麻生太郎氏が皇室問題懇談会座長に 注目される妹・信子さまが詠んだ歌
皇族数の減少対策が急務となるなか、自民党は1月18日、「安定的な皇位継承の在り方に関する検討組織」の座長に麻生太郎副総裁を充てることを決定した。
昨年12月の有識者会議の報告書では、「女性皇族が結婚後も皇室に残る」「旧皇族の男系男子を養子にする」という2つの案が示され、女性・女系天皇や女性宮家創設の議論は先送りにされた。
自民党の茂木敏充幹事長は「議論の進行は座長の麻生氏に一任した」と述べたが、宮内庁担当記者は、麻生氏の座長就任で注目されている女性皇族がいると話す。
「麻生氏の妹、寛仁親王妃信子さまです。きょうだい間で連絡を取り合っているでしょうし、皇室事情について意見を交わす機会はあるはず。信子さまのお考えが自民党の皇位継承対策に多少なりとも影響を及ぼす可能性が出てきたのです」
信子さまは1980年に故・寛仁さまと結婚し、翌1981年に長女・彬子さまを、1983年に次女・瑶子さまを出産。現在は日本赤十字社名誉副総裁や東京慈恵会総裁などを務める。
麻生氏の座長就任の同日、信子さまが歌会始の儀で詠んだ歌が注目を集めた。
〈成人を姫宮むかへ通学にかよふ車窓の姿まぶしむ〉
宮内庁が発表した解説文には、〈寛仁親王妃信子殿下には、愛子内親王殿下を、ご幼少時より深い敬意と愛情を持って見守ってこられました〉とあり、成人皇族となった愛子さまに対する喜びを表現した歌だという。
皇室ジャーナリストの神田秀一氏が語る。
「歌会始の儀で、他家のお子さまを題材に歌を詠むのは異例のことです。将来的に皇族が不在になりかねない問題を抱えるなか、成人された愛子さまへの期待が込められているようにも読めます」
皇位継承問題について、麻生氏は男系男子に限る考えを公言してきた。その麻生氏が座長につくタイミングで、信子さまが愛子さまの歌を詠む──。
「麻生氏が信子さまのお気持ちをどのように受け止めるのか。それによって、今後の皇位継承問題が動く可能性は否定できない」(宮内庁担当記者)
皇室の未来は“きょうだい”の手に託されたのか。
※週刊ポスト2022年2月11日号