奥武蔵の紅葉はちょうど今が盛りだった。吾野の駅から歩いて20分で東郷神社に着く。
もみじ祭りはまだ一週間ほど先なのだが、もう見頃といっても良いぐらい色づいていた。
東郷神社では狛犬の代わりに砲弾と機雷が置かれている、平和主義の人(私もそうだが)にとってはとんでもない神社だ。
そしてかつては軍国日本の象徴だった東郷将軍の銅像もある。
でもそんなことには関係なく、紅葉は素晴らしい。
竹林の中のもみじ
神社は急な斜面に建てられているので、紅葉が幾重にも重なって見えるのが素晴らしい。
浅見茶屋の軒下から
洒落た洋館の屋根に降りかかるモミジ
淡い色の重なりも
はっと目を奪うような真紅も
穏やかな黄葉も、
いずれも捨て難く素晴らしい
錦繍とは金銀、様々な色糸で織り上げられた絹織物を示す
春の桜に負けない絢爛たる風景は、秋の女神龍田姫伝説を生んだ
これで鹿が鳴いてくれたら、猿丸太夫の百人一首の歌の風景になるのだが…。
モミジの異名に妻恋草とあるのは、伴侶を求めてなく鹿に肖ったもので、因みに鹿の異名に紅葉鳥というのもあるとか。
神社のさらに奥には秩父御嶽神社へと至る長い急階段がある。
東郷神社の左わきの道を登っていくと 子の権現がある。
本殿
600mの標高にあるので、訪ねたときは紅葉はやや終りかけだった。
駅からは随分離れていて、来るまでにはきつい登りの山道を登ってこなくてはいけないので、流石に東郷神社に比べると人気は少ない。
人の背丈よりも遥かに大きい大草鞋が有名。
この山寺もやがては色を失い、訪れる人のない冬を迎えるのだろうか
この辺で。