トービルとディーン、伝説の「BOLERO」 | Music Monday
1,136,314 回視聴
2018/01/02
"ラベルの「Bolero」を使用したジェーン・トービルとクリストファー・ディーンのサラエボ1984でのアイスダンスの演技は、審査員全員から6点満点の評価を得た。
「ボレロ」はなぜ伝説となったのか -- 稲見純也のスポーツコラム (fc2web.com)
|
スポーツを観て感動し、涙さえ流した経験のあるファンの方は多いはずだ。スキージャンプの原田雅彦選手が、リレハンメル五輪での失速を乗り越えて長野五輪で大ジャンプを見せたとき。巨人の吉村選手や近鉄の盛田投手が、大復活を遂げてグラウンドに帰ってきたとき・・・。
だが、「逆境や不幸を乗り越えた」などといった背景知識なしに、純粋にパフォーマンスだけを観て感動し涙を流した経験は、そうは無いのではなかろうか。
サラエボ冬季五輪(1984年)を観た多くのスポーツファンは、そんな経験をしている。フィギュアスケートのアイスダンスで、イギリスのジェーン・トービルとクリストファー・ディーンの2人が、モーリス・ラベルの名曲「ボレロ」に乗せて演じた演技である。
最終滑走でなかったにもかかわらず、芸術点で9人のジャッジ全員が「6.0」(満点)を出した。あとにも先にも、五輪フィギュアスケートの歴史のなかで、唯一の瞬間である。
彼らのこの演技(もちろん金メダルを獲得した)を、夏冬通して「五輪で最も感動した場面」として挙げるひとも多い。この演技を観てフィギュアスケートのファンになったというひとも多く、感動して涙が止まらなかったと言うファンも少なくない。
昨年12月の全日本フィギュア選手権を中継したフジテレビが、この「ボレロ」をテーマ曲に使ったのは、もちろんこの伝説があるからだ。最近になってアメリカのミシェル・クワン選手が「ボレロ」を選曲したプログラムを披露するまで、世界中のスケーター達が「ボレロ」で演技することを避けてきた。それほどまでに、フィギュアスケート界では「伝説中の伝説」なのである。
|