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菅首相の2500人パーティー 政治資金報告書に不記載だった    週刊ポスト2020年12月11日号

2020年12月02日 18時08分25秒 | 桜を見る会

菅首相の2500人パーティー 政治資金報告書に不記載だった

週刊ポスト2020年12月11日号

東京地検特捜部が安倍晋三・前首相の「桜を見る会前夜祭パーティー」の捜査に乗り出した。安倍後援会が毎年、桜を見る会に参加する地元支援者を集めて高級ホテルで開催していた宴会だが、政治資金収支報告書に収支が一切記載されていなかったことから、国会で追及を受けた。

 それに対して安倍氏は、「会費は安倍事務所職員が一人5000円を集金し、全ての現金をその場でホテル側に渡した。収支報告書への記載は、収支が発生して初めて発生する。後援会には収入も支出もないから、政治資金規正法上の違反には全く当たらない」と主張し、「事務所側が(費用の一部を)補填したという事実も全くない」と説明した。

 ところが、特捜部の捜査で会費と実費の差額900万円以上を安倍氏サイドが補填していた疑いが浮上し、安倍氏本人への事情聴取の可能性まで取り沙汰されている。

 前夜祭の収支を報告書に記載せずにブラックボックスにしていたのは、この900万円を隠すためだったと疑われても仕方ない。もし後援者の飲食代をこっそり負担していたなら、公職選挙法が禁じる有権者への寄附に当たる可能性も出てくる。

 当時、官房長官だった菅義偉氏は会見で、「(前夜祭では)安倍総理はゲストのようなものだったのではないか」とかばい、国会でも安倍答弁を引用して不記載は問題ないという認識を示していた。

 それは本当に“上司”である安倍氏をかばうだけだったのだろうか。実は、菅氏の後援者たちも政治資金収支報告書に記載がないパーティーを毎年開いていたのである。

 菅氏が官房長官に就任して2年目の2014年4月19日(土曜日)午後、横浜ロイヤルパークホテルの大宴会場「鳳翔」には、〈内閣官房長官 すが義偉 春の集い〉の吊り看板が下げられ、地元支持者でぎっしり埋まった。

 金屏風を背にした菅氏は、「アベノミクスによって我が国の環境は大きく変わった」と挨拶し、横浜を中心に活動する歌手の南部なおと氏が菅氏の応援歌『一途に前を』を初披露して会場を沸かせた。南部氏はこう振り返る。

「私はディナーショーもやりますが、春の集いで歌ったときはノーギャラです。会場は3000人近い人、人、人で埋まっていたから、テンションも上がりました」

「すが義偉 春の集い」、政治資金収支報告書には不記載だったという(横浜市議・遊佐大輔氏のブログより)

別の参加者は、「昼間の『春の集い』は気楽な雰囲気で参加できます。飲み物はソフトドリンクが出て、お菓子はスナック、クッキーみたいなものが並んでいました。参加費は会場で払ったと記憶している」と語った。

 パーティーは地元の情報誌「タウンニュース」(2014年4月24日号)で、〈菅官房長官 経済政策に自信示す 地元集会に2500人〉と紹介された。

 会費はいくらだったのだろうか。菅氏の秘書出身の横浜市議・遊佐大輔氏がブログ(同年3月1日付)で詳細な案内を書いていた。

〈すが義偉・内閣官房長官『春の集い』
 日時:4月19日(土)14時から15時まで
 場所:横浜ロイヤルパークホテル・宴会棟3階
 会費:お一人様1500円
 備考:お問い合わせ等は『春の集い』実行委員会(電話番号が記載)までお願いいたします〉

 会費1500円で2500人が参加すれば収入は375万円になる。しかし、菅氏の資金管理団体「横浜政経懇話会」や政党支部(自民党神奈川第2選挙区支部)の政治資金収支報告書には、このパーティーの収入も費用も一切記載がないのだ。

4年前から突如記載

 菅氏の「春の集い」で驚かされるのは会費の安さだ。安倍前首相の前夜祭パーティーは、都内の一流ホテルにもかかわらず会費が5000円だったことから、安すぎると国会で問題視された。

「春の集い」は昼間の開催とはいえ1500円とさらに安い。地元のパーティー企画運営会社の担当者はこの料金設定に驚く。

「このホテルの大宴会場で土曜日に2500人規模のパーティーを企画する場合、ソフトドリンクとスナック菓子だけで1時間だとしても、お客さんの誘導などのスタッフは必要ですから1人5000円くらいが相場です。会費1500円なんて当社には絶対無理です」

「新春成田山初詣」の申し込み書、こちらも政治資金収支報告書には不記載だったイベント

同ホテルに大宴会場の「鳳翔」で立食パーティーを開催する料金基準を質問すると、「費用はケースバイケースで、1万5000円で2時間のパーティーを1500名さまで用意しております」と回答した。

 報告書に記載のない菅氏の「春の集い」はこの年だけではなかった。菅氏のブログには、野党時代の2012年3月に著書『政治家の覚悟』を自費出版(今年文春新書で再版)したのに合わせて4月に「出版記念春の集い」を開催し、「恒例の『春の集い』を実行委員会主催のもと、今年は出版記念として開催していただきました」と綴っている。

 その後も毎年、「春の集い」を開催していることが遊佐氏のブログで確認できた。菅事務所の説明はこうだ。

「春の集いは当初、地域の有志の方が設けていただいた歓談の場(実行委員会主催)に代議士が参加していた。その後、国政報告会を主体にした集まりとなり、平成28年以降は、政党支部主催の報告会としました。同年は熊本地震が発生したことから、国政報告会のみの会とし、飲食の提供はしていません。会場費は政党支部から出し、参加費はいただいておりません。平成29年以降は飲食を提供しているので参加費を徴収し、政党支部で収支を報告している」

 確かに2016年(平成28年)の政党支部の報告書には「国政報告会会場費」(4月27日)として約169万円、それとは別に「会場費キャンセル料」(約74万円)が同ホテルに支払われている。

 この年は4月14日に熊本地震が発生し、大きな被害が出た。そのため、有料の飲食パーティーを開けず、菅事務所が政治資金からホテルに「キャンセル料」を支出しなければならなかった事情が読み取れる。

菅政権は安倍政治の不透明な部分も継承するのか(2019年の「桜を見る会」の様子、写真/EPA:時事)

ちなみに政党支部の2017年の報告書には「春の集い」は収入約771万円で支出が約721万円、翌2018年は5月に「初夏の集い」を開催して収入約453万円に対して支出が約468万円だった。収支はほぼトントンだ。

 会場は同じホテルだが、会費や人数は報告書では公表されていない。ほぼ毎年参加しているという菅氏の支持者から興味深い証言を得た。

「去年は会費を5000円払った。食事はビュッフェ形式で中華でした」

 食事付きになったとはいえ、収支を公表するようになってから会費が5000円に値上げされたというのだ。やはり会費1500円では同ホテルでパーティーを開くことは無理だったのではないかという疑問が浮かぶ。

※週刊ポスト2020年12月11日号


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