菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」からの接待問題で追及を受けていた谷脇氏は今国会で、他の放送事業者や通信事業者と会食したことがあることは認めつつ、「国家公務員倫理法に抵触する恐れがある会食をした事実はない」と強調していた。
報道によると、NTTの澤田純社長らから接待されたのは谷脇氏のほか、総務省の巻口英司・国際戦略局長と前内閣広報官の山田真貴子氏。昨年6月に巻口氏と総務審議官だった山田氏は1人あたり約5万円、谷脇氏は2018年9月~20年7月に計3回、17万円超の接待を受けたとしている。
国家公務員倫理規程では、利害関係者が費用を負担する接待は禁じられているほか、割り勘でも1回1万円を超える飲食は事前の届け出が必要だ。総務省秘書課によると、谷脇氏ら3人の会食はいずれも届け出がなかったという。
谷脇氏は18年7月に通信行政を担う総合通信基盤局長に就任。菅政権の目玉政策となった携帯料金の値下げを牽引(けんいん)してきた。東北新社からは4回、11万円超の接待を受けたとして、減給3カ月(10分の2)の懲戒処分が出ていた。
谷脇氏は3日夜、報道陣の問いかけには応じず、無言で総務省を後にした。
総務省の担当者は「事実関係を把握していないのでコメントは控える」とし、事実確認を進める方針だ。
(写真はネットから借用)