース 2室を使った、イギリス人が主催する日本の文化紹介イベントです。


入場料は1人15ポンド、高いです!
・・・が朝の9時から 夕方の6時まで、入場の際に腕に巻いてもらったアームバンドを 見せれば開場時間内は出入り自由。


2か所の舞台ではひっきりなしに日本関連の実演がありました。

忍術、空手道、合気道の実演・・・武道関係はすべて、イギリス人運営の団体によるイギリス人メンバーの実演でした。

着物を着た日本人女性による、美しい琴の演奏もありました。

前回も披露していた、イギリス人グループの和太鼓は・・・


大人気でした。
正統の和太鼓かどうかは 私には判別つきかねますが、リズムが素晴らしかったです。

民謡の演奏もききました。


素晴らしい声の、着物の日本人女性はプロの民謡歌手のようでした。

アンサンブルの三味線のイギリス人男性はソロでも演奏していました。


日本人演奏家と縁のあるハーフかもしれません。
びっくりするほど上手でした。

イギリス人による折り紙教室。


「鶴」はイギリス人の初心者には途方もなく難しいのです。
日本人の私たちにはなじみのない、正体不明の四つ足動物の折り方指導を見物しました。
初心者向けにぴったりの古典折り紙、カブトやオルガン、やっこさんを教えたらよかったのに!

入って最初の場所にあった、謎めいた日本の鉄道模型の展示コーナーです。




すごい凝りようですが、私以外誰一人として足を止めて見る人なしの鉄道「ジオラマ」はちょっとレトロすぎかもしれません。
町の中を山手線の黄色い電車と一緒に最新型新幹線がゆっくり走り抜けます。

漢字を自宅で学べるアプリケーションを開発したグループが 売り込みのスタンドをやっていました。

碁や将棋を教えてくれるイギリス人のグループもいました。

漢字で無料で名前を書いてくれるスタンドもありました。

日本人女性が本格的なメロンパンを売っていました。
高かったけど下の息子のお土産にふたつ買いました。

イギリスで大人気のカツカレー、プラスチックの容器入りで6ポンドもまた高かったのですが、日本の味を楽しめました。

お寿司と焼きそばもありました。



(近ごろ巷でよく聞く、katsu カツゥという英製和語は、日本風のカレーソースを意味するようです!もちろんカツカレーからの派生です)

何もかも学園祭の模擬店みたいでした。

以上の報告で、どういった趣旨の催しか想像がついたでしょうか。

じつは、入場者の8割は、日本のサブカルチャー崇拝者

残りの2割ぐらいが、昔から一定数の人数を確保していた 空手や忍術(!)などの武道やボンサイ、オリガミ、ゴー(碁)など世界中で愛好者の多い伝統技能、音楽など日本の伝統文化に興味がある人たちだと思われます。

日本のサブカルチャー崇拝者の多くは、日本関係の催しといえば当然のように集まってくるコスプレ愛好家でもあるのです!

6年前に来た時は、オンラインショップで一式揃えたような芸のないポケモンの「ぬいぐるみ仮装」が多かったのです。

それにナルト、スーパーマリオ、セーラムーン・・・子供向きのキャラクターに大人が仮装するしょぼさが際立っていました。
あれも正当コスプレだったはずですが、組み合わせに創意工夫が感じられませんでした。

ゆいいつ、当時 何人かのイギリス人の若い女性たちが、週末の原宿を練り歩いている日本人少女のような服装で 人目を引いていました。

6年経った今年、イギリス人のコスプレの水準がいつの間にか向上していたのには本当に驚きました!

(実は私は、コスプレはもちろん、アニメにも現在のマンガにも、コンピューターゲームにも全く関心も知識もないのですが・・・)



何回聞いても名前が覚えられない、ポケモンの手の込んだお手製らしいコスチューム!


これは手作りではなさそうですね。

原宿系?


音がしないように焼きそばをすする美少女。


今回もやっぱり健在、セーラームーン。


プロのカメラマンが、入場者のコスプレ写真を撮影するサービスもありました。


比較的最近のディズ二ー映画、 Brave のプリンセス、Merida がなぜここに?


お手製らしいコスチュームはよくできていましたが日本のアニメファンのコスプレ集団の中では浮き気味でした。

まぎれこんでいた スパイダーマン、ファンタスティック・フォーといった アメリカンヒーローも やっぱり浮いていました!
コスチュームを持っているので 着て来たかっただけかもしれません。

ここ数年、「コスプレ」の概念はすっかりイギリスで定着しました!
もしかしたらアメリカに先を越されたかもしれませんが。

cosplay は英語でも「仮装」の意味でつかわれることが多くなってきています。

例えば、熱心な読者がジェーン・オースティンの時代の衣装を着て集まる文芸イベントでも仮装が 「コスプレイ」と紹介されていましたよ。
ハロウィンの仮装も、今はコスプレイと言う人がいます。

で、今回この催しの ステージの司会者や、関係者は、こぞって「コスプレ」と日本語風に発音していました!
他ではあまり聞かない発音です。

英語圏で「日本通」を自称する人は 日本語の単語の最後の母音を不自然に強調して発音するようです。
そうすると日本語らしく聞こえると思っているようですね。

日本風発音の「コスプレ kosupurE」はこの催しの入場者のような日本のアニメファンスタイルに限定のようでした。

普通の時代衣装 ( period costume ) や、ハロウィーン・パーティなどの仮装( fancy dress ) の場合は英語として定着しつつあるe英語発音の「コスプレ cosplay 」・・・というような区別ができつつあるのかもしれません。

もちろん! 会場中に広がった販売コーナーでは、入場者の需要を満たすアニメ漫画グッズでいっぱい。




「フィギュア」と言うらしい 私には値打ちが ちんぷんかんぷんな物が、どえらい値段で売られていました。

キャラクター商品、ティーシャツ、日本から持ち込んだ雑貨、駄菓子、ちゃっかり韓国や中国のものも混ぜてかなりな高値で売られていました。

この催しに集まってきたイギリス人はみんな日本人のようになりたくて一生懸命です。

着物姿のイギリス人もちらほらみかけました。

つんつるてんの着流しにへこ帯の、西郷どんかお相撲さんみたいな男性や、歌劇「マダム・バタフライ」風着付け・・・


さすがに司会者は合格、と思ったら・・・


後ろに回って帯をなおしてあげたい。


これ、コスプレ?


日本の女子高生に扮しているつもりのようです。

髪を黒く染めた人がいっぱいいました。

日本人が西洋人のイメージを目指して つける明るい色の髪のカツラをかぶった白人の女性をたくさん見かけました。
もともと明るい色の髪のイギリス人がワザとらしい金髪や 派手な色のカツラをわざわざつけているのは、不思議な現象・・・日本人のマネでしょう。

日本人が顔だちにメリハリをつけるためにする独自のメイキャップ (アイラインや つけまつげ、鼻筋のハイライト) も、もともと派手めな顔立ちで必要ないはずのイギリス人にすっかりマネされています。


セーラムーンのような髪型のイギリス人の女性が英語の歌を 日本人のような、平坦さを強調したアクセントで歌っていました。
例が古くてごめんなさい。35年ぐらい前の松田聖子のような切なそうな歌い方でした。

なんかバカにされてる気がしました。
「ブリっこ」というなつかしいフレーズが頭をよぎります。

声量のある人なのに、なぜ普通に歌わない?
常連らしい男性ファンが何人も前席でビデオ撮影をしていました。

この人ほど歌が上手くはない、別の イギリス人の美少女は舌足らずの日本語でアニメの主題歌をうたって、やっぱり常連らしいファンにウケていました。

独自の需要があるようです。

フロア中央に 縄で仕切った「メイドカフェ」がありました。

写真を撮っていいか聞いたら、有無を言わさず かぎ針編みの「テーブルマスコット」を持たされたうちの息子。


ガラガラで入ってみる勇気はありません。


お客の多くはコスプレ少女でした。

メイドはサービスでお客の似顔絵を描いてました。


もうちょっと自分のイメージを考慮したコスチュームを選べなかったのかな?と思えるようなコスプレ例も多数。




(こっそり撮った写真はもっとあるのですが、顔が写ってないものを厳選しました)

息子が、たばこを吸いたいというので、外の空気を吸いに一緒に出ました。

スポーツセンターの周りでたむろしている、尋常ならざるいでたちの人々は道行く人々をぎょっとさせていました。




ロッカールームもクロークもありません。
多くの入場者は、遠くからコスプレ姿でバスや電車を乗り継いでやってきたらしいのが驚きです。
コートも着ないで。(けっこう寒い日でした)

私たちは実に、6時間もいました!

イギリスに住んでいる日本人すべてが見られるわけではない、かわったものが身近に見られて、良い体験でした。
入場料15ポンドの価値はあったと思います。

比較的新しいアニメ映画、「ももへの手紙」を字幕付きで上映していたのを見ました。
最後はほとんどの人が大泣きしていました。

屋号、自分で言うかな?


やっぱり、これ、オタク の祭典・・・ですよね?


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赤いポピーであふれるイギリスの晩秋の重要な愛国行事、(疑問あり)

2017年11月11日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

毎年、10月の半ばごろから始まる、赤いポピー募金運動 Red Poppy Appeal





ショッピングセンターで赤い紙のポピーを退役軍人(勲章を付けたおじいさん)といっしょに売っている、赤いコートの女性は・・・!ストックポートの市長です!



1ポンドかそれ以上寄付したら、みんながつけている普及版の赤い紙のポピー(一番最初の写真)がもらえます。
もうちょっと寄付すれば、王室のメンバーがつけているような上の写真でリースになっている大き目の、ちょっと手の込んだ造りのポピーがもらえます。


ブレスレットや、エナメルのピンバッジ、連隊の記章なども売られています。
売り上げは全額、戦死した軍人の遺族への補償や傷病復員兵の生活支援などの義援金として使われます。



第一次世界大戦の戦場だったフランダースの野原に、戦後赤いポピーがいっぱい咲いたという故事から、赤いポピーは戦没者追悼のシンボルになっています。

ポピーの赤は、戦場に斃れた兵士の血の色でもあります。

赤いポピー運動は、第一次、二次の二つの世界大戦のみならず、イギリスの軍隊がかかわったすべての国際紛争で命を落とした軍人の死を国民全体で悼む呼びかけなのです。

イギリスの秋、赤い紙のポピーを左胸につけた人々がいっぱいです。
テレビに出てくる人はほとんどすべてがつけています。

子供たちは学校に1ポンドをもって登校、学校でもらった赤いポピーをつけて帰ります。

チャリティーなのです。
お金が、必要としている人たちを援助することに使われるのはいいことです。

イギリスの軍人は、危ない紛争地に戦闘だけではなく国際援助や治安維持などのためにも派遣されています。
若い人たちが国旗に包まれた遺体となり、あるいは腕や脚をなくしたりして帰還してくるのを見るのは本当に心が痛みます。
援助できることがあればしたいと心から思うのですが・・・

レッド・ポピー・アピールって、イギリスにとってもたくさん存在する、チャリティー機関のひとつにすぎないのです。
国を挙げて、公的機関までが肩入れしてサポートするのはどうなのかと・・・イギリス国民ではない私など思ってしまいます。

大っぴらに言う人はあまりいませんが、イギリス人でもそう思っている人はけっこういるみたいです。

ほかにも援助を必要としている人、危険で立派な仕事をしている人はいっぱいいます。

若くして亡くなった民間人もいっぱいいます。
軍人や退役軍人だけの福利厚生が注目され、軍人だけが英雄扱い、軍人の死を特別に扱うことに疑問があります・・・。

深く考えすぎでしょうか。

今日、11月11日は第一次世界大戦の停戦協定記念日 Armistice Dayです。一般にはリメンブランス・デイ Remembrance Day あるいはレッド・ポピー・デイ Red Poppy Day として知られています。

1919年 11月11日、午前11時に第一次世界大戦が終了(実際は終戦ではなく、休戦)した記念日です。

毎年11月の第2日曜日(今年は12日)は、戦没者追悼の日曜日 Remembrance Sunday です。

今年は偶然、停戦協定記念日の翌日の日曜(明日)に当たります。
王室、軍隊、宗教、政府関係者が大掛かりな追悼記念行事を繰り広げる愛国的行事満載の日

テレビの中継は、軍服姿の王室メンバーや礼装で参加する各軍隊のパレードを深く考えずに見て楽しめます。

ストックポート日報 でおなじみのストックポート・アート・ギャラリー Stockport Art Gallery は・・・



戦没者を祀る「廟」でもあります。

入ったところにある、慰霊堂です。




英国の守護女神ブリタニアに花冠を授けられる兵士の寓像の両脇に、ストックポートから出征して戦没したすべての兵士の姓と階級が刻まれています。


ところで、中央に横たわる黒い十字架ですが・・・

毎年、戦没者追悼の日曜日には生花がさされた湿ったミズゴケが詰められて、ギャラリー前のギリシャ神殿風の階段中央に斜めに安置されます。


花が枯れるまで、ディスプレイは続きます。

いま、特定の宗教(キリスト教)を表現するシンボル、十字架ひとつを慰霊の儀式に使うのはまずいのではないかと思うのですが・・・

戦死したのはキリスト教徒だけではありません。
追悼の意を表するイギリス国民が信仰する宗教は実に多様です。・・・というか、信仰しているキリスト教徒ってそんなに今、いないんじゃないのかしら・・・?

イギリスは多民族を擁する複合文化国家(なはず)です!




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紅葉と、赤い実・・・秋が深まるイギリスの11月

2017年11月10日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
近所の紅葉の写真です。







一週間ほど前に撮った写真です。
紅葉した葉の多くはもう散り始めています。

赤い実は冬の風物詩・・・




ハロウィーンが終わり、クリスマスの飾りつけが、ショッピングセンターでいっせいに始まりました。
テレビのコマーシャルも半分ぐらいがクリスマスのテーマ・・・。

うんざり。

クリスマスムード解禁は12月を待って・・・あるいはせめて、11月11日の戦没者追悼祈念日 Remembrance Dayと、11月の第2日曜日の Remembrance Sunday(今年は偶然 Remembrance Day の翌日)を厳粛に迎えて終わるのを待つのが暗黙の決まりだって聞いてたんですけど。

不況だそうです。
それに加えて、EU 離脱にあおられた社会不安、消費者のオンラインショッピングの習慣がすっかり定着して、ショッピングセンターが不振なんですね。

クリスマスの華やかな飾りつけは景気をあおるおまじないでしょうか。

年々、早まっているような気がするのは、気のせいでしょうか?

実際12月になると、イギリスの町は、興奮した買い物客でごった返す騒乱の場になります。



ハロウィーンが終わった後もしばらくは置き去りにされたカボチャの提灯。


子供が作ったらしい素朴さがほほえましいですね。



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モーカム 番外編・・・観光案内の締めくくり、キッチュなモーカム

2017年11月07日 09時00分00秒 | イングランド北部
モーカム Morecombe 連載の最終回です。


遊歩道から、怖ろしいクイックサンドがすぐそばに迫る(!)砂浜に降りるスロープ。


コンクリートが乾ききらないうちに、どこかのバカ犬が歩いちゃったみたいですね。
謎の草の島に注目。

謎の草の島と怖ろしいクイックサンドに関しては、11月4日の記事を読んで下さい。リンクはこの記事の一番下に貼ってあります。



海岸沿いの通りから一本奥に入った、統一感のない古い建物がごちゃごちゃ並ぶ、興味深い(コ汚い)通りにあった毛糸専門店・・・だと思います。


すごいディスプレイです。

ショーウインドウにもぎっしり袋入りの毛糸が詰まっていて店内が全く見えません。
薄暗そうな店内に足を踏み入れてみなかったことがくれぐれも悔やまれます。

アクリルの安い毛糸ばかり売る、おばあさん向けの毛糸屋だと思われます。

ここ十数年、世界中で手編みがブームですね。
ここイギリスでも、創造性あふれるクラフトとして、あるいは伝統の手法やデザインにひかれて、若い世代の人達がブームのにない手になっています。

時間をかけてゆっくり仕上げる手編みには高品質の純毛をつかうのが今の手編みブームの特徴ですが、イギリスのお年寄りはなぜか、ブームの前も今も依然として安いアクリル毛糸ばかり使って編んでいるようですよ。

編み物を始めた5、60年前から今に至るまで、イギリスのおばあさんたちにとっては、編み物は「衣料品代を節約する手段」なんでしょうね。


海岸沿いにずらっと並ぶ建物の裏側。


しょぼさにおののく。
建物の向こう側は、道路を挟んで海です。

そういえば、海岸沿いに続く、おもにヴィクトリア時代に建てられた建物の並びの写真を撮るのを忘れたようです!

何とか探したこれ・・・


エリック・モーカム像の前・・・


以前に載せた写真2点・・・




私たちが泊まったホテル。


美しい一般住宅。


・・・そういえば、統一性があまりないですね。イギリス南部の海岸沿いの瀟洒で均整のとれた美しいヴィラの並ぶプロムナードに比べるとごちゃごちゃしています。

観光地に来て、不動産屋の店先の売家、貸家リストをチェックするのはうちの夫のくせなんです。
モーカムの不動産はびっくりするほど安いことがわかりました。

世界的に名高い観光地、湖水地方がすぐ目の前なのに!



対岸に見えるのが湖水地方の山並みです。


ウィンダミア Windermere から、ケンダル Kendalを通って、一時間に一本ほどの電車で1時間半・・・時間はちょっとかかりますね。
ちなみに、古城と大聖堂、中世の街並みの残るランカスターからモーカムまで、直通電車でたったの10分。15分から30分間隔で電車が出ています。



昨日までの記事のリンクです。↓↓読み返してみてください。

ランカシャーの小さな海辺の町、昔の賑わいは今いずこ、静かで美しい観光地、モーカム


モーカム湾に突き出した、岩ゴロゴロの突堤、かわいいカフェと釣りの名所

静かな海辺の町モーカム、アールデコの傑作建築で町おこし・・・修復なったミッドランド・ホテル


モーカム観光のハイライト、おすすめスポットと恐怖の危険地域、実体験!

モーカムで入ったカフェの数々、絶景カフェ、庶民カフェ、天然レトロカフェ・・・どれもおすすめ




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モーカムで入ったカフェの数々、絶景カフェ、庶民カフェ、天然レトロカフェ・・・どれもおすすめ

2017年11月05日 22時42分36秒 | イングランド北部

今回は、モーカム Morecombe 番外編、入ったカフェの話です。

海に突き出た突堤の先端近くにあるカフェ、ストーン・ジェッティ・カフェ Stone Jetty Cafe







ケーキのディスプレイケースの中には、ストックポート日報でも取り上げた、イギリス伝統のケーキの人気定番セレクションがずらり。



左から、上段;チョコレートケーキ、フルーツ・ローフ、コーヒー&ウォールナッツ・ケーキ、
    中段;ミリオネラーズ・ショートブレッド(キャラメルショートブレッド)、フラップジャック、えーっと…中段右端は何でしょう?ショートブレッドにアイシングがかかっているようです。
    下段;ヴィクトリア・スポンジ(バタークリ―ムで覆われていないバージョン)、ベーカウェル・スライス、キャロット・ケーキ。

・・・いずれも、イギリスのカフェの定番です。

まだ取り上げていないものもありますね。


夫が食べたのはベーカウェル・スライス。


私が食べたのはキャロット・ケーキ。


ひときれ2ポンド50ペンス(340円)は、観光地では格安です。おいしかったです。
コーヒーもおいしかったです。

小雨の降る、平日の午後、ガラガラです。

わたしたちの他には、上の写真に写っちゃった男性、たった一人。

日持ちのしないケーキをこんなにたくさん並べて、営業していけるのか、ちょっと心配です。

おそらくは、市の観光局の管理下にあると思われるこの建物を、良心的な経営で、定休日とクリスマス以外営業し続けるという厳しい条件に納得した、このカフェに格安の家賃で賃貸しているんじゃないかと思うんです。

家族と思われるスタッフはみなフレンドリーで、とても感じがいい人たちでした。


夏休み中は、眺望スポット、ストーン・ジェッティにただ一軒の名物カフェです、大繁盛したんじゃないかと思います。
秋、冬のロスは十分カバーできるぐらいの儲けがあった、と思いたいです。

小雨の降る平日にも、私たちのような観光客がふらっとやってくることが充分かんがえられます。名物カフェがいつも営業しているのは町全体の観光促進のためにとても重要なことだと思います。


せまいひさしの下に並ぶテーブルは、喫煙する客のため。


夏には突堤の先までテーブルを並べて、大入り大盛況だったのかもしれません。


天気のいい2日目、遅い朝ご飯を食べた、思いっきり庶民的なカフェ、Rita's Cafe


海岸沿いです。

外に並ぶプラスチックの椅子にすわっているのは常連らしい喫煙客。
ビニールの幌のかかった足腰の弱ったお年寄りが乗り回す電動のスクーターがとめてあります。

中。


壁に貼ってあるのは チャリティの基金集めに貢献した経営者リタとスタッフへの感謝状です。ガン関係が多いようです。
サンキューカードもあります。


壁の前の ガラスのタンクに入った赤いものは、溶けかかった かき氷のようなみぞれ状の飲み物、スラッシュ・パピー。

体に悪そうなイギリスのジャンク・ドリンクの決定打。飲むと舌が真っ赤になります。
タンクの中で絶えず攪拌され、盛り上がっては崩れる真紅のドロドロ物体の連続運動をじーっと見ていると心が癒される・・・ような気がします。
まさか、来年の夏まで こうやって 癒やしのディスプレイとして攪拌し続けるのでは!?
夏まで絶対に売れません。

日付が数日遅れの新聞がたくさん置いてありました。すべて、タブロイド紙!



いいなあ、こういうカフェ、昔は マンチェスターの町なかにも たくさんありました。
おしゃれなカフェやティールームに圧倒されてすっかり姿を消しました。

ベーコンとコーヒーの匂いがします。

空気がベタベタしています。
店のスタッフと常連客が大きな声で世間話をしています。

マンチェスター・ユナイテッドの スター選手のサイン入りユニフォームと地元ランカシャーのサッカーチームのユニフォームが額装して飾ってありました。



うっかり 正面から写してしまった この少年は 経営者の家族の一員のようです。気が向いたらテーブルの片づけなど、手伝っていました。

一日中出している、朝食。


手前は、私の少なめポーションのスタンダード・ブレックファースト(ベーコン、卵、ソーセージ、缶詰の煮たトマト)。

奥は夫のベジタリアン・ブレックファースト(乾燥したマッシュルームが主原料のベジタリアン・ソーセージ、卵、ベークト・ビーンズ、ハッシュト・ポテト、缶詰の煮たトマト)。やっぱり 少なめ ポーション・・・

これで 2ポンド80ペンス(570円)は、安すぎです!
食べ放題の白パン トースト(バターを塗って出してくれたのでべちょべちょでした)つき。

普通サイズのポーションをたのむと、卵やソーセージ、ベーコン等が二つづつでてきます。4ポンドだったかな?
もちろん ブラックプディング(豚の血の煮こごりソーセージ)も含めた お値段です。私は ノーサンキューと言いました。
炒めたキノコも欲しければついて来ます。(この値段だと 缶詰めでしょうね)

こういう庶民的な町のカフェ、日本からいらした皆さんにも ぜひ 入ってみてほしいものです。
どこも 明朗会計の細かいメニューを用意していますので、コミュニケーションに苦労することは あまり ないはずです。


最後に・・・・

これも海岸沿いの カフェ、アイスクリーム・パーラー、ブルッチーニ Brucciani


13年前、冷たい風の吹きつける 2月のモーカムに 日帰りでやってきた時に、暖を取るために入ってコーヒーを飲みました。
忘れられずに また 戻ってきました。

外にカウンターがあって(大きなディスプレイ用ソフトクリームの背後)、いろいろな味の オリジナルのアイスクリームを 道行く人に売っているようです。
海を見ながら ベンチでアイスクリーム!夏に ぜひ おすすめします!

内部です。




エスプレッソ・マシーンは最新です。



屋号でもわかるように、創業者はイタリア人、コーヒーは本格的です!

スコーンやバニラ・スライスなど、スナック類は イギリスのティールームの定番がおいてありました。

1939年に Milk Bar という名前でオープンしてから、内装はほとんど変わっていないそうです。





フォーマイカ(合板)張りのテーブルと椅子は1950年代ふうです・・・ポスターも。


  

板のパネルと鏡がアール・デコ!

13年前に、座ったこのテーブルに座ろうと、カウンターで買ったバニラ・アイスクリームを置いたのですが・・・


どーうしても、顔に日光が直接あたる席に座りたいと主張する夫の意見をいれて、反対側の壁際の席に座りました。

店の奥のこの素晴らしい、ベニス風景を刻んだすりガラスからはいる光を正面に受けて夫は大満足のようです。




ついでですが、顔に日光を浴びていたいイギリス人の奇行、私はすっかり慣れました。
半日、天気の良い屋外を歩いてきたのに、屋内に入っても肌に陽の光を感じたいという、西洋人(=白人)の本能にはあらがえません。
もちろんうちの夫に限ったことではありません。

顔面に日光を受けて恍惚状態になっている 白人には 話しかけないのも エチケットの ひとつらしいのも長年の間に習い覚えました・・・。


レトロ趣味をねらってるわけじゃ ないようなんです。

プラスチックの 品のない造花、布でできた観葉植物や蔦の鉢など どう考えても おしゃれな「レトロ・シック」ではありえないダサさ・・・

飾らないところが素晴らしい、天然の生き残り 時代物内装のようです。

店内で 食べられる アイスクリームはヴァニラのみ!2ポンド20ペンス(330円)


レトロ感たっぷり。

アール・デコ調の鏡に彫ってある すりガラス絵のモチーフは すべてイタリアの風景です。

ここで ゆったり コーヒータイムを過ごしたので、モーカム再訪の目的のひとつでもあった「ミッドランド・ホテルで コーヒーを一杯」計画は立ち消えになりました。

残念です。

でも、十分満足です!ブルッチーニでの アイスクリームと コーヒーで、モーカム再訪の目的は果たせました!

  

↓↓おなじみ、昨日までのモーカム連載記事リンクです↓↓

ランカシャーの小さな海辺の町、昔の賑わいは今いずこ、静かで美しい観光地、モーカム


モーカム湾に突き出した、岩ゴロゴロの突堤、かわいいカフェと釣りの名所

静かな海辺の町モーカム、アールデコの傑作建築で町おこし・・・修復なったミッドランド・ホテル


モーカム観光のハイライト、おすすめスポットと恐怖の危険地域、実体験!


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モーカム観光のハイライト、おすすめスポットと恐怖の危険地域、実体験!

2017年11月04日 22時23分24秒 | イングランド北部
モーカム、続きです。



モーカムに行ったら見るべき観光スポット、
1;ストーン・ジェッティ Stone Jetty
  海に突き出した石の突堤、釣りの名所で 素晴らしい眺望スポット。

2;ミッドランド・ホテル Midland Hotel。  
  数年前に修復が完成した、イギリスのアールデコ建築の代表傑作例のひとつ。

上の二件については、前回までの記事を読んで下さい。
記事のリンクを貼りました。↓↓↓

ランカシャーの小さな海辺の町、昔の賑わいは今いずこ、静かで美しい観光地、モーカム


モーカム湾に突き出した、岩ゴロゴロの突堤、かわいいカフェと釣りの名所

静かな海辺の町モーカム、アールデコの傑作建築で町おこし・・・修復なったミッドランド・ホテル


続きです・・・

3;1897年に建てられた、赤レンガの劇場建築、ウィンター・ガーデンズ The Winter Gardens




現在、正面入り口横のスペースが介護用品の店として貸し出されているほかは、空き家、修復待ちの寂しげな物件です。
建物自体はリッパで、第二級保存指定建築。宝くじ文化復興基金に修復予算の負担を期待しているのですが、申請は却下され続けているとか・・・

4;モーカム出身のコメディアン、エリック・モーカムの銅像 Eric Morecombe Statue


1960年代、70年代に大人気だったという テレビのお笑い番組に主演していた 漫才コンビの片割れです。
エリック・モーカムの活躍を知らない私たち日本人には ありがたみがわからないのですが、一定以上の年齢のイギリス人にはジンとくるスポットのようです。

カモメの彫刻までくわえられ、観光スポットムード満点。


モーカムで 一番注目の観光スポットみたいですよ。
この前を通るたびに何人もの観光客が同じポーズで写真を撮っていました。

エリック・モーカムを知らない世代の若者や子供でさえも、ついつい、マネしてみたくなる お決まりのポーズ、記念写真にぴったりです。

5;海岸沿いの時計塔 The Clock Tower。


1908年建造、今も正確に時を刻む第二級保存指定建築物件。

左に、Clock Tower Fish & Chipsという、分かりやすい名前のフィッシュ&チップスの持ち帰り店があって、外で食べられるよう、テーブルが並んでいます。

影になって見えませんが、土台の部分が4辺とも直角にえぐれていて2人が直角に並んで座れるよう、「カギ」型の木のベンチがはめ込まれています。
えぐれ部分にはめ込むように かわいいヒサシまでついていました。

・・・・・以上。

え、これだけ?

まあ、そうなんですが・・・・

静かで落ち着いた町です。
行けばすることがいくつもあります。


海辺の町には欠かせない、フィッシュ&チップスの店がたくさんあります。


↑ホテル、商店が並ぶ海岸通りから奥に入るみちにあったチッピー(フィッシュ&チップス店)。

時計塔わきのチッピーも写っています。
道を挟んでチッピーが2軒、競争はないのでしょうか。


パブもとてもたくさんあります。


海岸通りから奥にはいった、小さな広場沿いの、築200年のパブ。


キッチュなゲーム・アーケード(海辺の町にはこれまたおなじみの、どちらかというとレトロなゲームセンター)もいくつかあります。

アイスクリーム・パーラーもイギリスの海辺にかかせません。


13年前にぐうぜん見つけて入った、このパーラー、 Brucchiani、戻ってみたかったんです!

再訪記事を新たに書きます。



モーカムは、景色を見ながら のんびり 海岸沿いを行ったり来たりする町です。
湾の対岸に見えるのは湖水地方の山並みです。

パブによってもよし、チッピーによってもよし・・・上のアイスクリーム・パーラー、おすすめです!

もちろん、ミッドランド・ホテルでアフタヌーンティーを飲むのもいいかもしれません。
私たちは機会を逸しましたが。

たくさんのアート志向の彫刻オブジェと記念写真を撮るのも正当観光アクティビティのひとつですね。


そしてもちろん、海を楽しむ!

たくさんあるベンチにすわって、海を眺める。

浜辺を歩く!砂浜におりて、貝殻や、角の取れた石やガラス片を拾う。

「ぬれた砂」地帯の手前の砂浜は、サクサク普通に歩けます。







夏には砂遊びの子供たち、日光浴に寝そべる人もたくさんいたはずです。

朝 犬の散歩をしている人もたくさん見かけました。




自然の驚異に打たれてください!





美しい、遠浅の浜辺。
どこも 波打ち際が全く見えないほど 遠くにありました。

上の一連の砂浜の写真を見ても、波打ち際が全く見えないでしょう?
海のように見えるのは、はるか向こうまで続く、ところどころに浅く海水のはった「ぬれた砂」地です。


上の写真に写っている、ぬれた砂浜に見渡す限り遠くまで並ぶ、ツブツブ状の突起はなんでしょう?





砂の中に住むミミズが砂を 押し上げた、ウォーム・ヒルという現象だそうです。
ミミズは見かけませんでしたが、表面に押し出されたぬれた砂はミミズの形です!


海岸に降りる楽しみの一つは波打ち際まで、歩いてみること!ですよね。ここの海は遠すぎます!それだけではなく・・・

遠浅のぬれた砂、くねった河のように海水が浅く流れる砂浜、とても興味深く美しくて、歩いてみたくなるものですが・・・・


(↑ホテルの窓から、着いた日の夕方撮った写真です。)

危ないんです!
どこにも警告看板など見当たらなかったのですが、2日目、良く晴れた日に水が残っていない場所を歩いて 砂地に残る、潮が引いた後の変わった形の水たまり↓を見にいこうとして・・・








とりあえず、上の写真を撮れるぐらいまでは、そばまで行ったのですが、足が抜けない ことに突然 気が付きました!

これが、恐怖のクイック・サンド!


こねたばかりのコンクリートのような、なめらかで、スルっとすいこむような感触の濡れた砂、2歩か3歩目が いきなり足首の上まで はまりました。まだ それほど深くはまっていない もう一本の足を起点にズボっと抜いて・・・もちろん引き返しました。

13年前の、ザルガイ採取の出稼ぎ中国人23人以上が死亡した大惨劇に関しては、連載の最初の日の記事を読んで下さい。
しつこく また リンクを貼りますね↓

ランカシャーの小さな海辺の町、昔の賑わいは今いずこ、静かで美しい観光地、モーカム


こわかった~。

で、濡れた砂地のこの、草の島はなにか?




非常に不思議な 現象です。
海草じゃなさそうですが 遠くからでは 見えません。

海水に漬かって大丈夫なのでしょうか!?

ゴム長を履いて 準備万端のお父さんと子供2人が…潮干狩りでしょうか。危なくないのかな・・・?


謎の草の島を目指してぬれた砂地を歩いていきます。

私たちが見ている間に、先に行く女の子の足が抜けなくなったらしく、お父さんが引っ張り上げて救出していました。

草の島探訪はあきらめたようです。
地元の家族でしょうか。
海難救助隊が出動するほどのクイックサンド遭難事件は年に数回あるそうなんです。



満潮は見られませんでした。もしかしたら夜のうちに道の下ぎりぎりまで潮が迫っていたのかもしれませんが、朝起きて、ホテルの窓の外を見たときにはすでに 見渡す限り ウォーム・ヒルだらけの遠浅の濡れた砂浜が陽に輝いていました。

コンクリート舗装の散歩道に残る砂。


海がここまで砂を運んできたようですね・・・。
ベンチの周りに少し残して、ほかは潮が引くと同時に海に戻ったみたいです。

不思議だなぁ。




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静かな海辺の町モーカム、アールデコの傑作建築で町おこし・・・修復なったミッドランド・ホテル

2017年11月03日 09時00分00秒 | イングランド北部
ランカシャーの静かな海岸沿いの町、モーカム Morecomb、続きです。



海岸沿いに建つ、白亜のアール・デコ建築は、ミッドランド・ホテル Midland Hotel 。


正面↑

一番上の写真の遠方右端にちょっと見えています。

イギリスに現存する アールデコ建築の 最高傑作例のひとつ。
戦前に イギリス北部の華やかな社交の拠点の一つとして もてはやされた、モーカムの過去の栄光の象徴です。






19世紀の終わりには、潮風に吹かれ、海水につかる療法が注目され、海浜での休暇がイギリス中で大流行し始めます。

労働者階級も休暇旅行を楽しみだしたのが このころです。

ランカシャー中にたくさんあった 綿工場の労働者が宿泊したのはB&B(ベッド&ブレックファースト=簡易ホテル)。工場の経営者はこのミッドランド・ホテルに宿泊しました。

「ミッドランド」は、鉄道会社の名前です。(1948年にすべて国有化されるまで、イギリスの鉄道はすべて私有でした。)

オープン時は、レンガ造りの重厚な建物だったそうです。鉄道会社直営ホテルの典型的なスタイルです。

1930年に経営者が変わり、古い建物を取り壊して、名前はそのままに 新築オープンしたのが1933年。

当時 もっともファッショナブルだった、アールデコ様式の最新デザイン!


社交界で大評判に!


サー・ローレンス・オリビエ他、ハリウッドスターも、ココ・シャネルも、各国の王室メンバーも泊まりに来たそうです。



戦争中は空軍に接収され、病院として使われていたそうです。

戦後再オープンした時には、アールデコが流行遅れに・・・
それでも1950年代、60年代は海辺で休暇を過ごす家族連れでモーカムは、大賑わい。
中流階級以上の富裕層には戦前からの格式のあるミッドランドは依然として人気だったそうですが・・・

旅客機での旅行が手ごろになった 1070年代以降、スペイン、ポルトガル、イタリア、南フランス、ギリシャやトルコなど海外で夏の休暇を過ごすに人が 急増し始めます。

同時に、気温が30度を超えると ニュースになる、夏もあまり暑くない、雨が 降ったりやんだりで 物価も高い イギリスの海岸の観光地がこぞって不振になりました。



1990年に、日本でも人気のイギリスの人気連続TVドラマ、「名探偵ポアロ 原題Poirot」のロケに使われました。

      



・・・ユーチューブでビデオを見てみました。撮影に使われたのは、外観だけみたいですね・・・




うちの夫が、ミッドランドで開催されたチェスの選手権に出場して、宿泊したのも1990年代の初め頃です。
立派な建物だったけど、内装はぼろっちくて、アールデコだったかどうかも憶えていないということです。


1998年には経営不振で、とうとう閉鎖になりました。管理、維持費もバカにならない額だったといいます。

かつての賑わいは失われたとはいえ、イギリスの夏を海岸地で満喫しにモーカムにくる人は やはり います。
海岸沿いにならぶ、お手頃で小ぢんまりしたホテルやB&Bのほうが手入れの行き届かないかつての豪華ホテルよりよっぽど快適に宿泊できたんじゃないかと思います。

13年前に私が行った時は、半壊状態、景観ぶち壊し。取り壊しも検討されていたといいます。
第一級保存指定建築の惨めさ・・・


2006年、地元の観光のハイライト、ランドマークとして修復、改装が決定。
2年かけて、ガラス張りのティールーム、屋上のサンルームなど、モダンな要素が付け加えられ修復が完成。




今回、念願の再訪、もちろん、中に入ってみました!

直前予約格安サイトで探せば、思ったよりお手頃な180ポンドぐらいから宿泊できることがわかりました。シーズンオフですし。
うーん、それでもやっぱり高い。

海の見えるロビー奥のティールームでコーヒーでも飲もうか…とも思ったのですが、どこにも値段が書かれてなかったのが不安にさせて・・・やめました。

翌日に戻ってくるつもりだったのですが、予定変更・・・結局、入り口付近の写真だけ取って、出てきちゃいました。






ティールームはにぎわっていました!
お茶を飲んでいる人がたくさんいたので写真を撮るのは遠慮しました。

ミッドランド・ホテルを観光のかなめに、というプランは功を奏しているようです!






ミッドランド・ホテルは、English Lakes Hotels という、湖水地方の観光を推奨する家族経営のホテル、レジャー施設会社によって管理されています。

ミッドランド・ホテルの再オープン以来、モーカムは世界的に評判の高い観光地、湖水地方の一部として売り出す計画のようですよ!

モーカム湾の向こうに湖水地方の山並みがみえます。


↑右端が、ミッドランド・ホテル。海に突き出たストーン・ジェッティの先端近くに見えるのが、ストーン・ジェッティ・カフェ。
ストーン・ジェッティについて書いた前回の記事のリンクを貼りました。↓↓
モーカム湾に突き出した、岩ゴロゴロの突堤、かわいいカフェと釣りの名所

外の浜辺のこの辺りは、砂利の多い砂浜でした。
なぜか、波に運ばれて研磨された、曇りガラス状のガラス片がたくさん見つかりました。



1930年代の建物がいくつか残る、海岸沿いの道。


次回はモーカムで見るべきスポットをちょっと取り上げてみますね。


↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。







コメント (2)
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