寒来光一の日替わり笑話

お笑い作家・寒来光一(さむらいこういち)が、毎日(たぶん?)、笑いのネタをお送りします。

レンタルビデオ(笑ートエッセイ)

2010-08-28 00:22:23 | 笑ートエッセイ
 レンタルビデオ店で、2年ほど前に上映されたアクション映画
を借りてきた。
 そして、何とはなしに、新聞のテレビ欄に目を通してみた。す
ると、ああ何ということだろう。その映画が、まさに今夜、放映
されるというではないか。

 これは、とても偶然とは思えない。何者かが、私の後をつけ、
レンタルしたビデオをチェックして、それと同じものを放映して
やろうと企んだに違いない。
 私に恨みを抱くものの仕業だろうか?

 しかし、これでは、私がそのビデオを借りるよりも前に、テレ
ビ欄に掲載されていた説明がつかなくなる。となると、私にその
ビデオを借りるよう、仕向けた者が潜んでいるかもしれない。
 いや、そんなことは専門家の分析に任せておこう。問題は、借
りてきたビデオを観るのか、テレビの番組を観るかだ。

 対費用効果を考えると、やはりここは、ビデオの方を観ざるを
得ないだろう。かくして、小さな字幕を観ながら、名画をたっぷ
りと楽しんだのである(内容が結構おもしろかったのが、唯一の
救いだった)。

      *3年ほど前の出来事です。


  ようやく宮崎県の口蹄疫終息宣言が出されました。
  本当に長かったですね。
  とにかくホッとしました。 
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ユニット家具(笑ートエッセイ)

2010-08-24 00:56:56 | 笑ートエッセイ
 家具が必要な場合、家具店に向かう。目当ての品を見つけ、お金を
払う。
 しかし、ここで安心してはいけない。それは、ユニット家具という
やつなのだ。持って帰って寝かせておいても、そのままでは単なる板
切れにすぎない。ほうっておいても邪魔になるだけで、何の役にも立
たず、買ったことを後悔してしまうに違いない。
 そんなことにならないためにも、勇気を出して、組み立てと格闘を
始めなければならないのである。

 ここまで書くと、さすがに鈍感な読者でも、私が器用な人間でない
ことは分かってもらえるだろう。
 そう。自慢ではないが、全くもって不器用そのものなのだ。スリッ
パ立ては板が表裏反対。本棚は背の薄い板がきちんとはまっておらず、
カラーボックスはきしむ音がするものもある。パソコン机に至っては、
パソコンを置ける状態にするまでに、1時間以上もかかってしまった。
 いったい私が、家具に何をしたというのだろう。こんな苦役を受け
るぐらいなら、家具なんかない方がましだ。というわけにもいかず、
いつも四苦八苦しているありさまである。

 世の中には、私と同じ悲惨な境遇に陥っている人も、案外多いので
はないだろうか。
 とは言え、家具店に抗議しても徒労に終わる可能性が高い。「それ
を承知で、購入されたんでしょう」と軽く一蹴されるに違いない(私
が家具店の店員でも、そう言うだろう)。

 そんな家具業界に期待しても、全く無駄である。ここはひとつ、ロ
ボット業界に、ユニット家具組み立てロボットを開発してほしいもの
だ。
 もしそんなロボットが誕生すれば、もうこちらのものである。どん
な複雑なユニット家具でも、このロボットさえいれば、ちょちょいの
ちょいなのだ。

 ただし、問題が二つある。このロボットを買うぐらいなら、ユニッ
トでない高級家具を買った方がかえって安くつくかもしれないこと。
 そしてもう一つは、そのロボットそのものが組み立てになっている
ことである。
 もしそうならば、いさぎよくその道はあきらめることにしたい。や
はり、どう考えても、家具よりはロボットの組み立ての方が大変そう
だからである。


  北島選手、相変わらず抜群の強さですね。
  次のオリンピックもいけそうです。 
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ボウリング(笑ートエッセイ)

2010-08-20 09:14:16 | 笑ートエッセイ
 ボウリングで222のハイスコアを出したことがある。
 122の間違いではない。ノーミスで正真正銘の222を達成し
たのだ。300というパーフェクトも難しいが、222のぞろ目を
出すのはそれ以上に難しいような気がする。
 とにかく222である。私にとっては、燦然と輝く栄光の222
なのだ。

 とは言っても、これはもう30年も前の記録である。
 今の私なら、どうだろう? 最近はほとんど投げていないので、
良くて150、下手をすると100を切ることも考えられる。
 それなのに、またいつか、きっとハイスコアを出せるのではない
か。いや、ひょっとして、そのスコアを上回れるかも? そんな気
持ちを捨てきれないのだ。

「過去の一瞬の栄光にいつまでもしがみついていてはダメだ」「今
の自分自身を素直に見つめなければ」
 友人にはこんな忠告をしながらも、私の夢はどこまでもふくらん
でいくのである。


  それにしても、ボウリングはすっかりすたれてしまいました。
  昔はすごいブームだったんですけどね。  
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ペースメーカー(笑ートエッセイ)

2010-08-16 00:39:43 | 笑ートエッセイ
 最近のマラソンには、よくペースメーカーがつく。あの存在が、
どうにも気になる。

 同じレースに参加しているのに、ペースメーカーがつく一流選手
とそうでない選手。あまりにも不公平のような気がする(建前は、
全体を引っ張るペースメーカーなのかもしれないが、どうみてもト
ップ集団を形成する選手たちのストーカー、じゃなかった専属ペー
スメーカーにしか見えない)。

 ペースメーカーがつくと、それよりも前に飛び出すことは、なか
なか難しい。もしそんな冒険をして、失敗すれば無謀だったとけな
される。
 いや、失敗ならまだいい。問題は、むしろ成功したときの方だ。
ペースメーカーを置き去りにして、ぶっちぎりの優勝を飾ったりす
れば、ペースメーカーの存在意義そのものが疑われる。結果的に、
彼らの仕事を奪うことになるのだ。

 私が選手だったら、こんなことをあれこれ考えてしまうだろう。
そして、飛び出そうか飛び出すまいか悩んでいるうちに、体力を消
耗し、ペースが乱れて、散々な結果に終わってしまうのだ。

 やはり、ペースメーカーなどない方がいい。選手ではなく、単に
テレビの前で観戦しているだけでも、その存在は結構目障りなもの
なのだ。
 どうしても無理なら、テレビ中継の時にはモザイク処理をすると
か、考えてほしいものである。
 しかし、そうなるとかえって影がちらちらしてうっとうしいかも
しれない。
 本当に、頭を悩ます存在なのである。


   今話題の池上彰さん、淡々と話すのでかえって分かりやすい感じ
   です。
   自らもジャーナリストでありながら、堂々とジャーナリズム批判
   をする姿勢に好感が持てます。 
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ブラスバンド(笑ートエッセイ)

2010-08-12 00:31:22 | 笑ートエッセイ
 中学1年生の時の担任が、音楽の先生だった。
 ブラスバンド部の顧問も務めており、ちょっと強面で、生徒から
恐れられている存在だった。

 入学もまもないある日のこと、その先生にこっそり呼ばれ、こう
言われたことがある。
「ブラスバンドをやってみないか?」
「うーん、考えておきます」。
生意気にも、あいまいな返事をし、結局入部しなかった。

 あの時、もし入部していれば? 今ごろになって、こう考えるこ
とがある。
 ひょっとして、オーケストラの一員として、活躍していたかもし
れない。または、日本を代表するソリストとして、世界各地を駆け
巡っていた可能性もある。
 あの時、どうしてもっと強く勧めてくれなかったのだろう。
 若き才能の芽がふくらみ、花開くチャンスを奪われてしまったの
だ。オレの青春時代を返してくれ!

 などと妄想をふくらませながら、過去を振り返ることができるの
も、あの先生のおかげである。
 心より感謝申し上げたい(自慢するわけではないが、今もって演
奏できる楽器は、ただの一つもない。
 冷静に考えると、あの時入部していても、きっと落ちこぼれてい
たことだろう)。


   散歩している時に、小さな子猫がへいに駆け上ろうとしましたが、
   ジャンプ力が足りずに落下。
   親猫の成功例ばかり見ている目には、少なからずショックでした。
   でも、ああやって地道に努力を重ねて、成功するようになるのだ
   なと、謙虚な気持ちにさせられました。 
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不快指数(笑ートエッセイ)

2010-08-07 00:23:28 | 笑ートエッセイ
 梅雨から夏にかけて、天気予報で、「不快指数」という言葉を
聞くことがある。
「温度30度、湿度70%なので不快指数は81」などと言う。

 確かに、蒸し暑いうっとうしい季節であり、不快指数が高くな
るのは肌で実感できる。
 しかし、そんな時に、「不快指数」という言葉が聞こえてくる
と、どうだろう。
「不快、不快、不快……」
 ただでさえ不快なのに、さらに不快度が高まるのは間違いない。

 そこで提案である。
「不快指数」を「快適指数」と言い換えてみてはどうだろうか。
「不快指数80」なら「快適指数20」、「不快指数85」なら
「快適指数15」と表示するのだ。
 同じ情報でも、「不快」と「快適」と耳にしただけで、随分ニ
ュアンスが違う。

「快適」と耳にしただけで、不快度が少し下がったような気がす
るのは、気のせいなのだろうか。


  夕方、晴れ渡った空を見ると、金星がとても大きく美しく輝いて
  います。
  見とれていると、何と西の地平線にかかった雲がピカピカッと光
  ったのです。稲妻です。
  北九州は晴れ渡っていたのに、福岡市では大雨洪水警報が出てい
  たとのこと。
  何とも不思議な自然現象でした。 

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やりました!

2010-08-04 13:38:43 | 大震災に思う
ブログ開設以来の訪問者数が、10万人を突破しました。 
みなさまのおかげです。
ありがとうございます。 
これからもどうぞよろしく、お願いいたします。 
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フォーク並び(笑ートエッセイ)

2010-08-03 00:14:54 | 笑ートエッセイ
 祭りなどで公衆トイレに行くと、ずらりと列ができている。
 今はフォーク並びだが、昔はそれぞれの便器の数だけ列がで
きていたものだ。あれは、すごいプレッシャーになる。ようや
く自分の番が回ってきたとしても、後ろの人の「早よせんかい」
光線を浴び、焦ってかえって時間がかかってしまうのだ。

 その点、フォーク並びは、見事にその弱点を克服している。
あまり後ろを気にすることなく、悠然と用を足すことができる。
 しかし、人間とは勝手なものである。そんな状況になると、
あの昔感じたプレッシャーが、何となく懐かしくさえ思えてく
るのだ。

 合理的な世の中というのは、かえって住みにくさを感じさせ
るものなのかもしれない。


  国会もヤジがほとんど飛ばず、様変わりでしたね。
  ヤジがあるとうるさいと感じ、ヤジがないと少し寂しく感じる。
  ホント、人間って勝手なものです……って、私だけかも? 
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