労働災害というテーマが眠くなるわけ

2015年03月25日 | 日記
先日労働災害防止についての講義を受けました。講師は労働基準監督署長でした。

私は珍しく後ろの方に座っており、昼過ぎという時間帯でもあったせいか、睡魔と闘っていたのですが、さらに後ろのほうでは、高らかないびきと共に安らかな眠りについている方もいらっしゃいました。

講義内容が眠気を誘うものであったとは思います。私も最初は正直「キツイ…」と思いました。しかし、労働災害防止がなぜ退屈な内容となってしまうのでしょうか。講師の腕でしょうか?受講生としては講師のせいにしたくもなりますが、じゃあ、自分がこのテーマで講義をして、昼過ぎに受講生の目を開けておく自信があるのかと言われたら、自信ないですよ!

安全衛生だの快適な職場環境の形成だの、マネジメントシステムの運用だのリスクアセスメントだのを羅列されれば不眠症だって治るってもんじゃないですか。

私がなんとか脱落せずに(居眠りと空想に逃げずに)講義を聞けたのは、最終レポートを提出して修了したオンライン講座『東日本大震災を科学する』での内容に通じるものをかんじたからです。地震の規模や揺れがどれほど大きくても、それが砂漠の真ん中とかで、人や財産に被害がなければ災害ではないという考え方。これは業務災害でも同じです。「人間」をどのように守るかが最重要であるにもかかわらず、地震にしろ仕事における事故にしろ、人間が軽んじられています。

なんでだろうな~~

自分を振り返ってみて思うのは、たぶん大きな災害って、「想定外」なんだと思います。他人の身には起きるかもしれないけど(報道されているものは他人事なので)自分の身には起きないと、なんとなく思っている、というか考えていない・想像しない。えーっと、それが「想定外」ってことですね。

労働災害なんかも、自分の会社ではそんな大きな悲惨なものは起きない。自分が関与している事業所で起きることはないだろな~というかんじかもしれません。

危機意識を持つにはどうしたらいいのだろう。

地震や労働災害だけじゃなく、子どものことや夫婦のこと、経済的なこと、健康のことなど、どれも悪いことは「想定外」として責任逃れが許されるはずないですね…

さて、講義ですが、もし10代~20代の人に労働災害というテーマで話をするとしたら、どんなテキストを使用して、どんな形でやれば関心を持ってもらえるでしょうか。

人の講義にはケチをつけるだけじゃなく、自分ならどうやるか、という観点がないと身につかない苦行となってしまいます
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社労士が取り扱う「ブラック企業」byショートコント

2015年03月24日 | 日記
月刊社労士3月号に、いつになく面白い記事がありました。

鹿児島県社労士会の、ブラック企業についてショートコントでわかりやすく説明するという試みが紹介されていました。

県会が行っている相談事業の来客者数が減っており、危機感を抱いていたため、何とか多くの方に来てもらいたいという気持ちと、社労士の名を知ってもらいたいという気持ちから、昨今話題となっている「ブラック企業」を取り上げて、記念事業のテーマにしようということになったそうです。

なぜショートコント?

お堅いイメージの社労士会がよくコントでいくことに決めたな、というのが正直な感想ですが、会員の一人が、コントがいいんじゃないかと発案し、満場一致で決定したとのこと。

いいかんじ。

とはいえ、やはりお偉方の反応は微妙だったとのこと。

理事会では

「ノリで決めて大丈夫なのか」「いかにも思い付きだけで決めた感じがする」「素人が演じてうまくいくとは思えない」との反論が続々。

しかし、事業委員は腰が据わっていました。

ノリで決めたがそれがどうかしましたか?ってかんじです。

素人が演じてうまくいくなんて思っていないが、メンバーはいい年のおっさんたちで、そこそこの経験値をもっているつもりだが、否定的な意見は全くでてこなかった。コント、ええじゃないかというかんじです。

ショートコントをやるには台本が必要ですが、なんと鹿児島県社労士会には作家活動をしている女性社労士がいるそうです。いくつかの文学賞を受賞している本格的な作家で、彼女が台本を書いたそうです。

企業の顧問を主な業務としている社労士がブラック企業について解説を行うことは、顧問先をブラック企業だと呼ぶことにつながらないか、という懸念はあったそうです。しかし、ブラックな部分を誇張したようなコントのみの企画だけではなく、社労士による法律的な解説もすることで、一般の方が抱いている、どこからがブラックなのか?という線引きの曖昧さの部分にも、ある程度法律的に答えることができるのではないかと考えたそうです。

仕事で忙しい中、練習を重ね、本番は大成功だったとのこと。

写真に写っている舞台の上に並ぶおじさんたちの顔はとても晴れやかでした。

とってもいいかんじ。

社労士会のこんな報告がもっといっぱい載ってたらいいのに~
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「気づき」の欠如がもたらすハラスメント被害

2015年03月23日 | 日記
協会けんぽ富山支部のメルマガ「きときとメール」のコラムで、大阪天保山にある水族館・海遊館であったセクハラ事件の裁判のことが取り上げられていました。


職場の部下女性にセクハラ発言を繰り返した男性管理職2名が
「体に触れるなどの行為が無かったのに、会社の懲戒処分が重過ぎる」
として訴えたものです。
1審の地裁判決は会社の処分を有効としましたが、2審の高裁判決は
「事前の警告が無かった点と被害女性からの明確な抗議が無かった」
として処分は無効としました。
注目の最高裁は、「内部文書でセクハラを禁止し、研修も実施。
就業規則で懲戒処分も定めていたことから、懲戒権の濫用にあたらない」
として2審判決を破棄。懲戒処分を有効とした1審判決は妥当であった
とする判決を言い渡したのであります。

報道によりますと、管理職2名は
「結婚もせんでこんな所で何してんの。親、泣くで。」
「夜の仕事とかせえへんのか。時給いいで。」
「もうお局さんやで。怖がられてるんちゃうん。」
などの発言を1年以上にわたり繰り返していたそうです。
また、露骨に性的な表現を使った卑猥な言葉を何度もかけたり
女性客を性の対象とした発言も明らかにされました。
その結果、二人は30日間と10日間の出勤停止のうえ降格処分を受けたのです。



同じような目にあったことがある女性からすれば、甘い処分にも思えるのでは?

でも、男性管理者2人は「厳しすぎる」と思ったんですね。

この感覚・認識の違いは大きく、溝は深いです。

職場だからこんな大ごとに発展していますが、くすぶってはいても、家庭内でも同じようなことが起きています。男性が加害者の場合が多いように思われますが、女性が加害者である場合も多いはず。そして、どちらも自分が相手をどれほど傷つけ追いつめているかなんて夢にも考えていないと思います。

男性の場合、女性が我慢に我慢を重ねて「その時」を待ち続けていることなどつゆ知らず、定年退職後離婚を告げられて愕然としたり、女性の場合、男性がどれほど追いつめらて苦しい思いをしているかなんて想像すらできず、失踪したり他の女性のもとに走ったりして、生活が成り立たなくなってはじめて自分の愚行に気づいたり…ハラスメントの多くが、加害者にとって「そんなつもりは(それほど)なかった」だと思います。

海遊館の男性2人に同情するつもりはありませんが、気づけないということが自分にどれほどの損害をもたらすかと思うと、戦慄を覚えます。

「気づきが大切」と、自己子啓発本やセミナーなどでよく言われることですが、なぜ「気づくことができないのか」といった考察が十分になされているとはいえないのではないでしょうか。

「気づく」にはどうすればいいのか。「気づき」を妨げる要因はなんなのか
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若くてかわいい「派遣ちゃん」にムカつく正社員女性

2015年03月21日 | 日記
日刊ゲンダイに正社員女性と派遣女性の確執についての記事がありました。

派遣女性は「一般職なので、それほど仕事に差はないが、雑用的なものを優先的に回される」「正社員女性と派遣社員女性の間には大きな溝があり、ランチは別々、部会の飲み会に誘われることもない」と言います。

正社員女性は、「派遣ちゃんたちは若くてかわいいケースが多い。しかも正社員に比べて責任が少ない(ようにみえる)男性社員がそんな立場の女性をかばったら、それが正しくてもムッとする」と言います。

この記事のタイトルは「女たちの昼と夜」です。

正社員女性と派遣女性の確執に気づかなかったり、軽んじたりして、どっちの女性も敵に回して、ツラーイ立場に立たされてしまう男性社員への、べからず集・こうするのがベターというのが記事の趣旨になっています。

どっちの味方にもならないのがよい、正社員女性の中に強い見方をつくっておくこと、とアドバイスをしています。

派遣でも正社員でも、要はちゃんと仕事ができて、なおかつ若くてかわいけりゃいいという男性社員はせいぜい大やけどしないよう、うまく立ちまわってください。

男の社内処世術はさておき。

派遣ってなんだったっけ?

元々は専門的な職種にのみ認められてたんだっけ?

労働者供給ではないんだったっけ?

同じ仕事内容で直接雇用と派遣があるのか?

共産党系の職場では、派遣は一切認めず、どんなに短期であろうと直接雇用で対応し、現場に軋轢をもたらしている。現場の職員は「派遣を入れてくれたらいいのに」と思っているかもしれない。頑なに直接雇用を守ろうとするのは愚行にもみえる。しかし、それを愚かだと笑えるだろうか?

一点譲れば最後、なし崩しに派遣がひろがることがよくわかっているからこそ、直接雇用を死守するのだろう。

派遣が専門職種なら、「派遣ちゃん」などという言い方はでてこない。「仕事内容がほとんど同じの正社員女性」が派遣社員を「派遣ちゃん」と呼んでしまうところに、「身分」の問題が見える
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苦手で嫌いで理解できない統計について勉強します

2015年03月20日 | 日記
社会人のためのデータサイエンス入門』というのをgaccoのオンライン講座で学ぶことにした。

統計についての基礎的な知識を学ぶ講座である。

「統計」だの「データサイエンス」だのにはとんと疎く、理解も無理だろう…と思い敬遠していたのだが、1か月ほど前の経済紙『東洋経済』を図書館で読んでいたら、「介護政策が混乱~データ誤用で現実を無視~」という記事があり、私もかねがね特養の介護報酬減の根拠に疑問を抱いていたので、この機会に、嫌いで苦手で理解不能の統計をいやいやながらでもやってみようと思い立ったのである。

「データが示す」とか言われたら、もうそれだけで動かぬ証拠を突きつけられたように感じてしまうものである。確かに、そういうものもあるのだろうけど。

だが、そのデータはそもそも正しいのか。あるいは、分析は正しいのか。といったことはあまり問題にはならない。動物的なカンで「違うんじゃないか」と思っても、対抗するデータを持っておらず、論理的に説明もできず、違う違うと騒いだところで、うるさい人で片付けられるだけだ。

特養の報酬減の根拠となった「内部留保」も、詳細に見れば決して「内部留保」というべきものではないし、その額も施設ごとに異なる。

にもかかわらず、特養や老健などの施設は儲かっているという判断を下され、恐ろしく介護報酬が下がってしまった。

データの誤用・悪用なのだが、介護関係者はきちんと反論できていないのではないかと思う。

保険料の未納が6割を超えているので年金は破綻する。(まやかしと判明)

社会保障のためには消費税増額は避けられない。

配偶者控除は女性の就労を妨げている

などなど、それらしきデータを示して説明はされているのだが、釈然としない。

なのに、ちゃんと反論できない。悔しいことである。

なのでデータサイエンス。がんばろ。

内容はこんなかんじです。


第1週:統計データの活用

~コースへの導入、分析事例から分析に用いる統計的な考え方、データの見方への導入を図る~
◦大人のための統計学~エビデンスに基づく意思決定へ
◦データサイエンスとは~データに基づいて課題を解決する能力を身に着けよう
◦平均値の見方~分析事例(1)~“平均値”にだまされない
◦M字カーブの改善効果~分析事例(2)~少子高齢化社会を支える労働力人口の増加のために
◦普及率の地域間比較~分析事例(3)~太陽光発電システムの普及率
◦付加価値額と非正規職員比率の関係~分析事例(4)~付加価値額の産業間比較
◦スポーツをデータで科学する~分析事例(5)~ワールドカップで勝つためには

第2週:統計学の基礎

~データ分析に必要な統計学の基礎を学ぶ~
◦代表値~平均値・中央値・最頻値~たくさんのデータを数値ひとつであらわそう
◦分散・標準偏差~データの中の違いをあらわそう
◦四分位・パーセンタイル・箱ひげ図~データの分布を表現しよう
◦関係の見方・相関係数~データの間の関係を表現しよう
◦回帰分析~データの間の関係を表現しよう
◦標本分布~統計数値の精度を考える
◦信頼区間~統計数値の精度を考える

第3週:データの見方

~データの見方について基本的な方法を学ぶ~
◦統計表の見方~実際のデータを見てみよう
◦比率の見方(1)-クロスセクションデータ~比率の活用
◦比率の見方(2)-使い方と注意点~比率を使った分析
◦時系列データの見方(1)-基礎編~時間とともに観測されるデータ
◦時系列データの見方(2)-発展編~様々な調整
◦時系列データの見方(3)-分析編~予測をしてみよう

第4週:公的データの入手とコースのまとめ

~誰もが入手可能なデータである公的統計データの入手方法を学び、コースのまとめを行う~
◦公的データの入手方法~e-Statの紹介
◦e-Statの使い方(人口ピラミッド)~データベース機能
◦e-Statの使い方(GIS機能)~地図上にデータをあらわしてみよう
◦コースのまとめ-“データサイエンス”力の向上へ~ビジネスシーンでの活用へ
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