つもる 2019-11-01 08:36:08 | 今日子詩集 木枯らしが吹き寄せた枯葉 舞い上がることもなく 大地に蹲り 積もる あの時の言葉 その時の想い 全てが 幾層にも重なる 忘れてならないものがある 大切に仕舞っておきたいものがある 覆い尽くされた堆積物 必死の思いで掻き分ける 拾い上げる ほんの一欠けらでも もうすぐ 冷たい雪の季節 白く 深く降り積もり 意識が真っ白に消されてしまう その最後の瞬間まで この掌に求め続ける・・・
目が見えないということ 2019-11-01 08:30:58 | 小泉周二 目が見えないということ 耳を澄まして聞き分けているということ 目が見えないということは 鼻を開いて嗅ぎ分けているということ 目が見えないということは 柔らかい舌で味わうこと 目が見えないということは 探り当てる喜びを持つということ
此処にいる 2019-11-01 08:25:14 | 佐藤もも詩集 私は今 此処にいます それなのに 他人は 此処に居る事を あまり 意識しないらしい なぜなら 毎日が忙しいから 暇な人でも 此処にいることについて 悩んだり 苦しんだりすることが あるかもしれないが 私自身 此処は安全地帯 此処より 住み心地の良い 場所が無い でも 此処にいる時に やらなければならない事がある 大事に 守られていることを 忘れないために 居る事を 感じる事
当たり前 2019-11-01 08:18:02 | 自遊人マサル 当たり前のように 朝が来て 当たり前のように 朝飯を食べて 当たり前のように 昼が来て 当たり前のように 昼飯を食べ 当たり前のように 夕方が来て 当たり前のように 夕食を食べ 当たり前のように 夜が来て 当たり得のように 風呂に入り 当たり前のように 寝る 当たり前のように 幸せな生活 当たり前という 言葉の意味 当たり前という 言葉の重さ 当たり前という 言葉の大切さ
わるなすび 2019-11-01 08:02:43 | のりひと詩集 わるなすびは 繁殖力旺盛 近頃の日本人と比べて 元気がいい 棘があって 始末に悪く 花を守るために これほど貞操が硬いのは 褒められものよ でも アメリカでは 馬のイラクサ ソドムのリンゴと呼ばれ 憎まれ草 そんな言い方になるなんて 思いもよらない どんなに良心的であろうと 誰だって 自分でしか生きられない 日々の暮らしが 少しでも幸せなら 誰かの不幸で出来ている そう 思えばいいのかも