白無垢

初夏の陽射しの中
花嫁さんの列が　神社の境内へと
歩いてゆく

遠く松島の青い海を背景に
花嫁の　まっさらな白無垢姿
よく繁った木々の葉の　翠色

参拝の見知らぬ人達が
皆　足を止め感嘆の声をあげる
初々しい花嫁さんを見つめる

私も　思わず
その白い横顔に見とれる

蒸し暑い6月の日曜日
汗ばむ　澱んだ空気
一瞬　爽やかな風が吹き抜けた

空よ

何も悪いことをしていないのに
つらいことがふりかかってきた
ああ　と空を見上げた
雲ひとつない青空だ

どうしてこんなことになるのだろう
いったいどうしたらいいのだろう

だけど
たぶん
虫も鳥も魚も犬も
わからいけれど生きているんだ

だったら僕も生きていく
わからないけれど生きていく

わからないけれど生きていく

AMEONNNA

ねぇY君　こっち向いてよ
背中　丸めないでさぁ
タバコ　吸わないでさぁ
わたしのお願い聞いて

明日の休日　寒いと思うけれど
海に行きたいの
Y君といれば　寒さなんて平気
どんなに凍っ気分も　融けて流れちゃうから
さっきは　わたしのわがままで
喧嘩腰になり　泣いちゃったり
すねちゃったりしてごめんね　大好きよ
だからY君　さっきの言葉は無しにして
「お前と出かける日は　何時も雨だ」
なんて言わないで
二人の出会った日も　雨だったじゃない？
Y君の「しょうがない」顔好き
運転は大丈夫任せてよ　傘一本忘れずに
ねぇ　いいこと教えて上げる
雨が降らないと　Y君の好きな虹が出来ないんだよ
（20歳のリフレンより）

梅雨

蒸し暑い　ジメジメした季節
鬱陶しい　嫌な季節
この季節があるから　秋の実りがある
大切な大切な　季節です

紫陽花や　薔薇が咲き乱れ
水辺には　花菖蒲が咲き
せせらぎでは　ホタルが舞い
見方によっては　なかなか味がある
明るい　楽しい季節です

雨の合間の　ホタル狩り
傘をさしての　紫陽花見物
なかなか　風情のある季節です

ビンタ

小学校3年の時
校舎のはずれにあったトイレが遠すぎ
教室裏の田圃で小の用を足して見つかり
先生に頬にビンタを食らった

教室の男どもはほとんで用をたしていた
学級委員のT君はしなかった
全員整列した教室で
先生は男どもにビンタをしてから
学級委員のT君に　知っていながら
なぜ、注意しなかったと往復ビンタをした

そして一通りの説教をする先生を見ている内に
みんな急にこみ上げてくる物に惑うと
先生は「男は涙を見せるものではない」と言われた

ひ弱そうだったT君ごめん　学級委員だったばかりに
先生ごめん　身体で教えてくれた事
手が痛かった　だろう事