執行草舟の本をまだ読んでいる。15冊目くらい。
15冊も読むと、「どの本でも同じことを言っている」のが分かる。でも、1割くらい、違うことを言っている。その、「その本独自の切り口」「その本でしか出逢えない言葉」を探して、ページを捲っている。
15冊くらい執行草舟本を読んできて、私に湧いてきた言語化は、
いい本は、「答え」を与えない。
いい本は、いい「問い」を与える
というもの。
ま、ここまでなら、どっかの本にもしたり顔で書いていそうなこと。こんなことを書いている本に出会ったことがあったかもしれない。執行草舟以外で。
ってなことを考えていた、さらに思考が発展・敷衍して、
いい人は、答えを与えない。
いい人は、いい「問い」を投げかける
って言えるのではないかとひらめいた。
例えば、みなさんが、一番、尊敬する人をイメージしてください。
みなさんは、その人から「答え」を受け取ったのでしょうか。
違うのでは。
その人から、壮大な「問い」を投げかけられているのではないでしょうか。
その壮大な「問い」に何とか答えるべく、日々、模索してもがいているのではないでしょうか。
私にとっては、昨年亡くなった、元ボスの三宅能生(のぶお)弁護士(18期)が、そういう壮大な「問い」を投げてくれる方でした。
三宅能生弁護士は:
- 日本で初めて、国際弁護士団体を創設し、
- 日本で初めて、アジアに進出した法律事務所のボスで、
- 日本で初めて、大手中国の事務所と提携した弁護士で、
- 世界で初めて、サイバー(オンライン)仲裁に挑戦した弁護士
です。
こういう「日本で初めて」とか「世界で初めて」とかをいくつも持っている。こんな日本人を、弁護士以外でも、他に知らない。
こちら(過去記事)
カリスマを通り越して、神のようなお方でした。雲の上の方でした。
その三宅先生の事務所に、私は8年半いました。毎日、絞られました。鍛えられました。
でも、何一つ、「答え」はもらっていません。
私が受け取ったのは、「問い」です。
- お前はそれでいいのか。
- お前は俺を超えられるのか。
- そんな仕事していていいのか。
- もっとできることあるんじゃないのか。
って問いです。
そしてこの「問い」は、三宅先生がお亡くなりになってからも、いや、お亡くなりになったからこそ、より強く、私に刺さっています。
偉大な人物は、答えを与えない。偉大な人物は、問いを与える。
そうなのだと思います。
そういう偉大なボスを持てた幸せとその御縁に、感謝します。
三宅先生、もうちょっと私もマトモになりますので、見ていてください。