狐の日記帳

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『隠し剣孤影抄』/藤沢周平

2020年07月10日 16時58分19秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、藤沢周平の『隠し剣孤影抄』を読み返していました。

 「邪剣竜尾返し」と「臆病剣松風」と「暗殺剣虎ノ眼」と「必死剣鳥刺し」と「隠し剣鬼ノ爪」と「女人剣さざ波」と「悲運剣芦刈り」と「宿命剣鬼走り」の8編の短編時代小説が収録されている短編集です。

 秘伝の技を身に着けた武芸者が周囲の状況に巻き込まれて隠し剣を使うまでを描いたお話で統一されています。
 格好良い剣豪が華麗に或いは豪快に悪をばったばったと切りまくる。そんなお話ではありません。
 登場人物達は人間臭くて懸命に生きて誰かに操られたり騙されたりします。虐げられていたり情けなかったり。
 武士であっても剣技の冴えは意味のない時代になっていて、全く違う力に主人公達は翻弄されます。
 秘伝の技を習得していたからこそ翻弄されているのかもしれません。

 私は、「必死剣鳥刺し」と「女人剣さざ波」が好きです。

 面白かったですよ。
 楽しめました。



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