テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

簡易ブリスターパック

2013-09-02 22:27:52 | 脱線して底抜け
モデラーさんならどなたでもご存じのことなのですが、卵のパック、あれは比較的低温で軟化し、再加工が可能な素材で、型さえあれば熱湯で希望のカタチにすることが出来ます。
私が一番よく利用したのが、ジオラマのベース(特に砂地)や、縮尺の飛行機のキャノピー(プラのクリやパーツは分厚すぎる)で、原型(雄型)があれば、石膏、泥粘土、シリコーンシーラントなどで雌型をつくり、熱湯を注ぎながら木べらや耳かきなどで押さえて型に沿わせていきます。一個雄型を作っておくと便利なのが、乾電池用の型で、今では専用の電池入れが100均などで容易に入手できますが、大きな箱のなかでゴロゴロさせたくない場合などは、卵パックブリスターが便利です。金持ちなお方はペリカンボックスのフォームスポンジで、同様なものをつくっておられますが、こっちの方がコストパフォーマンス絶大でおすすめです。コツは、熱くしすぎて縮めないことで、特にサイズの大きな型を抜く場合、型の周りのパックを固定しておいて必要以上に熱で軟化したパックが型に入っていかないよう、型の中を伸ばしていくようにすると、割と上手くできます。小さめの桝などで、上手く四角く抜けるようになったら、ある程度の造形はラクに出来るようになります。何より、安く軽く、比較的丈夫に出来るのは、他の材料、発泡スチロール、フォームウレタンなどよりもずっと優れています。

続編 内輪バナシ-色の検査について

2013-08-02 22:22:55 | 脱線して底抜け
建築や官公庁向けの色指定には、マンセル値という、マンセル色空間のなかでの座標値が使われる事が多いのですが、マンセル値はおおざっぱな格子状の座標規格なので、色検査の現場で使われる事は少ないのです。

で、私が馴染んでいて、一般的にもよく使われる表色法に、CIE L*a*b*(シーラブ)と云われるLabダイヤグラムがあります。
Lは白さ黒さ、aは赤さ緑っぽさ、bは黄色さ青さを示す値で、ヒトの色覚が非線形に推移するのに合致するよう係数が定められており、工業用製品の測色計による色検査では、ほとんどの場合、製品と同等素材で着色された標準色見本を測色したL*a*b*座標値と、検査対象の座標値の色空間内での座標差異をΔL*Δa*Δb*で表し、座標間の隔たり(色の差)を
ΔE*(=)で表します。

ΔE*が1.0以上で、一般的に差異が判るとされ、高精度な色彩設計を要求する製品では、0,5以内の検査規格値が設定されることもあります。ぶっちゃけ、普段目にする工業用製品、マスプロダクツ製品は上記の0.5~1.0内で管理されている場合が多いようです。
現在の測色計は、非常に高精度でかつ安定性も高く、きちんとトレーサビリティのとられた(←間違った言い方ですが・・)機器では、その計測値によって色彩をフィードバックコントロールできるくらいの実績があります。CCM(コンピューターカラーマッチング)と云われる塗料、染料の自動色合わせ機構の根幹となっています。


物体の色はその表面にあたる光の反射によってヒトの目に届くので、光の質や表面の状態、角度等によってことなることもありますので、クルマのボディーカラーでソリッドカラー(メタリックやパールでない単色)の明るい色でも、同一のドアパネルのなかでも部位によって色差が異なる場合もあり、またメタリック、パール等の反射材の透過光が影響するカラーや、黒などの色そのものより表面の雑反射光に影響されやすい色では、測色計とヒトの視覚では無視できない差異が生じます。

実際にとある自動車メーカーに納入されているメタリックカラーの納入前色検査には、前回に紹介した数百万の測色計とは桁違いの評価検査システムが使われています。
実際の製造ラインのうち、塗装ラインを全く同一の機器と条件で、ラボ内に再現し、実際の製品(パーツ)を塗装して、専用の評価室(暗幕で覆われ、専用の検査光源が設置されている)内で、ヒトの目で5段階の目視評価をすると言うものです。
もちろん車種によって5段階評価の要求水準は違い、同じメタリックグレー系でも、高級車では4~5、大衆車、営業車では2~4などとなっているようです。

私が、この色検査の分野で、もっとも精確な検査機器はなにか、どの測色計が良いのかと意見を求められたとき、いつも答えは変わりません。
実際に千人、人員を用意して、目で比較して、検査することですよ、と。百人では実際の選任過程で偏りが生じる恐れがあり、不適格ですよ、と。
つまりは充分に訓練され経験を積んだ目視検査人員がもっとも有効であり、測色計はその補完に過ぎないということなのです。
もっとも高価な機器、設備を使って、最上級の品質を目指している色管理の場で、ヒトの目を主体にした管理が厳然と行われている事実は、上記の私の主張を補綴しているものだとも考えています。

内輪バナシ-色の検査について

2013-08-01 23:29:13 | 脱線して底抜け
以前から、工業用製品の色については、検査用(比色)の光源としても使えるLEDライトなどのお話をしてきました。

前提とした色そのもののお話で、詳細なハナシは省きますが、ヒトの視覚に基づき、光の三原色、明るさ(白さ)を測定、数値化したものを、ヒトの感覚に沿って決められた係数と組み合わせて、色空間のなかでの位置を決定し、その座標の差を色差として表します。

現在は国際照明委員会(CIE)の定めた表色系が標準となり、パソコンのsRGB、印刷のCMYKなどの色空間がそれぞれの用途、事情に沿って定められています。


工業用製品の実態としては、調整された原色インクやRGB光源を使うのとは異なり、有機、無機の色素、顔料を塗料として塗布したり、材料に添加混練することで、彩色しますので、当然それが表す色は遷移的で容易には数値で表す事が出来ません。

一般的に精確に色検査する場合、比較的簡便な方法として、計測機器を使った数値化が使われます。コニカミノルタや日本電色工業、スガ試験機などの測色計です。

測定する物体の表面に光を当て、その反射光、散乱光をセンサーで受光、必要に応じて分光、フィルタリングして三刺激値として計測、その値に基づき、いろんな表色系の座標値として吐き出します。
光源、測定方法についても規定されており、積分球(内面をつや消し白で塗装された球体の穴から均質な光を照射、反射光を測定する機構)を用いて、直接光、間接光を測定する方式、決められた角度の照射間接光のみを測定する方式などがあり、被測定物の性質に応じて使い分けられており、固体だけでなく、液体の透過光や透明性、粉体の色なども測定出来ますし、変わったところでは、ハンディタイプの測色計が化粧品のファンデーション販売の場で、顧客の肌の色を測定するのに使われ、その色にあった製品を提供する、デモンストレーションに利用されてたりもします。


つづく

ランチョンミート

2013-07-15 15:09:59 | 脱線して底抜け
ポークランチョンミートの缶詰(空)です。
ポークランチョンミートとは、コンビーフの豚版のようなもので、もともとは発祥のホーメル社のSPAMというブランドの製品がWW2にて戦線に送ることの出来る動物性蛋白質として大量に消費され、広まり、今日に至ります。SPAMはふとしたきっかけで大量の迷惑メールを意味するspamの語源となり、当初ホーメル社はマイナスイメージの撤回に躍起になりましたが、いまでは逆手に取って、販促につなげるようになってます。SPAM以外にはヨーロッパのTULIP、写真の米国国内産WINDMILLなど、各社の製品があります。
食肉処理場が主体となって畜肉が流通する時代に、カタチ良く枝肉を切り分ける際に出る余剰の部分を上手く商品化するために作られた商品です。SPAMというブランドの由来も、Shoulder of pork and ham"(豚の肩肉ともも肉)が起源らしく、デンマークのTULIPも食肉加工業がその母体です。
上記に名を挙げた3ブランドとも、日本での販売は沖縄が中心で、どちらかというと動物性の脂っぽい料理に使われ、サラダなどに入れる場合は、つぶしたジャガイモなど、脂をよく吸ってくれる材料と使います。
私の場合、上から2/3ほどはそのまま焼いたり、あるいは他の野菜と一緒に炒めて食べますが、残り1/3はかなり塩味が濃いので炒めたタマネギと一緒に細かくしたものを溶き卵でオムレツ風に焼いて食べます。沖縄料理のポーク卵と似た雰囲気の味です。
減塩タイプの製品は、ハムカツにしても美味しくて、中身が柔らかいので、粗くしっかりとしたパン粉で揚げるのが食感が良くおすすめです。
以前、ご近所さんだった沖縄出身(姓からすぐに分かった)のおばさんは、お好み焼きに、炒めたゴーヤとこれの薄切りを入れて、沖縄風お好み焼きなるものをつくってくれ、おばさん家のコドモさんと一緒に食べたことがあります。少し焦げ加減になった焼き具合がちょうど良く、たくさん食べました。

なんとなく靴

2013-07-12 23:56:14 | 脱線して底抜け
靴をしばらく眺めていました。
普段、自分の足にあった靴は、履いてることを、ことさらに意識せず、日本式家屋では玄関で脱いだり履いたりするときだけ、気にかけるようです。
ただ、不調になったとき、あるいは必要なときに無い場合、これほど困るものもないでしょう。古くは、鼻緒を切ってしまって、困っている女性を手助けする情景、ダイ・ハードで、割れたガラスまみれの床を裸足で走らなければいけないシーン、ジャングルを行軍中にブーツがダメになり、足を痛めてしまうシーンなどなど。
あるいは実体験で、夏の砂利浜や泥濘地で、サンダルのまま足を水につけないといけない場合の途方もない粘着抵抗、レンタル用品のない山奥のスキー場で、ビンディングの不調で、全く滑れず、無為にそり遊びばかりで過ごしたことなどもあります。
阪神淡路大震災でも、靴がない故に、移動すら出来ず、被災した地点に留まったままに成らざるを得なかった人もかなりおられたようです。
女性の場合、デザインやファッション性を追求するあまり外反母趾や扁平足になったりするような足にふさわしくない靴を選んでしまったりもするようです。
個人的には、ハイカット(足首までサポートする)の丈夫で通気性の良い靴が、日常から、極限の状況まで広く対応していて、好みです。
たまに、ヒトにも、最近のカラフルなトレッキングシューズをおすすめするのですが、メーカーや、製品ごとに異なる足形をきちんと選んでくれる専門店に、まず最初に行って貰うことが肝要で、そうして頂けた場合には、見た目よりずっと履き心地が軽くて歩きやすい、という感想を云って貰えます。
靴やさんも、もっと足形、サイズを重視して販売展開して欲しいものですが、通販でも普通に靴が売っている昨今、良く足にあった靴の快適さを知らないままにいる方が多いのではないかと感じています。

その昔、好きだったラーメン

2013-07-09 23:11:13 | 脱線して底抜け
まだ、ラーメン屋というものに、ランキングとか、口コミとか、テレビで紹介などという、余計なお世話が押し寄せる前の時代、ごひいきのお店がありました。
お品書きの一番高いのでも、500円という価格で、いつもは爺さんひとり、タマに婆さんの姿も見えるというお店でした。
そこで、こだわりのお気に入りが、もやし。
おそらくは、婆さんがやっているのかと思うのですが、きちんとヒゲと芽を切り取ったモヤシを入れてくれる。最近では根切りモヤシがスーパーで売ってたり業務用のヒゲとりモヤシもあるらしいのですが、そういうのとは違う、シャキッとしたモヤシをパササッと入れてあるのが、もう大層歯ごたえが良くて、ある意味、食べる快感でした。
幾度となく通うウチに、モヤシ増量とか、バター一かけとか、いまで云うトッピング追加もしてくれるようになり、ますますお気に入りになり、いろいろと爺さんともお話しさせていただきました。モヤシは生の冷たいものを入れるより、煮えてしまわない程度湯煎して温かいものの方が好きとか、ゆで卵や生卵より、半熟+加減が好きとか、好みのトッピングがだんだんと作られていきました。半熟気味のタマゴがモヤシに絡んだ食感が美味しいねなんて話をしてるウチに、爺さんが、あらかじめバターを溶かしたフライパンに、モヤシと溶き卵を入れて、ごくごく軽く炒めたものを、載っけてくれるようになりました。このラーメンと、小ご飯で500円。なんど食べても飽きない、食感の妙と、タマゴの甘みとバターの塩の効いたモヤシを、麺と一緒にほおばる刹那、味の調和が口中に広がり、思い出すだけでも、舌の両脇から唾液がにじみ出てくる、文句なしに好きな味のラーメンでした。
残念ながら、いまはもうありません。自分で似たようなものを作ることは出来ますが、ラーメンの味もさることながら、いくら丁寧にヒゲとりしても、あのモヤシの食感とはどこか違うのです。

爆竹

2013-06-27 23:29:42 | 脱線して底抜け
あるコドモが、爆竹遊びに興じていました。
その他、平玉火薬や巻玉火薬、キャップ火薬などをつかったモデルガン、銀玉鉄砲も然り。
で、無反動砲という言葉を知り、鉄工所で貰ってきた、内径10ミリほどのシームレスパイプを使って、かんしゃく玉を入れ、反対側から、爆竹を入れて点火し、りゅうだんほう(榴弾砲)を目指しました。ガス抜けしないよう、かんしゃく玉を泥で覆ったり、ティッシュを詰めたり、いろいろ試行錯誤するなかで、万年筆のインクカートリッジのカラに、ほぐした黒色火薬と爆竹を詰め、装薬を増す工夫を始めました。
威力はともかく、結構派手な音がする”むはんどうほう”が出来ましたが、満足できず、尾栓を工夫することにしました、砲身用のパイプの外径に合うパイプを入手し、砲身の片側をハンダとビスで塞ぎ、砲身の後ろ側にエキストラクターのような切り欠きを開け、外側のパイプをスライドさせて開閉器としました、弾は、かんしゃく玉でなく、砲弾型のプラスチックを削って内径にあわせ、徹甲弾としました。最初、石膏の型にハンダを流し込んで作った鉛玉は、重すぎるのか、砲身のパイプを膨らませたりするだけで、実用性に乏しかったからです。点火は導火線でしたから、発射までは結構時間がかかりますが、プラスチックの弾は、最終的には、少年ジャンプ一冊を打ち抜くまでに威力が上がりました。コドモながらになんてものを作ってしまったんだろう、と感じましたが、その後は雷管式への改良を目指しました。結局、雷管式は実現せず、そのコドモの興味も他へ移ってしまったので、その砲はしばらく放っておかれ、錆だらけになって、捨てられました。

夏場対策

2013-06-16 20:01:01 | 脱線して底抜け
夏場対策と称して、いろんなグッズが売られています。
私も、夏バテこそしませんが、暑いと思考力が鈍り、食欲が増進するので、いろんな工夫をしています。
水分とミネラル補給は云うまでもないのですが、各種の気化熱を利用して温度を下げるスカーフ状、ヘッドバンド状のものにフツーに水分を含ませるだけでなく、肌に触れるところにシーブリーズを適量吹き付けておきます。
すると清涼効果が2倍(当人比)にも感じられ、心地よいです。
以前、ヘルメットや安全帯が必要な現場に入るとき、当然空調などもないので、ヘルメット内部のヘッドバンドにシーブリーズを吹き付けておく方法を教わって以来、いろんなもので試しています。
昨年、グランフロントの建設中のビジネス階からウメキタの俯瞰写真を記事に致しましたが、そのときも、ヘルメットはもちろん腰回りや両肩の下着の内側にも同様にして、荷役用エレベータが下手したら15分以上待たないと乗れないので、暑い中を、仮説階段などを使って長時間上り下りしなければならない状況に備えました。
そういえば、昔、探偵ナイトスクープというTV番組で、「アイヌの涙」というものをお風呂のお湯に入れると、いくら熱いお風呂でも、身体ががたがた震えるほど寒気を感じる、という内容を紹介していましたが、あの「アイヌの涙」の正体もハッカ油です。シーブリーズよりも何倍もキツいメントール効果がそのように感じさせるようです。

暑い環境で長時間耐えないといけない方、お試し下さい。

ひつまぶし

2013-06-14 22:51:36 | 脱線して底抜け
昔、この時期になると、名古屋西部のとある企業(と工場)によく訪れていたのですが、その際に初めて食して、一気にファンになったのが”ひつまぶし”。
関西地方ではひつまぶし(まむし)というと俗にうなぎまぶしという、ご飯の上にうなぎの蒲焼きを載せるだけでなく、ご飯の間にもうなぎをはさんだどんぶりのおひつバージョンですが、中部地方のひつまぶしは、そのおひつに加え、空のお茶碗、大量の薬味と山葵、鰹風味の熱い出汁の入った急須、お吸い物がセットになってきます。
”ひつまぶし”というのは「あつた蓬莱軒」の登録商標らしいのですが、まずおひつから1/4をそのままお茶碗によそって食べ、つぎに薬味と山葵で食べ、さらに、出汁をかけてお茶漬けで食べ、最後に一番気に入った食べ方で食べる、というのが常道らしいのです。私は1/3ずつ、最後にお茶漬けを食べるのが好みです。

鯛茶漬け、鰹のたたき茶漬け、しめ鯖茶漬けなどは食べたことがありましたが、このように、濃い味のついた焼き魚(?)を出汁茶漬けで食べるというのは、あまり経験が無く、その後、鮭の西京焼き、秋刀魚の蒲焼き、鯵の南蛮漬けなどでも試して、まぁまぁの結果を得ています。
なにより、うなぎやさんの場合、最低でも30分以上待たされるので、空腹と香りという調味料が加わり、余計に美味しく感じる部分もあるでしょう。
そういえば、食用のうなぎに欠かせない、シラスウナギの漁獲が壊滅的に減り、もしかしたら遠くない将来にはひつまぶしも食べられなくなるかもしれません。
小学生の頃、行動範囲のぎりぎりにあった、とある河口で、シラスウナギの個人漁をしていたじいさんが居まして、たまにノレソレっぽく生で喰わせて貰ったことがあるのですが、今なら、貴金属を食べているのと対して差異はない、ってことでしょうか。

クレルボ交響曲

2013-06-11 23:02:25 | 脱線して底抜け
フィンランドの作曲家、シベリウスの初期の交響曲です。
シベリウス自身は、まだ若い頃でもあるし、未完なところも見えていたのか、「独唱者と合唱、管弦楽のための交響詩」として譜面に記していたようですが、その内容、構成などから充分に合唱交響曲として認められている作品です。
このCDのライナーノーツに従い、”クレルボ”としましたが、現在では原語の発音にちかい、クッレルヴォ、クレルヴォと呼ばれることが多いようです。




フィンランドの国民的叙事詩、カレワラ(牧場の少女カトリなどで紹介されていました)のエピソード、剛力無双のクレルボについて唄われています。
不幸な境遇に生まれ育ち、剛力ばかりが空回りするクレルボが父に代わって務めを果たし、橇にのって旅する途中、3人の乙女に声をかけ、ことごとくふられてしまう。ところが3人目を無理矢理橇に乗せ、金銀を見せびらかして、籠絡し、思いを遂げた。ところがその乙女は、母とともに生き別れた妹で、彼女は身を投げて自殺してしまう。その後、クレルボは、父や自分の家系の簒奪者へ復讐を遂げるが、その部分は歌われず行進曲調の楽曲のみで表現される。怨敵を討ち果たしたクレルボは、妹が自害した水のほとりで胸を突いて自殺する。といった内容です。
音楽を言葉で表現するほど、難しいことはないので、この曲については興味のある方はCDなどを手にとって頂くとして、フィンランドについて少し触れたいと思います。
ご存じの方もおられると思いますが、北はラップランドから広がり、自国語では、国全体を指してスオミ、と言います。ジャパンと日本のような感じです。
カレワラはもともとは口伝の昔話で、19世紀に一人の医師によって、現在の形にまとめられました。柳田国男のとその著作のような感じです。ただ、その口伝説話の伝承されていた中心であるカレリア地方はほとんど旧ソ連に奪取されています。

ケケ・ロズベルグを嚆矢とするF1ドライバー、バタネン、マキネンなどのラリードラバーそしてノキアや高い教育水準でも知られていますが、私には、ラップランド地方、およびカレリア地方がスオミらしさであり、トゥオネラの白鳥などシベリウスの曲がそのイメージです。

関東ローム層

2013-05-24 23:23:35 | 脱線して底抜け
ある程度以上の年齢の方は、「富士山(や浅間山など他の火山も)の噴火した火山灰が積もって出来たのが関東ローム層である」と教えられ、富士山ってスゲェ~という感想を持ったりしていたはずです。実際、火山由来の成分が多く検出されるのは事実ですが、大きな噴火のない現在でも、毎年わずかずつ積もり増していくローム層の本質は、風により舞ったホコリの沈降だということです。冬の間、地衣、草が減り、また春になって緑に覆われる前に、比較的新しい表層の土壌が、風に舞い、偏西風などにのって、関東平野に運ばれてきたホコリ、それが関東ローム層形成の主役だと云われています。物理的(風の流体力学)に、広い平面に沈降した塵芥は吹き溜まりのように再度風に乗って舞う割合が少なく、静的な堆積となっていきます。あらためて考えれば自明の理であるような事柄ですが、よりダイナミックである火山灰の堆積という説明に惹かれるように、得心していたわけです。日本の地質学の草分けは、ローム層にしろ、フォッサマグナにしろ、海外から渡来した学者による貢献が大きかったようです。それも理由の一つとしてあるのかもしれませんが、正しくない風説が長い間訂正や再検証されずに事実として受け入れられてきた、ということであり、地質学に限らず、現在でも他の分野において、まだ、似たような事象が多くあります。

権瑞

2013-05-22 12:56:55 | 脱線して底抜け
ゴンズイ、漢字で書くと、なにやら和風の古式ゆかしい感じがする、ナマズ目(catfish)の海水魚です。
釣りでは外道、ダイビングをする人には幼魚が群れをなして玉の様にまとまって行動する”ゴンズイ玉”をつくる魚として知られ、強い毒を持つ魚でもあります。
同じようにヒレなどの棘に毒を持つ魚として知られる、オコゼやアイゴとちがい、食用にされることは、さほど多くはありませんが、ナマズ目だけあって結構おいしい魚で、煮付けや天ぷら、そして甘露煮は絶品だと思います。

堤防などにそって回遊する習性があるようで、以前釣りに行ったとある堤防で、ロープで何かを海中に沈めてあるのを見つけ、何だろうと思い引き揚げてみたら、50センチ角ぐらいの目の細かいカゴのなかに、ゴンズイがうじゃうじゃと捕らえられているのを見つけたことがあります。
毒魚だというのは知っていましたので、剣呑な思いですぐさま元に戻したのですが、それがきっかけで”食用になっておいしい”ということを知り、それ以降、外道でも持ち帰る様になりました。棘は大変鋭く、手袋など全く役に立たず、ナマズ目だけあって、ヌルニチャとして、掴みにくくもあり、釣れたらハリから外す前に、口にペンチを突っ込んだり、アイゴバサミで保持して、棘を切り落としておきます。
おそらくは、かなり生命力繁殖力が強い魚で、どこにでも居て、外道としての地位は揺らぐことがないように思います。



釣り用仕掛け巻きがチャリ行遠征に役立つ時

2013-05-20 23:31:05 | 脱線して底抜け
カラースポンジシートケース入りという商品があります。

ミチイトの先に付けるハリスやハリを絡まないよう巻いておくスポンジの板で、硬質なものに比べて、巻き癖がつきにくく、スポンジなのでハリ先をどこにでも引っかけられ、巻きやすく、外しやすい、結構便利な釣り道具の一つです。仕掛けを自作する釣り人はこんな仕掛け巻きを必ず持っています。

で、先日から導入したスマホ、通常は、XtremeMacのTaffwrapというケースカバーをつけて、ポケットにそのまま放り込んでいるのです。便利ではありますが、防水ではない本体が濡れるような懸念があるときに、もう一つケースが必要かと思っていろいろと物色していましたが、いかんせん、高い。タフラップも、一番の購入理由が叩き売りしていたから、なので、高価な商品には目もくれずにおりました。濡れる条件下で使用したいわけではないので、使い捨てタイプのカバーは趣旨に合わず、結局、上記のケースの方が、サイズぴったりだと言うことに気づき、流用することにしました。
チャリ行で、ヒップバックやバックポケットに入れる際、突然の雨に備え、また一緒に収納された固いものが当たっても、ディスプレイを保護する、という役割を充分果たしてくれます。
電話はBluetoothで繋いだチャリナビ(ガーミン)で受発信できるので、バックから取り出す必要も有りませんしナビは防滴対策済みですので、ほぼ目論み通りに使えます。
またナビと繋ぐと、ナビのマップに入った施設、お店などの電話番号がそのまま使えますので、これもすごく便利です。出先で、もし手持ちの道具では直せないようなトラブルが有ったとき、ナビで周辺の自転車屋を探し、ナビ経由で電話してからそこに行く、なんてことが、ごくフツーにできます。ナビとの連係はクルマでも当然便利に使えますので、どこでも彷徨うことができる、そんな時代になったんだなぁと、汗かきながら、走っています。

邦題

2013-05-13 23:52:09 | 脱線して底抜け
映画、小説、歌、演劇など古くから翻訳物の作品に親しんできました。
母国語のタイトルのままのもの、カタカナ表記にしたもの、直訳にしたもの、そして意訳、あるいは、一から創造したものまであります。
意訳以上のことをした作品には、印象に残っているものがけっこう有ります。
以前に少し紹介したフランシスの競馬シリーズを嚆矢にすると、かの菊池 光氏の名訳によるFor Kicksを”興奮”、Bankerを”名門”とタイトルしたあたり、上手いと感じさせます。ほかにはディックの”虚空の眼”など。音楽では古くはビートルズの”抱きしめたい”、”恋のアドバイス”、ピンクフロイドの原子心母、オジー・オズボーンの“暗闇にドッキリ!”など。映画では”グッドナイト・ムーン(原題Stepmom)”、”冷たい月を抱く女”、”天使にラヴソングを”たくさんあります。
こんなことをつらつらと考えていると、やたらと古い映画が見たくなってきました。
最近の映画は家でテレビで見るのが好きなのですが、古い映画はどっちかというと、映画館で見たいほうなので、困りものなのですが。

耳裏

2013-05-12 22:26:25 | 脱線して底抜け
翻訳小説や洋画でしばしば見掛ける表現で、”耳の裏側をよく洗う”というのがあります。
身だしなみの整ってない輩や、目下の者、あるいは見下したような感じで、その相手に向かって、よく発せられる言葉です。映画では破落戸ごろつき扱いされていたランボーが裸にされて、ホースで水をぶっかけられているときに、そのように囃したてられていたような記憶があります。

本邦でも、”加齢臭”が話題になるにつれ、その発生部位のひとつとして、よく取り上げられる場所ですが、まだ加齢臭などという言葉も知らない幼少の頃、なんで耳の裏側をよく洗わなければいけないのか、その表現に邂逅するたびに、疑問に感じていたものでした。体臭のきついアングロサクソンでは、自分で風呂に入れるようになった子供へのしつけとして、日常的に発せられる言葉のようです。