全国で相次ぐ強盗事件をめぐり、フィリピンの入管当局は、同国の入管施設に拘束されている4人のうち今村磨人容疑者について、日本に移送する準備を始めたことを明らかにした。期日などは分かっていない。
入管当局などによると、今村容疑者は2019年にニノイ・アキノ国際空港で身柄を拘束され、20年1月30日付で強制送還命令が出た。しかし、フィリピン国内で起こしたとされる女性らへの暴力事件で係争中のため、入管施設に残留を続けていた。その後、今年1月下旬にこの事件は棄却されたため、日本への移送の道筋がついたという。入管当局は、強制送還命令に伴う書類の準備を終えた段階で、今村容疑者を移送するとしている。
今村容疑者は同時期に収容されていた男性に「フィリピンで事件を起こして容疑者となれば移送は避けられる」と説明しており、架空の事件をでっちあげた疑いがある。
一方、入管当局によると、4人のうちの1人である渡辺優樹容疑者も21年4月に拘束され、同5月28日付で強制送還命令が出ている。今村容疑者と同様に渡辺容疑者も女性らへの暴行容疑で係争中の事案があり、事件の取り下げなどがなければ、判決が出て刑期を終えた段階で送還されるとしている。
日本の警察からは渡辺容疑者が全国で起きている強盗事件の指示役である「ルフィ」との報告を受けているという。
両容疑者ら4人は19年にフィリピンを拠点とした特殊詐欺事件に関わったとして、警視庁から窃盗容疑などで逮捕状が出ている。
4人は日本各地で発生した強盗の指示を施設内から出していた疑いもあり、警視庁が慎重に調べる。【マニラ石山絵歩】
【夜ニュースライブ】最新ニュースと生活情報(1月29日)――THE LATEST NEWS SUMMARY(日テレNEWS LIVE)