16葉の クローバ

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雛飾り

2021-03-01 11:23:45 | 今日子詩集


冷たい雪交じりの風が吹き抜ける
子供達の声のすることの無い
(永遠に無いだろう)
壊れかけの 灰色の校舎

赤い織毛の上で 毅然として
段に居並ぶ 其々の雛人形
涼しげな眼元は
今は 波静かな海を見つめる

明日を 未来を
夢見ていた 若い御魂達
その想いを 涙を 全て掬い取って
その 美しい着物の懐に偲ばせる

一年後 雛祭り
逝った者も 残された者も
春の日差しの中 昇華を願いつつ
ゆっくりと流れる 鎮魂歌

くせ

2021-03-01 11:13:03 | 佐藤もも詩集


王子はママを見ると
いつも
にっこりする

ママのどこが
気に入っているのかな

にっこり病には ママはイタイ
ママはういつも
鬼の顔して あれも駄目
これもいけませんって顔をするから

王子が見本を示しているみたいで

生きる

2021-03-01 11:05:29 | 自遊人マサル


生きて来た 生きている
生きていく 生きていたい

自分の命 決められない
自分の命 決めてはいけない

過去から 受け継いだ命
未来に 受け継ぐ命

病気から守り 事故から守り
体力には 限界がある

誰でも 同じではない
命を投げ出す 命を惜しむ
守る物も あるだろう

送る一日 迎える一日
一日一日を 大切に生きる

ほこり

2021-03-01 10:37:55 | のりひと詩集


目に見えない浮遊物が
しんしんと 春の日差しが踊る部屋で
透かした視線の先で見える時がある
かつて顕微鏡を通して見た
ぼやけたものが グロテスクにぼやぼやと
様々な形をして空中に浮遊する

普段は私たちに見えない世界で
ダニの屍骸であったり 単なる土埃であったり
微生物の残骸であったり 黄砂であつたり
花粉であったり 風邪などのウイルスや病原菌であったりする

人の世界を動かしているのは
人類たちと錯覚しているが
本当は コロナウイルス等
人の目には見えず浮遊している物ではないか
ふと そんなことを考える