台風19号 復旧へ補正予算検討 予備費活用も 災害対策本部で首相
安倍晋三首相は15日午前、首相官邸で開いた台風19号の非常災害対策本部の会合で「被災自治体が財政上、安心して、全力で応急対応、復旧に当たれるように、必要があれば補正予算も含めてしっかりと財政措置を講じていく」と述べ、令和元年度補正予算案の編成を検討する考えを示した。
会合で首相は、自治体に対す普通交付税の繰り上げ交付を指示するとともに、今年度予算の予備費を活用する考えも表明した。
首相は「引き続き、現場主義を徹底し、被災地のニーズを十分に踏まえながら、災害応急対策に全力を挙げてほしい」と述べた
北陸新幹線 富山~東京の直通運転見合わせ 再開見通したたず
2019年10月14日 12時35分台風19号 交通 NHK
北陸新幹線は、台風19号の影響で、長野県にある車両センターが浸水の被害を受けたことなどから運転再開の見通しがたたず、JR西日本は、14日も終日、富山と東京の間の直通運転を見合わせることにしています。
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北陸新幹線は台風19号の影響で長野と、新潟の糸魚川の間が不通となっているため、列車の運行本数を減らし、14日午前6時台の始発から長野と東京の間で1時間に1本程度臨時の折り返し運転を行っています。
また金沢と糸魚川の間は、線路の安全が確認できたとして、臨時の「はくたか」を上下合わせて27本運転することにしているほか、富山と金沢を結ぶ北陸新幹線「つるぎ」は通常どおり運転を行っています。
一方、富山と東京の間の直通運転は終日、運転を見合わせることにしています。
富山駅の北陸新幹線の改札口の前には直通運転の終日運休を知らせるとともに、滋賀県の米原を経由して東京へ向かうルートなどを紹介する紙が貼り出されていました。
埼玉県の大宮から富山を訪れていた男性は、「きのう帰る予定でしたが飛行機もバスも満席でしかたなく一泊しました。できるだけ早く帰りたいです」と話していました。
JR金沢駅は混雑
3連休最終日の14日、JR金沢駅では、切符の変更や払い戻しの方法を駅員にたずねたり、特急券を購入したりする人で混雑しています。
JR西日本によりますと、14日に金沢から米原に向かう特急「しらさぎ」の指定席はほぼ満席だということで、JRは臨時便を運転して対応することにしています。
同窓会に出席するために東京から訪れた男性は「北陸新幹線で帰る予定でしたが、台風が原因なのでしかたがないと思います。東海道新幹線を使って帰るために切符を変更しました」と話していました。
また、長野県松本市に向かう女性は「糸魚川まで新幹線で行き、親族に迎えに来てもらうことにしました。ここまで被害が大きくなるとは思っていませんでした」と話していました。
甚大な被害 台風19号 66人死亡47河川で決壊 全容は不明
2019年10月15日 12時09分台風19号 被害 動画
台風19号による豪雨で甚大な被害が出ています。今回の災害で亡くなった人は66人となり、堤防の決壊は、47河川の66か所に上っています。しかし、被害の全容はまだ分かっていません。
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66人死亡 15人不明 212人けが
死亡したのは、 ▽福島県で25人、 ▽神奈川県で13人、 ▽宮城県で10人、 ▽栃木県、群馬県でそれぞれ4人、 ▽埼玉県、岩手県、長野県、茨城県でそれぞれ2人、 ▽千葉県と静岡県、で1人です。
また、神奈川県や福島県など6つの県で15人が行方不明になっています。
このほか、32の都府県で212人がけがをしています。
堤防決壊は47河川66か所 越水など延べ181河川
国が管理する河川で堤防の決壊が確認されたのは、7つの河川の合わせて12か所です。
▽阿武隈川 福島県須賀川市浜尾 ▽吉田川 宮城県大郷町粕川 ▽都幾川 埼玉県東松山市早俣 ▽越辺川 埼玉県東松山市正代と川越市平塚新田 ▽那珂川 茨城県那珂市下江戸、常陸大宮市野口と伊勢畑 ▽久慈川 茨城県常陸大宮市の富岡、塩原、下町 ▽千曲川 長野市穂保
これらの12か所については、さらに川の水があふれ出ないように、コンクリート製のブロックを設置し、水を遮るシートで覆うといった応急的な補修工事を行ってるということです。
また、7つの県が管理する合わせて43河川54か所でも、堤防の決壊が確認されています。
このほか、国が管理する河川で堤防からの越水などによる氾濫が確認されたのは22河川です。
▽阿武隈川 ▽多摩川 ▽千曲川 ▽鬼怒川 ▽吉田川など
また、都や県が管理する河川では、16都県の181河川で越水などによる氾濫が発生し、浸水被害が起きています。
▽青森県 1河川 ▽岩手県 3河川 ▽宮城県 16河川 ▽福島県 30河川 ▽山形県 4河川 ▽茨城県 18河川 ▽群馬県 2河川 ▽栃木県 23河川 ▽埼玉県 23河川 ▽東京 5河川 ▽神奈川県 3河川 ▽山梨県 5河川 ▽新潟県 5河川 ▽長野県 14河川 ▽静岡県 27河川 ▽三重県 2河川
住宅の浸水被害 少なくとも1万棟以上
このうち ▽床上まで水につかったのは、長野県や栃木県など16の都県で7506棟、 ▽床下が水につかったのは静岡県や埼玉県など21の都県で4213棟となっています。
また、 ▽全半壊の被害を受けた住宅は千葉県など7つの都県で73棟、▽一部損壊が東京都や神奈川県など20の都道県で828棟となっています。
土砂災害 19都県で140件
今回の台風による豪雨では、群馬県富岡市で裏山の土砂が崩れて住宅に流れ込み、2棟の住宅に住んでいた3人が死亡するなど、各地で土砂災害が相次ぎました。
都道府県別では、 ▽埼玉県で43件、 ▽静岡県で15件、 ▽岩手県と新潟県で12件などとなっています。
断水 13都県で13万3000戸以上(15日午前4時)
断水しているのは、都県別に以下のとおりです。
▽福島県は、いわき市で4万5400戸、同じ水道事業者が管理する相馬市、新地町、南相馬市で合わせて2万3255戸、田村市で4300戸です。
▽茨城県は、常陸大宮市で1万2800戸、大子町で7288戸です。
▽静岡県では、県が水道を管理する熱海市と函南町で合わせて9748戸です。
▽栃木県は、那須烏山市で4000戸、栃木市で1800戸、鹿沼市で1300戸です。
▽宮城県は、丸森町で3448戸です。
▽東京都では、都が水道を管理する奥多摩町と日の出町で合わせて3100戸です。
▽神奈川県では、県が水道を管理する相模原市で3620戸です。
▽長野県は、立科町で2698戸です。
このほか、岩手県、群馬県、埼玉県、千葉県、山梨県の一部の地域でも断水が起きています。
東京電力管内 約2万1900戸で停電(15日午前11時)
このうち、先月の台風15号で大規模な停電が長期化した▽千葉県では、館山市や南房総市などで合わせて1万6100戸、▽神奈川県では相模原市や川崎市などで合わせて2200戸、▽東京都では世田谷区などで1700戸、で停電しています。
また、▽茨城県で1100戸、▽群馬県で500戸、▽静岡県で200戸、▽山梨県で100戸で、停電が続いています。
一方、栃木県、埼玉県の停電は、ホームページ上の発表では解消しました。
停電の戸数は15時午前6時と比べておよそ1500戸増えていますが、東京電力は、復旧作業を終えて一度、電気が送れるようになったあとに細かい傷などが原因で再び停電するケースがあるほか、台風以外の原因による停電の発生も考えられるとしています。
東京電力では、16日までに停電戸数を6200戸前後まで減らす見通しだとしていて、千葉県の市原市、鴨川市、鋸南町、富津市の倒木被害が激しい一部の地域については、おおむね今月20日までの復旧を見込んでいるということです。
このほか、土砂崩れや冠水などが発生している地域は、解消後に復旧作業に入るため、復旧の見通しは立っていないとしています。
東京電力は、建物が浸水した場合には漏電するおそれがあることから、ブレーカーを切るほか、一度水につかった電気製品は使用しないよう呼びかけています。
中部電力 長野県内 約2万1000戸で停電(14日午後8時現在)
長野県で続いている停電は午後8時現在、22の市町村で合わせて2万1910戸に上っています。
自治体別では、次のようになっています。 ▽軽井沢町で5440戸 ▽長野市で4680戸 ▽佐久市で3830戸 ▽佐久穂町で2110戸 ▽茅野市で1800戸 ▽御代田町で1000戸 ▽上田市で800戸
中部電力は、およそ1万1000人態勢で復旧作業を進めていて、15日までに長野県内のピーク時の停電戸数6万3000戸余りのおよそ90%で、停電を解消させ、河川の氾濫で浸水するなど、作業に時間がかかる地域でも、今月17日までにはおおむね復旧を完了させたいとしています。
中部電力は、最新の復旧状況について、会社のホームページを確認してほしいとしているほか、建物が浸水した場合には漏電による火災の危険があるためブレーカーを切り、切れた電線には近づかないよう注意を呼びかけています。
東北電力管内 約1600戸で停電(15日午前11時)
停電しているのは、▽宮城県では丸森町や大郷町などで合わせて1300戸、▽岩手県では宮古市で100戸、▽福島県では、いわき市などで合わせて200戸で停電が続いています。
東北電力によりますと、停電が続いているのは河川の氾濫などによる冠水や土砂崩れなどで立ち入りができない地域が多く、現時点で復旧の見通しは立っていないとしています。
東北電力は、建物が浸水した場合には漏電による火災の危険があるため、ブレーカーを切り、切れた電線には近づかないよう注意を呼びかけています。
不明14人の捜索急ぐ=死者74人、被害全容見えず-浸水徐々に解消・台風19号
国土交通省によると、52河川で堤防73カ所の決壊が確認されるなど、各地で甚大な浸水被害が出た。千曲川流域では長野県内の26カ所のうち25カ所で浸水が解消。堤防が決壊した長野市の穂保地区では学校や病院があるエリアを含む8割超が解消した。
死者の内訳は、福島県が25人と最も多く、次いで宮城県14人、神奈川県14人など。福島県いわき市は15日、新たに男女6人の死亡を確認したと発表。相模原市では車ごと川に流され、行方不明だった男児(8)が遺体で見つかり、家族4人全員の死亡が確認された。
総務省消防庁によると、15日午後3時現在、栃木、福島両県などで引き続き約36万人に避難指示が続いた。同2時半現在で13都県の約5000人が避難所に身を寄せている。
福島や埼玉を中心に約1万棟で住宅被害が出ている。うち床上浸水が5785棟、床下浸水が4177棟に上り、生活再建には時間がかかるとみられる。
浄水場の水没や水道管破裂により、13都県で医療機関を含む13万戸以上が断水し、給水車による支援などが続いた。厚生労働省が福島や茨城に職員を派遣し、水道施設の被害状況の把握を急ぐ。
経済産業省によると、全国の約2万4500戸で停電が発生。冠水や土砂崩れで復旧作業が難航している地域で長期化の恐れがある。物資の輸送も滞り、東北、関東、甲信の一部コンビニは営業できない状態が続いている。
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