6月 2020-06-01 08:34:49 | 今日子詩集 新緑の草木は 一斉に エネルギーを放出し 梅雨間近の曇り空の下 鮮やかに 映える 日常という 煩雑なスピードの中 ふと 足を止めると 見えてくるものがある 聴こえてくるものがある 震災で壊れた家やビルが 新しくなり テニスコートも 綺麗に 貼り替えられている 川沿いの道は サイクリングの人達 野球場からは 中学生達の歓声 渡る風も 忘れかけていた 懐かしい匂いがする
愛し方 2020-06-01 08:30:27 | 小泉周二 朝から晩までずっと指先で美空に触っている 美空が動けばどこまでもついて廻る 美空にとっては迷惑な話かもしれないが これが僕にできるいちばんの愛し方だ
西瓜の気持ち 2020-06-01 08:24:23 | 佐藤もも詩集 エッチじゃない ハレンチじゃない お尻をぽんぽんと叩いて 耳を当てる人 撫でる人 重さを確認する人 蔕を凝視する人 新鮮さを探る人 野菜の直売所は 西瓜の値踏みをする 食通がいます
ふところ 2020-06-01 08:16:15 | 自遊人マサル 小さく浅い ふところ 年を重ねる事に 大きく深くなり 自我を しまい込み 自尊心も しまい込み 日光の三猿のように 見てはいけない 目を隠し 聞いてはいけない 耳を隠し 話してはいけない 口を隠す 時が過ぎても ふところを 空にする事は 出来ない 波風立てず 幸せを守るには 墓場まで 持って行くのかな
水の如く 2020-06-01 08:04:09 | のりひと詩集 人は逆境に立つと どうしても 泣き言を言いたくなる 生まれた星を嘆き 親を嘆き 運命を嘆く 水は嘆かず 流れる 途中に堰があれば止まり 堰が除かれれば 流れる 四角な堰では 四角に収まり 丸い池では 丸く広がる 水は常に謙虚であるため 人のように逆境に立っても嘆かない 水は常に強い存在だ 私も 水の如くありたいものと時折考える