2020/6/19 中国新聞
昨年7月の参院選広島選挙区で地方議員ら94人に投票や票の取りまとめを依頼し、計約2570万円の報酬を渡したとして前法相の衆院議員河井克行容疑者(57)=衆院広島3区=と広島選挙区で初当選した妻案里容疑者(46)が公選法違反(買収)の疑いで逮捕された事件で、検察当局は19日午前、広島市内にある両容疑者の関係先3カ所で家宅捜索を始めた。
逮捕から一夜明け、同市安佐南区緑井の克行容疑者の後援会事務所では多くの報道陣が待ち構える中、午前9時すぎ、5~6人の捜査員が次々と入った。続いて安佐南区の自宅、中区東白島町の案里容疑者の後援会事務所でも始まった。検察当局は18日、東京・永田町の議員会館や両容疑者の議員宿舎を捜索している。
2人の逮捕容疑は、昨年7月21日投開票の参院選に立つ案里容疑者を当選させるため、克行容疑者が同3月下旬~同8月上旬ごろ、91人に票の取りまとめなどを依頼し、報酬として116回にわたり計約2400万円を渡した疑い。さらに両容疑者が共謀して同3月下旬~6月中旬ごろ、5人に170万円を渡した疑い。
被買収側は2人が重複するため、実質は94人という。関係者によると、選挙区である広島県内の県議や市議、首長、後援会幹部のほか、公選法が原則無報酬と定める陣営関係者らが含まれている。1人当たりの金額は30万~50万円が多いが、100万円以上を渡された人もいるという。
(*家宅捜索の様子の動画はサイト内です)