16葉の クローバ

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いのちの灯

2023-04-01 11:28:24 | 佐藤もも詩集


おとこと
おんなと
その間に 子供がいて
いのちの灯が灯る

そして
お互い心から笑い合う
安堵のため息をする
希望の灯に点火する

あのひとが うなずいて
あのひとが 薪をくべて

あのひとが 炎を大きくする

アルバム

2023-03-03 08:30:54 | 佐藤もも詩集

この頃 幸いにも
仕事に忙しいから
アルバムを開く機会が少ない

もちろん アルバムは
頻繁に開くと色あせて
心が重くなるから
なるべく飾っておくのがいい

開け閉めが多いと自分に甘える
一年に1度くらいがいいのかも

冬なら凍てついてしまう
秋なら散って仕舞いそう
夏なら流されて仕舞いそう
春の季節なら
思い出も一斉に花開いて
彩りをましてくれそう

なぜなら私には王子が見えるから

冬の朝

2023-01-03 09:12:32 | 佐藤もも詩集


凍えるような
冬の朝
信号機前で 学校の登校旗を持って
子ども達を誘導する

子供達は先頭に6年生が
6人一組で 一列縦隊になり
交差点を渡る

着膨れした大人が通れば
おはようございますと
黄色い声が響き渡る

さっきの集合場所で
ちょろちょろと「危ないよ注意」
ふざけ遊びしていた1年生も
神妙に並んでいる

ママの格好いいかな?
王子はマイペース
車も交差点で行儀よく
左右に散って行く

空に薄日が差し始めた

誕生日

2022-12-08 11:29:13 | 佐藤もも詩集

何回目かの
母の誕生日

もう 年を数えるのは やめましょう
ケーキに ローソクをさして
王子が リビングの照明を落とす

そして弟が ライターで
一本のローソクに灯を灯す

母の顔を見るため
2本3本と灯をつけて
家族で 母のしあわせそうな笑顔を見る

背景の暗闇の中で
わたしは 少女時代に戻って
苦労させた
若い頃の母浸っている浸っている