どうしても年齢についていけないと、72歳の叔母が嘆く
あたりまえよ 何十年なんて人間がつくった時間のめやす
宇宙全体からみたら 人間の寿命なんて ぴかっと光っただけ
これでよかったのかしら あれっきり 叔母は年齢を言わない
孫の成長をうれしそうに 楽しんでいる
叔父は心配する 孫を生きがいにしてはいけない 捨てられるぞ
『ココ。シャネル』の伝記を読んだら 冒頭に引用があ . . . 本文を読む
笑顔にも いろいろ あるように 思う
ねむってばかりいた赤ん坊が初めてみせる笑顔
十歳代の少年のはじけるような陽気な笑顔
二十歳代の若者の夢見るような甘い笑顔
三十歳代の青年の落ち着きのでた大人の笑顔
人生の荒波を超え自信のついた50歳~60歳の紳士の . . . 本文を読む
サングラスをかけた琴奏者は、教室でもう一つ感動話をしたかったのだが、時間制限があったので話せなかったと、非常に残念がっておられた。それでは、お話ください。お聞きいたしたいと水をむけたところ、待ってましたとばかりに語り始めた。
「あたしはネ、演奏会が終わってから、モナコへ行って賭博をしてきたの。演奏会旅行なんて貧乏たらしいの。たまには、タクシーで一流レストランに乗りつけて、食事がしたい . . . 本文を読む
むかし、人類はおごりたかぶって、空にとどけとばかりバベルの塔をたてた。
そして、神さまの怒りに触れ、共通言語をなくされた。
その後、中国という国が、天にむかうと神さまにばれるから、地をはえば、ばれないだろうと、万里の長城という、なんの役にもたたない人類史上最大の建造物を創った。
私の友人に、フランス語を1~2年やって、英語畑に移り、稼いでいるのがいる。。
まだなんの稼ぎもせず、語学学校か . . . 本文を読む
「正直」というモラルは、たしか、商道徳からうまれてきたものではなかったでしょうか?
商人が命よりも大事にするもの。
それは、世間からの「信用」
「もうかりまっか?」
そう、商売をするからには、もうけなくてはいけない。
しかし、もうけかたが大事なのではなかったか?
どろぼうしたり、人をだまして、もうけたって、それがなんぼのもの?
だいじなのは、本当に人に役立つ仕事をして、人に喜んでもらうっ . . . 本文を読む
これは、ふたつ昔のはなしになります。
わたしたちは、語学学校で、フランス語学習の中級段階でうなっていた
教室に、琴奏者の女性がおられた
ある日、彼女は教室から忽然と消えた!
そして、少し経ってから、ビッカビカのサングラスをかけて戻ってきた。
授業が進む中、彼女は、突如、文脈に関係なく、サングラスをかけたまま、立ちあがった。そして感動にふるえながら切り出した。
「みなさま ぜ . . . 本文を読む
また真夜中の無料コンサートの客になった。
声楽者は、コンサートだけでは食べていけない。
仕事があるときは、高校で臨時音楽教師もする。
ピアノが専門ではないのだが、教師をするにはピアノも弾かねばならない。
卒業式に ピアノを弾き、生徒には、「蛍のひかり」などの合唱も指導する。
彼女は、職人だ。生徒を前日までしごき、うまく声がはりあがるように
ズボン姿で、壇上から怒号をとばす。
また、真夜中 . . . 本文を読む
わたしの友人に、クラシック・ソプラノをやっているのがいる。
わたしたちは、そうべたべたつきあう時間がないので、普段は、互いに
何をやっているのか、わからない。
が、わたしが、ぐっすりと寝込んでいる真夜中、突如電話のベルが鳴る。
わたしは、はっしと起き上がり、ねぼけながら電話をにぎる。
電話のむこうで、彼女がいきなり言う
「あのね、今度、コンサートで歌う曲を選んでいるところなんだけど
この三 . . . 本文を読む
むかし、フランスに移住しちゃった友人が言っていた。
スイスでは、いちごの季節になると うしが、いちごを食べる。
だから、いちごの季節にスイスへいって、牛乳を注文すると
ピンクの牛乳がでてくる。
友人は、うれしそうに 笑って そう言っていた。
それからというもの、わたしは、ピンクの牛乳を飲みたくなった。
いちごの季節に スイスへいって ピンクの牛乳をのみたい。
が、私は、まだスイスへ足 . . . 本文を読む
この世に「生」をうけるということは、わたしたちは、自分の意志とは無関係に、ある場所のある文脈に忽然と出現することでは、あるまいか。
すぐれた作品には、得もいえぬ感動が秘められていますよね。その感動から、わたしたちは、すごく勇気を与えられますよね。
なぜかは、伝記を読むとはっきりわかる気がするんです。作品は、作者の人生と切っても切れない関係にあるのは考えてみれば、当然のことですよね。だって . . . 本文を読む
恋のはなしを もう一つします
ひとは 人生で 何回 恋をするものか考えたことありますか?
わたしの考えは、一回、おおくて二回。
別名、生涯の恋っていうのを わたしは 初恋っていってるんです。
生涯の恋は、あまりにも強烈すぎて、ほかの人を愛せなくなってしまう。
初恋、最後の恋をしたか、あなたの胸にきいてみてください。
悲恋であれば、あるほど、強烈で、
生涯をつらぬく。
初恋、最後の . . . 本文を読む
ベートーベンというと、あのいかつい顔を 思い浮かべる。
興ざめするので、顔は忘れよう。
ベートベンの恋の曲っていうと何を思いうかべますか?
わたしが 知っているのは 2曲。
「エリ-ゼのために」と「月光ソナタ」です。
ところで、どっちが 若いときの恋だと思いますか?
調べて おどろいた。予想が はずれた。
「月光ソナタ」は落ち着いている出だしだが、30歳のときの恋
「エリーゼのため . . . 本文を読む
とおいひのうた
くまのアーネストおじさん ガブリエル バンサン著
温かなふれあいの世界。くまのアーネストおじさんシリーズの一冊。
街角でだれかのひくバイオリンの音を聴いていらい、くまのアーネスト
おじさんは、 様子がおかしくなる。
部屋の隅で、だまってバイオリンをひきつづける。
心配するねずみのセレステーヌも目にはいらない。
. . . 本文を読む
テレビは、昔からあんまり好きでない。やかましいから。
静かなほうがいい。
広告はものすごく洗練されましたよね。
むかしは、広告ってすぐにわかった。
うそっぽかったから。
代表的なのは、ストリップ劇場のかんばん。
ああ、なつかしいなあ、あのうそっぽさ。
最近は、まじめな意見なのか、広告なのか分からない。
たいていは、広告だと思うことにしている。
「本当の言葉」が貴重にな . . . 本文を読む
太陽は毎朝東からのぼり西にしずむ
あたりまえのことではないかと、つい思ってしまう
ところが、ぎっちょん。地球はまるいのだった。
ちょっと傾いて、太陽のまわりをまわっているんだった
1930年代にヨーロッパは革命と戦火で多くの命を失った。
世界中から、多くの人が身ひとつでアメリカに流れ着いた。
そこで、輝くばかりのアメリカ絵 . . . 本文を読む