ある党員は「これまでの私は何も知らされてこなかった。参政党に出合ってからは日本人であることを誇りに思う」とすがすがしい顔で語った。参政党支持者の「メディア不信」はかなり根強い。
一方で、参政党が全てをオープンにしているかというと疑問が生じる。筆者は5月8日の政治資金パーティーの取材案内を広報担当者から送られて訪れたが、会場入り口で突然「動画撮影不可」と伝えられたのだ。
取材に呼んでおいて、撮影不可とは奇妙な話である。公党を目指すのであれば、報道の自由には最大限配慮すべきだろう。取材成果をどう報道するかは取材者の責任であり、そこに注文をつけるのは「介入」だ。筆者は現場で強く抗議し、「最前列の報道席からであれば動画撮影OK」との許可を得てから撮影を開始した。
この連載で前述してきた通り、会場にはほぼノーマスクの出席者が5000人。それに対して記者は筆者1人。しかも、最前列で三脚を立てて撮影しているから目立つ。スタッフや参加者からは「取材ありがとうございます」と感謝された。絶対に無断撮影ではない。
パーティーの内容は筆者の予想や理解を大きく超えるものだったが、候補予定者10人の演説は報じる意味があると考えた。だから10人の演説を編集し、筆者がニコニコ動画に開設している「畠山理仁チャンネル」で会員向けに公開した。
■2万円で有料配信するために…
ところが、5月11日に開かれた参政党の記者会見を取材に行くと、受付で広報担当者から驚くべき一言を告げられた。
「先日、動画をアップされましたね。実は動画撮影や配信はNGでした」
唖然とした。私は現場で撮影許可を取った。それを後になって「実はNGだった」とは、後出しジャンケンではないか。
広報担当者によると、パーティーの動画は党が2万円で有料配信しているのだという。だから、他のメディアは配信NG。明らかな事後の取材制限だ。これは参政党が批判し続ける「メディアコントロール」ではないのか。 (つづく)