上級者には中々歯応えのある課題です。
『中鋒』と言う言葉には、線の中心に筆先を通すと言う意味もありますが、筆を自由自在に操ると言う意味もあります。
今回の課題を深く考察すると、高度な書技をサラリと使いこなしているのに、それが生み出す芸術性の深さが鼻につかない、高橋鵞翠作品の真骨頂というか醍醐味と言うか、とにかくその凄さにため息が出るばかり作品なのです。
目の前で書法を見てきた私には、この作品を書いている高橋鵞翠の姿が想像できます。
姿勢、腕法、執筆法、指の腹で筆管を転がす秘技まで映像で蘇ります。
私はその映像を元に、塾生一人一人の目の前で再現して伝える事を実践しています。
なぜなら、私の実演が皆さんの記憶に残る事を期待しているからです。
残れば伝わる、伝われば残る、その繰り返しで高橋鵞翠の書体と書法が未来につながっていくことを願うばかりです。
雅号授与者の方々にはその役目を担っていただきたいのです。
文章で表現するのは中々に難しい事ですが、次回から一文字づつ解説していきたいと思います。
お楽しみに〰