16葉の クローバ

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春雨

2023-03-03 08:48:19 | 今日子詩集

霞む山と木々 揺れる川面
グラウンドを駆ける 学生達
遠い駆けるボールは 泥だらけ
でも その先には明日の風が

撥ねかえる泥水 飛沫
走って 走って 駆けて抜けて
その手でつかみ取るものは
何だろう

降りそぼる雨の中
さよならを 何度も繰り返し
何人もの人々を 見送って
残ったものは
何だろう

問い掛けても
問いただしても
静かなる 沈黙の中
足元の道は 春の雨


アルバム

2023-03-03 08:30:54 | 佐藤もも詩集

この頃 幸いにも
仕事に忙しいから
アルバムを開く機会が少ない

もちろん アルバムは
頻繁に開くと色あせて
心が重くなるから
なるべく飾っておくのがいい

開け閉めが多いと自分に甘える
一年に1度くらいがいいのかも

冬なら凍てついてしまう
秋なら散って仕舞いそう
夏なら流されて仕舞いそう
春の季節なら
思い出も一斉に花開いて
彩りをましてくれそう

なぜなら私には王子が見えるから

1枚の写真

2023-03-03 08:20:45 | 自遊人マサル


子供頃から 気になる1枚の写真が或る

実家の傍の 農家の仏壇にあった写真
たしか左はじに そっと置かれてあった

その写真は 予科練の制服を着た
凜々しい姿の 少年の写真です

小中学の頃から 時々脳裏をかすめ
現役の頃も 退職後も
今でも時々 脳裏をかすめる

真実を知ったのは 先日姉との会話でした
その人は予科練を志願し 休暇になると
私を連れて 遊びに行ったそうです

私を可愛がってくれた 人の写真でした
70余年を過ぎて 始めて知った真実
今では心の中手を合わせている手を合わせている

オカリナ

2023-03-03 08:07:52 | のりひと詩集
陶器の穴に
唇を押し当てて
紡ぐ音色は 
寂寥

譜面から目をそらした
瞼に何か遠い物に聞かせている

幼友達の中で
私だけがこの世を泳いでいる

やせて 疲れて 汗まみれの顔
長年の空洞を埋め尽くすかのように
遠く深い闇にむかって旋律を重ねる

生きていることは楽しいか
君らは闇の向こう側で問うが
私は むろん と言う返答しかしない