紫陽花 2020-04-01 09:06:13 | 今日子詩集 松島に続く沿線沿い 奥州一宮の塩竈神社がある 我が故郷の産土神社 高台にあり 松島湾や被災地が見える 参道の階段はまだ崩れたまま 傍らに ひっそりと紫陽花が咲く 吹く風は雨と潮の匂い 昼を告げる音楽が鳴り響く 蒸し暑い陽射しの中 沢山の参拝客が行き交う 少しずつ復興する街々 人々も活気を戻しつつある 一歩一歩踏みしめる この階段のように
呼応 2020-04-01 08:59:38 | 小泉周二 踏切の警報器が鳴り始めると 僕は あっ 湊線が来る と美空に声をかける 美空も アッ と僕の方を見て応える 僕らはガラス窓を開けて 小さな電車が通っていくのを見送る
遊具達 2020-04-01 08:53:06 | 佐藤もも詩集 5歳児の王子は 帰りのお迎えが 来るのを待ち構えて 保育園の遊具めがけて 脱兎のごとく 一目散 ブランコ 滑り台 ジヤングルジム 鉄棒 保育園の中でたまったストレスを 発散するまで いくらママが帰ろう 先生に挨拶は?といっても 聞く耳を持たない 王子を夢中にさせる 遊具達
春の嵐 2020-04-01 08:45:02 | 自遊人マサル 厳しい晩冬を 吹き飛ばし 山や谷 里山を巻き込み 大樹を揺らし 家をゆすり 枯れ葉や枯れ草を 吹き飛ばし 土埃を 天高く舞上げる 桜や桃の 花びらも舞い 水面をゆらし 緋鯉や真鯉は 春風を懐に 勢い良く 空を泳いでいる 昨日までの 冷たい心を吹き飛ばし 暖かい風を 心に吹き込み 希望に満ちた 清々しい心に 変えてゆく 春の嵐
愛のある言葉 2020-04-01 08:24:12 | のりひと詩集 好きと言われると嬉しい 鏡の前の素顔のように 楽しと言われると わくわくする 曇り空から 太陽が顔を覗かせたみたいに いつまでも友達でと言われると 信頼を得た ひまわりのように笑顔が弾ける きらい さみしい いじわる トゲのある言葉だけが幅をきかす世の中 穏やかな晩年には せめて ささやかれた言葉が 昼も夜も胸を痛めないような 愛のある言葉であって欲しい