8月10日に発足した第2次岸田改造内閣。人事については事前に様々な憶測が飛んだが、9日夜には19名の大臣が決定した。
まず何がサプライズかといえば、「8月」という内閣改造のタイミングだろう。2022年の参議院選に出馬しなかった金子原二郎農水大臣と二之湯智国家公安委員長は7月25日で議員を引退したが、岸田文雄首相は当初、2人を9月前半に予定していた内閣改造まで留任させるつもりだった。また7月8日に殺された安倍晋三元首相は岸田首相に、「お盆はみんなをゆっくり休ませたい」と伝えていたとも言われている。
しかも8月はスケジュールが混んでいた。岸田首相は7月31日に核不拡散条約(NPT)運用検討会議に出席するためにニューヨークに飛び立った。翌8月1日には一般討論演説を行い、第11回軍縮不拡散イニシアティブハイレベル会合にも参加。アントニオ・グテーレス国連事務総長やローズ・ガテマラー元米国務次官、クリストファー・フォード元米国務次官などとの会談をこなしている。
そして8月2日夜に帰国し、3日から5日までは臨時国会。8月6日には広島市、9日には長崎市で原爆の平和記念式典が控えていた。
(岸田首相:画像はネットから借用)
そんな中で岸田首相は8月6日に地元広島で、内閣改造と自民党役員人事の実施を表明する。理由は内閣支持率の急落だ。
7月31日に公表された共同通信の全国電話世論調査では内閣支持率は51%で、参議院直後の11日と12日に行われた調査に比べて12.2ポイントも下落した。しかも昨年10月に岸田政権が成立して以来、最低の記録となっている。原因と思われるのは世界平和統一家庭連合問題で、同調査で80.6%が「政治とのかかわりについての実態解明の必要がある」と答えていた。
危機感を抱くに十分な材料だ。総理総裁の地位にあるとはいえ、岸田首相が領袖を務める宏池会のメンバーは46名で、党内4位の勢力にすぎない。これから当分は国政選挙がないとはいえ、内閣支持率の急落は党内政局の原因になりえる。ここでしっかりと党内を引き締めるためには、内閣改造と党人事で求心力を高める他はない――岸田首相はそう考えたはずだ。
清和研の人数は変わらないが…
そして9日の夜に判明した入閣リストを見れば、岸田首相の思惑が伺える。宏池会は5名から4名、平成研も4名から3名とぞれぞれ1名減少したが、岸田首相が頼りにする麻生太郎副総裁が率いる志公会が3人から4人に増加した。
塩谷立会長代理が2度にわたって官邸に通って増員を求めた安倍派は、改造前と同じ4名にとどまった。萩生田光一前経済産業大臣は政調会長として党務に携わり、その後任に就任したのは同派の西村康稔元産業競争担当大臣。西村氏の登用は森喜朗元首相の強い推薦があったと言われているが、元経産官僚の西村氏にとってなかなか微妙なポストでもある。
最も重要なエネルギー問題や原発再稼働問題を所管するが、官邸には大先輩の嶋田隆元次官が政務秘書官として控えている。また岸田政権の目玉政策である経済安全保障については、党政調会長から再入閣した高市早苗経済安全保障担当大臣が存在することも注目だ。
(高市早苗:画像はネットから借用)
そもそも経済安全保障問題は高市氏がいち早く取り組んできた分野だ。高市氏は外国資本等による水源地買収などに歯止めをかけるため、自民党が下野していた2011年4月に森林法改正法を成立させている。
さらに高市氏は外国からのサイバー攻撃の危険性に早くから注目し、サイバーセキュリティー問題に取り組んできた。2021年8月の総裁選での会見では目玉政策としてその重要性を訴えた。高市氏はかつて筆者に「サイバーセキュリティー問題は私のライフワーク」と語ったこともある。
高市氏は清和研のメンバーではないが、昨年の総裁選では安倍元首相が全力で応援し、西村氏も推薦人に名前を連ねた。西村氏が2009年の総裁選に出馬した時、高市氏が推薦人になっている。
同年代のこの2人を競わせることは、ある意味で清和研への牽制となるだろう。形式上は官邸(松野博一官房長官)と党(萩生田政調会長)を清和研に抑えさせ、前回と同じ4名を入閣させているものの、首根っこは岸田首相が抑えているのだ。
「対中」カードとして利用
注目の防衛大臣の人事についても、岸田カラーが伺える。健康問題を抱える岸信夫大臣に替えて岸田首相が任命したのは、浜田靖一元防衛大臣だ。
今年7月末に超党派議連「日本の安全保障を考える議員の会」の団長として訪台し、蔡英文総統らトップと会談した浜田氏は、麻生内閣の防衛大臣を務めた2009年3月に中国を訪問。両国の防衛トップの交流と相互理解に努めており、対中国で強硬姿勢を示した岸前大臣との違いが伺える。
(浜田靖一:画像はネットから借用))
だが昨今の中国の動向を踏まえると、防衛からタカ派を排除することはできない。さらに年末には国家安全保障戦略、防衛計画大綱、中期防衛整備計画の「戦略3文書」の改定が迫っている。防衛費についても今年5月の日米首脳会談でジョー・バイデン米大統領に「相当な増額」を約束し、6月に閣議決定した「骨太の方針」にも「5年以内に抜本的に強化」と記している。
そうした事態に対応するために、岸氏を防衛大臣からスライドさせて、安全保障担当の首相補佐官に任命したのだろう。しかもいくら健康上の理由があったとしても、兄である安倍元首相が亡くなったとたんに岸氏を無役にするのは、いくらなんでも露骨すぎる。
また親中派である林芳正外務大臣を留任させる以上、バランスをとる必要もある。中国人民解放軍が8月4日に日本のEEZの境界に5発のミサイルを撃ち込んだ時、ASEAN関連外相会談に出席するためにカンボジアにいた林大臣は中国への抗議を森健良次官に任せ、現地での会見で「情勢が緊迫しているこのような時こそしっかりと意思疎通することが重要であり、我が国は中国との対話については常にオープン」と語った。
会談中、林大臣の発言の際に中国の王毅外相とロシアのラブロフ外相が離席したが、こうした行為について林大臣から抗議した形跡はない。これでは中国に何のメッセージも伝わらないが、岸氏の補佐官登用なら牽制になったはずだ。
(林外務大臣:画像がネットから借用)
このようにこの度の内閣改造を「対中国」で見ると興味深い。岸田首相は早期改造で安倍カラーを排除しつつも、部分的に安倍カラーを使うことで中国に対するメッセージを含ませる。今回の内閣改造では「岸田首相はしたたかだ」との声を多く聞いた。
また「安倍元首相と同じで、いったん消えると政治家は強くなるのかも」との興味深い評価もある。菅義偉前首相が圧勝し、岸田首相が都道府県票を10票しか獲れなかった2020年の総裁選を指してのコメントだが、確かにあの時の“ひ弱な”イメージは払しょくされた。
7月の参議院選で8議席増の119議席を確保し、「黄金の3年間」を得たとされる岸田首相だが、次は衆議院解散のタイミングだ。それが栄華の時代を延長する魔法の杖になるのかどうか。とりあえずその一歩となるこの度の内閣改造は、成功と見ていいだろう。
朝日新聞社 2022/08/11 08:54
(山本一太群馬県知事:画像はネットから借用)
山本一太群馬県知事は10日、定例会見で「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」について「関係は一切ない」と断言した上で、関連団体のトップと写真を撮られるなど「接近を試みられたことがあった」と明かした。
山本知事は参院議員だった2015年2月に出席したフォーラムで、後援していた「平和大使協議会(UPF―Japan)」と「平和政策研究所」のトップと並んで写真を撮られたという。
「会場に入った途端に撮ることになって、不自然だった。私が望んだ撮影ではなかった」と話し、当時ブログに「違和感を覚えた」「これまで関係者に会ったことはなかったが、UPFって、どんな団体なんだろうか? 大丈夫だとは思うが、この一連の経緯は、念のために書いておく」と記していたことにも触れた。
また19年の知事選の際に、旧統一教会の関係者へあいさつに行くよう提案されて断ったことがあったという。「祝電を送ったことなどもなく、今後もお付き合いすることはありえない」と述べた。(川村さくら)
2022/08/10 統一教会による不法行為を読み上げる。vol.1 献金被害編 其の一
FNNプライムオンライン 2022/08/11 18:02
(島田和久:画像はネットから借用)
防衛省は10日、島田和久防衛相政策参与から退く人事を発表した。島田氏は安倍元首相の秘書官を長く務め、その後、防衛省の事務方トップ事務次官も務めていた。
政策参与は、防衛相に政策的なアドバイスを行うポストで、島田氏の退職は10日付け。内閣改造で就任した浜田防衛相が判断したという。防衛省顧問としては残る。
島田氏が政策参与に就いたのは、事務次官を退任した7月1日で、わずか1カ月余りの在任期間となった。
島田氏は、安倍内閣で首相秘書官を長く務め、2020年に防衛事務次官に就任。関係者によると、次官退任の際には、安倍元首相の実弟である岸防衛相(当時)が島田氏の留任を求めたにも関わらず、官邸サイドの意向で交代となったという。
島田氏が防衛事務次官に続き、政策参与を退くことは、岸田政権での安全保障政策における”脱・安倍路線”との見方もあるが、岸田首相は10日に、岸前防衛相を首相補佐官に任命し、会見では防衛力の抜本強化について「安倍元首相の様々な意見も念頭に置きながら、議論を深めていきたい」と述べている。
鈴木エイト氏 「昨日の田中会長の会見は、韓国本部のユンヨンホの指示で行われた会見、彼からの指示内容を全て読み上げる必要があった」
8/11【第2次岸田改造内閣発足】内閣改造 岸田首相の狙いは?【深層NEWS】
デイリースポーツ 2022/08/11 14:53
(紀藤正樹弁護士:画像はネットから借用)
長年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題に取り組む紀藤正樹弁護士が11日、TBS系「ゴゴスマ」に出演。同教会の田中富広会長が10日に東京・千代田区の日本外国特派員教会で行った会見について、
会見は約1時間12分行われ、冒頭の47分間、田中会長が謝罪・主張のスピーチに費やした。当初はスピーチは15~20分の予定だったため、司会が3度制止したが、田中会長は「最後まで読ませて下さい」と鋭い口調で振り切り、続けた。
田中会長は、霊感商法については「過去も現在も行ったことはない」「2009年以降はコンプライアンスを徹底してきた」と存在自体を否定し、過剰なメディアの報道により「信徒が脅しや脅迫電話など、さまざまな被害に遭っている」と主張した。
紀藤弁護士は会見について石井亮次アナから感想を聞かれ「被害に向き合っていない。個々の被害は生身の人間の被害。生身の人間に向き合っていないということが全体のトーン。宗教法人である統一教会を守るために、個々の被害者だけじゃなくて、現役の信者の(被害に遭っている)ことも1分も満たず、数字も上げていない。警察に相談したとも言わない。だから全体の田中会長の話は統一教会を守るための会見で、個々の被害者や個々の現役信者も含めて、全体的に人が見えない会見だった」と総括した。
石井アナから「何言っちゃってんだ、という感じですか?」と聞かれ、「こまかく一つ一つを言えば、何らかの誇張ないしウソが入っている」とぶった切った。
安倍ブランドの虚飾~統一教会と国葬/北方領土とアベノミクス【山田厚史の闇と死角】20220810
(西村康稔衆院議員:画像はネットから借用)
安倍晋三・元首相が銃撃され死亡した事件で、安倍氏が搬送された奈良県橿原市の県立医科大付属病院に駆け付け、最期をみとった自民党安倍派事務総長の西村康稔衆院議員(10日に経済産業相に就任)が読売新聞のインタビューに応じ、当時の状況などを振り返った。(山本貴広)
7月8日は、参院選の応援で、地元の兵庫と大阪をまわる予定で、午後1時頃に伊丹空港に到着する飛行機に搭乗しようとしていた。羽田空港を出発する前の正午頃、党関係者から「(安倍氏が)撃たれたようだ」という一報を聞いた。信じられず、まさかという思いだった。
全ての予定をキャンセルし、伊丹空港から午後2時頃には病院に到着した。医療チームが救命治療室で大量の輸血をするなど懸命な治療活動を見守っていた。午後4時半頃には、昭恵夫人が駆け付けた。昭恵さんと一緒にみとり、私は涙が止まらなかったが、昭恵さんはぼう然としていた様子だった。翌日朝には病院を出て、東京の自宅まで一緒にご遺体を運ぶことになった。
安倍元首相は、派閥にこだわらず、人間関係が幅広い。首相経験者として、首脳間のエピソードを披露するなど、他では聞けない話がある。会食を楽しみにする若手議員も多かった。
多くの議員から選挙の応援要請があり、自身も応援したい気持ちが強かった。応援演説をいとわず、写真を撮るなど聴衆と接することも好きだった。
奈良で演説があることは知らなかったが、事件現場は私も演説したことがある。見晴らしがよく、聴衆が見えやすい。ただ、今振り返ると、隙のある場所だったかもしれない。
街頭演説の最中に、銃撃を受けて倒れることは、民主主義への挑戦だ。断じて許せず、強い憤りを覚える。県警本部長自身が問題があったと認めていると思う。今後、外交や国葬の日程があり、警察は要人警護について、しっかり検証し、改善してほしい。