全体を見ると、五行に散らされています。
漢字で始まるのが三行、かなで始まるものが二行です。
その漢字三文字は全て潤沢な墨量で、右上から左下へのの流れを作り出しています。
最終行の『那』は3行目と4行目の下部に入り込んでおさめているのが面白いですね。
ゆっくりと始まって、最後はの決意表明はキュッと締めて、その意思の強固さを表しているかのようです。
和翠塾ではかな課題を名前を書く筆と同じ一号筆(中国式)で書いていただいていますが、今回は少し多めに下ろして書きましょう。
ざっくり三分の一ぐらいでしょう。
そうしないと、『行わんとする』まで墨がもちません。
潤渇の差を出さねば表現力が低下してしまいますから、墨のつけすぎにも注意が必要です。
墨量と渇筆のバランスが難しいですが、そこは書き込んでいきながら覚えていくしかありません。
どんどん書き込んでください。
墨は墨汁を使わず、水を固形墨ですってください。
大量の墨を必要とはしませんので、硯に落とす水は少なめにしましょう。
漢字課題を書く際の、腕法(腕の使い方)は懸腕法(肘をあげる)でしたが、かなでは堤腕法(手首の付け根部分を机につける)を用います。
漢字課題での執筆方(筆の持ち方)は、双鉤法(人指し指と中指の二本がけ)でしたが、かなでは単鉤法(人指し指だけの一本がけ)がよろしいでしょう。
鉛筆やボールペンなどの持ち方と似ていますが、軸を寝かさずになるべく立てて持ちましょう。
持つ位置は手首を机につけても、不自然に手首が上がりすぎず、疲れない位置を探り出しましょう。
机の高さや座高、指の長さなどの個人差によって変わってきますから、お一人お一人ベストな位置を探り出してください。
筆は軽く持ちましょう。
硬筆の癖がついていると、がっちり持ってしまう方も多いようです。
そうなると、繊細な線はかけませんから気をつけてください。
親指の関節を伸ばして持つようにすれば、力が抜けやすくなるので、試してみてください。
手首を机につけて書きますが、乗せすぎてはいけません。
紙の上を滑らせながら書くところもあるので、そこを固定しないようにしましょう。
次回では、いよいよかな課題を書き始めます。
お楽しみに〰