狐の日記帳

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『聖なる怠け者の冒険』/森見 登美彦

2020年04月22日 22時54分11秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、森見登美彦の小説『聖なる怠け者の冒険』を読み返していました。

 社会人2年目の小和田君は休日は怠惰に過ごすことを頑固に守るという信念を貫き通す怠け者。
 休日の土曜日のある朝。目が覚めると彼は小学校の校庭の真ん中で椅子に縛られていた。
 目の前には狸の仮面を被り不気味な黒マントを羽織った奇怪な男が居た……。
 異様な状況から始まる休日の土曜日を小和田君は無事に怠惰な休日することが出来るのか? 




 宵山の京都を舞台にしたファンタジーでドタバタ劇です。
 『有頂天家族』や『宵山万華鏡』や他の作品にもリンクしていますね。
 デビュー当時の濃い文体から少し柔らかくなっていますが相変わらずの森見節です。
 言葉の使い方が面白いです。

 このお話の主人公は動きません。
 序盤から中盤はこの動かない人物が主人公でお話がまとまるのだろうか? と心配になるほど動かない。
 でもなぜか物語は転がっていく。
 不思議です。

 ふらふらと物語が転がっていくうちに非現実の京都に彷徨いこみ、そこでふらふらしているうちに日常の京都に戻ってくる。
 お馴染みの森見ワールドが炸裂しています。

 面白いですよ。
 お勧めです。



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