夢 2021-05-01 10:54:36 | 今日子詩集 暦が替り 風が変わる頃 一つの夢が終わる 騒ぎ過ぎた 季節が過ぎて ある朝 ふと目が覚める 薄皮を剥ぐように もう一人の自分が 起き上がる 昨日までの 私に さようなら・・・ 新しいスーツを ピシッときめて 鏡の中の自分の顔に 一直線に アイラインを引く 道行く人々 誰も 私とは 気づいていない 風が 背中を後押しするだけ
深い心 2021-05-01 10:46:32 | 佐藤もも詩集 20代の頃は 沢山の恋を しようと思っていた しかし 青春時代は短いもの ひとりを愛することも ままならぬほど 深い心を 持っていなかった
こいのぼり 2021-05-01 10:26:36 | 自遊人マサル 澄み渡る 5月の大空に 5月の風を 腹いっぱい吸い込んで 5月の空に 大口開けて 勢いよく 泳いでいる 緋鯉 真鯉 何もしないで 何も考えず ただ風に向かって 泳いでいる 風見鶏のように 風の吹くままに 長い人生 たまには良いか こいのぼり のように 頭から腹の中 足の爪まで 風を通すのも 良いかな
後がありません 2021-05-01 10:15:48 | のりひと詩集 小学校の時 教科書を持っている人は少なかった 僕もその組で 他校に通っている 従姉妹の教科書を写して 使っていた 朗読は筆記よりも大切なんだよ 先生は 朗読させるのが好きなT先生 順番に指名されて いよいよ僕の朗読の番になった 教科書を書き写したノートを読み出すと 先生はなかなか 次と途中で言ってくれない とうとう書き写しの最後の行に入って止まった 「どうしたんだもっと読んでいいよ」と先生 後がありません「えっ何が?」 書写したのが!・・・