自然界の掃除屋さん 全長59cm(オス)、69cm(メス)。 メスが翼を広げると1.6mもあります。 タカの仲間としては大型種です。 日本全国で見られ、繁殖しています。 日本には鳶(とび)と呼ばれる職業があります。 彼らがいつも「鳶口(とびぐち)」という、長さ二メートルほどの棒の先に、トビの嘴:くちばしに、似た鉄のカギをとりつけた道具を持っていたことによります。 トビは、「飛び」からきた名前だという説もあります。
鳶の巣と 知れて梢に 鳶の声 北 枝
ノリス
ノスリ ヘリコプターのように大空で止まって餌探し 全長57cm、翼を開くと137cm(いずれもメス)。 トビよりも一回り小さな タカ で、上面は褐色で、下面は黄色味もある灰褐色で、模様があります。 「ピッ ピィイー」と聞こえるサシバより低い声で鳴きます。 一般的には漂鳥ですが、冬になると海外から渡来してくることも確認されています。 農耕地・草原・原野などでネズミ類、モグラ類を主食にしていますが、鳥類やカエル類なども食べています。 空中で一点に留まる飛び方(ホバリング)をして、地上のえさを探すことも少なくありません。
雲雀:ヒバリ
野原に春を告げる鳥 空高く飛んでなわばり宣言! 全長17cm。 空中でさえずる他に、牧柵、石など周辺より少し高い場所に止まって、よく囀ります。
むかしむかし、ヒバリは金貸しをやっていました。 そして、まだ地上に暮らしていた太陽に金を貸していました。やがて太陽は出世して天の神に呼ばれ、ヒバリに借りた金も利子もはらわずに天へのぼっていってしまいました。 そこでヒバリはカンカンにおこって、「おてんとうさんに金貸した。利取る、利取る。利子くれ、利子くれ」と騒いでいるというのです。
山かげの 夜明けをのぼる ひばりかな 几 董(きとう)
雉:キジ
桃太郎の家来は日本の 国鳥 全長80cm(オス)・60cm(メス)。 尾の長いことが特徴の、地上性のニワトリ大の鳥です。 日本全国に分布しています。 オスは濃い緑色の体で、繁殖期になると、ハート型の赤い顔になり、「ケーンケーン」と鳴きながらメスを求めます。 昔から日本人とかかわりの深い鳥として、「桃太郎」をはじめいろいろな物語や、 「焼野の雉(きぎす)、夜の鶴」などの子を思う親の愛情の深さを表わすタトエ話がありますが、現在でも草刈機に頭をとばされてしまうメスが出るほど巣の卵を大切にしています。 「朝キジが鳴けば雨、地震が近づけば大声で鳴く」といった予知能力まで与えられていると言われます。 日本の鳥、つまり国鳥に選ばれていながら、狩猟が許されているという、何とも不幸な鳥です。
父母の しきりに恋し 雉子の声 芭 蕉
アトリ
当たり(アトリ)年には、数万羽の群れになる 全長16cm。 濃紺と褐色、白色の模様をした小鳥。 飛びながらよく声をだし、「キョッ キョッ キョッ キョッ」と鳴いています。 さえずりはカワラヒワの「ビーイン」に似て、ゆるく震える声。
日本では冬鳥で、全国で各地で見ることができます。 森林や農耕地で見られることが多いのですが、数百数千羽、時には数万羽の群で見られることもあ在るそうです。森林では木の芽・春には「花鶏」と書いて「アトリ」と読ませます。
葉を落としたケヤキ全体にアトリの群が止まった姿は、本当に枯れ木に花が咲いたようでした。 (出典:サントリー愛鳥活動より)