走り続ける

今年もまた　雨の季節がやって来た
道端には　青や薄紫色の紫陽花
風は　湿った匂いがして
川には　鮎釣りの人影

幾度も　見てきた風景
昨年の震災をも越えて
また　其々に走り出す
行く先は　分からずとも・・・

一緒に走っていた筈の
家族　友人　仲間　大切な人達
走りすぎて行った者
いつの間にか　姿が見えなくなった者

何処まで　行くのだろう
いつまで　続けるのだろうか
顔ぶれが変わり　見知らぬ顔ばかりでも
ひたすら　走り続けるのだ

習慣

美空は絵本をたくさん枕元に運んでいる
ママ　これとこれとこれ読んで
もう眠くなったママがなんとか読み終えると
パパ読めないから　そらくん読んでね
と言ってページをめくる
美空は
あ　アンパンマン
い　イブニングドレス
う　ウィンナーソーセージ
と読んでいく
読み終えるた美空に
はい　きょうはこれでおしまい　ねんねしょうね
と言うと
ママが僕のふとんに入る
そしてしばらくおしゃべりすると
スースーと寝息をたてはじめる

カメラ視線

久しぶりに友達と会えば
お互いにスマホで写真を撮り合います

私は広いおでこを　前髪で隠し
カメラ目線を　気にします

「どんな写真になった！」
とお互いのスマホ画面を注目します

30代頃までは　恥ずかしがりやだったのに

私も王子を頻繁に撮っているためか
少し　自分が見られることに慣れました

これは　きれいに成りたいと
自分に告げる　教科書です

一足す　いちは
はい　にーです

梅雨

蒸し暑い　ジメジメした季節
鬱陶しい　嫌な季節

この季節が有るから　秋の実りが有る
大切な大切な　季節です

紫陽花や　薔薇が咲き乱れ
水辺には　花菖蒲が咲き

せせらぎでは　ホタルが舞い
見方によっては　なかなか味のある
明るい　楽しい季節です

雨の合間に　ホタル狩り
傘をさしての　紫陽花見物

なかなか　風情のある季節です

アッチア（インド語でほんと？）

毎日の生活を　
なめらかに維持するために

譲り合い
他人との妥協点を見つけ出さなければならない

「気が利かない」という表現は
これからAIの時代だから

誇張過ぎている
ためかもしれない

人工知能が世界一般的になっても
「気が利かない」と言う言葉は
私達のなめらかな生活を補うには至らない

人間味とは　曖昧さの残る領域だから
人工知能に求める「気が利かない」表現は
長く人間の不満として残りそうだ