木曜日、タイル専門店を3軒回りました。
以前にもお伝えした、うちのトイレの故障のマヌケな顛末です。
長い話を短く摘めば、トイレだけでなく古くなったバスルームすべての備品を買い替えて、改装しなおすことにしたのです。
トイレ、バスタブ、シャワー、洗面台をセットで購入すると工費込みでかなりお得です。
床と壁のタイルは自分で選んで購入、取り付け工事の業者がタイル貼りも別料金でうけおってくれるのです。
まず、こぎれいな大型専門店に行ってみました。
見本のタイルをおさわりし放題のタイル・ワンダーランドです。
入り口付近他、各所に手を消毒する「サニタイザー」のジェルが設置されていました。
今日の話題は、またまた
フェース・マスク。
マスクをする習慣がいつまでたっても全くと言っていいほど根付かないイギリスでも、先月から自宅以外の屋内では顔を覆うフェースカバリング(マスクやスカーフなどで口と鼻を覆うこと)が法律で義務付けられています。
このタイル専門店でも入り口に、「フェースカバリングの義務が当店でも適応されています」という表示がありました。
と言っても.....6人いた店員のうちだれ1人としてマスクをしていません。
一日中しているのは煩わしいからに違いありません。
客は私と夫のみ。
天井が高く抜けていて解放感があって、「密」になる危険性は限りなく低い環境です。
夫は「息ができない」とアメリカ合衆国で警官に首を膝で押さえつけられて窒息死したジョージ・フロイドのようなことを言ってマスクを外してしまいました。
誰一人マスクをしていない、ヒマそうだった店員に愛想よく声をかけられ、マスクしないどうしで(かなり近距離で)会話がはずんでしまいました。
もう一軒、大きなタイル専門店に行きました。
やはり他に客はいませんでした。
こちらは店内が雑然としていて、と言ってもだらしない感じはなく、品ぞろえも豊富で見ごたえがありました。
けっきょくここでタイルを購入することに決めました。
購入候補のタイルの写真を、値段やサイズなどの情報を含めてすべて撮りました。
....入り口にだけあったサニタイザーで手を消毒してから入ったのですが、ロックダウン開始以来、買わない商品をこれだけベタベタさわりまくったのはおそらくこの時かぎりでしょう。
私たちが手に取る前に別の客がベタベタさわった可能性も大ありです。
支払いカウンターに2人だけいた男女の店員もまたマスクなしです!
もちろん入り口の外には、おなじみのマスク着用義務の法的規定に関する表示がありました。
支払いカウンターから2人とも出てきて、私たちに愛想よく話しかけてきました。
私たちがさわってもとに戻したタイルを消毒するわけでもありません。
スペイン風の青と白のタイルを鍋敷き用に1枚買いました。
見本として1枚だけたったの30ペンスで売ってくれました。
支払いカウンターはタイル用セメントの缶を積んだバリケードで防御され、近寄ることができません。
通常なら商品についたバーコードをスキャンするはずですが、商品や客に近づくことなくコンピューターに何かを打ち込んで処理しています。
支払いはカードの、しかもコンタクトレス(セメント缶のバリケードの上にのっているチップマシーンにカードをかざすだけ)のみ、現金払いは受けつけていません。
ここまでハイテク技術を駆使して感染阻止(さわらない、近寄らない)に努めているのに店員が法律を破ってマスクを着用していないこの矛盾!
せっかく設置したバリケードから出てきて客のそばで会話するし....!
なんだか、店員だけを感染から守る工夫のような気がしてきました.....
暑かったので私も最後の10分間、マスクを外してしまいました。
もちろんマスクをしていない店員に注意されることもありません。
この大型タイル専門店の向かいの、個人経営の小さなタイル屋にもよりました。
上階に経営者が住んでいる昔ながらの町の商店です。
ここはコロナ対策に力が入っているようです。
「マスクをしないで入店された方はスタッフからマスクを1ポンドで買い取っていただきます。マスクの売り上げはチャリティに寄付されます」と書かれた貼り紙がドアに貼ってあります。
この店は上の大型店舗2店のように自由に見てまわれる店ではなく、マスクをした中年男性の店主に希望や条件を言って店内に飾ってある見本を出してきてもらう、面談するビジネスのタイル屋のようでした。
むやみに見本のタイルにさわるのもはばかられる雰囲気でした。
罰則(100ポンド以下の罰金)を伴う法律で規定されたマスク着用なはずなのですが、完全に店の方針任せなようです。
いえ、上の大型店でも店員はマスクを着用する、客にマスク着用を要求する決まりがあるはずなのですが「お客さんが少ないから気にしない」「上の人が見まわっていないからいい」と規律が緩んでいるだけなのかもしれません。
目当てのものを買ってすぐに出ていく近所のコンビニなど規模の小さい店ではすべての客が店内でマスクを終始着用しています。
でも、マスク着用法が適用された初日に行ってみたストックポートの大型ファッション量販店では、しばらくいるうちに煩わしくなってマスクを外す人がかなりたくさんいました。
人と対応する時や、知っている人に会った時、ぐずる子供をしかりつける時などもわざわざ外す人がけっこういるようなのです。
その日入った、冷房のない個人経営のペットショップでは経営者の家族らしい4人のスタッフの誰一人としてマスクをしていませんでした。
イギリスでは珍しい気温30度越えの真夏日の昨日、通りを歩くとてもたくさんの人もみなマスクなしでした。
暑いからというのだけが理由ではありません。
気温が20度前後の涼しい日でもやはり店の外に出たらすべての人が直ちにはずしていましたから。
マスクは常に携帯し、店や公共施設など屋内にはいる時、あるいは求められたときに着用するのが市民の義務という意識が定着してきています。
やはりマスクは屋内でのみ使用するものという意識は依然として変わりません。
マスク義務化初日のレポートです☟
イギリスでは異例の暑さ、こんな日に法制化されたマスクをして外を歩く人がいるのか?!.....いない