憂国の花束

右でも左でも無く、上でも下でも無く。

祖国日本よ! 誇り高くあれ。

御身位の事(2) よくある疑問と勘違いそして誤誘導

2022-05-08 01:51:02 | 皇位継承
5月4日 身位について書いたところ、コメント欄で質問をいただきました。

Q:解説の中の男性、女性ごとの順位はその通りだろうというのはよく分かるのですが、悠仁親王と愛子内親王が同順位というのがやはり分かりません。内親王女王が父親の皇位継承順位に準拠するなら、やはり悠仁様より愛子様のほうが上になってしまう気がするのですが。

A:愛子さまの父親は天皇です。天皇は八条に定める皇位継承順位に関係ない。
『身位令』は皇族の身位を規定していますが、天皇は天皇であって皇族ではない。
『身位令』の第一条から第七条までは皇后、太皇太后、皇太后、皇太子、皇太子妃、皇太孫、皇太孫妃、の順序を定めるものです。
その他の皇族は第八条によって順番を決められる。
つまり天皇と第一条~第七条までの皇族は別格、第八条以下はその他の皇族ですね。
第八条では天皇の娘が効いてくる。天皇の娘だから内親王のtop。
でも、親王>内親王によって、親王TOPの悠仁殿下の下です。

Q:平成の皇室で確認すると、やはり第八条が適用される秋篠宮ご夫妻と清子さんの順序が??です。あの場合は秋篠宮殿下と清子さんは同順位だけど親王>内親王だから秋篠宮殿下の方が上だったのでしょうか?

A:平成の皇室、例えば平成3年(1991年)1月1日

この写真には写っていらっしゃいませんが、三笠宮寛仁親王、桂宮宜仁 親王、高円宮憲仁親王、三笠宮彬子女王、瑤子女王、高円宮承子女王、典子女王、絢子女王がいらっしゃいます。桂宮は病気療養中で欠席。女王方は未成年なので公式の儀式には参加しません。皇太子は結婚前。秋篠宮殿下は前年結婚したばかり。

               男 女
              天皇 (1)皇后
             1皇太子 
     ーーーーーーーーーーーーーーーーー
         2秋篠宮文仁親王 (2)秋篠宮文仁親王妃紀子
                  (3)紀宮清子内親王
         3常陸宮正仁親王 (4)常陸宮正仁親王妃華子
        (高松宮宣仁親王) (5)高松宮宣仁親王妃喜久子
         4三笠宮崇仁親王 (6)三笠宮崇仁親王妃百合子
         5三笠宮寛仁親王 (7)三笠宮寛仁親王妃信子
                  (8)彬子女王
                  (9)瑤子女王
         6桂宮宜仁親王
         7高円宮憲仁親王 (10)高円宮憲仁親王妃久子
                  (11)承子女王
                  (12)典子女王 
                  (13)絢子女王       
1~7 皇位継承順位
(1)~(13)女性皇族の順位

こうなります。
第八条 親王親王妃内親王王王妃女王 
この写真の時点では
秋篠宮文仁親王>親王妃紀子さま>内親王清子さま
です。
秋篠宮殿下が御結婚前なら
秋篠宮殿下>清子さま
です。

では、親王妃>内親王なら、常陸宮妃華子さまのほうが清子さまより上になるかといえば、そういうことにはなりません。

第三条 親王妃王妃ノ班位ハ夫ニ次ク内親王女王ニシテ親王妃王妃タル者亦同シ 

親王妃はその夫とセットで身位が決まる。

******************************
よくある勘違い或いは恣意的なミスリード
皇位継承に愛子さまを絡めて論ずる人々は決まって、

皇室典範第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。

これを無視して論を進める。

曰く
秋篠宮殿下と悠仁様は上皇陛下の直系なので上皇陛下の傍系の常陸宮殿下より上位 直系の愛子様は秋篠宮家より上位

😱 皇位継承資格の無い愛子さまと皇位継承資格のある方々をいきなり並べて論ずる乱暴さ。

曰く
皇位継承の順位も皇族の順位も、
1 天皇陛下の直系
2 上皇陛下の直系(天皇陛下の直系以外)
3 昭和天皇の直系(天皇陛下と上皇陛下の直系以外)
4 大正天皇の直系(天皇陛下と上皇陛下、昭和天皇の直系以外)
という順序が基になっている。 

そもそも
>皇位継承の順位も皇族の順位も

という言い方がおかしい。
皇后、太皇太后、皇太后は皇族であるが、その順位は皇位継承の順位では決められていないし、現皇室の場合、皇后は此処に挙げられている天皇全ての天皇の直系ではない。

また、皇室典範第二条に現皇室を当てはめて、天皇陛下の直系、上皇陛下の直系と並べているが、

皇室典範第二条 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。 
一 皇長子
二 皇長孫
三 その他の皇長子の子孫
四 皇次子及びその子孫
五 その他の皇子孫
六 皇兄弟及びその子孫
七 皇伯叔父及びその子孫
② 前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
③ 前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。

今上が平成の天皇の皇長子で皇位継承順位第1位だったとき、秋篠宮殿下は皇次子として皇位継承順位第2位だった。悠仁殿下は皇次子の子で第3位。皇兄弟常陸宮は第4位。

さて令和になって、秋篠宮殿下は皇兄弟にして皇嗣殿下となり皇位継承順位第1位、皇嗣の長男悠仁殿下は第2位、皇叔父常陸宮殿下は第3位。

さすれば「その時即位している天皇」との血族関係だけを見れば、秋篠宮殿下は四の皇次子から六の皇兄弟と遠くなったが、継承順位は上がった。
常陸宮殿下も「その時即位している天皇」との血族関係性は遠くなったが、継承順位は上がった。

男系男子による継承を単に「血筋」と即物的に捉えているから、直系という言葉しか浮かんで来ないのでしょうね。

曰く
秋篠宮殿下の継承1位は、天皇陛下の直系に皇位継承の対象者が居ない事による。
皇嗣になったからといって、天皇陛下の直系と上皇陛下の直系の順序が逆になる事はない。

😇 なるよ。皇嗣殿下が即位すれば、ね。「皇嗣殿下は平成天皇の直系」と書き手も書いているではないですか。
2 上皇陛下の直系(天皇陛下の直系以外)
とは、そういうことでしょう。

皇嗣殿下が即位して〇〇の天皇になれば、愛子さまは令和の天皇の直系ではあるが、平成の天皇直系〇〇の天皇系の傍系になる。
「愛子さまは令和の天皇の直系娘」と握りしめていた直系がするりと隣へ移動してしまう。

悠仁様が常陸宮殿下の上位となるのは、上記の順序が存在し、厳格に守られているからだ。
上記の順序を動かし、直系優先を廃すなら、悠仁様を継承2位とする根拠が無くなる。

😇 ですから、直系傍系は相対的な関係なので変化するのです。変化するものを根拠にはできませんね。
言うなら「長子優先」これは皇室典範に書いてあります。ただし、第一条、男系男子による継承を前提とした長子優先です。

令和の天皇は男子の長子を得ることができなかった。これは厳粛なる事実です。

皇室典範に「男系男子による継承」「長子優先」と書いてあるのに、「男系男子による継承」を外し、「長子優先」を「直系優先」という少しずらした言葉を変えて論ずるのは、愛子さまに継承資格があると錯覚させるためでしょうね。

悠仁様は天皇の孫ではあるが、宮家男子として生まれ育ち、称号が無い。
常陸宮殿下は天皇の次男として誕生し、皇居で育ち、義宮の称号を保持している。
生まれも育ちも悠仁様よりはるかに上。

😇 常陸宮殿下より悠仁殿下が格下と言い出しましたね。
確かに天皇の次男として生まれたので、たとえば、三笠宮寛仁親王よりは周囲の扱い方は丁重でしたでしょう。
しかし、常陸宮は親王ですから、秋篠宮殿下、悠仁殿下と同じ第八条で規定を受ける皇族です。
愛子さまも天皇の娘として生まれたので、ヒトより良いものを食べ良いものを着せられて育った。でも内親王。佳子さまと同じです。
称号は幼名。男児女児とも結婚するまでのもので、子供時代の愛称みたいなもの。独り立ちすれば捨てる名前です。常陸宮の称号が義宮だったことを知っているひとがどれだけいるでしょう。
愛子さまも敬宮という称号がありますが、敬宮さまと呼ぶ人は誰?ずっと「愛子が~」で通されたので知らないひとのほうが多いではありませんか?
愛子さまの場合、折角の称号が無駄になっていますね。

常陸宮殿下は長年公務を行い今も継続中。
悠仁様は未成年で公務が出来ない。

😁 ぷっ!。公務するしないで身位が決まるのなら、雅子さまは皇后では居られません。
悠仁殿下も成年皇族になれば公務をされるでしょう。

愛子さまを皇室に残すために、いろんな人がいろんなことを考えているが、そういう人々は必ずと言って良いほど、あの手この手で悠仁殿下を愛子さまの下に位置づけてから論を進める。
なんなのでしょうね。悠仁殿下を下に置かなければ、愛子さまの幸せは来ないとでも思っているのでしょうか。