2022/8/14 清和会落日、宏池会時代へ 改憲より消費税〜参院選、統一教会、内閣改造…岸田・麻生が仕掛けた自民党政局の解説決定版!
政治部デスクを歴任し新聞協会賞を受けたジャーナリストの政治解説
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高市経済安保相、入閣に不満 「辛い気持ちで一杯」とツイート
高市早苗経済安全保障担当相は14日夜、自身のツイッターに「組閣前夜に岸田(文雄)総理から入閣要請のお電話を頂いた時には、優秀な小林鷹之大臣の留任をお願いするとともに、21年前の掲載誌についても報告を致しました。翌日は入閣の変更が無かったことに戸惑い、今も辛(つら)い気持ちで一杯です」と投稿し、自身の入閣に不満を漏らした。
高市氏は10日の内閣改造・党役員人事で自民党政調会長を辞し、経済安保担当相に就任。10日の記者会見で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連の「世界日報」が発行する月刊誌に対談が掲載されていたことを認めた。さらに12日、同日午後に予定していた小林前担当相らからの引き継ぎ式を中止し、内閣府職員へのあいさつ式を欠席した。
まるで”統一教会内閣”…岸田改造内閣が抱える「統一教会爆弾」
地元広島の選挙区を裕子夫人に任せ、首相公邸で岸田文雄首相は長男と暮らしている。コンビニ弁当を肴に冷えた缶ビールを数本、日本酒、ウイスキーをしたたかに痛飲しながら、内閣改造・党役員人事を練りに練った。旧統一教会という掣肘(せいちゅう)を被ることになって人選の苦心は倍増したという。
旧統一教会と関係があった7閣僚はすべて排除し、第二次岸田改造内閣は、国民の声をよく聞く清新、誠実な内閣となるはずであったのだがーー。
組閣したその日から、加藤勝信厚労大臣、高市早苗経済安保担当大臣、寺田稔総務相、西村明宏環境相、岡田直樹地方創生相、留任した林芳正外相、山際大志郎経済再生担当相、すでに関係を報告していた磯崎仁彦官房副長官を含め閣内の8人が旧統一教会との関係が続々と発覚。
「統一教会との関係を断ち切るどころか、増えているじゃないか。呆れてモノが言えない。ことここに至っては、自民党として調査しないとした茂木敏充幹事長にも大きな責任がある。線引きが曖昧で国民の理解を得るのは難しいのではないか」(閣僚経験者)
予想通り、旧統一教会との関係が重視され内閣支持率は軒並み下落したのだ。大臣だけではなく、さらに副大臣や政務官にも広がり、永田町のトレンドワードはたちまち、”岸田統一教会内閣”と揶揄された。
ちゃんと調べなかったのはまずかった、というのはあとの祭りだ。旧統一教会を長年取材してきたジャーナリスト鈴木エイト氏がツイッターに、教団広島教区三原教会の教会長、東広島教区伝道教育部長などを歴任したとされる光永一也氏と岸田首相のツーショット写真を投稿した。
「写真は、パーティなどで我も我もと政治家の周りに集まり記念撮影したというモノではないようです。屋外の広場で、河川敷のようなところ。統一教会の集まりに岸田首相が参加した可能性もある。党内では、自民党の党員・党友の1割ほどが旧統一教会の信徒ではないかとさえ言われています。自民党は、骨の髄まで統一教会に浸食されてしまったのかもしれない」
こう話すのは閣僚を経験した自民党ベテラン代議士だ。続けてこの代議士は、「旧統一教会が自民党総裁選挙に影響を及ぼした」と語る。
安倍長期政権の端緒となる12年9月自民党総裁選は国会議員票と都道府県票総数498票、過半数は250票だった。一回目の議員、党員投票結果は、石破茂:199票(議員34票、党員165票)、安倍晋三:141票(議員54票、党員87票)と過半数を獲得できず、議員のみによる決選投票となった。そして、安倍晋三:108票、石破茂:89票となり、安倍氏が勝利を収めた。
「いま自民党内では『このとき、統一教会関係議員が安倍さんに票を集中させ、逆転したのではないか』と言われています。無記名投票だったわけだから、いまさら真相は分かりません。ただ、そうした話が流れているのは事実で、なにやら得体の知れない不気味な空気に自民党は覆われてしまった」(ベテラン代議士)
自民党総裁選に統一教会が関与したとは、にわかに信じがたいことだが、内閣人事と同日に行われた世界平和家庭連合の田中富広会長の会見は意味深であった。
「政治に、私たちの法人などが積極的に関わり、そして選挙にも積極的に行くように指導はしております。私たちの基本姿勢は共産主義と対峙して進めております。その視点から言うと、自民党議員の方々がより多く接点を持つことがある」
旧統一協会は、反共産主義に抵抗する政治団体と語り、先述の閣僚経験者証言がやけにリアルに聞こえるのは筆者だけだろうか。
2012年総裁選後、自民党は党勢拡大として70万~80万人だった党員拡大運動を展開し、安倍政権の勢いも相まって党員は一気に100万人超えと飛躍するのである。3年後の2015年9月の総裁選は、安倍晋三総裁は無投票再選となって長期政権をひた走ることになったのだ。
自民党と旧統一教会の関係は、もはや言い逃れできない事態に追い込まれているのではないか。18年もの間、認められなかった「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」への名称変更がどのような経緯で承認されたのか国民は注意深く見ている。名称変更問題をめぐっては下村博文氏の関与が取り沙汰されているが、関わっている可能性があるのは下村氏だけではないという。
「08年頃、日本と韓国を海底トンネルで結ぶ『日韓トンネル』という計画がありました。この案は現在、凍結されていますが、当時ある民主党議員が熱心に推進していました。この議員はその後、下村博文文科相を補佐するポスト得た。そのすぐ後の2015年、旧統一教会の名称変更が認められたのです。この人はしきりに『(旧統一教会から)行政裁判を起こされたら文科省は負けるかもしれない』というリスクを強調していました」(文科官僚)
内閣改造でリスタートするはずだった岸田首相の思惑は大きく外れてしまった。国民は、旧統一協会と政治の関係について納得できるような説明を求めている。取材・文:岩城周太郎
「献金の報告会」を録音か“教団幹部の音声”を入手 「ノルマ示した証拠」との指摘も
番組では旧統一教会の教団幹部とされる人物が献金について話す音声を入手。その実態に迫りました。
▽「献金の報告会」“教団幹部の音声”入手
今回、番組ではある音声を入手しました。
音声は2013年、全国の教会長を集めた「献金の報告会」の様子を録音したもの。
(旧統一教会幹部のものとみられる音声)「勝利(献金目標を達成)したところがあまりにも多くて表彰準備するときも大変でした。今まで一番、お金を現場に賞金としてみなさんに配りました。」
教団は献金の目標を達成した教会長らに対し、賞金を出していたともとれるような発言も。さらに。
(旧統一教会幹部のものとみられる音声)「今、皆さんの113の教会が年間目標を勝利いたしました。一旦、年間勝利していますので、この牧会者(教会長)、その婦人部長、皆が『今後、11月12月のK(献金)の目標に対してどうするんだ』と、大変心配していらっしゃいますが、(目標額)100%を超えたところの分は2014年にそのままカウントして評価してやりますので、皆さん11月12月も、本当にしっかり頑張ってほしいなと思います。」
献金の目標を早めに達成しても成果は次の年に繰り越せると言って、教団幹部は教会長らに奮起を促します。
(旧統一教会幹部のものとみられる音声)「最近お母さま(韓鶴子氏)が新しい「天聖経」「平和経」、出版された本に対して韓国の食口(信者)たちにも12月までに全て完読しなさいという指示が出されまして、日本はもちろんTD(特別献金)の摂理がありますけれども日本も全食口に対して“贈呈”しないといけないのではないかと。」
“贈呈”とはそのままの意味ではないと、ジャーナリストの鈴木エイトさんは指摘します。
(ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「“贈呈”というとあたかも何かをもらえるみたいな感じですけれども「天生経」を贈呈するために献金をしなさいという指示ですよね。」
(旧統一教会幹部のものとみられる音声)「それで今、40K(40万円)勝利した方が3万6260家庭が現在あります。3万6260家庭に総会長の大きな計らいのもとにですね、さっそく一旦、とりあえず140K勝利(140万円の献金達成)しなくても一旦とりあえず現場に(本を)全部“贈呈”するようになりました。これからですねTD(特別献金)の摂理のために頑張ってくださいませ。」
(鈴木エイト氏)「140万円献金してなくてもとりあえず、40K勝利した人=40万円献金した人に「天聖経」を授けるといっています。だから(後から)140万円を納めてくださいねって発破をかけてる。明らかな献金ノルマを示した証拠の音声だと思いますね」
これまで「ノルマ」を否定し続けてきた教団。番組が入手した音声をもとに、「目標を設定し献金を集めていたのか」と尋ねると、文書でこう回答しました。
「(勝利とは)信徒様からの感謝の証としての献金が適切に捧げられたかに関する年間目標が法人「全体」として成し遂げられたという意味です。もちろん強制ではありません。完全にノルマではないと説明できますが、なにか?」
▽“教団幹部の音声”入手 献金の実態は
(元二世信者)「(教会に)献金した人の名前がずらりと並んでいて、選挙に当選したときに花とかつけるじゃないですか。そういう感じで」
こう証言するのは、両親が合同結婚式で知り合ったという元二世信者です。
(元二世信者)「壷も家にあります。少なくとも4つはありました。(家に)置いてある教会のグッズを見る限り、3000万円以上は献金しているんじゃないかな」
自宅には一冊数百万するといわれる、本が5冊も。さらに、国民証なるものまで…
(元二世信者)「経済状況は良くなかったですね。小学生の時とか、すごいひどくて、私の母親も自己破産していたみたいで。親の銀行口座を銀行についていったときに見たら、110円とかしかなかったりとか」
少しずつ教団に対し疑問をもち、脱会したそうです。
(元二世信者)「もう本当にむかつくし、報道とか見ていても、もうなんだろう…怒りしかないです。30年くらい前からもう反社会的な団体だって言われていたじゃないですか。霊感商法とか、合同結婚式とか、なんであの時にもうちょっと規制しなかったのか。一度全体的に政治の世界を精査して清算してほしいなって思います」8月14日『サンデーステーション』より
「献金の報告会」を録音か“教団幹部の音声”を入手 「ノルマ示した証拠」との指摘も(2022年8月14日)
8/12「論点のすり替え」「同情を引く姑息な作戦」鈴木エイト氏が見た『旧統一教会』の会見と祝福2世の苦悩「疑問を持っても親に逆らえない」(2022年8月12日)
教団を巡っては、高市経済安全保障担当大臣も会見で2001年に月刊誌に対談記事が掲載されたことを明らかにしています。
【ライブ】総務省 副大臣・政務官就任会見 杉田水脈政務官がコメント(2022年8 月15 日)
15日の総務省の副大臣・政務官の就任会見で、新たに政務官となった杉田水脈議員がコメントを行う予定です。杉田議員をめぐっては、過去にLGBTに関する発言が問題視されたり、旧統一教会から支援を受けることは「何の問題もない」とネット上で投稿していました。
安倍元首相の「国葬」を「お葬式」と混同する人に言いたい“重要な論点”
配信 bizSPA
東京大学中退の経歴で、マルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(45歳・@DARTHREIDER)の連載「時事問題に吠える!」では現代に起きている政治や社会の問題に斬り込む。 ⇒【画像】総理大臣官邸で安倍元総理の逝去について会見をおこなう岸田文雄首相
2022年7月8日、奈良市西大寺駅北口バスターミナル付近で起こった銃撃事件は、参議院選挙期間中の演説中の安倍晋三元総理大臣を狙ったものだった。総理大臣経験者が襲撃によって死亡したのは第二次世界大戦後初めてのことであり、世間に大きな衝撃を与えた。
岸田文雄総理大臣から国葬を実施する方針が発表されたのは、事件から1週間も経たない7月14日のこと。政府の決断に対し、さまざまな賛否の声があがっているが、私たちはこの一件とどのように関わることができるのだろうか。前後編にわたってお送りする(以下、ダースレイダー氏の寄稿)。
民主主義的な国葬の決め方とは
安倍元総理大臣の銃撃事件は、現時点では、背景に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みがあったことが判明しています。ですが、それが明らかになる前は、選挙、つまり「代表民主制における主権者である民の代理人を選ぶ手続き」の最中の妨害行為ではないかという論旨で、“民主主義への挑戦”という言葉がかなり多くの政治家から語られました。 “民主主義への挑戦”という表現は、日本が民主主義を体現してるという前提がなければ、成立しません。もちろん、日本は看板としては民主主義国家を掲げていますし、制度としてはかなり高度なものを設計していると僕は思っています。選挙をするとかなり正確に、1票レベルまで票差が出ますし、その結果、選ばれた人たちが国会に登院して、その中から内閣を選ぶ代理人院内閣制もちゃんとあります。
ですが、日本は果たして民主主義国家と言えるのでしょうか。今回の国葬問題は、そこが非常に明確に見えてくる案件でもあると思います。国葬に対して賛成も反対もある状況で、誰がどのように物事を決定するのかという点で、日本が民主主義国家なのか問われるわけです。
国葬とはそもそも何なのか?
ここがまず議論がいろいろとよじれるポイントなので、整理していく必要があるでしょう。まず、国葬儀とは何なのか? 日本でお葬式といえば火葬を伴うお通夜と告別式のことというのが、僕の認識です。
僕個人の話をすると、父が他界したときには、僕が長男なので喪主を務めました。父の場合は、通夜・告別式を無宗教方式でやったのですが、その後、父が所属していた会社の方や同級生や友人たちが、弔意をもって偲ぶ会やお別れ会を開催してくれました。本当にありがたいことです。
それらの会には僕も呼ばれて出席しましたが、父のお葬式は、僕が喪主を務めたお通夜・告別式であって、その後のお別れ会のことを「お葬式をもう1回開いてもらった」とは認識していません。
国葬は「お葬式」ではない
対して、国葬儀とは何かというと、名前に“葬儀”って入っていますが、お葬式ではないです。僕の定義からいうと、偲ぶ会・お別れ会にあたる儀式です。
あるテレビ番組で学者がコメンテーターとして出演して「これはお葬式なんだから」と話していたのですが、お葬式という言葉を使うことによって、通夜や告別式のイメージを与えると思うんです。これには、僕は非常に気になってツイートもしました。
国葬は発表された段階からSNSではハッシュタグ「#国葬に反対します」が登場しましたが、これはお別れ会に反対しているという意味です。しかし、国葬をお葬式という言葉で表現することによって、通夜・告別式を反対しているように見えてしまう。これでは非常に多くの人の倫理観に引っかかると思います。
お葬式とお別れ会を混同するロジックも
偲ぶ会やお別れ会をするならば、どうやってお金を集めるか、会場をどこにするか、という話になります。そのやり方に関して声が上がるのはあり得ることです。これは、お葬式に反対しているわけではないです。お葬式とお別れ会をごっちゃにするロジックが存在するということ。これを意図して行っている場合は悪質です。
僕は以前、「国葬はお葬式じゃないですよね? お葬式は増上寺でやりましたよ」という旨のツイートをしたんです。そこでは国葬の是非にはまったく触れずに、お葬式とお別れ会という別物の話をしているのだと整理しようとしたのですが、これが非常に拡散された結果、いろんなリプが飛んで来ました。
なかには「お葬式は何度やったっていいんだ」というような内容もあり、僕にはお葬式を何回もやるという考え方はないのですが、革新的な葬式観を持っているの方もいるんだなと思いました。
あえて言えば、現在はお葬式という言葉にすら共通の理解が成立しづらい状況とも言えるでしょう。その上でじゃあ儀式としてならどう行うべきか? まずは「国葬とは何か」を整理する。そして、この時点でもさまざまな意見があるとして「じゃあ民主主義ならどう対応するのか」を確認する必要があります。
要人が亡くなった際の対応。過去の事例は
(吉田茂:画像はネットから借用)国葬
そもそも、要人が亡くなった際にはどのように対応して来たのか? まず前例を確認し、続いて、憲法や法律で決められてるかどうかを確認してみましょう。
前例を確認してみると、国葬という言葉自体は新しく出てきた言葉ではありません。国葬はかつて行われていましたが、国葬を行うための法令は1947年に廃止されています。戦後は1967年に吉田茂元首相が特例的に国葬でセレモニーを行いましたが、当時も世論が分かれ、執行内容がバタバタと決められていたようです。つまり、根拠となる法令が存在せず、意見が二分されたまま行われていたという前例になります。
その他の例としては、例えば、安倍さんの大叔父に当たる佐藤栄作元首相。ノーベル平和賞も受賞していて、在任期間も非常に長かった人です。毀誉褒貶は誰にでもありますが、国に貢献したということが広く認められる方です。この人は「国民葬」という形でお葬式を行いました(国と自民党、国民有志が費用を負担)。 中曽根康弘さんの場合は、政府と自民党の合同葬として執り行われました。ここにも税金が投入されています。中曽根さんは80年代に日本の西側諸国としての地位を確立するため、日米関係の交渉を重ねた元総理大臣です。僕が10代でロンドンにいた頃の日本の総理大臣だったので、海外から見る“日本の顔”的な人でした。 この2例を見る限り、国葬に関する根拠法はありませんが、戦後の前例として国民葬・合同葬はあります。ここからも、国葬でなければならないという根拠は薄いわけです。
「国葬でなければ警護できない」との謎論理も
では、なぜ根拠のない国葬を行うのか? そもそも国葬とはなんなのか? 国民葬・合同葬ではダメな理由は何か?という議題が出てくるでしょう。何度も繰り返し指摘しますが、こうした議題が出てきた時に民主主義ではどうするのか?を確認する必要があります。そして根拠となる法が存在しない場合は?
僕は、適切な手続きを経て決定されるなら、国民葬でも合同葬でも、どの形をとってもいいと思います。そして、どの場合にも税金を投入する割合や、主催者、開催場所や海外の要人への対応も問題になります。国葬なら200人、国民葬なら150人みたいな枠はありません。おそらく、希望者がいた場合、各国政府で調整して来日することになります。
「国葬でなければ警護ができない」という謎の論理も出てきているようなんですけど、これはG20だろうがオリンピックだろうが、海外要人が日本を訪れる機会はこれまでもいくらでもあり、その都度警備体制が敷かれています。国際的に認知度の高い日本のトップが亡くなった場合、当然これまでも偲ぶ会的な儀式では警護が行われています。例えば中曽根さんのときも「今回、国葬じゃないので警護が薄いんで、気を付けて来てください」なんてことはないでしょう。ちょっと考えれば当然のことです。
逆に根拠法すらない国葬でなら警護できる、という理由も見当たりません。要人警護に関しては安倍元総理銃撃事件そのものが日本の警護体制の重大な失敗だと言えます。あの事件を経ても警護に責任をもつ国家公安委員長も警察庁長官も引責辞任すらしていない。要人警護を話題にするなら、日本の行政組織に資格があるのかも議論する必要があると思います。
国葬の是非については“民主主義的手続き”を
岸田さんは弔意を国全体として示す必要があるとも言っています。これは岸田さんの意見として受け止めますが、国全体で何かを行うならば、主権者である国民がその内容を決めるのが民主主義国家です。岸田さんが個人で決められると思っているなら権威主義の独裁国家です。この点もわかりやすいですね。
選挙で選ばれた国民の代表で議論する。今、国会は空いてるはずなので、ぜひ国会を招集して議論して欲しいと思います。もちろん、その際、民主主義に対するもう1つの挑戦、特定の宗教組織による政治への接近という課題にも政治家たちは当事者として向き合うべきでしょう。
<文/ダースレイダー 構成/bizSPA!取材班>
(ダースレイダー:画像はネットから借用)